ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

いつまで来るんだ

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「くそ!このウルフ共はいつまで来るんだ!」

33頭目のウルフを倒した時にベルドラッドが愚痴ったのがこの一言。

「はは、良いじゃないですか、昨日はこの倍の数捌いてたんでそれに比べりゃまだマシですよ…
それにモンスターの内容に変化が出てきた様です。」

ノアの<気配感知>にはウルフに紛れて猪と厄介な事に苦万蜂が数匹紛れていた。

「ウルフはもうじき終わりますが、これから猪が8、苦万蜂が4やって来る!
弓持ちや遠距離攻撃可能な者は速攻で落としてくれ刺されたら悲惨な事になるぞ!」

ノアの発言の後クロラの元にいたポーラが声を上げる。

「なら私がアイシクルレインで動きを止めるからクロラや他の弓持ちの方!トドメお願い!」

ポーラの発言に周囲の弓持ちが頷く。

「ロゼ、ジェイル!虫系はなかなかしぶといから苦万蜂を射ち落とした後完全に頭を切り落としてくれ!」

「分かった。」

「りょーかい。」

フゴォオオオ!

大体の戦術が決まった所で猪の群れがやって来る。

「ベルドラッドさん!アルキラーさん!そちらの方で猪5頭任せても良いですか?」

「おうよ!やっと殴り甲斐のありそうな奴が来たな!」

「ああ、任された!」

猪の大半を託したノアはウルフに接近、飛び掛かってきたウルフ2頭の首を一振で撥ねる。
残った1頭は後続の猪の群れの陰に隠れた様だがその猪ごと蹴り飛ばして纏めて下敷きにし、身動きが取れなくなった2頭の首を一緒に撥ねる。

ノアの前に猪2頭が佇んでいる、どうやら仲間が次々瞬殺されている事に呆然としている様だ。
その隙を見逃さず接近し、がら空きの首目掛け二刀を振るう。

元の立ち位置まで2頭の死体を運んでいる時だった。

「ポーラ!そろそろ苦万蜂が来る!準備は良いな?」

「ガッテン承知!」

ポーラが謎のポーズを行った後坂から苦万蜂が姿を現す、既に入口の真上に靄の様なモノが展開されており、苦万蜂が通り過ぎようとした瞬間

『アイシクルレイン!』

氷柱が苦万蜂に降り注ぎ、氷柱が触れた所から徐々に凍り付いていく。
苦万蜂の動きが鈍った所で弓持ちらが射る。
見事4匹共地面に落下。

「2人共頼む。」

直ぐにジェイルとロゼが駆け寄り剣を突き立て、頭を外す。

「ふぅむ…硬いな…
すまない、ポーラ!俺とロゼに<身体強化(フォースメント)>を!ロゼには<回復魔法>も追加で頼む!」

「あいさー!」

「ジェイル、別にあたし怪我してないよ?」

「さっきウルフが体当たりした所庇っていただろう?」

「ぐぬぬ…」

「あとクロラ。そろそろ矢の残りが無くなりそうじゃないか?」

「え?あ!?本当だ!ごめん気付かなかった。」

「僕のを使うと良いよ。」

ノアは自分の矢筒をクロラに渡す。

(へぇ、周りを良く見て指示を出してるな…ちゃんとリーダーしてるねぇ。)

とリーダーっぷりをまじまじと見ていたらジェイルに気付かれた。

「どうしたノア君?」

「いやなに、あまりパーティ行動中のジェイルを見てなかったからな、しっかり指示出しやらやってるなーってね。」

「ふ、そりゃな。お転婆なロゼと行動が読めないポーラ、それに君の彼女さんを預かってるからな。」

ニヤリと笑いかけるジェイルに

「んぐっ…(照)」

と返すしか出来なかった。そんなノアにジェイルは一言付け加える。

「ノア君、無理するなよ。」

ジェイルの隣にいるロゼも不安そうな表情をノアに見せる。


等とやり取りをしていると熊8体の反応が近付く。

「ジェイル!ロゼ!下がってくれ!熊が3、2、3の合計8頭上がってくる!」

「「は、8頭!?」」

(後続の反応を見るに2、3頭任せるのは厳しいか…加えてこの接近戦だ、無理もない、か…)

