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旅立ち~オードゥス出立まで
目の前の少年
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ベルドラッドは目の前の少年から良からぬ気配が立ち始めている事を察知し必死にノアから拳を外そうともがく。
先程まで微かに動かせた両拳も今となっては身動ぐ事すら困難になった。
ふとノアに目をやると体から赤黒い闘気の様な物が立ち昇り、それと同時に強い殺気が放たれる。
「『俺』はさっきからうんざりしていたんだ、お前は『俺』が、穏便に事を運ぼうとしていたのを無視して戯れに『俺』と闘いたいだと?」
怒気を帯びた表情で睨み付けるノアにベルドラッドは困惑する。
「お前のご要望にお答えして『俺』が出て来てやった。どうした?『俺』から逃れてみろ、抗ってみろ。それともお前がさっき言った言葉をそのまま返そうか?
『お前の実力を見ておきたいからな。多少は楽しませてくれ。』」
そう言い放ち両拳を掴んだままノアはベルドラッドの脇腹に凄まじい速度の中段蹴りを打ち込む。
バヂュン! 「う!ごばぁっ!」
重量感のある鞭で叩かれた様な音が周囲に鳴り響く、ベルドラッドは体内で何かが破裂する様な感覚と何かが砕かれる感覚を抱く。
蹴られた直後からベルドラッドの口から夥しい量の血を吹き出した。
「ま、まずい!」
ベルドラッドの状態に観客席にいた隊員達が席を立つ。何人かは回復魔法の詠唱を開始する。
一方ノアは拳から右手を外し固く握る。
「脆いな…よくこの程度で『俺』と闘いたい等とほざいたな…ほら、次で終わらせてやるからさっさと施せ。」
膝から崩れ落ちている状態のベルドラッドは息も絶え絶えながら<頑強><鉄壁><堅牢><物理障壁><鎧化>を同時発動する。
ズドン! 「……。」 ズチャッ!
腹部にハンマーを叩き込んだ様な鈍い音が響きベルドラッドは無言で崩れ落ちる。
直ぐ様隊員達がベルドラッドの元に到着すると同時に詠唱が完了した各回復魔法が次々施される。
<高位治癒術(ハイキュア) >
<高位施術(ハイトリート)>
<身体強化(フォースメント)>
未だに赤黒い闘気を立ち昇らせているノアは少し離れた所に立つ。
隊員達がノアの方を見る
「安心しろ『俺』からは殺すなと言われてるのでな、内臓破裂程度で抑えてある。
次また挑んで来るようであれば本当に殺すと伝えておいてくれ。」
そう言い残し観客席の方に向かうと全員が無言でノアを迎える。
クロラの方を見ると一瞬ビクッと体を震わす。その反応にノアは目を伏せその場を離れようとする。
「おかえりなさい、ノア君お疲れ様。」
ノアの手を握り労いの言葉を掛ける。ノアは少し逡巡した後クロラの横に座る。
「『俺』は優し過ぎる嫌いがある、最近は専らお前さんに気を遣ってる様でな、『俺』が困った時は助けてやってくれ。」
そう言うとノアの体から赤黒い闘気は消え、急激な虚脱感が襲い席から崩れ落ちそうになる。
「くっ…余計な事を…」
クロラがノアの体を支え席に引き上げる。
「ごめん…今反動が来てて…」
「大丈夫、安心して。」
そう言いノアの頭を自分の膝に持っていく。
思う様に体が動かないノアは焦りつつもなすがままにされる。
「お疲れ様にゃ、ノア君。」
「あー…お疲れ様ですライルさん、やり過ぎちゃいましたよね?」
「うんにゃ、元々あっちから仕掛けてきた事にゃ、王都への報告にもちゃんと書いておくから問題にゃいにゃ。」
ライルさんから気になっていた所を聞けて一安心のノア。
「ノア様お疲れ様でした。その…凄いですね…あの…」
「まぁ一応加減してくれたみたいですから大丈夫でしょう。」
その発言にその他の冒険者の顔は「あれで?」とでも言いたげな顔をする。
