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旅立ち~オードゥス出立まで
消えた
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視界からあの生物が消えた。
始めに戦った奴らとは明らかに違う異質な存在。
あの小さい体でぞっとする様な気配を放つ生物、奴は危険だ。
ようやく俺の攻撃を受け、弱った今が奴を仕留める絶好の好機。
肉片1つ、塵1つ残さないよう全身全霊を込めて右腕を振り下ろす。
手に伝わる破壊の感触、例え避けたとしても余波だけでも無事では済まないハズだ。
しかしあの生物は消えた。
一瞬どこに行ったか分からない。
が、微弱な気配を頼りに近くを見ると奴がいた。
先程よりも気配は弱い。
恐らく最後の力を振り絞って逃げたのだろう。
次こそは止めを…
バーサークベアが再度ノアに接近しようとすると再びノアの姿が掻き消えたと同時に左腕に衝撃が走る。
ガガガガッ!
ノアがバーサークベアの背後に剣を振り抜いた姿勢で立っていた。
「流石にまだ斬れないか。」
(『そりゃ攻撃力は素の状態だからな。戦い続けてりゃ直に斬れる様になるだろう。』)
バーサークベアは背後にいるノアに向かって凄まじい速さの裏拳を繰り出すが、既にノアの姿は無く、腕が空を切る。
ズガガガガガッ!
背中に衝撃が走る。
再び裏拳を放つも右足に衝撃が走った後、腕が空を切る。
そして再度背中を打ち付ける衝撃が伝わる。
ガギンッ! ブォアッ! ズガガガッ!
端からこの光景を見ていたジェイルパーティも困惑していた。
「ノアが蒼いオーラを纏ってからどんどん動きが速くなっていってるぞ…?」
「もー何が起こってるのか分からない…」
「私にも見えないわ、クロラはどう?」
「ギリギリまだ見える…けど、あ、また速くなった。」
そして直ぐに逃げられる様、未だ【酷風雹雨】を発動しているレーヴァも目で追うのがやっとの状態であった。
「速いなんてもんじゃ無いよ…ありゃあ所々消えてるよ。」
ガゴッ!ゴギギギッ!ズガッ!ゴッ!ガチュッ! ドガッ!ザキッ!
ノアは高速で移動しつつ、斬れないながらもバーサークベアの各所に剣を打ち込んでいた。
対するバーサークベアは既に『一匹狼』以上の速度で移動するノアを目で追えなくなっていた。
何分、衝撃を受け、その箇所に目をやる頃には別の箇所を打ち据えられており、闇雲に腕を振る事しか出来なくなっていた。
そして闇雲に振った腕にも剣擊が数発打ち込まれ、手詰まりの状態に陥っていた。
そして遂にその時が来た。
ズバァッ! グォオオオオッ!!?
「よし!斬れたっ!」
(『遂に奴の体が斬れる速度にまで達したか!』)
「ああ、【一鬼呵成】が無きゃここまでの事は出来なかった!ありがとな!」
(『まだ斬れただけだ。礼を言うなら全部終わらせてからにしな!』)
「あぁ、すまない。」
【一鬼呵成(いっきかせい)】…戦闘継続中は攻撃力以外のステータスが徐々に上昇、攻撃力は本人の素のステータスに依存。
発動中は蒼いオーラを纏う。
体力の上限値も上昇する為、発動中は擬似的な回復効果を受ける。
対象の討伐又は呼吸を十回行う間に戦闘を継続しなかった場合解除される。
解除後に発動時間の分だけ攻撃力以外のステータス減少。
※武器使用可
元々ノアの持つ阿羅亀噛は高重量である為素の状態でも破壊力抜群の武器である事に変わりは無い。
その上更に速度が加算された結果、強靭なまでのバーサークベアの毛皮を突破する事が可能になった。
ズザザザッ!
ノアは先程バーサークベアが自分で引き抜いた阿羅亀噛を回収し、二刀の状態でバーサークベアの前に立つ。
対するバーサークベアも次で仕留めると言わんばかりに右腕を構え、ノアを待ち構える。
ドガァンッ!
