ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

『オードゥス』定例報告会

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「第、え~…何回かの『オードゥス』定例報告会を始めます。」


ノアが薬草小屋の工房で作業を行っていた時と時を同じくして冒険者ギルドの2階では各施設の職員による定期的な報告と相談等を行う会議が開かれていた。
冒険者ギルド長のエメラルダは毎年この時期になると新人冒険者の対応、それによる弊害等に頭を悩ませている。
その上前日に来たある冒険者の事が原因で一切寝ていない。


「最近働き詰めだぞエメラルダギルド長、ちったぁ休めよ。」

「そう思うんだったら1日で良いからギルド長変わってよデオ!」

「止めとけ止めとけ、デオがギルド長なんかやったら顔見ただけで新人冒険者がびびって誰も来なくなっちまうよ。」

「うっせぇぞ!ガーラ!ガタイ的には一番ギルド長してんのはお前なんだぞ!」

「俺がやったらむさ苦しくなって商人すら来なくなるっつってエメラルダ推したのはデオだろがぁ!」

既製品武器屋のガーラとオーダーメイド武器屋のデオの言い争いが始まる。
だが見馴れた光景なのか周りの職員は特に気にする様子はない。



「えー…あの2人は置いといて、今年も新人冒険者は日を追う毎に増えていってます。情報屋さんの仲間からの報告によると今日もこちらに5人来るそうです。内2人は注意してくれとの事です。」

エメラルダギルド長は報告を続ける。

「次に毎年の事ですが原材料不足の問題です。今年は中級冒険者が出払っているので去年より深刻です。」


「皮の在庫は多少あるが、そろそろ鞣さねぇと防具、皮製品、王都への支給を止めなけりゃならねぇぜ!」

言い争いから復帰したガーラが報告する。

「ギルドでも依頼出してんだろ?」

「出してはいますが…傷が酷かったり、未達成だったりとで全くと言っていい程足りてません。」


新人冒険者にうってつけの街、聞こえは良いがつまりは新人冒険者しかいない街とも言える。
ある程度馴れた冒険者はより良い素材、良い装備を求め大きな街に向かう。
ダンジョンが隣接した街なので稼ごうと思えば稼げるが、そうするには量を稼がなければならない。
中途半端に対処に困るウルフの群れを討伐して小金を稼ぐのと魔獣1頭をパーティで連携して討伐して大金を稼ぐのとではほとんどが後者だろう。

「ねぇ~、ちょっと良いかしらエメラルダさ~ん。」

「何でしょう…バラスさん…」

「昨日の夜中の事だからまだ報告行ってなかったらごめんなさいね~
昨日新人冒険者が『ウルフ』18頭、『鹿』3頭『野鳥』8羽の解体依頼を出してきたの。その子に依頼出してみたらどぉ~お~?」


「そういや、昨日の夜中にウチの店員が慌てて店出てったなぁ。あれそう言うことか。」

ガーラが夜中にあった出来事を思い出す。

「どこも切羽詰まってたから是が非でも欲しかったんだろ。そろそろ報告に来ると思うぜ。」

と言うデオの発言の後、ギルド長室の扉が開く。

「申し訳ありません。ギルド長。解体小屋での大量の解体依頼を聞き付けた各施設の店員からの陳謝状が来ています。」


普通であればギルドを通して素材を購入するものだがそれを破ってまで購入する。それほど供給が間に合っていないのだ。


「平時にやられると困りますが今はこんな時です不問とします。それでバラスさんそのパーティは何「1人だよ。」」


今の今まで黙って話を聞いていたレーヴァが口を出す。

「1人でその量を捕った。その坊や…ノアって子の荷物持ちをやったからあたしが保証するよ。」

「ノア…あれ?」
「そ~そ~ノア君。」
「ノア、かぁ!」
「あの坊主か。」

エメラルダ、バラス、デオ、ガーラがそれぞれ反応する。

「皆さんは面識があるのですか?」

エメラルダが周囲の職員に聞く。

「ウチに良い素材を持ってきてくれたのよ~」
「近々武器の製作依頼に来るだろうよ!」
「あの坊主、片手で店の大剣持ちやがったぜ。ハハッ」

各々の話を聞き、どこか腑に落ちた顔をするエメラルダ。その表情に気付くデオ。


「どうしたよ?エメラルダ。」


「…今から話す内容はここの職員及び関係者のみの間だけの事に限定させて貰います。」


突然のエメラルダの対応にだらけていたデオでさえ真面目な態度を取る。


「昨日彼が冒険者登録に来た際別の職員が対応してました。呼び出しがあったので自分の方で対応に向かった時見たこと無い【適正】と<スキル>の数に水晶の故障だろうと判断し、私の方でも<鑑定>を使用しました。
しかし結果は同じ…そして皆さんの話を聞いて合点が行きました。コレがその時の<鑑定>結果です。」


エメラルダはその時のメモを見せる。


「「「………………。」」」


ギルド長室内が静まり返る。【適正】の意味は分かるが所持している者など聞いた事がない。
そして何より所持している<スキル>の数もおかしかった。

「なるほどねぇ…であればあの戦い振りも納得だわね…」

一番近くで戦いを見ていたレーヴァがその時の光景を思い出す。

「あの坊やは昨日上層1階の探索を終えたばかりだ2階3階の探索も引き続きやるだろう。
それとなくギルドの依頼を受けるよう誘導しとこうか?」


「…お願いします…ただ「無理はさせないから安心しな。」」


「あの坊やはそこまで無茶する子じゃあ無いよ。」


ギイィッ

その時ギルド長室内に1人ある人物が扉を開けて入ってきた。
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