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王都編
あれが王都です。
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「あ、見えてきました。あれが王都です。」
巨鳥の頭に座るライリがそう叫んだ。
ノアはその声に誘われてライリの所までやって来ると、ライリが指差す方向を見る。
距離的にはまだ少し離れているし、時間的にも完全に夜であるのだが、見える範囲の街の灯りだけでもアルバラストよりも大きい事が伺える。
「あ~遂に来ちゃったか~…」
「そ、そんな残念がらないで下さい…」
「何と言うか、冒険者らしくのんびりと来たかったな~、何てね…」
「あ、そう言う事ですか…」
ノアは<夜目>を発動して街の方を見る。
「まぁ来ちゃったものは仕方無いですから気持ちを切り替えて行きますよ。
それにしても大きな街ですね、しっかり区画整理されてて街並みも綺麗だ。
あとは…王城は…ふむふむ…窓の位置は…なるほどな…」
「そんなに熱心に王城を見てどうしたんですか?」
「面倒事に巻き込まれそうな場合の脱出経路を頭に入れてる所です。」
「そうならない様にしますから、もう少し楽しそうな事考えて下さいよ…折角王都に来たのですし…」
結局その後も王城の外観や窓に吹き抜け等の構造、建物の配置等を確認していった。
すると、巨鳥が速度を緩め、高度を下げ始めた。
今更ながらこの巨鳥はどこに降りるのだろうかと思っていると、王城の裏手に広場があり、隊員らが羽織っている装束と同じ物を着用している者が数多くいるので、恐らくその辺りに降りるのだろう。
地上50メル程になると、眼下にいる隊員がライリに指示を飛ばし、その通りにライリが巨鳥を誘導している。
バフォッ!「よーし、到着っと…」
広場に到着すると、周囲には約50人程の隊員と王の側近だろうか、50代位の男性が進み出てきた。
スタッ!
「ベルドラッド班のライリです。
新人冒険者のノア君とバラス、アルキラー夫妻をお連れしました。」
「ああ、ご苦労様。
ノア君は初めましてだね。
私は王の側近のシアロと言う、今王は生憎政務中でして、謁見は明日になるが良いだろうか?」
「ええ、構いません。
フリアダビアからの帰還も本日急に決めた事ですので。」
「私もノア君と同意見だ。」
「私もね~。」
「有り難うございます。
お三方の為に宿は取ってありますのでご自由にお使い下さい。
バラス、アルキラー夫妻は以前も王都へ来た事がおありですが、宿の場所は分かりますかな?」
「ああ、問題無い。」
「ばっちぐ~。」
「であれば、ノア君だけに王都を案内出来る者でも付けるとしようかの?」
「…いや、案内は別に良いです。
初めて王都に来たんですし、自由に回ろうと思います。
と言う訳でヴァンディットさん、行きましょっか。」
「あ、はーい。」
未だ諜報部のレオと和気あいあいと話をしていたヴァンディットを呼び、バラス、アルキラーらと共にその場を離れる事に。
「はは、気を利かせ過ぎてしまった様ですな。
では明日、時間が取れそうになったら使いの者を行かせましょう。」
4人は側近のシアロと他の隊員らにお辞儀をしてその場を離れる。
「バラスさんとアルキラーさんはこの後どうするのですか?」
「2人で観光と、少しばかり用事があるので、ここからは別行動としよう。」
「そうですね。僕は取り敢えず色々と見て回ろうかと思ってます。」
「それなら最初にギルドに行って冒険者カードの更新に行くと良いよ~。
オードゥスのより性能が良いからスキルのレベルなんかも分かるよ~。」
「そう言えばそんな事オードゥスでも言われましたね。
分かりました、最初はそちらに行ってみます。」
「であればこの大通りの道沿いに、色々なギルドが建ち並んでいるから、道なりにまーっすぐ行くと、あるハズだよ~。」
「ありがとうございます。ではまた。」
「うん、また明日ね~。」
そう言ってノアとヴァンディットは大通りを道なりに、バラス、アルキラー夫妻は道の反対側へと歩いて行った。
「それにしても王都だけあってギルドの数が多いね。」
「そうですね~、金細工・彫金加工ギルドに、料理人ギルド、薬剤、錬金術、植物、洋裁、武器、防具…色々ありますね。」
