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王都編
薪の煤と脂が混じった良い香り
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カラメル牛の肉がチリチリと低温で炙られ、ポタリポタリと肉汁が薪に滴る度、辺りには薪の煤と脂が混じった良い香りが漂っていた。
ジジジ…ジュゥウウ…
プスッ
「うん、透明な肉汁しか出てこないからキチンと火が通ってますね。」
「何か同じ光景さっきも見た様な…」
あの後、気性の荒いカラメル牛が追加で5頭、ホーミングボアが3頭現れノア達を襲うも、難なくこれを撃破。
レイルとドリー、【洋裁】の男性も手伝って解体を行っている。
ノアは警戒しつつも脚の部位を焼き、味を見ようとしていた。
ちなみに他の面々は、先程たらふく食べたので断られた。
ヴァモスとベレーザも食べたそうにしていたが胃にもう入らない様だ。
後で食べさせてあげる事にしよう。
「頂きます。」ガブッ!
イタダキマス。 ガブッ、ゴギンッ!
掌サイズに切り分けたカラメル牛の塊肉を、口から溢れんばかりにかぶり付く。
1噛み目は肉のあまりの柔らかさに驚き、2噛み目は口の端から溢れ的そうな程の肉汁に驚き、3噛み目で鼻に抜ける濃厚な肉の香りに驚く。
ヤワラカイノニタベゴタエアルネ。
グリードも同じ感想な様だ。
ちなみにグリードは図太い骨ごと食べているが、相変わらず問題ない様である。
「ノア君ごめーん、解体ちょっと時間掛かるかも。」
「カラメル牛の血、貰い受けるわ。」
「牛の内臓で欲しい部位があるので是非とも【薬剤】に。」
「済まない、あまり毛皮を傷付けたく無いから慎重にやらせて欲しい。」
「いえいえ、構いませんよ。」
カラメル牛の毛もそうだが皮も需要がある。
冒険者が着ける防具というよりは鞄や財布、靴等の日常品が主である。
【魔術】ギルドの面々は瓶の様な保存容器を取り出して血を採取したいそうだ。
絵面は怪しいが、カラメル牛程のモンスターの血は魔力のノリが良いとか何とか。
【薬剤】の面々は内臓の一部を欲している様だ。
何でも生薬に使うとか何とか。
ノアがほぼ一撃で仕留めるので、素材に全くと言って良い程傷が無い為、捨てる部分が無いので解体は取り分け慎重に行う必要がある様だ。
時間にして最低でも30分は掛かるそうだ。
特に急ぐ必要も無いので急かしたりはしないが。
「ヴァモス、ベレーザ、時間が出来たから少し遊ばないか?」
「「遊び…ですか?」」
「そう、鬼ごっこやろうか。
2人が鬼になって30分以内に僕を捕まえるんだ。」
そう提案された2人は、鬼ごっこをやるのには賛成したが
「鬼ごっこをやるのは構いません。
ですが30分は流石にノア様でも無謀では…」
「ノア様の実力を疑う訳ではありませんが、私達かなり速いですよ?」
「うん、知ってる。
遊びとは言ったけど、一応今後の事を考えて獲物を獲る練習も兼ねてるからそのつもりでね。」
「…分かりました。
ベレーザ、最初はボクに行かせて欲しい。
30分と言わず30秒で捕えてみせますよ。」
「うん、分かったわ。」
「それじゃあルールを決めてしまおう。
範囲は皆が解体やってる所からあの小川まで。
大体100メル位かな?
ヴァモス、ベレーザは僕に触れれば勝ち、僕は触られでもしたら負け。
僕は基本的に避けるけど、僕から触りにいくのは有りでも良いかな?」
「ええ、良いですよ。
生まれ変わったボクの力をお見せしましょう。」
2人は30メル程離れて向かい合う。
ベレーザはヴァモスの少し後ろで待機している。
「はい、じゃあ行くよー。始め。」パチン
ドッ!
