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天空大陸~終わりの始まり
感動の再会。終わりの始まり。
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~ドワーフ国フェレイロから800メル海上~
『『『ザザァ…ン…』』』
ポチャン…ポチャ…ポチャン…
トプン…ドプ…ドボンッ!
『『『ゾブンッ!』』』
眩い光を放つドワーフ国とは対照的に、漆黒が支配している穏やかな海上に、空から水音と共に何かが着水。
海上は大きく波打つも、直ぐに穏やかさを取り戻す。
「ぅぅ…ぅ…どうして…どうして分かってくれないの…
私達はただ…生き地獄から私達を救ってくれたあの人にただ一言御礼を言いたいだけなのに…(【猜忌邪極ノ醒女】ミミシラ)」
「…ドワーフの方達は助けてはくれたけど、匿ってくれてた訳じゃないんだ…
囲ってただけだったんだ…俺達を【魔王】の所まで向かわせない為に…(【酷罰怨欲ノ復讐者】アーク)」
海上には油面の如くミミシラから溢れ出た"黒"が広がり、海に浮かぶ絨毯の様な役割を持って2人を支えていた。
"黒"の正体は、【聖女】から【猜忌邪極ノ醒女】へと変貌したミミシラの目から溢れる涙で、一体どういう性質を持っているかは全くの不明である。
ミミシラの隣に立つアークは、【勇者】から【酷罰怨欲ノ復讐者】へと変貌を遂げてはいるものの、外見からでは一体何が変化したのか全く分からなかった。
とはいえ、ドワーフ国王が懸念していた最悪の事態に発展する恐れが出てきたのである。
ポチャ…ボチャ…ドボンッ…
「ねぇアーク…私達がやろうとしている事は間違っているの?
人に、同族の人間に嬲られ、弄ばれ、何もかもを失った私達を救ってくれた方にただ一言御礼を言う事が!(ミミシラ)」
「そんな事無いよミミシラ…皆理解が及ばないだけ…
生き地獄の中を彷徨い続けた俺達の気持ちなんて誰も理解しちゃくれないんだ…(アーク)」
眼窩に巻かれ、"黒"によってどす黒く染め上がった包帯からより多くの"黒"が溢れる。
端からは、"見たくないものを見ない様にする為、自傷に自傷を重ね、変形しきって視力を失った眼球"がアークに向けられている。
誰にも理解して貰えず、ドワーフ国を飛び出したミミシラは悲観に暮れる。
アークは元【勇者】でありミミシラとは幼なじみでもある為、錯乱する彼女の理解者として支えていた。
【酷罰怨欲ノ復讐者】等という物騒な適正となりはしたが、彼にとっての復讐相手の殆どはもうこの世に居ない。
何なら【勇者】という適正を持ちながら、洗脳され何も出来ずにミミシラの純潔を散らされ続ける場面をただ眺める事しか出来なかった自分を恨んでいた。
「…天上におわすという神々は、私達がこうなっていても…
【聖女】と【勇者】という適正が変質してしまう程の境遇に晒されても、一言の助言も囁いて下さらないのですね…(ミミシラ)」
「……っ。(アーク)」
洗脳によって完全催眠下にあったアークと違い、【聖女】故の精神性によって信心深かったミミシラだが、ノアの様に実際に神々と対面した事も、話をした事も、天啓を授かった事も無かった。
精々が【聖女】という適正になった際、脳内に流れ込んできた〝【勇者】と共に【魔の王】を討つのです〟の一言のみ。
本来であれば【聖女】と【勇者】は、ノアの助力でもって心身共に強く成長し、最初の言葉通り【魔の王】を討つのだが、イレギュラーにイレギュラーが重なった結果が今なのだ。
この結果は、いくらノアの影響があったとて覆るレベルでは無いのである。
【…【酷罰怨欲ノ復讐者】に【猜忌邪極ノ醒女】。
なる程な、元が何なのか分かり難くなる程に適正が変質してしまったのだな。】
「っ!?(アーク)」
「こ、この声はっ!?(ミミシラ)」
悲しみに暮れるミミシラと塞ぎ込むアークの耳に聞き覚えのある声が響き、思わずその方向へと顔を向ける。
【会うのは2度目だな人間よ。
ドワーフの国を物理的に飛び出してきた様だが、行く当てが無いなら寄って行かんか?
