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王都編
ポーラを早々に追っ払い
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クロラとノアのやり取りを覗き見ていたポーラを早々に追っ払い、2人で他愛も無い話をしつつ待つ事1時間、クリスは驚く程の早さでペアリングと指輪の修理を完了させた。
「さて、一応修理は完了したから具合を確かめてみてくれ。」
クリスからそう言われたノアは腕に装着し、具合を確かめる。
その後ペアリングに話し掛け、クロラに連絡が着くかの確認を行う。
「"届きましたか"うん、しっかり届いたよ。」
「たった1時間で完璧に直すとは…」
「ふふふ、これが【適正】の力さ。
しっかり直したんだ、今度は戦闘以外でも使ってくれよな?」
「う、善処します…」
【彫金加工】ギルドを後にしたクロラとノアは、途中屋台に寄って買い食いしつつ、翌日の依頼の件が話題に上がった。
「クロラさんの依頼はいつ頃出立なんですか?」
「私達は明朝かな。
朝早くに出て、野盗の集団が巣食ってるって言う西の村付近を素通りしようと思って…」
「西の村に野盗が?そりゃ何でまた…」
「何でも、つい最近王様が広域殲滅魔法を放って地面に大きな縦穴が出来たんだって。」
「なーる程ね、そこに住み着いてると言う訳ですか…」
「それにアルバラストから逃げて来たのも居るみたい。」
「分かりました、出会したら潰しておきますね。」
「え?ノア君の依頼も西の村の方なの?」
「僕の受けた依頼は王都周辺を4日掛けてぐるっと一周です。」
「うわーそっちの方が大変そうだね。」
「いやいや、寧ろやっと冒険者らしい依頼が舞い込んで来たので嬉しい限りですよ。
久しぶりにのんびり出来そうですし。」
「ノア君この1ヶ月、かなりハードだったものね。」
と、そんな事を話しながら大通りに差し掛かると、領地に帰る貴族だろうか、豪華な馬車が目の前を通る。
ふと馬車の中に居た子供と目が合う。
ガラガラガラガラ…ガラ…
少し進んだ先で馬車が止まると、扉が勢い良く開き中から真っ白なドレスで着飾った小狐の獣人が勢い良く飛び出してきた。
「あー、やっぱり!
爺や!爺や!【鬼神】さんだよ!」
見た目がほぼ狐の少女がふわっふわの尻尾を振りながら、2本足でトコトコとノアの近くに寄ってきた。
これにはノアも無下には出来ず、その場に佇んで待つ事に。
更にその後ろから狼寄りの男性獣人と、騎士鎧を身に纏った人間寄りの女性犬騎士が姿を現す。
「これこれ、フォルクお嬢様…」
「お嬢様、そのお召し物で走られますと転ばれますよ。」
「大丈夫、大丈『ガツッ!』夫?」
誰もが予想した通り、石畳で躓いた狐の少女はそのまま前のめりに大の字で倒れ込む。
「よっと…」
が、その寸前でノアに抱き抱え上げられた為事なきを得る。
「元気なのは良い事ですが、ちゃんと足元見ましょうね。」
「ね、【鬼神】さんが助けてくれるから大丈夫だったでしょ!」
そう言って男性狼獣人と女性犬騎士に言って聞かせるも、対する2人は「はぁ…」とため息を溢している。
2人の様子を見る限りこのお嬢さんはいつもこの調子の様だ。
「こーら、フォルクちゃん、お兄ちゃんが助けてくれたんだから先ずはお礼を言わないとダメでしょ。」
ノアの後ろからつかつかと歩いて来たクロラは、フォルクと言う狐のお嬢さんに軽く注意をしてきた。
「あ、お兄ちゃん、助けてくれてありがとー。」
「はい、どういたしまして。
…そういえばクロラさんは、この子とお知り合いなんですか?」
「うん。
オードゥスからアルバラストに向かう途中で、フォルクちゃんの乗る馬車が泥濘に嵌まってたのを、皆で助けたのがきっかけ。」
「あの時も私と爺やの2人だけしか居なかったので非常に助かりました。」
