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王都編
冒険者ギルドに隣接している酒場
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場所は移ってここは冒険者ギルドに隣接している酒場。
ここには普段から昼夜問わず、多くの冒険者(主に中級~上級)で賑わっている。
その日の自身の戦果であったり、モンスターの出現情報や機微の変化、近隣の街や村の話だったりと、比較的真面目な話をする者もいれば、その日の自身の息子の戦果であったり、意中のお相手の出現情報や機微の変化に一喜一憂したり、近隣の街や村で見掛けた好みの女または男の話をしたりと、比較的下世話な話で盛り上がる者もいる。
それを肴にエールを煽ったり、蒸留酒をチビチビといったりしている。
出される料理は塩辛い干し肉や腸詰め等の酒の進む物が主流だが、保存の効く硬いパンにトマトベースのソースとチーズを振り掛け、釜でこんがり焼いた物が最近の流行りらしく、皆酒場に着くと真っ先に注文しているらしい。
「あむっ!」ザクッ!みょいーん…
「ハフハフ…」ザクザク…
「ムグムグ…」ゴクリ。
「ほー。奇をてらってたから少し避けてたけど、食ってみると美味いもんだな。
お姉さーん、これ5枚追加でー!」
「はーい!」
「ちょっとバドロ、アンタ声でかいんだから耳元で叫ばないでよ。」
「あぁ悪い悪い、怒んないでくれよマール。」
「コイツは昔っから声でかかったんだし今更言っても無理だろ。」
「そうね。無理な話ね。」
「おいディオ、ストラ、少しは俺を擁護してくれても良いんじゃないか?」
この4人は先程の試合場での戦いで、ノアからの要請に、いの一番に協力してくれた者達である。
彼らは共に同郷で、ノアには近くに巣食っていたゴブリンの巣を殲滅して貰った恩があった。
彼らは終結後、ノアに礼を言いに行こうとしたが早々に場所を移動、その後を人山の黒だかりが追い掛ける形になっていたが、突如ノアが姿を消した。
本日は相当数の人の入りである為、探すのは困難と悟り、同郷の者同士で酒場にやって来た様だ。
流石王都の酒場だけあって、150人程が入っても大丈夫な広さがあるが、既に席は全て埋まり、立ち飲みの実施等で現在200人近くが集結している。
現在の話題の中心は勿論【鬼神】の二つ名を持つノアである。
皆先程の戦いを思い出し、「パーティに欲しいな」とか「凄ぇ新人が現れたな」や「あの局面、俺ならこう戦う」等の感想戦をする者も居た。
「はぁ…流石にこの人の入り様じゃ、彼を探すのは無理そうだな…」
「そうね。
あの子、野次馬から逃げる様に姿を消して以降、目撃情報は無いからね。」
「はぁ…俺はお礼が言いたいだけなんだがな…」
とバドロがパンを口に咥えてテーブルに突っ伏していると
「お礼、ですか?何かしましたか…?」
「んあっ?知ってんだろ?「バドロ。」俺らの故郷「バドロッ!」何だよマール、話を遮って…」
名前を呼ばれたので顔を上げると、同郷のマールがバドロの肩をバシバシと叩きながら酒場の梁の方を指差しているので、訝しみつつ指差す方向を見てみると、カウンターの直上にある梁の上にノアがしゃがみ込んでいた。
「あ!えっ!?…き、【鬼神】の少年!」
バドロの馬鹿でかい声が酒場に響き渡る。
途端に全員がノアの存在に気付き、至る所で歓声が上がる。
「うぉーっ!!本物だーっ!」
「試合見てたぜぇっ!お疲れさん!」
「アルバラストの時も居たんだが覚えてっかー!?」
「さっきの戦いなかなか燃えたぜ!」
「おぅ今度狩り行かねぇか?」
「フリアダビア奪還してくれてありがとうなーっ!カンパーイ!」
「ど、どうも…
あ、お姉さん僕にもそのチーズ乗ったパンを3つお願いします。」
「はーい、【鬼神】さん。」
ノアから注文を受け、膝下まで丈がある赤白のメイド服を来たお姉さんが、手早く調理に入る。
「少年!どうして酒場何かに?やっぱ貴族連中から逃げてきたのか?」
「えぇ、一時的な物でしょうから熱りが冷めるまで大通りに出るのは控えようかと。」
「その方が良いぜー、貴族様はここみたいな酒場は入ってこないからなー!」
「「「はっはー!!カンパーイ!」」」
皆酒のせいか、元々の気質かどうかは分からないが、かなり陽気になっており事ある毎に乾杯と発して酒を煽っていた。
父親が酒の飲み過ぎで何度か大失敗している所を目撃しているノアとしては飲むつもりは無いが、たまに飲んでみたい衝動に駆られる時がある。
が、その都度父親の大惨事を思い出して自制に努めている。
と、そこまで考えていた所で本来の目的を思い出し、梁から下りる。
「そういえば、さっきのお礼というのは何でしょう。
申し訳無いのですが記憶に無くて…」
困り顔のノアがそう聞いてきたのでバドロが慌てて返答する。
「あ、俺達は皆同郷でね。
オードゥスって街の近くにある村なんだが…」
「もしかしてハミルって言う名前の村長さんがいる所ですか?」
「そう!それ!その村だ!