人が踏み込む音とは到底思えない破砕音を立てながらノアはバーサークベアに駆け出す。
それに合わせ、バーサークベアが右腕を突き出してノアを潰しに掛かる。
が、ノアからしてみればバーサークベアがゆっくりと腕を突き出している様に見え、左、右、左と阿羅亀噛を振るい、手首、肘、脇の下と次々斬り刻む。
すれ違い様バーサークベアの腕が力無くだらりと落ちて行くのを横目に、バーサークベアの右斜め後ろで左足を踏ん張り、更に加速しつつバーサークへ方向を変える。
バーサークベアは背後にいるノアへ向け、左腕を振り、遠心力を込めた裏拳を繰り出す。
ノアに迫る左腕の裏拳、何もしなければ顔面に直撃するだろう。
ノアは左手に持った阿羅亀噛を振り、左腕に接触、肉を割り、硬い物を断ち切って腕を両断。
お互い正面に向かい合う形を取った状態でノアが強く踏み込み飛び上がる。
完全にバーサークベアの首を捉え、肉を割っていく。
瞬間的に骨と接触し拮抗し掛かった為、<渾身>も発動して思いっきり振り抜く。
「おらぁああああっ!!」バヂュンッ!
ズガガガガッ!
バランスを崩しつつも何とか着地し、直ぐ様後ろを振り返ると首を失ったバーサークベアの巨体が仁王立ちしていた。
念の為注意を怠らずに構えているとゆっくりと上体が揺れ、崩れ落ちる。
バーサークベアの討伐が完了した事で体に纏まっていた蒼いオーラが消え、【一鬼呵成】が解除された。
途端に【鎧袖一贖】の解除効果(体力、攻撃力、スタミナ等減少)と【一鬼呵成】の解除効果(攻撃力以外のステータス減少)に加えて高速移動の際に筋肉、内臓、骨等に掛かっていた負荷が一気に襲い掛かる。
※尚、重複している物は加算される。
「うぐぁああああああああああああっ!?」
体中の筋肉が千切れる様な感覚と全ての臓器が絞り上げられる感覚、全身の関節を逆に曲げられた様な感覚が走り、その場に崩れ落ちる。
悶え苦しもうにも全ステータスが減少している為、体が思う様に動かず、ただ苦悶の声を上げる事しか出来ずにいる。
「ノア君!?落ち着いて!?」
真っ先に駆け付けたクロラが苦悶の声を上げるノアを抱き上げる。
ノアは全身の痛みに耐え兼ね、思わずクロラの腕を掴む。
「痛っ…!」
掴まれた腕からギシリと音がする。
それでもクロラは必死でノアを抱きしめ落ち着かせようとする。
「大丈夫、大丈、夫だから…安心し、て…」
苦しみ続けるノアに泣きながら抱きしめ続けていると背後から
「スリープ!」
クロラ達が後ろを振り返ると続々と隊員らとベルドラッド、アリッサに続き、エメラルダもやって来た。
『スリープ』を唱えたのはエメラルダの様で、淡い光がノアに向かい纏わり付く様に体をなぞると徐々に落ち着いていき、遂に体から力が抜け、眠りにつく。
「良かった…効かなかったらどうしようかと思いましたが…」
「エ、エメラルダさん!ノア君は…」
「安心して、眠ってるだけよ。」
「そうですか…良かっ、た…」
一安心した所でベルドラッドが周りの隊員らに指示を飛ばす。
「1班は下階に進み隊員2名の捜索、救助!
2~5班は下層に下りて前倒しで2名の捜索と捕縛!
6班は冒険者らの手当てだ!
