ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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フリアダビア前哨基地編

状況整理しましょ

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「えーっと、取り敢えず状況整理しましょう。グリード、出て来てくれる?」


場所を南門近くの開けた場所、そして日陰のある場所に移し、何やら練習中だったエルフと妖精2人組、エルグランドもこの場に集まっていた。 

取り敢えず頭から説明がいるだろうと思い、グリードを呼び出す事にした。

グリードは呼び出しに応じるとノアの背後から出現。
ノアの周囲でとぐろを巻く様に体を這わせ、ノアの体に頭をすり寄せて来た。


「「うおっ!?」」
「「でけー…蛇?」」
「あれ?昨日見た奴より小さかねぇか?」
「別個体?鱗の感じも違うし…」
「「これがノア君の契約獣…」」
「「蛇っつーより…口の感じがワームみてぇだな。」」


出現したグリードに対し各々驚きを見せるものの、困惑が大半の様である。


「まず始めにこちらの商人さんは、以前いたオードゥスという街でアイテムボックスを戴いたバラガスさんです。
そしてこちらの2人はその街の解体師のバラスさんとアルキラーさんです。」


ノアから紹介を受けた3人はそれぞれ会釈、周りの者もそれぞれ挨拶する。


「それで申し訳無いのですが、昨日の戦闘で『隠れ蜥蜴』とか言うモンスターの素材が手に入りました。」

「何!?『隠れ蜥蜴』だと!?」

「ほほぅ…なるほど、アルキラーさんが私を呼んだ理由が分かりました。」

「どうやら有用そうなので、バラガスさんとエルグランドさんは協議してこの素材をどうするか決めて頂きたい。
ちなみに素材はこちらになります。
グリード、目の前に出して貰えるかい?」

グルル!

グリードが一鳴きするとノアの前に魔法陣が展開し、『隠れ蜥蜴の皮』258枚、『隠れ蜥蜴の結晶』6個が出現。

素材の登場にバラガス、エルグランドはおろかドワーフ3人はガントレットを装着し、バラス、アルキラー、エルフまでもが真剣な表情になり素材を確かめる。


「これは…素晴らしい!?」
「これだけの量があれば偵察深度を深められるやも…」
「ほぼ一撃で仕留めたからのぅ、品質も良いし、傷も殆ど無い。」
「結晶も純度が高ぁのぅ。」
「彫金加工施しゃ、それだけで高性能な結界張れるぞ。」
「わー綺麗に皮と身が分かれてて処理要らずでそのまま加工にまわせるわ。」
「くっ…悔しいが、丁寧な仕事だ…」
「これだけの高品質…これで出来た装備…是非とも欲しい…」

