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王都編
御前試合を翌日に控えた正午頃
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御前試合を翌日に控えた正午頃、ノアは王都にあるごく一般的な宿に泊まっていた。
側近のシアロが事前に手配していた宿へ行ったには行ったのだが、広すぎる客室、名は知らないが高そうな調度品の数々、純白のシーツ、ふかふかのベッド等々。
汚したり壊してしまうのでは無いかと心配になり落ち着いていられない。
せめてヴァンディットは泊まると良い、と勧めるも、ヴァンディットも同じ気持ちだったのか腰を下ろせず、部屋の真ん中で立ったままになってしまった。
仕方無く宿の方に断りを入れ、逃げる様に出て行った。
そのまま冒険者がよく泊まると言う宿に滑り込み、無駄に疲れてしまったノアはそのまま眠りに着く事にした。
そして現在、ノアは未だ爆睡中。
その隙に既に起きていたヴァンディットが自身の血液を操作して作製した、超極細針を使用し鍼を行っていた。
ピチョ ストッ ピチョ ストッ ピチョ ストッ
『おや?今日は針以外にまた別の薬液を使ってるのかい?』
「はい。
今日は自然治癒力を上げる効果のある薬草と、回復効果のある薬草を混合して作った特製の回復薬です。
足の筋が凝り固まっている箇所がまだ数ヶ所ありましたので明日に備えて作りました。」
『あいつその辺の手入れがからっきしだったからな助かる。』
「いえいえ、私の役目ですから。」
ノアは両親との特訓のせいか<不眠不休>と<短眠>を獲得し、寝なくても動き続けられる様な体になってしまった。
その為基本的にいつも起きているが、やはり肉体的には宜しくない。
ヴァンディットが施術する前は全身の筋がガチガチに固まっており、常に酷使された状態だったそうだ。
ヴァンディットは、商会にいた頃から従業員等に施術しており、一般的な施術士レベルの技量は持っていた。
そして2回目の施術の時にヴァンディットは気付く。
『あ、これは普通の人間と同じ様に施してたらいつまで経っても治らない』と。
そこからヴァンディットの逆襲が始まった。
鍼の技術もそうだが、錬金術に力を入れ、時間さえあれば自身の空間内に籠っては薬品製作に励む日々が続く。
何回か数日出て来ない事があり、根を詰めていないか心配になったノアが呼び出すと、(肌は常に青白いが)思いの外生き生きしていた。
どうやら彼女はこういった研究や開発をしてるのが楽しいらしく、新薬を作ってはノアの体を使って実け…実践しているらしい。
お陰で最近のノアの調子は頗る良好で、全身の凝りは劇的に減り、体が軽く感じられるまでになったと言う。
「はい、施術完了です。」
『お、お疲れ様。後はいつも通り検血だな?』
「はい、失礼します。」
『俺』がヴァンディットに人差し指を差し出すと、超極細針を指先に軽く刺し血を1滴分出す。
ペロリ
「ふむふむ…貧血の心配は無い様です、寧ろノア様の場合もう少し多めに摂って頂いても大丈夫でしょうが、油物は控えた方が良いかもです。 」
『ぜ、善処させます…』
ちなみに『俺』が出て来ているのは、一度ノアが寝ている間に鍼をしていた所、ノアが無意識に寝返りを打ち、全身に激痛が走って悶え苦しんだ事があったので、身動き取らせない様にとの事らしい。
「んむ?…うーん…もう昼か…もう少し寝よ…」
ようやっと起きたノアは寝返りを打って外を確認する。
昼と分かりまだ少し寝足りたいので目顔の上に腕を乗せ、視界を暗くする。
そのまま再び夢の中へと意識が持っていかれ
ピカッ!「うわっ!?眩しっ!?」
腕に装着していたペアリングにクロラからの連絡が届き、視界が光に埋め尽くされる。
至近距離での光に驚き、ノアはベッドから飛び上がる。
「えーっと…
"ノア君、予定よりも早く王都に着きました。
そしたらたまたまお兄ちゃんと門の近くで会ったので先にお兄ちゃん達と久し振りの再会を楽しんできます。
えっ!?何でも無いよ!しり"
…そっか、もう着いたんだ。」
最後の文面が少し気になったノアだが、皆が来た事に安堵しつつ返事を返す事にした。
「レター"久し振りの家族との団欒なんだから僕の事は気にせず楽しんできて下さい。"っと。
さて、クロラさんは暫く家族と一緒でしょうから二度寝するとしますか。」
再びベッドに潜り込んだノアだが、枕代わりにした腕にまた返事が届き、再びベッドから飛び上がる事になった。
「うわっ!?眩しっ!?」
「「着ーいたーっ!」」
「丁度昼時、流石ねジェイル。」