アリッサは2~5班に付いて行ってくれ!」
直ぐ様行動に移す隊員ら、クロラはノアから離れ、隊員に託す。
ジェイルパーティにエメラルダが近付く。
「皆さんよくご無事で… 」
「…逃がしてくれた隊員さんとノアのお陰です。
自分達は手も足も出ませんでした。」
「バーサークベアに少人数で遭遇したんです。
無理も無い、落ち込む事はありませんよ。
さぁ、今日は疲れたでしょう?隊員らと共に街へ向かいましょう。」
ジェイルパーティはエメラルダからの提案で街へ戻る事にした。
クロラはノアが心配で街に戻る事に少し躊躇いがあったが、本人も疲労困憊だったのでポーラとロゼに引き摺られる形で街に連れていかれた。
始めに戦った奴らとは明らかに違う異質な存在。
あの小さい体でぞっとする様な気配を放つ生物、奴は危険だ。
ようやく俺の攻撃を受け、弱った今が奴を仕留める絶好の好機。
肉片1つ、塵1つ残さないよう全身全霊を込めて右腕を振り下ろす。
手に伝わる破壊の感触、例え避けたとしても余波だけでも無事では済まないハズだ。
しかしあの生物は消えた。
一瞬どこに行ったか分からない。
が、微弱な気配を頼りに近くを見ると奴がいた。
先程よりも気配は弱い。
恐らく最後の力を振り絞って逃げたのだろう。
次こそは止めを…
バーサークベアが再度ノアに接近しようとすると再びノアの姿が掻き消えたと同時に左腕に衝撃が走る。
ガガガガッ!
ノアがバーサークベアの背後に剣を振り抜いた姿勢で立っていた。
「流石にまだ斬れないか。」
(『そりゃ攻撃力は素の状態だからな。戦い続けてりゃ直に斬れる様になるだろう。』)
バーサークベアは背後にいるノアに向かって凄まじい速さの裏拳を繰り出すが、既にノアの姿は無く、腕が空を切る。
ズガガガガガッ!
背中に衝撃が走る。
再び裏拳を放つも右足に衝撃が走った後、腕が空を切る。
そして再度背中を打ち付ける衝撃が伝わる。
ガギンッ! ブォアッ! ズガガガッ!
端からこの光景を見ていたジェイルパーティも困惑していた。
「ノアが蒼いオーラを纏ってからどんどん動きが速くなっていってるぞ…?」
「もー何が起こってるのか分からない…」
「私にも見えないわ、クロラはどう?」
「ギリギリまだ見える…けど、あ、また速くなった。」
そして直ぐに逃げられる様、未だ【酷風雹雨】を発動しているレーヴァも目で追うのがやっとの状態であった。
「速いなんてもんじゃ無いよ…ありゃあ所々消えてるよ。」
ガゴッ!ゴギギギッ!ズガッ!ゴッ!ガチュッ! ドガッ!ザキッ!
ノアは高速で移動しつつ、斬れないながらもバーサークベアの各所に剣を打ち込んでいた。
対するバーサークベアは既に『一匹狼』以上の速度で移動するノアを目で追えなくなっていた。
何分、衝撃を受け、その箇所に目をやる頃には別の箇所を打ち据えられており、闇雲に腕を振る事しか出来なくなっていた。
そして闇雲に振った腕にも剣擊が数発打ち込まれ、手詰まりの状態に陥っていた。
そして遂にその時が来た。
ズバァッ! グォオオオオッ!!?
「よし!斬れたっ!」
(『遂に奴の体が斬れる速度にまで達したか!』)
「ああ、【一鬼呵成】が無きゃここまでの事は出来なかった!ありがとな!」
(『まだ斬れただけだ。礼を言うなら全部終わらせてからにしな!』)
「あぁ、すまない。」
【一鬼呵成(いっきかせい)】…戦闘継続中は攻撃力以外のステータスが徐々に上昇、攻撃力は本人の素のステータスに依存。
発動中は蒼いオーラを纏う。
体力の上限値も上昇する為、発動中は擬似的な回復効果を受ける。
対象の討伐又は呼吸を十回行う間に戦闘を継続しなかった場合解除される。
解除後に発動時間の分だけ攻撃力以外のステータス減少。
※武器使用可
元々ノアの持つ阿羅亀噛は高重量である為素の状態でも破壊力抜群の武器である事に変わりは無い。
その上更に速度が加算された結果、強靭なまでのバーサークベアの毛皮を突破する事が可能になった。
ズザザザッ!
ノアは先程バーサークベアが自分で引き抜いた阿羅亀噛を回収し、二刀の状態でバーサークベアの前に立つ。
対するバーサークベアも次で仕留めると言わんばかりに右腕を構え、ノアを待ち構える。
ドガァンッ!