見える範囲でそれだけあるのだ、王都全体で見たら何軒あるのやら、と考えていたノアは、金細工・彫金加工ギルドの建物の前に依頼用紙がビッチリと貼られたクエストボードが設置されているのを見付ける。
その中の1枚を手に取り、依頼の内容を確認してみる事に。
「どれどれ…
『護衛依頼、鉱山への同行者求む。』か…
どうやら採掘している間の護衛依頼の様だね。
それで、出現モンスターは…
『ジュエルゴブリン』『鉄鋼糸蜘蛛』『クリスタルバイパー』『王冠蟹』等々…
聞いた事無いモンスターばかりだなぁ。
対象者は、中級冒険者またはレベル5の者、か…
一応受けれるかな。」
等と依頼書の内容を確認しているとギルドの中から若い男性が現れる。
「い、依頼受けて貰える方ですか!?」
「あ、いや、ギルドの前に貼られてたので何だろな~、っと思いまして…」
「君は見た所、新人冒険者の様だし、王都は初めてかい?」
「ええ。今日来たばかりです。」
「それなら知らなくても仕方無いな。
俺は金細工・彫金加工ギルドで一人前になるべく腕を磨いているんだが、素材採取の方も兼任しているんだ。
だが、ドワーフみたく冒険者稼業と製作や採掘の両立が難しくてね、護衛をして貰わないと採掘どころじゃなくなってしまうんだ。
だから各ギルドから依頼と言う形で募集を掛けれる様にして貰ったんだ。」
「でも依頼受けてくれる人がいないと言う訳ですね?」
「うん…君は知らないかもしれないが、大陸の端の方にあるフリアダビアって街がモンスターに占領されてたんだけど、最近奪還されてね。」
「ああ、そうですね。」
(行ってたからね。)
「その奥地にあるテラヴァジアって所で大鉱脈が発見されたらしく、巨額を投じて復興と再建を進めてるらしいんだ。
そしたら中級・上級冒険者が皆そっちに行っちゃってね。
こっちは色々と滞っちゃったんだよ。」
(あらら、そんな事になっちゃったのか…)
「かと言って新人冒険者にお願い出来る程、モンスターは容易くは無いし…困ったもんだよ…」
腰に手を当てて天を仰ぐ若い男性。
「…と言う事はここら辺のギルドも…」
「どこもウチと同じ状況だね…」
「ふむ」と少し考えたノアは
「取り敢えず後で冒険者ギルドに行ってみて、受けれるかどうか聞いてきます。
ちなみにこの依頼、期日までは余裕ありますか?」
「期日までは大分あるけど…君、新人冒険者だろ?」
「冒険者1ヶ月目ですけど、レベルは5ありますので多分大丈夫だと思います。
受けれたら戻って報告しますので。」
「ああ、期待しないで待ってるよ。」
皮肉めいた事を言う男性に手を振ってノアは冒険者ギルドへと向かう。
その後ろ姿を見て男性は思う。
(レベル5の新人冒険者ってどう言う事だ?)
巨鳥の頭に座るライリがそう叫んだ。
ノアはその声に誘われてライリの所までやって来ると、ライリが指差す方向を見る。
距離的にはまだ少し離れているし、時間的にも完全に夜であるのだが、見える範囲の街の灯りだけでもアルバラストよりも大きい事が伺える。
「あ~遂に来ちゃったか~…」
「そ、そんな残念がらないで下さい…」
「何と言うか、冒険者らしくのんびりと来たかったな~、何てね…」
「あ、そう言う事ですか…」
ノアは<夜目>を発動して街の方を見る。
「まぁ来ちゃったものは仕方無いですから気持ちを切り替えて行きますよ。
それにしても大きな街ですね、しっかり区画整理されてて街並みも綺麗だ。
あとは…王城は…ふむふむ…窓の位置は…なるほどな…」
「そんなに熱心に王城を見てどうしたんですか?」
「面倒事に巻き込まれそうな場合の脱出経路を頭に入れてる所です。」
「そうならない様にしますから、もう少し楽しそうな事考えて下さいよ…折角王都に来たのですし…」
結局その後も王城の外観や窓に吹き抜け等の構造、建物の配置等を確認していった。
すると、巨鳥が速度を緩め、高度を下げ始めた。
今更ながらこの巨鳥はどこに降りるのだろうかと思っていると、王城の裏手に広場があり、隊員らが羽織っている装束と同じ物を着用している者が数多くいるので、恐らくその辺りに降りるのだろう。
地上50メル程になると、眼下にいる隊員がライリに指示を飛ばし、その通りにライリが巨鳥を誘導している。
バフォッ!「よーし、到着っと…」
広場に到着すると、周囲には約50人程の隊員と王の側近だろうか、50代位の男性が進み出てきた。
スタッ!
