ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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旅立ち~オードゥス出立まで

明朝探索開始

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「明朝探索開始でどうだろうか?」


街に戻ったノアはたまたま出会したジェイルに探索開始時期について相談を受けた。


「あぁ、了解した。」

「すまないな、急な話で…」

「気にしないで下さい。
昨日通りを歩いてる所見てそろそろだろうな、と思ってたんだ。」

「ははは、見られてたか。」

「こちらも今日の夜までには準備が終わるから時期的には丁度良かった。
一応聞きますけど今回は行ける所まで行くって事でいいんですよね?」

「その予定だ。」

「分かりました、僕もそのつもりで準備を進めておきます。」


手短に話しお互いに別れた後、薬草小屋へ向かう。


「…とりあえず回復玉と矢の補充、かな…」

(『急遽予定が決まってしまって、動くに動けない、って感じだな?』)

(分かってるなら言わないでくれよ…
パーティと一緒に行動何て久しぶり過ぎてちょっと緊張してるんだからな?)

(『最後にパーティと行動共にしたのは…
冒険者として村を出る4ヶ月前、両親からの最終試験の時以来だったか?』)

(あれは行動を共にしたって言うのか?
何だよ最終試験が"元上級冒険者2人組パーティからの攻撃を3日3晩耐えろ"って…)

(『それだけ『俺』を大事に思っての行動だろ?』)

(普通、大事に思ってる我が子の首を初手で狙いに来ないって…)

(『その最終試験を終えたから今があるんだ。
今となっちゃ良い思い出だろう?』)

(まぁそりゃなぁ…)




「おにーちゃんいらっしゃいませなのにゃ!今日は何か買い物かにゃ?」


『俺』と会話をしてたらいつの間にか薬草小屋に着いていた様だ。


「あー…回復玉を60個、マナポーションを2本貰えますか?」


「ほいにゃ!おにーちゃん位しか買わないから余ってたのにゃ。
マナポーションは…ありゃりゃ、品切れなのにゃ…
ししょー、ししょー!マナポーションってもう無いのかにゃ?」


店員の猫獣人が奥にいるししょーに声を掛ける。


「最近売れ行き良かったのと、調査隊関係で素材取りに行けて無かったからね…」


ここ最近新人冒険者の中でも魔力を消費する技を取得する者がちらほら出て来た事でマナポーションが売れてる上に調査の為人の制限があった事で素材不足になっている様だ。


「そうだ、坊や、もし手が空いてたらで良いんだが…」






ノアはししょーからの依頼で"採取の護衛"を受ける為ギルドに来ていた。


「"魔力草採取の護衛依頼"ですね。
場所は中層1階、ノア様なら受注可能です。」

「では受注完了次第直ぐに向かいます。」

「はい、それではお願いします。」


恙無く護衛依頼を受注し、ギルドを出ると


「「今日はお願いしますにゃ。」」


見た目ほぼ猫の獣人2人がペコリと頭を下げて待ち構えていた。
周りにいた他の冒険者も微笑ましいものを見る目で猫獣人を眺めている。


「そういえば良いのかにゃ?ノア君明日ダンジョン潜るとか言ってにゃかったかにゃ?」

「中層行くだけならそんな時間は掛かりませんよ。
もし中層行く途中で何か他に採取したい物があったら行って下さい、その都度止まりますので。」

「「りょーかいにゃ!」」





「おや、ノア君と薬草小屋ん所の店員さんとは珍しい組み合わせだな。」

「採取の護衛依頼なんです。」

「ほー、護衛依頼とはまた珍しい、君程の腕なら問題無いだろう、行ってらっしゃい。」

「では皆さんしっかり掴まってて下さいね。」

「はいにゃ!」
「大丈夫にゃ!」


ノアの両肩に爪を引っ掛け体を固定する猫獣人2人。


「最初走りますけど大丈夫だったら速度上げますから言って下さいね。」

「「にゃ!」」


ズダンッ! ダダダダダダダダダダダダ!

