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囲いの中で
囲いの中で③
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「小井くん、連絡先交換しよ?」
「は?」
衛介が飲み物を買いに行ってる間に、知らない女子に声をかけられた。
なんで連絡先?
「えっと…なんで?」
「私、ずっと小井くんいいなって思ってて」
いいな?
「衛介じゃなくて?」
「椎名くんはかっこいいけど、その分付き合ったら気苦労が絶えなそうだし。その点、小井くんなら安心かなって」
「?」
よくわからない、
衛介がモテるから心配ってことかな。
でも、どうしよう。
衛介が戻ってくる前にちゃんと話をつけないと。
「でも俺、あなたのことなにも知らなくて…」
「これから知ってくれればいいよ」
「いや、でも…衛介がいいって言わないから」
「なんでここで椎名くんが出てくるの?」
「え?」
「私は小井くんと連絡先交換したいんだけど」
どういうこと?
衛介がいいって言わないと連絡先の交換はしちゃだめだろ。
「なにやってるんだ」
「!」
「あ、椎名くん。小井くんと連絡先交換しようって話してたの」
「は?」
「あー…っと」
どうしよう。
これ、大変なことになりそう。
「なんで尚紀がアンタと連絡先の交換をしないといけないんだ」
「アンタとか言わないでよ。小井くんはいいって言ったよ? ね?」
「!?」
言ってない!
全然一言も全く言ってない!!
「言うわけないだろ。尚紀に友人はいらない」
「友人じゃなくて、彼女候補?」
「!?」
彼女候補!?
なにそれ!?
「もっと必要ない」
「椎名くんは関係ないでしょ。これは私と小井くんの話」
「尚紀とアンタの話? ますます認めない。消えろ」
「はあ!? なんなの、さっきから。ちょっと小井くんもなんか言ってよ!」
「!?!?」
俺に振るなよ!
「小井くんだって出会い欲しいよね? 椎名くんとばっかじゃつまんないって言ってやんなよ」
「へえ…そうなのか? 尚紀」
「……」
衛介が怒ってる。
どうしよう。
こういうとき、どうしたいい…?
「あの、衛介が怒ってるから…」
「だからなに? 椎名くんは椎名くん、小井くんは椎名くんじゃないでしょ?」
「でも、衛介がだめって言うならやっぱりだめだから…」
俺の言葉に、女子は眉を吊り上げる。
「なにそれ! せっかく声かけたのに!」
「ごめ」
「尚紀が謝る必要ない。むしろアンタが謝れ」
「ふっざけんな! 怖っ、洗脳してんじゃないの?」
関わらないほうがよさそう。
そう言ってその女子は去って行った。
洗脳?
衛介を見上げる。
「ちゃんと断れて偉いな、尚紀」
「…うん」
頭をぽんぽんと撫でられる。
これが正しいんだよな…?
◇◆◇
洗脳ってなに?
なんかあぶない感じ。
「衛介、俺が寝るまでそばにいて」
「いいよ」
俺の部屋に一緒に来てくれて、ベッドに座って手も繋いでくれた。
「大丈夫だ、尚紀」
「うん…」
「普段ないことが起こって気持ちが落ち着かないだけだ。ゆっくり寝ろ」
髪を撫でてくれて、そっちの手も握ると微笑んでくれた。
衛介の両手を握って目を閉じる。
衛介の両手はなんのためにあるんだろう。
俺を守るためなんだろうか。
俺だけでいいんだろうか。
「なにも考えなくていい。尚紀は俺のそばにいろ」
ほんとにそれでいいのかな…。
なにも考えずに衛介に全部任せきりにしたツケが回ってきたような気がする。
急に足元がおぼつかなくなった感じ。
「衛介、俺…邪魔じゃない?」
「次それ言ったら怒るぞ」
「……ごめん」
衛介はちょっと怖いときもあるけど、俺を守ってくれる。
この手に全て委ねていたい。
だってそれが俺の生き方。
衛介が俺から手を離してしまったら、俺は呼吸の仕方さえわからなくなる。
ゆらゆら揺れて、どこに流れて行ったらいいかわからなくなる。
だからずっと、衛介の手の中で―――。
「は?」
衛介が飲み物を買いに行ってる間に、知らない女子に声をかけられた。
なんで連絡先?