女性犬騎士が当時の事を思い出しつつクロラに礼を言ってくる。
「それと初めまして、私はハナリーレストバーニヤ、長ったらしいのでハナと呼んでくれ。
【鬼神】のノア殿と言ったな、貴方にお礼を言いたい。」
「"【鬼神】の"は付けなくても良いですよ。
それと、お礼ならこの子から頂きましたから。」
そう言って抱き抱えていた狐の少女を下ろす。
「あ、いや、そうでは無く個人的にお礼が言いたいんだ。」
「個人的に…ですか…?」
「うむ、ノア殿、私が今装備しているこの鎧に見覚えは無いかな?」
と言われて不躾ながらハナ、と言う名の犬騎士の装備を確認してみる。
(肩当て、胸当て…うーん…
剣も騎士が持ってそうな…物だし…
腰…あれ?腰に装着してるのはどこかで見たような…あ…)
「もしかしてこれ鎧蜂を使った腰装備ですか?」
「その通りです。
実は私、暇を頂いては鎧蜂の素材を求め何度か森林ダンジョンの『森羅』に赴いて挑戦しましたが、苦万蜂の大群や女鏖蜂に阻まれ、未だ攻略には至っておりません。」
「あー、あの大群かなり厄介ですからね…」
「うわぁ、凄い綺麗、銀食器みたい。」
「しかしある時、仲の良い商人の元に鎧蜂の素材が入ったとの報せを聞き、直ぐ様飛び付きました。」
「ホッホッホ、あの時のハナは"待て"を食らった犬の様に落ち着きがありませんでしたね。」
御者の男性狼獣人が当時の事を思い出し、笑みを浮かべている。
「私が何度挑戦しても敵わなかったのに貴方は単騎で撃破したとか…」
「えぇ、まぁ…あの時は無我夢中でしたが…」
「そうして貴方が倒した素材が私の元にやって来る…これはもう運命とでも言っていいでしょう。」
「「うん?(ノア・クロラ)」」
「私共犬獣人は、己よりも強き者を主とする習性があります。
お互い初対面ではありますが、昨日の御前試合を見て心を決めました…」
(あ、何か嫌な予感が…)
「ノ、ノア殿!私を娶って、私のご主人様になって頂け「何を言っとるかバカ者。」ベシン!
ハナの頭を叩いたのは男性狼獣人であった。
「お前の習性を利用して求婚するのは止めんか!
ノア殿はまだしも、クロラ様は固まっておられるじゃないか。」
ハナに求婚されたノアは苦笑いをし、クロラは口をポカンと開けたまま固まっている。
「た、確かにいきなりこんな事言われて困惑すると思うが、私の『待て。』
一言発したノアを見ると、ノアの眼は赤黒く染まり、赤黒いオーラが立ち昇る。
人格の主導権が『俺』に移った状態である。
狼獣人と狐の少女、それにハナはその変容に息を呑む。
「ハ、ハナ!先程の発言を撤回し、謝罪するのだ!」
『ははは、別に怒っちゃいないさ。
寧ろお前さんの様な美犬に求婚されたんだ、男冥利に尽きるってもんだ。』
と言いつつノアの隣で固まっているクロラの肩に優しく手を添えて抱き寄せる。
『だが今主はこの嬢ちゃんにしか興味は無いんだ。
悪いが、番を探してんなら他を当たりな。』
ノアのなすがままに抱き寄せられたクロラは、ノアの胸元でただただ頬を赤らめていた。
「ほら見ただろうハナ!今のお前が彼に付け入る隙はありゃせん。
全く、【鬼神】殿には別の用事で来たというのに…」
「ね?爺や、言った通りでしょ?
"会えはするけど話が出来る状況じゃない"って。」
「うぬ…確かにの。
【鬼神】殿、今日はお騒がせしました。
また何れお会い致しましょう。」
『何か用事があったみたいだが良いのかい?』
「ほっほっほ、大した用事ではありませんので次の機会でも大丈夫でございます。
ほら、ハナ、早く馬車に乗りなさい。
旦那様にお説教して貰わねばなりませんな。」
「わ、わぅぅ…」
露骨に肩を落としたハナはすごすごと馬車へと乗っていく。
『そういえば貴方達はどこの貴族の者だい?』
この質問には狐の少女フォルクが答える。
「私達は、獣人が住む国『ヴァーリアスフェアレス』に居るの!
