ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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フリアダビア前哨基地編

報告します

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「エルグランド殿、報告します!街に残っていたと思われる住人5名の救出完了!
前哨基地への帰路の最中、途中参加の者の奇行によってモンスターの集団に襲われ、重傷者5名、負傷者2名となりました!」

「ミユキとか言う女が殿を努めてたんだが数が数で思う様にいかなかった…
蒼い少年が突然降ってきて殿を引き受けてくれた事で逃げて来れた!
あの少年の救出に向かいたい!」


住人救出の為に駆り出されていた上級冒険者2組からの報告を受けるエルグランド。


「先ずは落ち着いてくれ!
おい!手の空いている者は住人名簿を確認してこれで全てかどうか確認を急げ!分かり次第合図を送る!
上級冒険者で無事な者で即席のパーティを形成し、殿を努めているノア君の救助に向かってくれ!」


エルグランドが周囲に吠える様に指示を飛ばす中、ミユキがノアからの伝言を伝える。


「エルグランドさん!ノア君から、いの一番に住人全員救出かどうかの報告を伝えて欲しいと言われました!
それを切っ掛けに何か行う様です!直ぐに報告を!」

「分かった!
取り敢えず即席でパーティ編成しつつ防壁を上がり、何時でも突入出来る様にしておいて欲しい!」

「「「「了解!!」」」」


方針を決めた所で先程ノアが壁に作った杭を使い次々と防壁の上へと移動する一同。
防壁の上には瓦礫に埋もれた道が続いており、その先に進みつつ手短に話を行う。


「あんた…ミユキとか言う、あの取り巻きの連れだったな。
一先ずあの少年が優先だが、一段落したらどういう事か話して貰うぞ?」

「…はい…」

「さ、気持ちを切り替えて行くぞ。
盾役兼先陣は俺が出よう、【大剣】のロッドだ、宜しく。」

「【侍】のゼノじゃ。宜しく。」

「【上級魔法使い】のガーベラよ。」

「…取り巻きが余計な事してごめんなさい…【勇者】のミユキです…」


ミユキの紹介にピクリと全員が反応するが、一先ず置いて置く事にした。




先に進むとエルフの男性と妖精が2人、ドワーフ3人の集団が佇んでいた。


「あなた達も途中参加の者だな!?
中の様子は…と言うか少年の援護はしていないのか!?」


ロッドが集団に問いかけるが


「中の状況見てみりゃ分かる、援護出来る隙もあらん…」


ロッド含めその場にいる全員が街の中を覗くと、夥しい数のモンスターを相手に街の中を縦横無尽に駆け巡りつつ1体また1体と屠り続けるノアの姿があった。


「どうじゃ、分かるじゃろ?
今あの状況でこちらが何をやってもあの坊の邪魔になってしまう。
歯痒いが、時が来るまで待つしかあらん…
お前さんらも坊の救出に来たんじゃろ?
本に不味い状況になったらワシらは命を賭してでもあの坊の所へ向かっちゃる。」


ギリリと拳を握りしめたドワーフの気迫に圧された即席パーティ一同は前哨基地からの合図を待つ事にしか出来ずにいた。




「くそっ!?まだなのか!報告は!」


ザジュッ!ズバッ!ジュァアッ! 

悪態を付きながらも前にいた蜥蜴モンスターの首を大きく斬り開く。
再び複数のブレスが襲い来るが、モンスターの斬り開いた傷口に手を突っ込み、即席の盾とした。

ドバババババババッ!「ぐおあっ!?」

10を越えるブレスが蜥蜴モンスターの死骸に直撃。凄まじい威力の為、踏ん張りが利かず吹き飛ばされる。

ズガガガッ!