「えっと…なんで?」
「私、ずっと小井くんいいなって思ってて」
いいな?
「衛介じゃなくて?」
「椎名くんはかっこいいけど、その分付き合ったら気苦労が絶えなそうだし。その点、小井くんなら安心かなって」
「?」
よくわからない、
衛介がモテるから心配ってことかな。
でも、どうしよう。
衛介が戻ってくる前にちゃんと話をつけないと。
「でも俺、あなたのことなにも知らなくて…」
「これから知ってくれればいいよ」
「いや、でも…衛介がいいって言わないから」
「なんでここで椎名くんが出てくるの?」
「え?」
「私は小井くんと連絡先交換したいんだけど」
どういうこと?
衛介がいいって言わないと連絡先の交換はしちゃだめだろ。
「なにやってるんだ」
「!」
「あ、椎名くん。小井くんと連絡先交換しようって話してたの」
「は?」
「あー…っと」
どうしよう。
これ、大変なことになりそう。
「なんで尚紀がアンタと連絡先の交換をしないといけないんだ」
「アンタとか言わないでよ。小井くんはいいって言ったよ? ね?」
「!?」
言ってない!
全然一言も全く言ってない!!
「言うわけないだろ。尚紀に友人はいらない」
「友人じゃなくて、彼女候補?」
「!?」
彼女候補!?
なにそれ!?
「もっと必要ない」
「椎名くんは関係ないでしょ。これは私と小井くんの話」
「尚紀とアンタの話? ますます認めない。消えろ」
「はあ!? なんなの、さっきから。ちょっと小井くんもなんか言ってよ!」
「!?!?」
俺に振るなよ!
「小井くんだって出会い欲しいよね? 椎名くんとばっかじゃつまんないって言ってやんなよ」
「へえ…そうなのか? 尚紀」
「……」
衛介が怒ってる。
どうしよう。
こういうとき、どうしたいい…?
「あの、衛介が怒ってるから…」
「だからなに? 椎名くんは椎名くん、小井くんは椎名くんじゃないでしょ?」
「でも、衛介がだめって言うならやっぱりだめだから…」
俺の言葉に、女子は眉を吊り上げる。
「なにそれ! せっかく声かけたのに!」
「ごめ」
「尚紀が謝る必要ない。むしろアンタが謝れ」
「ふっざけんな! 怖っ、洗脳してんじゃないの?」
関わらないほうがよさそう。
そう言ってその女子は去って行った。
洗脳?
衛介を見上げる。
「ちゃんと断れて偉いな、尚紀」
「…うん」
頭をぽんぽんと撫でられる。
これが正しいんだよな…?
◇◆◇
洗脳ってなに?
なんかあぶない感じ。
「衛介、俺が寝るまでそばにいて」
「いいよ」
俺の部屋に一緒に来てくれて、ベッドに座って手も繋いでくれた。
「大丈夫だ、尚紀」
「うん…」
「普段ないことが起こって気持ちが落ち着かないだけだ。ゆっくり寝ろ」
髪を撫でてくれて、そっちの手も握ると微笑んでくれた。
衛介の両手を握って目を閉じる。
衛介の両手はなんのためにあるんだろう。
俺を守るためなんだろうか。
俺だけでいいんだろうか。
「なにも考えなくていい。尚紀は俺のそばにいろ」
ほんとにそれでいいのかな…。
なにも考えずに衛介に全部任せきりにしたツケが回ってきたような気がする。
急に足元がおぼつかなくなった感じ。
「衛介、俺…邪魔じゃない?」
「次それ言ったら怒るぞ」
「……ごめん」
衛介はちょっと怖いときもあるけど、俺を守ってくれる。
この手に全て委ねていたい。
だってそれが俺の生き方。
衛介が俺から手を離してしまったら、俺は呼吸の仕方さえわからなくなる。
ゆらゆら揺れて、どこに流れて行ったらいいかわからなくなる。
だからずっと、衛介の手の中で―――。
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