「ベルドラッド班のライリです。
新人冒険者のノア君とバラス、アルキラー夫妻をお連れしました。」
「ああ、ご苦労様。
ノア君は初めましてだね。
私は王の側近のシアロと言う、今王は生憎政務中でして、謁見は明日になるが良いだろうか?」
「ええ、構いません。
フリアダビアからの帰還も本日急に決めた事ですので。」
「私もノア君と同意見だ。」
「私もね~。」
「有り難うございます。
お三方の為に宿は取ってありますのでご自由にお使い下さい。
バラス、アルキラー夫妻は以前も王都へ来た事がおありですが、宿の場所は分かりますかな?」
「ああ、問題無い。」
「ばっちぐ~。」
「であれば、ノア君だけに王都を案内出来る者でも付けるとしようかの?」
「…いや、案内は別に良いです。
初めて王都に来たんですし、自由に回ろうと思います。
と言う訳でヴァンディットさん、行きましょっか。」
「あ、はーい。」
未だ諜報部のレオと和気あいあいと話をしていたヴァンディットを呼び、バラス、アルキラーらと共にその場を離れる事に。
「はは、気を利かせ過ぎてしまった様ですな。
では明日、時間が取れそうになったら使いの者を行かせましょう。」
4人は側近のシアロと他の隊員らにお辞儀をしてその場を離れる。
「バラスさんとアルキラーさんはこの後どうするのですか?」
「2人で観光と、少しばかり用事があるので、ここからは別行動としよう。」
「そうですね。僕は取り敢えず色々と見て回ろうかと思ってます。」
「それなら最初にギルドに行って冒険者カードの更新に行くと良いよ~。
オードゥスのより性能が良いからスキルのレベルなんかも分かるよ~。」
「そう言えばそんな事オードゥスでも言われましたね。
分かりました、最初はそちらに行ってみます。」
「であればこの大通りの道沿いに、色々なギルドが建ち並んでいるから、道なりにまーっすぐ行くと、あるハズだよ~。」
「ありがとうございます。ではまた。」
「うん、また明日ね~。」
そう言ってノアとヴァンディットは大通りを道なりに、バラス、アルキラー夫妻は道の反対側へと歩いて行った。
「それにしても王都だけあってギルドの数が多いね。」
「そうですね~、金細工・彫金加工ギルドに、料理人ギルド、薬剤、錬金術、植物、洋裁、武器、防具…色々ありますね。」
見える範囲でそれだけあるのだ、王都全体で見たら何軒あるのやら、と考えていたノアは、金細工・彫金加工ギルドの建物の前に依頼用紙がビッチリと貼られたクエストボードが設置されているのを見付ける。
その中の1枚を手に取り、依頼の内容を確認してみる事に。
「どれどれ…
『護衛依頼、鉱山への同行者求む。』か…
どうやら採掘している間の護衛依頼の様だね。
それで、出現モンスターは…
『ジュエルゴブリン』『鉄鋼糸蜘蛛』『クリスタルバイパー』『王冠蟹』等々…
聞いた事無いモンスターばかりだなぁ。
対象者は、中級冒険者またはレベル5の者、か…
一応受けれるかな。」
等と依頼書の内容を確認しているとギルドの中から若い男性が現れる。
「い、依頼受けて貰える方ですか!?」
「あ、いや、ギルドの前に貼られてたので何だろな~、っと思いまして…」
「君は見た所、新人冒険者の様だし、王都は初めてかい?」
「ええ。今日来たばかりです。」
「それなら知らなくても仕方無いな。
俺は金細工・彫金加工ギルドで一人前になるべく腕を磨いているんだが、素材採取の方も兼任しているんだ。
だが、ドワーフみたく冒険者稼業と製作や採掘の両立が難しくてね、護衛をして貰わないと採掘どころじゃなくなってしまうんだ。
だから各ギルドから依頼と言う形で募集を掛けれる様にして貰ったんだ。」
「でも依頼受けてくれる人がいないと言う訳ですね?」
「うん…君は知らないかもしれないが、大陸の端の方にあるフリアダビアって街がモンスターに占領されてたんだけど、最近奪還されてね。」
「ああ、そうですね。」
(行ってたからね。)
「その奥地にあるテラヴァジアって所で大鉱脈が発見されたらしく、巨額を投じて復興と再建を進めてるらしいんだ。
そしたら中級・上級冒険者が皆そっちに行っちゃってね。
こっちは色々と滞っちゃったんだよ。」
(あらら、そんな事になっちゃったのか…)
「かと言って新人冒険者にお願い出来る程、モンスターは容易くは無いし…困ったもんだよ…」
腰に手を当てて天を仰ぐ若い男性。
「…と言う事はここら辺のギルドも…」
「どこもウチと同じ状況だね…」
「ふむ」と少し考えたノアは
「取り敢えず後で冒険者ギルドに行ってみて、受けれるかどうか聞いてきます。
ちなみにこの依頼、期日までは余裕ありますか?」
「期日までは大分あるけど…君、新人冒険者だろ?」
「冒険者1ヶ月目ですけど、レベルは5ありますので多分大丈夫だと思います。
受けれたら戻って報告しますので。」
「ああ、期待しないで待ってるよ。」
皮肉めいた事を言う男性に手を振ってノアは冒険者ギルドへと向かう。
その後ろ姿を見て男性は思う。
(レベル5の新人冒険者ってどう言う事だ?)
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