その村の近くに巣食っていたゴブリンを殲滅してくれたそうじゃないか!」
「あー、あの村の方だったんですね。
でもゴブリンの巣を見付けたのは偶々だったので、お礼を言われる程「それでも、だ!」
「ゴブリン1匹1匹は大した事なくても200匹なんて大群、村に攻め入られてたら一溜まりも無かったわ。」
「偶々かも知れないが、君が村を救ってくれた事に変わりは無い。
俺達の故郷を救ってくれてありがとう。
今君に出来る事は何も無いが、困った事があったら手助けしよう。」
「その時は是非ともお願いします。」
その後バドロと固い握手を交わしたノアは、ふと酒場を見回してバドロに質問をする。
「そういえば、今この酒場に居るのは協力してくれた方々なんですよね?」
「そうだな、結界張った奴等の他に避難誘導やら交通整理、その他に伝令みたく街中走り回った奴何かもいるぞ。」
「なる程…」
ガチャッ…
と、そんな事を話していると、酒場の扉が開き『槍サーの姫君』のヤンがジャロルを肩車し、その後ろをリンとフェイが着いてくる形で入って来た。
「うひゃー、混んどるのぅ…
…って、おお?少年ここに居ったのか、探しとったんじゃよ。」
「「「やっほー。」」」
ヤンに肩車されたジャロルがノアに向かって手をブンブンと振ってくる。
ここだけ切り抜いたら完全に母と娘である。
「あ、丁度良い所に。皆さんもどうぞ中へ。」
「ん?何じゃ、何かやるのかや?」
ともあれ、4人はノアの誘いに応じて酒場内へと入り、ノアはカウンターの前へと移動する。
他の冒険者も何だ何だと、ノアの動向に注目している。
「えー皆さん、本日は僕の無茶な要請に応じて頂きありがとうございます。
恐らく協力して頂けなかったら街に被害が出ていたでしょう。
ここに居る200人、1人1人に感謝を述べるのも何なので僕からお礼として…」
バシン!
「正直言って僕お酒飲まないので相場は分かりませんが、ここに200万ガルあります!
これで今日は好き勝手飲み食いして下さい!」
ノアはカウンターに白金貨2枚、200万ガルを出して周囲の冒険者に言い放つ。
……。
「あ、あれ…?もしかして足りませんでしたか…?」
全員黙りこくった事に不安を感じたノアは、誰ともなく問い掛ける。
アッハッハッハッハ!
