ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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王都編

ポイッ

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ポイッ

「「「「「え?」」」」」


ノアがポツっと呟くと、ゴミを捨てるかの様に男を縦穴に放り投げる。

男は一瞬何をされたか分からないという声を上げ、直ぐに状況を理解して叫ぶ。


「え?や!嫌だぁっ!!死にたくないぃっ!」


男の叫びも空しく、どんどんと落下していく。

ノアはそんな事を気にも留めず続けて3人目に声を掛けようとする。


「ノ、ノア君!?何を!?」


ベルドラッドが目を見開いてノアに詰め寄る。


「え?喋らないから捨てた。」


その場に残された5人のフードの男達所か、ベルドラッド、ライリまでも表情が凍り付く。

その間も落とされた男の悲痛な叫びが聞こえてくる。

バシュンッ!

が、突如落としたハズの男が現れたかと思うと、その男の手首をノアが掴んでいた。


「見え透いた嘘を付く位ならさっさと喋ってくれませんかね?」


ノアは放心状態の男の手首から『転移の輪』を外し、男に見せ付ける。


「今あなたが戻って来れたのはこの腕輪のお陰です。
今外しました、見えますよね?
もう一度聞きます、何で僕の乗った昇降機を爆破したんですか?」

「………」

「黙り、ですか…」


ノアは何も言わず、立ち上がると、何も言わずに3人目の男を殴り始めた。

ドカッ!「うがっ!?」ボキッ!ドスッ!「や、止め…」ドスッ!ドゴッ!
ゴチュッ!「ご…」ガツッ!ゴッ!ゴッ!


「お、おい!止めろ!止めてくれ!」


と言われたノアだが、手を止めずに殴り続ける。


「だったら喋れ!喋れば止めてやる。
それと…4人目のフードの男、お前だお前。」


突然呼ばれたフードの男はノアの言葉にビクッした表情をする。


「死なない程度に痛め付けるつもりだが、コイツが使い物にならなくなったらお前がコイツと同じ目に遭う。
精々、話す内容でも考えとけ。」


男の目の前では、ノアに殴られ続け、疾うに意識は無く顔は倍に腫れ上がり、口は顎の骨が砕けたのかだらしなく開き、大量に血が吹き出し、ノアの両手は血で真っ赤に染まっている。

ガッ!

「ノ、ノア君!流石にそれ以上はマズイ!
もう殴るのは止めるんだ!」


ノアの肩を掴み、止めに入ったのはベルドラッドだった。


「…邪魔しないで貰えますか?」

「確かにコイツらが爆破したのは明白だろうが、流石に目に余る!
これ以上やったらその男は死んでしまうぞ!」


この言葉を聞いたノアから徐々に殺気が漏れ始め、前にいる男達の顔が青ざめていく。


「…今は傷が癒えて何ともありませんが、数十分前まで全身の4割程の骨が砕けてました。
…と言うか、一時は呼吸も止まってましたからね…
本当に殺され掛けたので、今回のこの件では流石に堪忍袋の緒が切れました。
俺はただ知りたいだけなんですよ、誰の指示で、誰の思惑で、誰が俺の敵なのか…』