「ふ、褒めても何も出ないぞ。」
当初の予定よりも大分早く王都に到着した一行は、門兵に冒険者カードを提示し街の中に入ると冒険者ギルドへの道を聞く。
クロラは、兄達から冒険者ギルドと同れはちたななじ通りに所属するギルドがあると事前に伝えられていた為、一先ず冒険者ギルドに向かう事にした。
「あれ?クロラ…か?」
「その声…クリス兄?」
昼時という事もあり、たまたま昼休憩の為街を彷徨いていたクリスと遭遇したクロラ。
クロラは駆け出して、クリスに体当たりを食らわす勢いで抱き付きに掛かる。
「お兄ちゃん久し振り!」
ズムンッ!「うぐほぁっ!?…ひ、久し振りだな!見ない間に美人になったじゃないか!」
ぶつかった辺りを擦りつつクリスはワシワシとクロラの頭を撫で、久し振りの再会を喜んでいる様だ。
「クリス兄さん1人?クック兄さんとは一緒じゃないの?」
「あいつはギルドん所で精力的に働いてるぞ、丁度昼時だしな。
明日の御前試合で人がかなり集まって来ているから多分2、3時間は手が空かないだろうがな。
それで?後ろに居るのがパーティの子達かい?」
「うん、そうなの、紹介するね!」
そう言ってクロラはクリスに1人1人パーティメンバーを紹介し、今度はパーティメンバーにクリスを紹介する。
「こちらが2つ上のクリスお兄ちゃん、【彫金加工】ギルドに所属してるの。」
「どうも、クロラの兄のクリスだ。
もう1人【料理人】ギルドにクロラの兄が居るんだが、ここでは何なので歩きながら紹介しよう。」
そう言って歩き出すクリスにクロラが一旦待つ様に促す。
クリスから少し離れて腕輪に話し掛け、ノアに連絡をする様だ。
「ノア君、予定よりも早く王都に着きました。
そしたらたまたまお兄ちゃんと門の近くで会ったので先にお兄ちゃん達と久し振りの再会を楽しんできます。」
「ん?何をやってるんだクロラ?」
「えっ!?何でも無いよ!知り合いに連絡取ってただけ。」
「ほぉ、知り合いも王都に来てるのか。」
「うん、後で会うつもりな…ごめん、ちょっと待ってて。」
クロラの腕輪が光り、返事が返って来た様で、直ぐ様内容を確認している。
読み終わったクロラは柔和な笑顔をして一言囁き、クリスの元へ戻ってきた。
妹の表情を見て何かを悟ったクリスがクロラに問い掛ける。
「ク、クロラ…い、今言ってた知り合いって…もしかして男か?」
「え?…えへへ…」
「んなっ、何だってえっ!」
信じられないといった表情でクロラを見やるクリスの叫び声が、王都に暫く木霊していた。
側近のシアロが事前に手配していた宿へ行ったには行ったのだが、広すぎる客室、名は知らないが高そうな調度品の数々、純白のシーツ、ふかふかのベッド等々。
汚したり壊してしまうのでは無いかと心配になり落ち着いていられない。
せめてヴァンディットは泊まると良い、と勧めるも、ヴァンディットも同じ気持ちだったのか腰を下ろせず、部屋の真ん中で立ったままになってしまった。
仕方無く宿の方に断りを入れ、逃げる様に出て行った。
そのまま冒険者がよく泊まると言う宿に滑り込み、無駄に疲れてしまったノアはそのまま眠りに着く事にした。
そして現在、ノアは未だ爆睡中。
その隙に既に起きていたヴァンディットが自身の血液を操作して作製した、超極細針を使用し鍼を行っていた。
ピチョ ストッ ピチョ ストッ ピチョ ストッ
『おや?今日は針以外にまた別の薬液を使ってるのかい?』
「はい。
今日は自然治癒力を上げる効果のある薬草と、回復効果のある薬草を混合して作った特製の回復薬です。
足の筋が凝り固まっている箇所がまだ数ヶ所ありましたので明日に備えて作りました。」
『あいつその辺の手入れがからっきしだったからな助かる。』
「いえいえ、私の役目ですから。」
ノアは両親との特訓のせいか<不眠不休>と<短眠>を獲得し、寝なくても動き続けられる様な体になってしまった。
その為基本的にいつも起きているが、やはり肉体的には宜しくない。
ヴァンディットが施術する前は全身の筋がガチガチに固まっており、常に酷使された状態だったそうだ。
ヴァンディットは、商会にいた頃から従業員等に施術しており、一般的な施術士レベルの技量は持っていた。
そして2回目の施術の時にヴァンディットは気付く。
『あ、これは普通の人間と同じ様に施してたらいつまで経っても治らない』と。
そこからヴァンディットの逆襲が始まった。
鍼の技術もそうだが、錬金術に力を入れ、時間さえあれば自身の空間内に籠っては薬品製作に励む日々が続く。
何回か数日出て来ない事があり、根を詰めていないか心配になったノアが呼び出すと、(肌は常に青白いが)思いの外生き生きしていた。