今度は逆に全員笑い始めた。
それに対してノアが心配そうにしていると
「はっはっは!いやぁ済まない、充分だよ。
寧ろ多い位だ。」
「1人頭1万ガルか、エール10杯にツマミを頼んでもお釣りが来るぜ!」
「飲みきれんかったら妾に任せぃ、5樽位余裕じゃ!」
「おーいお姉さん、急いでエールや食い物仕入れて来ないとヤバイかも知れないぜ?」
その後10人程のお姉さん部隊が投入され、洒落にならない量のエールが皆に行き渡り、山程の料理が提供された。
少しして頃合いを見計らったノアが音頭を取る。
「さーて、皆さん行き渡りましたか?」
「「「「「「「「おーぅ!」」」」」」」」
「はい!じゃー今日はお疲れ様でした!カンパーイ!」
「「「「「「「カンパーイ!」」」」」」」
ノアの号令と共に大規模な飲み会が開始された。
途中、飲み比べ大会と大食い大会、腕相撲大会が開催されたりと終始カオスな展開が続き、この飲み会が終わる頃には日付が変わっていた。
ここには普段から昼夜問わず、多くの冒険者(主に中級~上級)で賑わっている。
その日の自身の戦果であったり、モンスターの出現情報や機微の変化、近隣の街や村の話だったりと、比較的真面目な話をする者もいれば、その日の自身の息子の戦果であったり、意中のお相手の出現情報や機微の変化に一喜一憂したり、近隣の街や村で見掛けた好みの女または男の話をしたりと、比較的下世話な話で盛り上がる者もいる。
それを肴にエールを煽ったり、蒸留酒をチビチビといったりしている。
出される料理は塩辛い干し肉や腸詰め等の酒の進む物が主流だが、保存の効く硬いパンにトマトベースのソースとチーズを振り掛け、釜でこんがり焼いた物が最近の流行りらしく、皆酒場に着くと真っ先に注文しているらしい。
「あむっ!」ザクッ!みょいーん…
「ハフハフ…」ザクザク…
「ムグムグ…」ゴクリ。
「ほー。奇をてらってたから少し避けてたけど、食ってみると美味いもんだな。
お姉さーん、これ5枚追加でー!」
「はーい!」
「ちょっとバドロ、アンタ声でかいんだから耳元で叫ばないでよ。」
「あぁ悪い悪い、怒んないでくれよマール。」
「コイツは昔っから声でかかったんだし今更言っても無理だろ。」
「そうね。無理な話ね。」
「おいディオ、ストラ、少しは俺を擁護してくれても良いんじゃないか?」
この4人は先程の試合場での戦いで、ノアからの要請に、いの一番に協力してくれた者達である。
彼らは共に同郷で、ノアには近くに巣食っていたゴブリンの巣を殲滅して貰った恩があった。
彼らは終結後、ノアに礼を言いに行こうとしたが早々に場所を移動、その後を人山の黒だかりが追い掛ける形になっていたが、突如ノアが姿を消した。
本日は相当数の人の入りである為、探すのは困難と悟り、同郷の者同士で酒場にやって来た様だ。
流石王都の酒場だけあって、150人程が入っても大丈夫な広さがあるが、既に席は全て埋まり、立ち飲みの実施等で現在200人近くが集結している。
現在の話題の中心は勿論【鬼神】の二つ名を持つノアである。
皆先程の戦いを思い出し、「パーティに欲しいな」とか「凄ぇ新人が現れたな」や「あの局面、俺ならこう戦う」等の感想戦をする者も居た。
「はぁ…流石にこの人の入り様じゃ、彼を探すのは無理そうだな…」
「そうね。
あの子、野次馬から逃げる様に姿を消して以降、目撃情報は無いからね。」
「はぁ…俺はお礼が言いたいだけなんだがな…」
とバドロがパンを口に咥えてテーブルに突っ伏していると
「お礼、ですか?何かしましたか…?」
「んあっ?知ってんだろ?「バドロ。」俺らの故郷「バドロッ!」何だよマール、話を遮って…」
名前を呼ばれたので顔を上げると、同郷のマールがバドロの肩をバシバシと叩きながら酒場の梁の方を指差しているので、訝しみつつ指差す方向を見てみると、カウンターの直上にある梁の上にノアがしゃがみ込んでいた。
「あ!えっ!?…き、【鬼神】の少年!」
バドロの馬鹿でかい声が酒場に響き渡る。
途端に全員がノアの存在に気付き、至る所で歓声が上がる。
「うぉーっ!!本物だーっ!」
「試合見てたぜぇっ!お疲れさん!」
「アルバラストの時も居たんだが覚えてっかー!?」
「さっきの戦いなかなか燃えたぜ!」
「おぅ今度狩り行かねぇか?」
「フリアダビア奪還してくれてありがとうなーっ!カンパーイ!」
「ど、どうも…
あ、お姉さん僕にもそのチーズ乗ったパンを3つお願いします。」
「はーい、【鬼神】さん。」
ノアから注文を受け、膝下まで丈がある赤白のメイド服を来たお姉さんが、手早く調理に入る。
「少年!どうして酒場何かに?やっぱ貴族連中から逃げてきたのか?」
「えぇ、一時的な物でしょうから熱りが冷めるまで大通りに出るのは控えようかと。」
「その方が良いぜー、貴族様はここみたいな酒場は入ってこないからなー!」
「「「はっはー!!カンパーイ!」」」
皆酒のせいか、元々の気質かどうかは分からないが、かなり陽気になっており事ある毎に乾杯と発して酒を煽っていた。
父親が酒の飲み過ぎで何度か大失敗している所を目撃しているノアとしては飲むつもりは無いが、たまに飲んでみたい衝動に駆られる時がある。
が、その都度父親の大惨事を思い出して自制に努めている。
と、そこまで考えていた所で本来の目的を思い出し、梁から下りる。
「そういえば、さっきのお礼というのは何でしょう。
申し訳無いのですが記憶に無くて…」
困り顔のノアがそう聞いてきたのでバドロが慌てて返答する。
「あ、俺達は皆同郷でね。
オードゥスって街の近くにある村なんだが…」
「もしかしてハミルって言う名前の村長さんがいる所ですか?」
「そう!それ!その村だ!