元とは言え【勇者】と【聖女】としての役目を果たしに来た、という訳でもないのだろう?】
2人の頭上よりも高い位置に、どういった原理で浮いているか不明な【魔王】が腕組みして見下ろしていた。
「…っぐ、ふぅうっ…!(アーク)」
「グスッ…ふっ、ぐぅ…(ミミシラ)」
【…調子が狂う。
泣き崩れ一歩も動かぬのか、付いてくるのか決めろ。】
「「…、は、はい…」」
待ち焦がれていた人物の登場に、2人は直ぐ様同意し、【魔王】が開拓&実験場として占領している南獄大陸へと向かうのだった。
~南獄大陸~
『『『『コォオオオ…』』』』
漆黒に満ちた海から南獄大陸へと上陸すると、辺りは光に満ちていた。
街灯の様な淡く優しい光ではなく、太陽を直視したかの様な鋭く、瞼をも貫いてくる光の奔流が2人を包む。
『『『ゴゥンゴゥンゴゥン…』』』(海水を引入れるポンプ)
『『『バヂヂヂヂ…』』』『『『ゴボボボボ…』』』(電気分解中)
『『『『ギュギュゥウン…』』』』(HCSP-2700稼働音)
『カラン』『カシャン』『ガシャガシャ…』(カートリッジ生成)
「…辺りが白く染まっている…錬金術…?(アーク)」
「…凄い力の高まり…魔力とはどこか違う…(ミミシラ)」
【旧石器の時代からここまで引き上げるのに大分時間を要した。
これである程度自由に動けるというものだ。】
「「旧石…?」」
【聞いても理解出来んだろう話だ。聞き流せ。】
海岸線の砂浜を数歩歩みを進めると、ガラスの床が敷き詰められたエリアが一面に広がっていた。
そこかしこに大型錬金釜の様な装置や術式が組み込まれた設備が立ち並び、光と音を発しながら断続的に稼働していた。
そんな光景をアークは目を点にして、ミミシラは見えないので感覚的に感じ取っていた。
ギガガギ… チギギギ…
「うっ!?蟻の…モンスター!?(アーク)」
【敵では無い。
兵であり、働き手であり仲間だ。】
【魔王】が上陸するや、四方から働き蟻の『蟻竜兵スプラドルダート』が駆け付け、アークとミミシラの周りを囲う。
が、【魔王】は軽く手を翳して制すと周りの働き蟻は警戒を解いていた。
【礼を言っておけ?
"例の場所"からドワーフ国まで運んだのは奴等なのだからな。】
「"例の、場…"『『グェッ』』(ミミシラ)」
「『『ゥブッ』』ミミジ…ゥェッ…(アーク)」
【…"当時"を思い出すだけでコレか。
悪い事をしたな、人の子らよ。】
"例の場所"とは元【勇者】達と【魔王】が出会った凄惨な場の事。
思い出しただけで2人は体が拒絶反応を起こし、空っぽになった胃から胃液が逆流してきて膝をつく。
「ゲゥ……そ…ぐそ…ォ…!
…んで!何でこんな目に合わなきゃ…いけないんだ!ずっと訳の分からない事が起こっで俺達はただ巻き込まれただけじゃないかっ!
…ミミシラや皆なんて…取り返しがつかない事に…
あ゙あ゙っ!ぐぞ…ぅっ!
何が【勇者】だっ!
俺は…何も…何も…!(アーク)」
「落ち着…『『ゲロ…』』…大丈…『ェォ…』…から…落ち着…て、アーク『『ゴッ…』』!(ミミシラ)」
己の中に溜まっていた色々が嘔吐と共に吐き出され、半ば発狂気味のアーク。
自身も嘔吐が止まらないながらも安心させようと介抱するミミシラ。
色々と受け止められないままただ無情にも時だけ流れた結果、今を迎えてしまった様だ。
「…【魔王】…さん…
俺は貴方に感謝してるんです…感謝してるんですっ!