人が踏み込む音とは到底思えない破砕音を立てながらノアはバーサークベアに駆け出す。
それに合わせ、バーサークベアが右腕を突き出してノアを潰しに掛かる。
が、ノアからしてみればバーサークベアがゆっくりと腕を突き出している様に見え、左、右、左と阿羅亀噛を振るい、手首、肘、脇の下と次々斬り刻む。
すれ違い様バーサークベアの腕が力無くだらりと落ちて行くのを横目に、バーサークベアの右斜め後ろで左足を踏ん張り、更に加速しつつバーサークへ方向を変える。
バーサークベアは背後にいるノアへ向け、左腕を振り、遠心力を込めた裏拳を繰り出す。
ノアに迫る左腕の裏拳、何もしなければ顔面に直撃するだろう。
ノアは左手に持った阿羅亀噛を振り、左腕に接触、肉を割り、硬い物を断ち切って腕を両断。
お互い正面に向かい合う形を取った状態でノアが強く踏み込み飛び上がる。
完全にバーサークベアの首を捉え、肉を割っていく。
瞬間的に骨と接触し拮抗し掛かった為、<渾身>も発動して思いっきり振り抜く。
「おらぁああああっ!!」バヂュンッ!
ズガガガガッ!
バランスを崩しつつも何とか着地し、直ぐ様後ろを振り返ると首を失ったバーサークベアの巨体が仁王立ちしていた。
念の為注意を怠らずに構えているとゆっくりと上体が揺れ、崩れ落ちる。
バーサークベアの討伐が完了した事で体に纏まっていた蒼いオーラが消え、【一鬼呵成】が解除された。
途端に【鎧袖一贖】の解除効果(体力、攻撃力、スタミナ等減少)と【一鬼呵成】の解除効果(攻撃力以外のステータス減少)に加えて高速移動の際に筋肉、内臓、骨等に掛かっていた負荷が一気に襲い掛かる。
※尚、重複している物は加算される。
「うぐぁああああああああああああっ!?」
体中の筋肉が千切れる様な感覚と全ての臓器が絞り上げられる感覚、全身の関節を逆に曲げられた様な感覚が走り、その場に崩れ落ちる。
悶え苦しもうにも全ステータスが減少している為、体が思う様に動かず、ただ苦悶の声を上げる事しか出来ずにいる。
「ノア君!?落ち着いて!?」
真っ先に駆け付けたクロラが苦悶の声を上げるノアを抱き上げる。
ノアは全身の痛みに耐え兼ね、思わずクロラの腕を掴む。
「痛っ…!」
掴まれた腕からギシリと音がする。
それでもクロラは必死でノアを抱きしめ落ち着かせようとする。
「大丈夫、大丈、夫だから…安心し、て…」
苦しみ続けるノアに泣きながら抱きしめ続けていると背後から
「スリープ!」
クロラ達が後ろを振り返ると続々と隊員らとベルドラッド、アリッサに続き、エメラルダもやって来た。
『スリープ』を唱えたのはエメラルダの様で、淡い光がノアに向かい纏わり付く様に体をなぞると徐々に落ち着いていき、遂に体から力が抜け、眠りにつく。
「良かった…効かなかったらどうしようかと思いましたが…」
「エ、エメラルダさん!ノア君は…」
「安心して、眠ってるだけよ。」
「そうですか…良かっ、た…」
一安心した所でベルドラッドが周りの隊員らに指示を飛ばす。
「1班は下階に進み隊員2名の捜索、救助!
2~5班は下層に下りて前倒しで2名の捜索と捕縛!
6班は冒険者らの手当てだ!
アリッサは2~5班に付いて行ってくれ!」
直ぐ様行動に移す隊員ら、クロラはノアから離れ、隊員に託す。
ジェイルパーティにエメラルダが近付く。
「皆さんよくご無事で… 」
「…逃がしてくれた隊員さんとノアのお陰です。
自分達は手も足も出ませんでした。」
「バーサークベアに少人数で遭遇したんです。
無理も無い、落ち込む事はありませんよ。
さぁ、今日は疲れたでしょう?隊員らと共に街へ向かいましょう。」
ジェイルパーティはエメラルダからの提案で街へ戻る事にした。
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