その村の近くに巣食っていたゴブリンを殲滅してくれたそうじゃないか!」
「あー、あの村の方だったんですね。
でもゴブリンの巣を見付けたのは偶々だったので、お礼を言われる程「それでも、だ!」
「ゴブリン1匹1匹は大した事なくても200匹なんて大群、村に攻め入られてたら一溜まりも無かったわ。」
「偶々かも知れないが、君が村を救ってくれた事に変わりは無い。
俺達の故郷を救ってくれてありがとう。
今君に出来る事は何も無いが、困った事があったら手助けしよう。」
「その時は是非ともお願いします。」
その後バドロと固い握手を交わしたノアは、ふと酒場を見回してバドロに質問をする。
「そういえば、今この酒場に居るのは協力してくれた方々なんですよね?」
「そうだな、結界張った奴等の他に避難誘導やら交通整理、その他に伝令みたく街中走り回った奴何かもいるぞ。」
「なる程…」
ガチャッ…
と、そんな事を話していると、酒場の扉が開き『槍サーの姫君』のヤンがジャロルを肩車し、その後ろをリンとフェイが着いてくる形で入って来た。
「うひゃー、混んどるのぅ…
…って、おお?少年ここに居ったのか、探しとったんじゃよ。」
「「「やっほー。」」」
ヤンに肩車されたジャロルがノアに向かって手をブンブンと振ってくる。
ここだけ切り抜いたら完全に母と娘である。
「あ、丁度良い所に。皆さんもどうぞ中へ。」
「ん?何じゃ、何かやるのかや?」
ともあれ、4人はノアの誘いに応じて酒場内へと入り、ノアはカウンターの前へと移動する。
他の冒険者も何だ何だと、ノアの動向に注目している。
「えー皆さん、本日は僕の無茶な要請に応じて頂きありがとうございます。
恐らく協力して頂けなかったら街に被害が出ていたでしょう。
ここに居る200人、1人1人に感謝を述べるのも何なので僕からお礼として…」
バシン!
「正直言って僕お酒飲まないので相場は分かりませんが、ここに200万ガルあります!
これで今日は好き勝手飲み食いして下さい!」
ノアはカウンターに白金貨2枚、200万ガルを出して周囲の冒険者に言い放つ。
……。
「あ、あれ…?もしかして足りませんでしたか…?」
全員黙りこくった事に不安を感じたノアは、誰ともなく問い掛ける。
アッハッハッハッハ!
今度は逆に全員笑い始めた。
それに対してノアが心配そうにしていると
「はっはっは!いやぁ済まない、充分だよ。
寧ろ多い位だ。」
「1人頭1万ガルか、エール10杯にツマミを頼んでもお釣りが来るぜ!」
「飲みきれんかったら妾に任せぃ、5樽位余裕じゃ!」
「おーいお姉さん、急いでエールや食い物仕入れて来ないとヤバイかも知れないぜ?」
その後10人程のお姉さん部隊が投入され、洒落にならない量のエールが皆に行き渡り、山程の料理が提供された。
少しして頃合いを見計らったノアが音頭を取る。
「さーて、皆さん行き渡りましたか?」
「「「「「「「「おーぅ!」」」」」」」」
「はい!じゃー今日はお疲れ様でした!カンパーイ!」
「「「「「「「カンパーイ!」」」」」」」
ノアの号令と共に大規模な飲み会が開始された。
途中、飲み比べ大会と大食い大会、腕相撲大会が開催されたりと終始カオスな展開が続き、この飲み会が終わる頃には日付が変わっていた。
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