すると皆の視線の先で隊員達に囲まれていたベルドラッドが身動いでいるので一応無事ではあるらしい。
暫くしてノアがクロラの膝から起き上がる。
「ノア君、もう大丈夫なの?」
「ええ、何とか…ありがとうございます。」
のっそりと立ち上がるとベルドラッドの方に向かう。するとベルドラッドも大方回復したのかふらつきつつも立ち上がる。
「…俺は、助かったのか?」
「ええ、大分手加減して貰いましたから…念を押しますけど再戦申し込むとか言わないで下さいよ。」
ノアの発言を聞き無言で首を縦に振る。
「隊員から聞いたよ…今度挑もうものなら確実に殺すと言われたら口が裂けても言わんよ。」
ベルドラッドは深く息を吐く。
「少しふざけ過ぎた様だな、本来の目的を見失っていた。隊員達もすまないな、こんな事に付き合わせてしまった。
予定だと今どの辺りだ?」
隊員達に向け調査の行程を聞くベルドラッド。
「予定ですと今中層1階で調査を開始する所かと…」
「しまった、遊び過ぎたな急「それなら安心しな!」」
声のする方を見るとデオが立っていた。
「おう、ベル!老けたな!」
「何だデオか…安心しろとは?」
「そのままの意味だ、お前ん所の別動隊に言って中層に向かって貰ってるぜ!」
「んな!?何を勝手に…隊員がお前の指示に従う訳無いだろう!」
「ベルドラッドなら試合場で調査と言う名の余興で忙しいから先行っててくれ、って言ったら皆納得して向かってくれたぞ。良かったな、信頼されてるじゃねぇか。」
「それは信頼されてるとは言わん!」
デオはベルドラッドの反論を無視し隊員達に伝える。
「つー訳だ!別動隊の任務の腑分けを代わりにやってくれとよ!」
「腑分け?」
クロラが聞き慣れない単語に疑問を呈する。
それに答えるのはエメラルダだ。
「普通の方はあまり聞かない言葉ですものね。要は解体の事です。
今回ノア様が討伐した女鏖蜂や鎧蜂、苦万蜂に至るまで全て有用な素材です。
もちろんノア様の許可を頂いてからですがね。」
「それならお願いします。正直言って苦万蜂とか鎧蜂はまだしも女鏖蜂の素材って何に使うか見当もつかないので…」
ノアから言質を取ると調査隊員、職員が色めき立つ。
ノア含めて周りの冒険者が「どしたの?」みたいな顔をしているとデオがニヤニヤしながら告げる。
「おう新人共、暇ならこれから街の門の外に出ときな!戦争が始まるぜ!」
(え!?戦争?)
先程まで微かに動かせた両拳も今となっては身動ぐ事すら困難になった。
ふとノアに目をやると体から赤黒い闘気の様な物が立ち昇り、それと同時に強い殺気が放たれる。
「『俺』はさっきからうんざりしていたんだ、お前は『俺』が、穏便に事を運ぼうとしていたのを無視して戯れに『俺』と闘いたいだと?」
怒気を帯びた表情で睨み付けるノアにベルドラッドは困惑する。
「お前のご要望にお答えして『俺』が出て来てやった。どうした?『俺』から逃れてみろ、抗ってみろ。それともお前がさっき言った言葉をそのまま返そうか?
『お前の実力を見ておきたいからな。多少は楽しませてくれ。』」
そう言い放ち両拳を掴んだままノアはベルドラッドの脇腹に凄まじい速度の中段蹴りを打ち込む。
バヂュン! 「う!ごばぁっ!」
重量感のある鞭で叩かれた様な音が周囲に鳴り響く、ベルドラッドは体内で何かが破裂する様な感覚と何かが砕かれる感覚を抱く。
蹴られた直後からベルドラッドの口から夥しい量の血を吹き出した。
「ま、まずい!」
ベルドラッドの状態に観客席にいた隊員達が席を立つ。何人かは回復魔法の詠唱を開始する。
一方ノアは拳から右手を外し固く握る。
「脆いな…よくこの程度で『俺』と闘いたい等とほざいたな…ほら、次で終わらせてやるからさっさと施せ。」
膝から崩れ落ちている状態のベルドラッドは息も絶え絶えながら<頑強><鉄壁><堅牢><物理障壁><鎧化>を同時発動する。
ズドン! 「……。」 ズチャッ!