ぁ"あの地獄"から助け出して…『『ゲェ』』…助け出してくれた恩人ですからっ!
…でもそれ以上に憎んでいる!
俺は…俺を"この地獄"にぶち込みやがったあの野郎に復讐してやるつもりだった!
なのに…なのに!お前は国ごと消し飛ばしてくれやがった!
復讐すれば少しでも気が晴れ…る…な、なのに…
ぉ、俺、は、これから何にこの感情をぶつければ良いんだっ!(アーク)」
「ア、アーク…(ミミシラ)」
感謝と怒り、喜びと悲しみ等を混ぜ込んだ表情で声を荒げるアーク。
ミミシラも同じ気持ちだったのか、制する手が僅かに緩む。
そんな光景を見た【魔王】アクロスは
(【ふむ、人間を憎みに憎みきっている様子か…
"父親は生きてるぞ"と言うのは簡単だが、面白くない。
良い手駒として使えるか、とも考えたが"脆過ぎてどっちにも傾きやすい"。
…が、その傾きやすさを"利用"させて貰うとしようか…】)
冷静な面持ちで算段を立てていた。
【言い草の割に叶えたい行いは何とも小規模だな。
貴様等の怒りや苦しみ、恨み辛みは爺1人殺せば晴れる程度のモノなのか?】
「「!」」
【確かに貴様等がそうなったのは爺が元であろうが、"原因"は違うだろう?】
「「…っ?」」
膝をついて項垂れる2人を前に、言葉を紡ぐ【魔王】だが、頭の中がグチャグチャな2人は疑問符を浮かべている。
【"【神】が決めた【勇者】と【聖女】という適正のせいで今がある"のだろう?
爺が与太話で名を使っても天罰や贖罪の1つも課さない無能集団を引き摺り降ろそうとは考えないのか?】
『『『ザザァ…ン…』』』
ポチャン…ポチャ…ポチャン…
トプン…ドプ…ドボンッ!
『『『ゾブンッ!』』』
眩い光を放つドワーフ国とは対照的に、漆黒が支配している穏やかな海上に、空から水音と共に何かが着水。
海上は大きく波打つも、直ぐに穏やかさを取り戻す。
「ぅぅ…ぅ…どうして…どうして分かってくれないの…
私達はただ…生き地獄から私達を救ってくれたあの人にただ一言御礼を言いたいだけなのに…(【猜忌邪極ノ醒女】ミミシラ)」
「…ドワーフの方達は助けてはくれたけど、匿ってくれてた訳じゃないんだ…
囲ってただけだったんだ…俺達を【魔王】の所まで向かわせない為に…(【酷罰怨欲ノ復讐者】アーク)」
海上には油面の如くミミシラから溢れ出た"黒"が広がり、海に浮かぶ絨毯の様な役割を持って2人を支えていた。
"黒"の正体は、【聖女】から【猜忌邪極ノ醒女】へと変貌したミミシラの目から溢れる涙で、一体どういう性質を持っているかは全くの不明である。
ミミシラの隣に立つアークは、【勇者】から【酷罰怨欲ノ復讐者】へと変貌を遂げてはいるものの、外見からでは一体何が変化したのか全く分からなかった。
とはいえ、ドワーフ国王が懸念していた最悪の事態に発展する恐れが出てきたのである。
ポチャ…ボチャ…ドボンッ…
「ねぇアーク…私達がやろうとしている事は間違っているの?