もし良かったら来てね【鬼神】のお兄ちゃん!」
ガラガラガラ
馬車の窓からフォルクがブンブンと手を振ってノア達の元から去っていった。
少しして人格の主導権が戻ったノアがため息を溢す。
「ふー、すいませんクロラさん、少し強引な事してしまって。
ああでも言わないと引き下がってくれなそうだったので…」
「いやー、突然だったから私ビックリしちゃった。」
「僕もですよ、まさか求婚されるとは…」
「あー、いや…抱き寄せて『私にしか興味無い』って部分に…」
ちなみに今も抱き寄せたままのポーズであった事に驚き、慌てて飛び退く。
「な、何かご飯食べに行きましょうか!」
「う、うん。そだねー。」
露骨に話題を変えたノアは、先程クロラと買い食いしたのも忘れ、2人で食事に向かおうと、来た道を振り返る。
が、近くの路地裏から、先程よりも更にニヤニヤ度合いを増したポーラとクロラの兄であるクリスとクックが2人の様子を覗き込んでいた。
これにはノアとクロラが「ひぃ」と声を上げてしまうの言うまでもなかった。
「さて、一応修理は完了したから具合を確かめてみてくれ。」
クリスからそう言われたノアは腕に装着し、具合を確かめる。
その後ペアリングに話し掛け、クロラに連絡が着くかの確認を行う。
「"届きましたか"うん、しっかり届いたよ。」
「たった1時間で完璧に直すとは…」
「ふふふ、これが【適正】の力さ。
しっかり直したんだ、今度は戦闘以外でも使ってくれよな?」
「う、善処します…」
【彫金加工】ギルドを後にしたクロラとノアは、途中屋台に寄って買い食いしつつ、翌日の依頼の件が話題に上がった。
「クロラさんの依頼はいつ頃出立なんですか?」
「私達は明朝かな。
朝早くに出て、野盗の集団が巣食ってるって言う西の村付近を素通りしようと思って…」
「西の村に野盗が?そりゃ何でまた…」
「何でも、つい最近王様が広域殲滅魔法を放って地面に大きな縦穴が出来たんだって。」
「なーる程ね、そこに住み着いてると言う訳ですか…」
「それにアルバラストから逃げて来たのも居るみたい。」
「分かりました、出会したら潰しておきますね。」
「え?ノア君の依頼も西の村の方なの?」
「僕の受けた依頼は王都周辺を4日掛けてぐるっと一周です。」
「うわーそっちの方が大変そうだね。」
「いやいや、寧ろやっと冒険者らしい依頼が舞い込んで来たので嬉しい限りですよ。
久しぶりにのんびり出来そうですし。」
「ノア君この1ヶ月、かなりハードだったものね。」
と、そんな事を話しながら大通りに差し掛かると、領地に帰る貴族だろうか、豪華な馬車が目の前を通る。
ふと馬車の中に居た子供と目が合う。
ガラガラガラガラ…ガラ…
少し進んだ先で馬車が止まると、扉が勢い良く開き中から真っ白なドレスで着飾った小狐の獣人が勢い良く飛び出してきた。
「あー、やっぱり!
爺や!爺や!【鬼神】さんだよ!」
見た目がほぼ狐の少女がふわっふわの尻尾を振りながら、2本足でトコトコとノアの近くに寄ってきた。
これにはノアも無下には出来ず、その場に佇んで待つ事に。
更にその後ろから狼寄りの男性獣人と、騎士鎧を身に纏った人間寄りの女性犬騎士が姿を現す。
「これこれ、フォルクお嬢様…」
「お嬢様、そのお召し物で走られますと転ばれますよ。」
「大丈夫、大丈『ガツッ!』夫?」
誰もが予想した通り、石畳で躓いた狐の少女はそのまま前のめりに大の字で倒れ込む。
「よっと…」
が、その寸前でノアに抱き抱え上げられた為事なきを得る。
「元気なのは良い事ですが、ちゃんと足元見ましょうね。」
「ね、【鬼神】さんが助けてくれるから大丈夫だったでしょ!」
そう言って男性狼獣人と女性犬騎士に言って聞かせるも、対する2人は「はぁ…」とため息を溢している。
2人の様子を見る限りこのお嬢さんはいつもこの調子の様だ。
「こーら、フォルクちゃん、お兄ちゃんが助けてくれたんだから先ずはお礼を言わないとダメでしょ。」
ノアの後ろからつかつかと歩いて来たクロラは、フォルクと言う狐のお嬢さんに軽く注意をしてきた。
「あ、お兄ちゃん、助けてくれてありがとー。」
「はい、どういたしまして。
…そういえばクロラさんは、この子とお知り合いなんですか?」
「うん。
オードゥスからアルバラストに向かう途中で、フォルクちゃんの乗る馬車が泥濘に嵌まってたのを、皆で助けたのがきっかけ。」
「あの時も私と爺やの2人だけしか居なかったので非常に助かりました。」
女性犬騎士が当時の事を思い出しつつクロラに礼を言ってくる。
「それと初めまして、私はハナリーレストバーニヤ、長ったらしいのでハナと呼んでくれ。
【鬼神】のノア殿と言ったな、貴方にお礼を言いたい。」
