王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第5章

富みを取り上げることも得意な悪魔

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マモンは僕に宿を取るかして、まずは身なりを整えよっと言うので敵のことは一旦マモンに任せて言われた通り少し値の張る人で賑わっている宿にやって来た。

人が少ない所であれば、何かあった際に巻き込む人を減らせる利点があるが逆に顔や特徴を覚えられてしまい特定されやすいという欠点が発生する。



今僕が敵方に尾行されている様子はないが、既に狐族に顔を覚えられているので人が多く多数に紛れ込める環境の方がいいと判断した。
それに此処の宿に泊まる人物はそこそこお金を持っている平民。

つまり、腕に自信のある冒険者が多いのもこの宿を選んだ理由だ。




そこで久しぶりにお風呂に入って、服も新調した物に着替えると体が軽くなったような気がした。









「悪魔は美しいものを好む。協力関係を結ぶのならばより美しい者とがいい」

突如目の前に現れてニヤリと笑うマモンの顔面に向かって反射的に拳を叩きつけたが、マモンは黒い霧となって簡単に僕の拳を避けてしまう。

今になってマモンに手助けを乞うたことが不安になってきた…

マモンは富を生みだす悪魔だ。
今回の件で本当に助けとなってくれるのだろうか…





「私の息子の伴侶ならば常に美しくなくてはな。ではまずは奴等の資金源を潰そう」


何時の間にやら顔に保湿クリームを塗られ、ピカピカになった僕を満足そうに見て頷いたマモンは行ってくると言うとその場からパッと姿を消した。
























マモンが姿を消して3日後。

そろそろ宿を出て、回収している爆発物を証拠としてどうにか国王様達に提出しなければっと思い荷物を纏めているところにマモンがまたもや突如現れた。



「戻ったぞルナイス・ウォード。奴等の資金を全て巻き上げてやったからしばらくは動けんだろう。それから奴等の資金源の中にあったから持って帰ってきた。これらは回収しておいた方が君は喜ぶだろう?」


背後に突然現れたので後ろ蹴りを繰り出したのだけど、以前と同じように霧状となって避けられる。
しかも僕の足を気にした様子もなく喋り出し、空間にできた裂けめからぽいぽいぽいっと色んな種族の子供達を取り出してきた。

皆怯えた様子で、獣人の大きめな子が数人他の子達を守るように背後に庇っているが体はぶるぶると震えている様子からマモンにきちんと説明は受けていないことが分かる。



これでは誘拐された先で保護ではなくまたもや誘拐されたと思われていることだろう…





しかし、この子供達をマモンは資金源と表現したということは…この子供達は他国に奴隷として売られる予定だったと考えられる。
既に売られている子供もいる可能性があるけれど、この子達が売られる前に僕の所へ来たことはマモンのいう通り喜ばしいことだ。






「はぁ…初めまして。僕はルナイス・ウォード男爵夫人だ。君達を捕まえた者達の調査を担当していたアーナンダ国の者で君達は今国に保護されたと考えてもらっていい状況にある。僕の言っている意味が分かる?」


マモンを責めるに責めれない状況に息を吐き出してから、取り合えず怯えきっている子供達を落ち着かせるためにしゃがみ、自己紹介をする。

自分の目線の高さに合わせて話をかけられると少しは安心するということを僕は経験から知っているからマモンみたいに上から話しかけたりしないし、説明もなく掴み上げることもしないもんね。




「…わか…る。もう…だい、じょぶ?」


「ん。もう暴力を振るわれることも大きな声で怒鳴られることもないよ」


特に服の下に多くの傷を作っている獣人の子にそっと手を差し出すと、徐々に状況が理解でき、もう安心していいのだと思えたのかわっと泣いて僕の手にしがみついてきた。

頭を撫でてやりながら、こっそりと服の下の傷を確認すれば、獣人の子だから耐えられたくらいの深い傷であることが分かり怒りが湧いてくる。




魔力が揺らぐのをぐっと絶えて、子供達が落ち着いてから僕は一度爆薬と子供達を抱えて安全地帯へと転移した。






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