ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

おかえり

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「お!さっき入ってった坊主じゃないか!おかえり。初心者向けとは言え1人じゃあ大変だろう?」


「あ、いえ。貰った鞄が一杯になったので戻ってきました。」


現在ノアは手に『薬草』の束を持ちダンジョンの入り口に立っている。
流石に鞄に入れられなかったウルフを引きずって来るわけにもいかなかず鞄の中の『薬草』と入れ替え、来た道を走って戻る。
<道案内>のお陰で道に迷わなくて済んだ。


「…ほう、この短時間で何採って来たんだい?」

「薬草3種類とウルフ8頭です。出来れば一時的に預けられる所か解体場とかあれば助かるのですが…」

「ウルフ8!?」

驚く兵士さんの前で鞄からウルフを1頭取り出す。

「…確かに嘘はついてない様だな…えーっと、おぅ!ズゥ!悪いが少しここ任せても良いか?」

ズゥと呼ばれた兵士は手で了承の意を返す。


「ちょっくらこの坊主を解体師のバラスの所に連れていくわ!よし!坊主着いてきな。」


歩き出す兵士さんの後をつける。向かった先はダンジョン入り口の門を出て直ぐの小屋。


「よし!今から解体依頼の流れを説明するぞ?ダンジョンから戻ってきて解体を頼むならここへ来な。中に入りゃ誰かしらいる。
そいつに冒険者カードを見せて確認取れたら依頼内容を伝えな!
完了したら冒険者ギルドに行って職員に報告、後は好きな時にギルドに寄れば依頼料、解体料、諸々引かれた額を手渡される。良いか?」


「はい、分かりました。」

「今回は初めてだからとりあえず俺が対応する。次回からは自分でやるんだぞ?おーい!バラスさんいるかい?」

兵士さんと一緒に中に入る。中は長机の作業台が2台と奥にカウンターがあるだけの簡単な作りだ、解体小屋の割に血の匂いは少なく、いつも清潔にしていることを伺える。
周囲を見渡すとエプロンをつけた黒髪の女性が1人作業台を拭いていた。


「大声を出さなくても聞こえてるわよ。あら、見ない顔ね。新人さん?」


「今日この街に来たノアと言います。ウルフの解体依頼に来ました。」


「今日来て早速ダンジョンに入ったのね~とりあえず状態を見たいから鞄から出して貰って良いかしら?」

促されてノアは鞄を開け「ウルフ」と唱えると鞄から少し離れた所に魔方陣の様なものが浮かび、ウルフの脚がにゅっと出てくる。
ノアは脚を掴み引き出したウルフを作業台に置く。

「あら?」
「な…」

バラスさんと兵士さんが同時に呟く。
気にはなったがとりあえずウルフ8頭を取り出し作業台に並べる。


「これで全部です。」


と伝えるがバラスさんはウルフを見てうっとりとし、兵士さんは首の断面を見て何か唸ってる。

(そこ、ずっと眺める様な所じゃないですよ…)


何とも言えない空気が流れていたが兵士さんが口火を切る。

「坊主、首ぶった斬ったのは勿論お前さんだよな?」

「はい。」

「断面が綺麗過ぎる…一撃で、しかも余裕で振り抜く程の力でやらなきゃこうはならない…」


「良いわぁ…皮に傷ついてないし…内臓も傷めてない…骨も無事…新鮮その物じゃない…それを8頭もバラせるのねぇ…」

バラスさんがウルフの表面を指でつつつと撫でながら小声で呟く。
うっとりとした表情のままノアの方を向く。


「ねぇノア君…またモンスターを狩ってきたら私にバラさせて貰って良いかしら?他の職員には私から伝えておくから…ね?」


「はい…分かりました…」

背筋にゾクリとした感覚が走る。

(何か断ると良からぬ事が起きそうな気がする…だって<虫の知らせ>が発動しているのだから!)


<虫の知らせ>…判断を間違うと良くない事が起きそうな時に発動する直感スキル。


「よし!バラスさん!俺はこの坊主を冒険者ギルドに連れてって解体依頼の手続きを教えに行くから解体の方は任せますぜ!」


「まっかせなさ~い!腕によりをかけて剥ぐわね。」


大急ぎで解体小屋から脱出するノアと兵士。


「バラスさんは性格…趣味趣向はアレだが腕は確かだ。良かったな、気に入られたようだぞ。」


(バラスさんに気に入られるのは良いことなのだろうか…)


引っ掛かる事はあるが2人は冒険者ギルドに向かう。
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