「「うわー、ユグがコーフンしてる、気持ち悪りー。」」


妖精2人がなかなか酷い事を言っているが、ユグは気にせず魅入っている。


「エルグランドさん、どうでしょうか?」

「これは直ぐにでも取り掛からねばな!
バラガスとやら、御抱えの防具職人、彫金職人を要請して貰っても良いだろうか?」

「ええ、直ぐにでも要請致しましょう。
丁度近郊の街に伝手の職人がいますので、早ければ夕方には来れるでしょう。」

「ではノア君、私達は協議するので一旦外すぞ!」

「ええ、また後で。」

「あ、ノア君!後でお話がございますが宜しいでしょうか?」

「あ、はい、構いませんよ。」


そう言ってエルグランドとバラガスは前哨基地のテントへと向かって行った。
ノアは素材をアイテムボックスへと仕舞う。


「さて、次の話しに移る前にヴァンディット、出て来れますか?」

「あ、はい。何でしょうか?」


グリードの影から出て来たヴァンディットがノアの元へとやって来る。


「『俺』から聞いたけど、死にかけてた僕を看病してくれてた様だね。ありがとう。」


そう言ってノアはヴァンディットの頭をわしゃわしゃと撫でくり回す。


「あ、ちょっ、は、いや、私は出来る事をしたまでで…」


そうは言いつつも、デレッとした顔で頭をノアの方に向け、成すがまま撫でられ続けるヴァンディットだった。


「さて、まだお疲れだろうからゆっくり休むと良い。」

「はい、ではお言葉に甘えて失礼致します。」


そう言って再び影の中へと戻って行った。


「くそぅ…悠君と会えたら絶対撫でで貰お…」

「ガハハ!嬉しそうにしちょったのぅ!」

「人前でやるのは少し恥ずかしいんですけどね。
それで本題に移るんですけど…アレ何ですか?」


ノアが指差す方向を見ると、大砲の様な物なのは分かるが、やたらと砲身が長い上に後部には何やらゴチャゴチャと部品が取り付けられている。

隣にいたバラス、アルキラーも興味津々にしている様で


「昨日の夜から作ってるのよねー。」

「大砲、ではあるんだろうが…後ろの部品が良く分からんのだよ。」


するとドワーフが前に出て来て説明し出した。


「あれはのぅ、ミユキの嬢ちゃんの世界にあるっちゅうレールガンっちゅう物らしい。
メモに書いてあった手順に基づきつつ、わし等の方で微調整してある。
後ろに付いてる部品は、わし等が着けちょるガントレットの機構を用いて増幅させた力を変換して、内部に組み込んである魔石に溜め込む様にしてある。
部品の下に這わせてある線には触れんでくれよ?
人間なぞ一瞬で丸焦げになるからの。」

「…ミユキさぁん、一体何つう物作ってるんですか…」

「わ、私だって原理とか機構は知らないわよ!
この爺ちゃん達、勝手に原理を理解したらあれやこれや付けまくってこんな事になったんだから!」

「取り敢えずアレを一度バラシて早速防壁の上に取り付ける所じゃ!」

「え?試射とかしないんですか?」

「あほぅ!わし等は【技士】じゃぞう?
試し撃ちなぞせずとも、まぁっ直ぐ飛ぶ様に作っちょるわい!」

「それに、お前さんが起きる前にエルグランドから偵察隊の報告を聞いたんじゃが、また蜥蜴共がこの街に来るやも知れんと報告があったそうじゃしの。
試し撃ちする暇あるなら即実戦投入した方がええわい!」

(確かにドワーフさん達の事だから何と無く上手くやりそうな気はするんだよなぁ…)


「まぁ、それについては良いです。
それとあの…アレは何ですか?」


そのレールガンとか言う代物の横にはガトリング砲が置いてあった。
見た目こそ殆ど変わっていない様だが、何かしら手が加えられているのだろう。


「良くぞ聞いてくれたな。
あれはガトリング砲言う物じゃが、弾の代わりに魔力弾を撃ち出す様に改造してある。」

「魔力弾…ですか?
その…疑う訳では無いですが、魔素強化されたモンスターの体を撃ち貫けますか?」

「やっぱそこが気になるじゃろうが、これは撃ち貫かん、当てるだけでモンスターを無力化出来る代物にしておる。」


この発言にざわっとする一同。


「昨日、街に大量のモンスターが現れたじゃろう?
そん時から気になっとったんじゃ、"コイツら餌はどうしとるんか"っての。
んで、兵士に相談して討伐されたモンスターの内臓ん中調べて貰ったんじゃ、そしたらのぅ空っぽ言うとったんじゃ。
つまりコイツらは、飲まず食わずで全て魔素で賄っとる様なんじゃ。
このガトリング砲の砲身に魔力吸収の術式を施したでな、発射される魔力弾にはその術式が付与される。
当たりさえすりゃ、体の魔素を吸い取られて動けんくなると言う算段じゃ。」

(なるほど、【料理人】が言ってたのはこの事だったか。)

「これは南門入って直ぐの場所に設置する予定での、撃ち出す際には使用者の魔力を消費しよる、消費量が分からんので初回はわしが使用してみよるわ。」

「分かりました、そちらの方はお任せします。
エルフさん達は何か練習していた様ですが…」

「ぬっふっふー!ひーみつー。」

「ひっさつわざを開発していたのだ、時がくればお見せしよう!」

「まぁ大見得を張っているが、ちょっとした大技程度だと思ってくれ…」


エルフのユグは苦笑いしつつ、ノアにそう言い聞かせた。


「はは、了解しました。
さて、これで大体状況整理は完了しましたかね。」

「あ、ちょ~っと良いかな、ノア君。」


と、話を締め様とした所でバラスから提案が出される。


「えっと、何でしょうか?」

「次街に出撃する機会があれば、私達夫婦も街に出ても良いかな~?」

「へ?」
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