「"【鬼神】の"は付けなくても良いですよ。
それと、お礼ならこの子から頂きましたから。」
そう言って抱き抱えていた狐の少女を下ろす。
「あ、いや、そうでは無く個人的にお礼が言いたいんだ。」
「個人的に…ですか…?」
「うむ、ノア殿、私が今装備しているこの鎧に見覚えは無いかな?」
と言われて不躾ながらハナ、と言う名の犬騎士の装備を確認してみる。
(肩当て、胸当て…うーん…
剣も騎士が持ってそうな…物だし…
腰…あれ?腰に装着してるのはどこかで見たような…あ…)
「もしかしてこれ鎧蜂を使った腰装備ですか?」
「その通りです。
実は私、暇を頂いては鎧蜂の素材を求め何度か森林ダンジョンの『森羅』に赴いて挑戦しましたが、苦万蜂の大群や女鏖蜂に阻まれ、未だ攻略には至っておりません。」
「あー、あの大群かなり厄介ですからね…」
「うわぁ、凄い綺麗、銀食器みたい。」
「しかしある時、仲の良い商人の元に鎧蜂の素材が入ったとの報せを聞き、直ぐ様飛び付きました。」
「ホッホッホ、あの時のハナは"待て"を食らった犬の様に落ち着きがありませんでしたね。」
御者の男性狼獣人が当時の事を思い出し、笑みを浮かべている。
「私が何度挑戦しても敵わなかったのに貴方は単騎で撃破したとか…」
「えぇ、まぁ…あの時は無我夢中でしたが…」
「そうして貴方が倒した素材が私の元にやって来る…これはもう運命とでも言っていいでしょう。」
「「うん?(ノア・クロラ)」」
「私共犬獣人は、己よりも強き者を主とする習性があります。
お互い初対面ではありますが、昨日の御前試合を見て心を決めました…」
(あ、何か嫌な予感が…)
「ノ、ノア殿!私を娶って、私のご主人様になって頂け「何を言っとるかバカ者。」ベシン!
ハナの頭を叩いたのは男性狼獣人であった。
「お前の習性を利用して求婚するのは止めんか!
ノア殿はまだしも、クロラ様は固まっておられるじゃないか。」
ハナに求婚されたノアは苦笑いをし、クロラは口をポカンと開けたまま固まっている。
「た、確かにいきなりこんな事言われて困惑すると思うが、私の『待て。』
一言発したノアを見ると、ノアの眼は赤黒く染まり、赤黒いオーラが立ち昇る。
人格の主導権が『俺』に移った状態である。
狼獣人と狐の少女、それにハナはその変容に息を呑む。
「ハ、ハナ!先程の発言を撤回し、謝罪するのだ!」
『ははは、別に怒っちゃいないさ。
寧ろお前さんの様な美犬に求婚されたんだ、男冥利に尽きるってもんだ。』
と言いつつノアの隣で固まっているクロラの肩に優しく手を添えて抱き寄せる。
『だが今主はこの嬢ちゃんにしか興味は無いんだ。
悪いが、番を探してんなら他を当たりな。』
ノアのなすがままに抱き寄せられたクロラは、ノアの胸元でただただ頬を赤らめていた。
「ほら見ただろうハナ!今のお前が彼に付け入る隙はありゃせん。
全く、【鬼神】殿には別の用事で来たというのに…」
「ね?爺や、言った通りでしょ?
"会えはするけど話が出来る状況じゃない"って。」
「うぬ…確かにの。
【鬼神】殿、今日はお騒がせしました。
また何れお会い致しましょう。」
『何か用事があったみたいだが良いのかい?』
「ほっほっほ、大した用事ではありませんので次の機会でも大丈夫でございます。
ほら、ハナ、早く馬車に乗りなさい。
旦那様にお説教して貰わねばなりませんな。」
「わ、わぅぅ…」
露骨に肩を落としたハナはすごすごと馬車へと乗っていく。
『そういえば貴方達はどこの貴族の者だい?』
この質問には狐の少女フォルクが答える。
「私達は、獣人が住む国『ヴァーリアスフェアレス』に居るの!
もし良かったら来てね【鬼神】のお兄ちゃん!」
ガラガラガラ
馬車の窓からフォルクがブンブンと手を振ってノア達の元から去っていった。
少しして人格の主導権が戻ったノアがため息を溢す。
「ふー、すいませんクロラさん、少し強引な事してしまって。
ああでも言わないと引き下がってくれなそうだったので…」
「いやー、突然だったから私ビックリしちゃった。」
「僕もですよ、まさか求婚されるとは…」
「あー、いや…抱き寄せて『私にしか興味無い』って部分に…」
ちなみに今も抱き寄せたままのポーズであった事に驚き、慌てて飛び退く。
「な、何かご飯食べに行きましょうか!」
「う、うん。そだねー。」
露骨に話題を変えたノアは、先程クロラと買い食いしたのも忘れ、2人で食事に向かおうと、来た道を振り返る。
が、近くの路地裏から、先程よりも更にニヤニヤ度合いを増したポーラとクロラの兄であるクリスとクックが2人の様子を覗き込んでいた。
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