ゆっくりと後ろへ振り返ったノアがベルドラッドに向き直る。


『俺の邪魔をするならお前を敵と見なして、本当に殺すぞ!』


瞬時にノアの眼は赤黒く染まり、赤黒いオーラを立ち昇らせ、肩甲骨辺りに4本の腕を生成。

滅多打ちにした奴以外の頭を掴み、強制的に記憶を覗き見る。
頭の中を強制的にかき混ぜている様な物なので、男共に掛かる負荷は凄まじいものである。


「「ぐぁああああっ!?」」
「ぎ…がががががっ!」
「「ぎゃぁあぁあっ!?」」
「ご…がが…がごっ…」


男達は皆全身を痙攣させ、目や鼻、耳や口から血を流して叫んでいる。


『ふむふむ…なる程ね。
もういい、大体分かった。大人しく話してりゃ痛い目見ずに済んだのになぁ…』

ポイッ   ドサドサッ、ドドドッドスッ

ノアは男達を投げ捨て、鉱山の入口へと向かう。


『コモン・キエフか…確かデミとか言う冒険者もそんな名前だったな…
面倒だがそいつに居場所聞いてくるか…』

「「!?」」


すると、ノアの口から出たその名前に反応したベルドラッドとライリがノアの前に立ち塞がる。


「済まないノア君、その男に会わ『ガチッ』

『邪魔だ、どけ。』


赤黒い手でベルドラッドの顔面を鷲掴みしたノアは、そのまま引き摺って入口へと向かう。
ベルドラッドは何とか手を外そうとするも、ピクリとも動かない。

すると今度はライリが立ち塞がる。


『申し訳無いけど退いてくれません?』

「…ノア君からその名前が出てしまった以上、もう隠し通すのは無理でしょう。
ですからもう全てお話しします!」

『うん?何の事だ?』


そこから10分程掛けてライリは『色々』と話し始めた。

コモン・スロアが何かを企てている事。
その企ての大まかな内容。
デミ・スロアは恐らく関与はしていない事。
ベルドラッドがフリアダビアから帰還したのもそれに関係して警備を強める為だと言う事。
など、その他諸々。


「でも、ノア君の実力は本物だと分かってるハズだったので、何か仕掛けて来るとは思いませんでした…」

『まぁ昇降機を爆破しようなんて誰も思わんしな…』

「それで、恐らく企てを実行に移すのは御前試合の日だと思われますので…」

『それまでは変に動かないで欲しい、とかか?』

「…そうです…」


ノアはライリに言われ思案する。
少ししてノアがライリに質問する。


『もしかして◯◯◯◯◯◯してない?』

「…どうしてそう思われますか?」

『その方が色々と合点がいく。』

「…ええ、お察しの通りです。
この件にある程度片が付いたら謝罪みたいな物はあると思いますがね。」


この言葉に、ノアは王都に来てから何となく感じていた違和感がストンと腑に落ちる感覚を覚える。


『分かった。
俺が変に動いて上手く行きそうな事が上手く行かなかったら申し訳無いからな。
その代わり、御前試合では対戦相手に八つ当たりしてやるがな。』


ハッハッハと笑うノアを心から笑えないライリ。
何故なら、ノアは忘れている様だが、未だにベルドラッドは顔面を掴まれたままでいる。

結局ベルドラッドが解放されたのは、ライリから今後の王都での行動面で指示を受けた後だった。






「それでは、この男達は王都へ連れて行きますね。」

「ええ、お願いします。」

「…ノア君はこの後どうするつもりだ?」


痛めた首を擦りながらベルドラッドが質問してくる。 


「…もう少しここに居ます。」

「…そうか、この後【技士】の者が来て新たな昇降機の設置等で人がごった返す事になるから、用事があるなら手短にな。」

「…はい。」






「ベルドラッドさん、良いんですか?ノア君を1人にして…」

「一応話は聞いてくれたが、全て納得した訳じゃ無いだろう。
燻ってるだろうから今はそっとしておこう。」

「…そう、ですね…」






などとベルドラッドとライリは変な勘違いをしているが、実際の所ノアは既に頭を切り替えており


「さて、取り敢えず一段落付いたし『龍宮城』へ戻ろうとは思うけど…やっぱここから行くしかないよなぁ…」


ノアは、昇降機が落下しぽっかりと空いた穴を見ながら呟く。

<夜目>を発動しても底が全く見えない漆黒の底にある『レベル158』。
取り敢えずそこまで行く必要があると思われる。


バチンバチン!

「ふぅ~…ふぅ!よし、行くぞー。
行ける行ける、やれば出来る、母さんとの訓練を思い出せばこんな穴…」

ヒュォオオオオ…

「あー、やっぱ怖ぇえ…」


ノアは顔を叩き気合を入れて穴に飛び込もうとするが、縦穴の縁にしがみつき中々飛び込む事が出来ずにいた。


(『さっき地上まで登って来れたんだし、降りりゃ良いだけじゃん。』)

「『レベル8』から地上へ行くのと、地上から『レベル158』に行くのは訳が違うの!
底が見えるドブと底が見えないドブとでは、手ぇ突っ込む決心付くまでに掛かる時間が違うでしょ?
そう言う事!」

(『どんな例えだよ…』)





そこから5分程して漸く決心の付いたノアが縦穴の縁に立つ。


「ええい、もう行ったるぞ!」


ヤケである。

ノアは恐る恐るといった様子で縦穴に向け1歩を踏み出し






ストッ。「へ?」


「あ、ノア君お帰り。
『レベル158』まで降りてくるの大変だろうから、少しの間上とこの部屋とを繋いでおいたよ。」


意を決して踏み出したノアは、即先程のガラス張りの部屋に到着。
リヴァイアが明るく出迎えてくれた。


「……」


ノアはゆっくりとorz体勢になっていき


「僕の覚悟返して…」

「え!?泣い…え、何で!?」


ノアにしては珍しく半泣きになっていた。
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