人に、同族の人間に嬲られ、弄ばれ、何もかもを失った私達を救ってくれた方にただ一言御礼を言う事が!(ミミシラ)」
「そんな事無いよミミシラ…皆理解が及ばないだけ…
生き地獄の中を彷徨い続けた俺達の気持ちなんて誰も理解しちゃくれないんだ…(アーク)」
眼窩に巻かれ、"黒"によってどす黒く染め上がった包帯からより多くの"黒"が溢れる。
端からは、"見たくないものを見ない様にする為、自傷に自傷を重ね、変形しきって視力を失った眼球"がアークに向けられている。
誰にも理解して貰えず、ドワーフ国を飛び出したミミシラは悲観に暮れる。
アークは元【勇者】でありミミシラとは幼なじみでもある為、錯乱する彼女の理解者として支えていた。
【酷罰怨欲ノ復讐者】等という物騒な適正となりはしたが、彼にとっての復讐相手の殆どはもうこの世に居ない。
何なら【勇者】という適正を持ちながら、洗脳され何も出来ずにミミシラの純潔を散らされ続ける場面をただ眺める事しか出来なかった自分を恨んでいた。
「…天上におわすという神々は、私達がこうなっていても…
【聖女】と【勇者】という適正が変質してしまう程の境遇に晒されても、一言の助言も囁いて下さらないのですね…(ミミシラ)」
「……っ。(アーク)」
洗脳によって完全催眠下にあったアークと違い、【聖女】故の精神性によって信心深かったミミシラだが、ノアの様に実際に神々と対面した事も、話をした事も、天啓を授かった事も無かった。
精々が【聖女】という適正になった際、脳内に流れ込んできた〝【勇者】と共に【魔の王】を討つのです〟の一言のみ。
本来であれば【聖女】と【勇者】は、ノアの助力でもって心身共に強く成長し、最初の言葉通り【魔の王】を討つのだが、イレギュラーにイレギュラーが重なった結果が今なのだ。
この結果は、いくらノアの影響があったとて覆るレベルでは無いのである。
【…【酷罰怨欲ノ復讐者】に【猜忌邪極ノ醒女】。
なる程な、元が何なのか分かり難くなる程に適正が変質してしまったのだな。】
「っ!?(アーク)」
「こ、この声はっ!?(ミミシラ)」
悲しみに暮れるミミシラと塞ぎ込むアークの耳に聞き覚えのある声が響き、思わずその方向へと顔を向ける。
【会うのは2度目だな人間よ。
ドワーフの国を物理的に飛び出してきた様だが、行く当てが無いなら寄って行かんか?
元とは言え【勇者】と【聖女】としての役目を果たしに来た、という訳でもないのだろう?】
2人の頭上よりも高い位置に、どういった原理で浮いているか不明な【魔王】が腕組みして見下ろしていた。
「…っぐ、ふぅうっ…!(アーク)」
「グスッ…ふっ、ぐぅ…(ミミシラ)」
【…調子が狂う。
泣き崩れ一歩も動かぬのか、付いてくるのか決めろ。】
「「…、は、はい…」」
待ち焦がれていた人物の登場に、2人は直ぐ様同意し、【魔王】が開拓&実験場として占領している南獄大陸へと向かうのだった。
~南獄大陸~
『『『『コォオオオ…』』』』
漆黒に満ちた海から南獄大陸へと上陸すると、辺りは光に満ちていた。
街灯の様な淡く優しい光ではなく、太陽を直視したかの様な鋭く、瞼をも貫いてくる光の奔流が2人を包む。
『『『ゴゥンゴゥンゴゥン…』』』(海水を引入れるポンプ)
『『『バヂヂヂヂ…』』』『『『ゴボボボボ…』』』(電気分解中)
『『『『ギュギュゥウン…』』』』(HCSP-2700稼働音)
『カラン』『カシャン』『ガシャガシャ…』(カートリッジ生成)
「…辺りが白く染まっている…錬金術…?(アーク)」
「…凄い力の高まり…魔力とはどこか違う…(ミミシラ)」
【旧石器の時代からここまで引き上げるのに大分時間を要した。
これである程度自由に動けるというものだ。】
「「旧石…?」」
【聞いても理解出来んだろう話だ。聞き流せ。】
海岸線の砂浜を数歩歩みを進めると、ガラスの床が敷き詰められたエリアが一面に広がっていた。
そこかしこに大型錬金釜の様な装置や術式が組み込まれた設備が立ち並び、光と音を発しながら断続的に稼働していた。
そんな光景をアークは目を点にして、ミミシラは見えないので感覚的に感じ取っていた。
ギガガギ… チギギギ…
「うっ!?蟻の…モンスター!?(アーク)」
【敵では無い。
兵であり、働き手であり仲間だ。】
【魔王】が上陸するや、四方から働き蟻の『蟻竜兵スプラドルダート』が駆け付け、アークとミミシラの周りを囲う。
が、【魔王】は軽く手を翳して制すと周りの働き蟻は警戒を解いていた。
【礼を言っておけ?