腹部にハンマーを叩き込んだ様な鈍い音が響きベルドラッドは無言で崩れ落ちる。
直ぐ様隊員達がベルドラッドの元に到着すると同時に詠唱が完了した各回復魔法が次々施される。
<高位治癒術(ハイキュア) >
<高位施術(ハイトリート)>
<身体強化(フォースメント)>
未だに赤黒い闘気を立ち昇らせているノアは少し離れた所に立つ。
隊員達がノアの方を見る
「安心しろ『俺』からは殺すなと言われてるのでな、内臓破裂程度で抑えてある。
次また挑んで来るようであれば本当に殺すと伝えておいてくれ。」
そう言い残し観客席の方に向かうと全員が無言でノアを迎える。
クロラの方を見ると一瞬ビクッと体を震わす。その反応にノアは目を伏せその場を離れようとする。
「おかえりなさい、ノア君お疲れ様。」
ノアの手を握り労いの言葉を掛ける。ノアは少し逡巡した後クロラの横に座る。
「『俺』は優し過ぎる嫌いがある、最近は専らお前さんに気を遣ってる様でな、『俺』が困った時は助けてやってくれ。」
そう言うとノアの体から赤黒い闘気は消え、急激な虚脱感が襲い席から崩れ落ちそうになる。
「くっ…余計な事を…」
クロラがノアの体を支え席に引き上げる。
「ごめん…今反動が来てて…」
「大丈夫、安心して。」
そう言いノアの頭を自分の膝に持っていく。
思う様に体が動かないノアは焦りつつもなすがままにされる。
「お疲れ様にゃ、ノア君。」
「あー…お疲れ様ですライルさん、やり過ぎちゃいましたよね?」
「うんにゃ、元々あっちから仕掛けてきた事にゃ、王都への報告にもちゃんと書いておくから問題にゃいにゃ。」
ライルさんから気になっていた所を聞けて一安心のノア。
「ノア様お疲れ様でした。その…凄いですね…あの…」
「まぁ一応加減してくれたみたいですから大丈夫でしょう。」
その発言にその他の冒険者の顔は「あれで?」とでも言いたげな顔をする。
すると皆の視線の先で隊員達に囲まれていたベルドラッドが身動いでいるので一応無事ではあるらしい。
暫くしてノアがクロラの膝から起き上がる。
「ノア君、もう大丈夫なの?」
「ええ、何とか…ありがとうございます。」
のっそりと立ち上がるとベルドラッドの方に向かう。するとベルドラッドも大方回復したのかふらつきつつも立ち上がる。
「…俺は、助かったのか?」
「ええ、大分手加減して貰いましたから…念を押しますけど再戦申し込むとか言わないで下さいよ。」
ノアの発言を聞き無言で首を縦に振る。
「隊員から聞いたよ…今度挑もうものなら確実に殺すと言われたら口が裂けても言わんよ。」
ベルドラッドは深く息を吐く。
「少しふざけ過ぎた様だな、本来の目的を見失っていた。隊員達もすまないな、こんな事に付き合わせてしまった。
予定だと今どの辺りだ?」
隊員達に向け調査の行程を聞くベルドラッド。
「予定ですと今中層1階で調査を開始する所かと…」
「しまった、遊び過ぎたな急「それなら安心しな!」」
声のする方を見るとデオが立っていた。
「おう、ベル!老けたな!」
「何だデオか…安心しろとは?」
「そのままの意味だ、お前ん所の別動隊に言って中層に向かって貰ってるぜ!」
「んな!?何を勝手に…隊員がお前の指示に従う訳無いだろう!」
「ベルドラッドなら試合場で調査と言う名の余興で忙しいから先行っててくれ、って言ったら皆納得して向かってくれたぞ。良かったな、信頼されてるじゃねぇか。」
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デオはベルドラッドの反論を無視し隊員達に伝える。
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「腑分け?」
クロラが聞き慣れない単語に疑問を呈する。
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