地面に阿羅亀噛を突き立てて何とか大きく後退するのを防ぐと、即座に転がり、ブレスの束を避ける。

ズギンッ!「ぐぉあっ!?痛…ぇ…」

先程食らった雷と氷のブレスにより痺れと凍傷で右上半身が上手く動かない。
その上凍傷によって動く度に、肌を裂かれる様な激痛が走る。


「も、申し訳、ありません…凍傷を治す薬、は作れませんでした…」

「気にするな!凍傷受ける何て俺ですら思ってもいなかったからな!
だから泣くんじゃない!』


影からこの状況を見続けているヴァンディットは、見なくても分かる程声を震わせ、ボロボロと泣いている様だ。


倒壊した家屋の陰に入った所で、血液混じりの吐瀉物を吐く。
強引に手で拭った後、直ぐ様陰から飛び出し近くに来ていた蜥蜴モンスターの首に阿羅亀噛を深々と突き刺す。

ドズンッ!ゴギュオッ!?

が、その直後異変が起こる。
蜥蜴モンスターの体内が目映く光始めたかと思うと、爆音を立てて大爆発を起こした。

ドバァアアアアッ!「ご…っ…!?」

倒壊した家屋と家屋の間という狭い場所だった事で威力が上がり、疲労で反応が遅れたノアは対処出来ず、20メル程吹き飛ばされ、仰向けのまま動けなくなった。


「あれは不味い!ルド!ロイ!行くぞっ!」

「「おぅよ!」」


ドワーフ3人は腰に差していたトマホークを通常の大きさに戻した後、次々と街へと降りていく。


「俺達も行くぞ!」

「「「ああ!」」」


即席のパーティの面々もドワーフに続いて降り始めた。






「ノア様!ノア様!」


仰向けのまま動かないノアの名前を連呼するも、ピクリとも動かない事に焦るヴァンディット。
影の中に入れれば良いかと思われるが、この数のモンスターが相手では何れヴァンディットの影移動も看破し、突破されてしまう恐れがある為、最後の最後まで残している手である。


そんなノアに向け、夥しい数のモンスターが迫る。
すると影の中からヴァンディットが姿を現す。

ジュゥウッ!

「くぅっ…!…こ、これ位ノア様の痛みに比べたら何て事…ありませんね!」


影から出てきたヴァンディットは手の薬指から外側に日が当たり、灰となっても気にする事無くノアのの前に立ち、手を翳す。

すると、自分自身の血を使い、人1人分が隠れられる程の大きさの赤黒い壁を形成する。


「力にはなれないかも知れませんが、少しでも時間が稼げれば、それで良い!」


モンスター達は一斉に血の壁に向け、複数のブレスを発射。

ズガガガガガガガガガガッ!「くぅぅっ…」

ヴァンディットの体から血で出来た複数の糸が地面に張り付かせ、吹き飛ばされ無い様繋ぎ止める。

すると、視界の端に他の冒険者やドワーフの姿を確認。

「助かった!」そう思ったが、ヴァンディットの側面に魔法陣が展開、蜥蜴のモンスターが転移して来たのだ。

クココココッ! 「あ、ああ…」

地面に体を繋ぎ止めているので咄嗟に逃げる事も影に入る事も出来ない。

蜥蜴の口が大きく開き、ブレスを吐く体勢に。
せめてもとヴァンディットは、ノアの盾になろうと身を前に出し







グイッ!「きゃっ!?」

力強く引き戻され、代わりに赤黒くボロボロになった左手が伸び、蜥蜴の首根っこを掴んでそのまま握り潰す。
気管が潰れ、呼吸が出来なくなった蜥蜴は痙攣を起こしてそのまま死に絶えた。


『悪かったなヴァンディット、『俺』との引き継ぎが上手く行かなくて時間掛かっちまった。 』


痺れと凍傷で自由が利かない筈の右手でヴァンディットを引き寄せ、安心させる様に頭を軽く撫でる。


『取り敢えず『俺』は今寝てるんでな、代わりに『俺』が戦う、お前さんは影の中に入って休んでな。
寧ろ『俺』が目覚めた後のが大変だ、そちらの方に専念してくれ。良いな?』

「はい、はい…」

『ほれほれ、泣くな泣くな、一応モンスターに囲まれてるんだからな?』


ヴァンディットはコクコクと頷くと影の中に入って行く。
それを見届けた『俺』は立ち上がってモンスターを一瞥。

対してモンスターらは『俺』へ向け、再びブレスを吐き始めた。
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