熊が上がってくるまでまだ多少時間はある、その間にノアは今ここにいる面子を思い出しつつ作戦を練る。
後から考えたら作戦でも何でも無い只の役割分担だ。

「バルドロさん!ガルベラさん!バラスさん!いたら直ぐここに来て下さい!」

ノアの呼び掛けに呼ばれた3人は直ぐに集まる。

「「どうしたノア!?」」

「ノア君どーしたのー?」

「手短に話しますがもう少しで熊が8頭ここにやって来る!
全部自分で仕留めると時間が掛かって後続の厄介なモンスターの対処が遅れてしまうので自分が極力行動不能にします。
後は大剣3人の高火力でトドメをお願いします!」

「「おう!」」

「りょーかい。」

「それとどなたかダガー4本持ってる方いますか?」

呼び掛けると直ぐに近くにいた隊員が渡して来た。
阿羅亀噛を腰に戻しダガー2本を腰に、残り2本を逆手に持ち、待機する。

暫し待つと坂からのそりのそりと上がって来たのを確認しノアは駆け出す。

ゴアアアア!

先頭の熊は立ち上がり威嚇をしてくるが、動きが止まった所に<集中><投擲術>を発動して目に向けて投げる。
目に突き刺さり、怯んだのを確認し、空いた手で阿羅亀噛を手に取る。

熊の正面まで来た所で最速で剣を振り、両手首を切断、直ぐ様しゃがんで後ろにまわり、ダガーを振るいふくらはぎの筋を断ち切る。
バランスを崩した熊に立つ際の勢いを乗せ体当たりを仕掛け3人の方に転けさせる。

「よし、お願いします。」

「お、おう!」

指示を飛ばした後に振り返ると既に2頭が到着していた。

近くに立つ熊の膝目掛け刃を返した阿羅亀噛の峰で膝を破壊すると立っていられなくなった熊が頭を下げるとすかさずダガーを首に刺し、引くように掻っ捌く。
首から大量の血を流しながらよろよろと歩を進める。
もう長くは無いだろうと、3人に任せるとする。

不意に背後から殺気を感じたノアはその場でしゃがむと頭上で熊の手が空を切る。
どうやら凪払いを行った様だ。
ノアは振り向き様に膝を砕き下がった頭に合わせ、かち上げる様に首を切断する。

直ぐに後続に対処すべく今倒した熊の手を引っ張り後ろに放る。


ドスッ!

ノアは阿羅亀噛を地面に刺し、支えにして一息つく。
そんなノアにベルドラッドが近付いてきた。

「…しっかしすごい殲滅速度だな…ノア君、モンスターの反応はどうだ?」

「……。」

「?どうした?」

「…いえ、熊の後続に毒大蛇が3匹、盾鹿4頭その後ろにいるバトルベア3頭で終わりの様です。」

「バトルベアだと!?」

「ええ、昨日1頭倒したので反応に間違いはありません。」

「そう、か…3頭同時はいけそうか?」

「分かりません。が、最悪切り札きってでもここで倒します。」

「分かった。無理するなよ。」

「分かってます。」

「………。」

「分かります?無理してるの?」

「あったり前だ、と言うか皆気付いてるぞ?」

そうベルドラッドに言われチラリと後ろを見ると、先程のジェイル含めパーティの面々、昨日から色々絡みのある隊員や普段お世話になってる職員達、皆心配そうな顔をしている。

「ったく、お前さんは何処と無く大人びてるっつーか、鋭い所があるがそう言う所はまだまだ子供じゃねーか。
何でも自分1人で済まそうとすんな!周りを良く見てみろ、俺や隊員、職員もいるし、さっきから役に立てなくてウジウジしてる上級冒険者だっているんだ!」

「うっさいわねぇ!」

「え!?アリッサさん上級だったんですか?」

「ええそうよ、上級なりたてのピチピチよ!」

「と、に、か、く、だ!医者でも何でもねぇ俺から見ても今のお前さんは倒れる一歩手前だ!熊に毒大蛇に盾鹿だ?その位ここにいる隊員と職員でどうとでもなる。
それにな、『全て新人冒険者に任せました』何て上に報告してみろ!それこそ国王直々に処刑されるわ!」


そう言うとベルドラッドは隊員とアリッサ、アルキラーとバラスを引き連れダンジョン入口へと向かった 。
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