どうやら彼女はこういった研究や開発をしてるのが楽しいらしく、新薬を作ってはノアの体を使って実け…実践しているらしい。
お陰で最近のノアの調子は頗る良好で、全身の凝りは劇的に減り、体が軽く感じられるまでになったと言う。
「はい、施術完了です。」
『お、お疲れ様。後はいつも通り検血だな?』
「はい、失礼します。」
『俺』がヴァンディットに人差し指を差し出すと、超極細針を指先に軽く刺し血を1滴分出す。
ペロリ
「ふむふむ…貧血の心配は無い様です、寧ろノア様の場合もう少し多めに摂って頂いても大丈夫でしょうが、油物は控えた方が良いかもです。 」
『ぜ、善処させます…』
ちなみに『俺』が出て来ているのは、一度ノアが寝ている間に鍼をしていた所、ノアが無意識に寝返りを打ち、全身に激痛が走って悶え苦しんだ事があったので、身動き取らせない様にとの事らしい。
「んむ?…うーん…もう昼か…もう少し寝よ…」
ようやっと起きたノアは寝返りを打って外を確認する。
昼と分かりまだ少し寝足りたいので目顔の上に腕を乗せ、視界を暗くする。
そのまま再び夢の中へと意識が持っていかれ
ピカッ!「うわっ!?眩しっ!?」
腕に装着していたペアリングにクロラからの連絡が届き、視界が光に埋め尽くされる。
至近距離での光に驚き、ノアはベッドから飛び上がる。
「えーっと…
"ノア君、予定よりも早く王都に着きました。
そしたらたまたまお兄ちゃんと門の近くで会ったので先にお兄ちゃん達と久し振りの再会を楽しんできます。
えっ!?何でも無いよ!しり"
…そっか、もう着いたんだ。」
最後の文面が少し気になったノアだが、皆が来た事に安堵しつつ返事を返す事にした。
「レター"久し振りの家族との団欒なんだから僕の事は気にせず楽しんできて下さい。"っと。
さて、クロラさんは暫く家族と一緒でしょうから二度寝するとしますか。」
再びベッドに潜り込んだノアだが、枕代わりにした腕にまた返事が届き、再びベッドから飛び上がる事になった。
「うわっ!?眩しっ!?」
「「着ーいたーっ!」」
「丁度昼時、流石ねジェイル。」
「ふ、褒めても何も出ないぞ。」
当初の予定よりも大分早く王都に到着した一行は、門兵に冒険者カードを提示し街の中に入ると冒険者ギルドへの道を聞く。
クロラは、兄達から冒険者ギルドと同れはちたななじ通りに所属するギルドがあると事前に伝えられていた為、一先ず冒険者ギルドに向かう事にした。
「あれ?クロラ…か?」
「その声…クリス兄?」
昼時という事もあり、たまたま昼休憩の為街を彷徨いていたクリスと遭遇したクロラ。
クロラは駆け出して、クリスに体当たりを食らわす勢いで抱き付きに掛かる。
「お兄ちゃん久し振り!」
ズムンッ!「うぐほぁっ!?…ひ、久し振りだな!見ない間に美人になったじゃないか!」
ぶつかった辺りを擦りつつクリスはワシワシとクロラの頭を撫で、久し振りの再会を喜んでいる様だ。
「クリス兄さん1人?クック兄さんとは一緒じゃないの?」
「あいつはギルドん所で精力的に働いてるぞ、丁度昼時だしな。
明日の御前試合で人がかなり集まって来ているから多分2、3時間は手が空かないだろうがな。
それで?後ろに居るのがパーティの子達かい?」
「うん、そうなの、紹介するね!」
そう言ってクロラはクリスに1人1人パーティメンバーを紹介し、今度はパーティメンバーにクリスを紹介する。
「こちらが2つ上のクリスお兄ちゃん、【彫金加工】ギルドに所属してるの。」
「どうも、クロラの兄のクリスだ。
もう1人【料理人】ギルドにクロラの兄が居るんだが、ここでは何なので歩きながら紹介しよう。」
そう言って歩き出すクリスにクロラが一旦待つ様に促す。
クリスから少し離れて腕輪に話し掛け、ノアに連絡をする様だ。
「ノア君、予定よりも早く王都に着きました。
そしたらたまたまお兄ちゃんと門の近くで会ったので先にお兄ちゃん達と久し振りの再会を楽しんできます。」
「ん?何をやってるんだクロラ?」
「えっ!?何でも無いよ!知り合いに連絡取ってただけ。」
「ほぉ、知り合いも王都に来てるのか。」
「うん、後で会うつもりな…ごめん、ちょっと待ってて。」
クロラの腕輪が光り、返事が返って来た様で、直ぐ様内容を確認している。
読み終わったクロラは柔和な笑顔をして一言囁き、クリスの元へ戻ってきた。
妹の表情を見て何かを悟ったクリスがクロラに問い掛ける。
「ク、クロラ…い、今言ってた知り合いって…もしかして男か?」
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