"例の場所"からドワーフ国まで運んだのは奴等なのだからな。】
「"例の、場…"『『グェッ』』(ミミシラ)」
「『『ゥブッ』』ミミジ…ゥェッ…(アーク)」
【…"当時"を思い出すだけでコレか。
悪い事をしたな、人の子らよ。】
"例の場所"とは元【勇者】達と【魔王】が出会った凄惨な場の事。
思い出しただけで2人は体が拒絶反応を起こし、空っぽになった胃から胃液が逆流してきて膝をつく。
「ゲゥ……そ…ぐそ…ォ…!
…んで!何でこんな目に合わなきゃ…いけないんだ!ずっと訳の分からない事が起こっで俺達はただ巻き込まれただけじゃないかっ!
…ミミシラや皆なんて…取り返しがつかない事に…
あ゙あ゙っ!ぐぞ…ぅっ!
何が【勇者】だっ!
俺は…何も…何も…!(アーク)」
「落ち着…『『ゲロ…』』…大丈…『ェォ…』…から…落ち着…て、アーク『『ゴッ…』』!(ミミシラ)」
己の中に溜まっていた色々が嘔吐と共に吐き出され、半ば発狂気味のアーク。
自身も嘔吐が止まらないながらも安心させようと介抱するミミシラ。
色々と受け止められないままただ無情にも時だけ流れた結果、今を迎えてしまった様だ。
「…【魔王】…さん…
俺は貴方に感謝してるんです…感謝してるんですっ!
ぁ"あの地獄"から助け出して…『『ゲェ』』…助け出してくれた恩人ですからっ!
…でもそれ以上に憎んでいる!
俺は…俺を"この地獄"にぶち込みやがったあの野郎に復讐してやるつもりだった!
なのに…なのに!お前は国ごと消し飛ばしてくれやがった!
復讐すれば少しでも気が晴れ…る…な、なのに…
ぉ、俺、は、これから何にこの感情をぶつければ良いんだっ!(アーク)」
「ア、アーク…(ミミシラ)」
感謝と怒り、喜びと悲しみ等を混ぜ込んだ表情で声を荒げるアーク。
ミミシラも同じ気持ちだったのか、制する手が僅かに緩む。
そんな光景を見た【魔王】アクロスは
(【ふむ、人間を憎みに憎みきっている様子か…
"父親は生きてるぞ"と言うのは簡単だが、面白くない。
良い手駒として使えるか、とも考えたが"脆過ぎてどっちにも傾きやすい"。
…が、その傾きやすさを"利用"させて貰うとしようか…】)
冷静な面持ちで算段を立てていた。
【言い草の割に叶えたい行いは何とも小規模だな。
貴様等の怒りや苦しみ、恨み辛みは爺1人殺せば晴れる程度のモノなのか?】
「「!」」
【確かに貴様等がそうなったのは爺が元であろうが、"原因"は違うだろう?】
「「…っ?」」
膝をついて項垂れる2人を前に、言葉を紡ぐ【魔王】だが、頭の中がグチャグチャな2人は疑問符を浮かべている。
【"【神】が決めた【勇者】と【聖女】という適正のせいで今がある"のだろう?
爺が与太話で名を使っても天罰や贖罪の1つも課さない無能集団を引き摺り降ろそうとは考えないのか?】
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