上層への坂を駆け出して行くノア、肩にいる猫獣人はと言うと


「「うにゃー!凄い速いにゃー!」」

「今のこの速度は大丈夫ですか?」

「「全然大丈夫なのにゃ」」


そう言われたのだからもっと加速しましょうとばかりに更に強く駆け出す。
あっという間に上層1階に到着するもいつもより動物の数が多い。


「ちょっと動物の数が多いので木に登りますね。」

「「りょーかいにゃ!」」


ノアは<縦横無尽>を発動して岩を足場に樹上に移る、枝伝いに走り抜け大きく跳躍、池の真上に出る。


「あ、おにーちゃん、水、水はダメにゃ!?」

「大丈夫大丈夫。」

ズシャアアアアッ!


勢いそのままに池を飛び越え、畔に着地した。


「あ!おにーちゃん、ちょっと待って欲しいにゃ!水辺の苔採ってっても良いかにゃ?」

「えぇ、良いですよ。ちなみに苔って何に使うんですか?」

「煎じて飲めば毒を体から排出してくれたり、鎮痛効果や利尿作用もあるのにゃ。」


流石薬草小屋の店員である、薬草以外の薬効成分にも長けている様だ。
5分程採取を続けていた猫獣人が手で合図を送る。


「お待たせしましたにゃ、たいりょー、たいりょーにゃ!」

「これだけ採ればまた暫く持つのにゃ!」

「もし動物、モンスターで欲しい素材があれば狩って行きますけどどうしますか?」

「え!?良いのにゃ?であれば毒、普通問わず蛇と熊が欲しいかにゃ。」

「熊…ですか。」

「熊胆って言う素材が取れるのにゃ。
普通に戦ったら傷が付いて使い物ににゃらにゃいのにゃけどノア君なら安心にゃ。」

「分かりました。見付けたら狩る様にしますね。」


そうして薬になる物を採取しつつ先を急ぐ。


2階では薬草、毒草を採取。
3階では<気配感知>に引っ掛かる毒蛇を手当たり次第に捕まえ、18匹捕る事が出来た。
薬は勿論の事、酒に漬け蛇酒とする事で滋養強壮に良いとの事だ。
4階で鹿の角は何かしら効果があると聞いた覚えがあった為狩ろうとしたら猫獣人2人に止められた。


そして現在5階への坂の途中。


「へー、鹿の角って生え替わったばかりの角に効能があるんですね。」

「そうなのにゃ!ここら辺じゃあまり聞かにゃいけど鹿茸って呼ばれてるのにゃ。」

「ちなみにどんな効能があるんですか?」

「う~ん…おにーちゃんにはまだ必要にゃいかにゃ。」

「必要無いって一体…ん?」

「どうしたのにゃ、おにーちゃん?」

「いや、5階入口直ぐの所で3人組が戦闘中なのですが、熊4頭と戦ってる様です。」

「「にゃにぃ!?」」


ノアは念の為3人の所へ駆けて行き、様子を見る事に。
善戦してる様なら待機し、苦戦している様なら手助けしよう。


「あれ?あの3人組は…」


いつぞや会話した剣士、弓、神官の女性3人組だった。
剣士が熊に向け斬り掛かろうにも相手は熊4頭、弓持ちも距離が近い事もあり射つに射てない感じだ。
神官が張っている障壁(?)の様な物で何とか凌いでいる様だ。


「エル…ティカ…もう、障壁がもたない…足手まといになるから逃げて…」

「何言ってるのラミー!あなたを置いて行ける訳無いでしょ?」

「ラミー担いででも一緒に帰るんだからね!」


ビキッ!ビキビキ!        バリィン!


熊4頭に向け展開していた障壁が破壊され、3人の元へと猛然と襲い掛かる。
剣士はせめて仲間の盾になろうと前に出る。


「失礼。」


一声掛け3人の頭上を飛び、熊4頭の前に下り立つ。


「店員さん、申し訳ありませんが彼女達をお願いします。」

「「了解にゃ!」」

「あ、あの、あなたは…」

「とりあえず片付けてから話します、暫しお待ちを。」
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