ノアが手を叩くと同時にヴァモスは1歩で20メル程の距離を詰め、ノアの右肩に触れる様、左手を伸ばす。
ヒョイ。「あ!?」
ノアは体を捻って肩を後方へやると、ヴァモスの手が空を切る。
そのままノアは静かに体を滑らせてヴァモスの背後へと回る。
「くっ!…あれ?…あれ?」
ヴァモスは慌てて後ろを振り向くが、ノアの姿が無いので再度振り返るも、姿が見えないので混乱している。
すると
「ヴァモス!後ろ!ノア様はずっと後ろに居るよ!」
「えっ!?」バッ!
ベレーザから告げられ再び振り向くがノアの姿が無い。
が、ふとヴァモスが自身の足元を見るとノアの足が見えた為、前方に向かって大きく跳躍する。
ダッ!
「ふふふ~どうだい、気付かなかっただろう?」
「ええ…ベレーザが言ってくれなければ気付きませんでしたよ…」
「今後は意識して周囲の気配を探る事。良いね?」
「はい!」ズドッ!
先程よりも更に速度を上げてヴァモスが駆け出す。今度は両手を体の前で構え、完全に掴み掛かる姿勢を取る。
ブォンッ!ブォン、ブォンッブォンッ!ブォンッ!
スッスッヒョイッスッヒョイヒョイ
ヴァモスが繰り出す猛攻を、ノアは後ろに下がりつつ全て紙一重で避ける。
2分程コレを続けたヴァモスは、流石に痺れを切らし
「ご、ごめんベレーザ!やっぱり手伝って!」
「うっしゃあ、待ってたよ!」
先程からヴァモスとノアのやり取りをウズウズと、尻尾をフリフリと揺らしながら待機していたベレーザが勢いよく飛び出す。
ダダダダダダダダッ!
「ニャニャニャニャニャッ!」
ベレーザって猫獣人だったっけ?と錯覚させる様な声を上げてノアの元へ。
さ「」
ブォン『ボッ』ブォン、ブォ『ボッ!』ンッブォンッ『ボッ』ブォンッ!『ボッ』
スッ『バッ』スッ『ババッ』ヒョイッ『バッ!』スッ『バッ!』ヒョイ『ババッ!』ヒョイ
(ほぉ…ヴァモスの大振りの合間を埋める様にベレーザが掴み掛かって来るな…
案外良いコンビかも知れないな…)
「ぬぬぬ!速度はこっちの方が速いハズなのに全部避けられる…」
「し、しかもノアさみゃ、涼しい顔してるニャア…
絶対他の事考えてるニャア…」
自分から持ち掛けた訓練なのでそう易々と捕まる訳にはいかない為、ノアは心を鬼にして事にあたっていた。
解体中の他の者達も時折手を止め、ノア達の鬼ごっこを観戦していた為、結局50分程続いた。
「お、皆さん終わった様ですね。」
「あ、あぁ…」
「うん…」
「…お疲れ様…」
「それじゃあ鬼ごっこはこの辺にして、依頼の続きといきましょうか。」
「は、はい…」
「うにゃあ…」
50分間翻弄されまくった2獣人は、両足をガク付かせながら皆の元へと戻る。
少し疲れた表情をさせているが、2人共口角を上げて晴れ晴れとした顔をしていた。
「ヴァモスは速度は申し分無いが、もう少し小回りを利かせた方が良いな。
踏み込みと着地を意識すると良いよ。」
「はい…!」
「ベレーザはヴァモスの大振りのスキを狙うのは良かったよ。
ただ自分からも、もう少し仕掛けような。」
「はい、次の機会があればそうします。」
等々、感想戦を行っていると
「あ、見えてきた。」
「うん?
お、薄らと煙突が見える…あれが西の村ですか。」
遠くの山と山の麓辺りに薄らと集落の様な物が見えてきた。
皆の反応からして西の村で間違い無い様だ。
(このままのペースで行けば到着は2時間半位後かな?)
と、予想したノアだが、カラメル牛やホーミングボアとの遭遇、野草の採集等を行った結果、西の村に着いたのは3時間後となった。
ジジジ…ジュゥウウ…
プスッ
「うん、透明な肉汁しか出てこないからキチンと火が通ってますね。」
「何か同じ光景さっきも見た様な…」
あの後、気性の荒いカラメル牛が追加で5頭、ホーミングボアが3頭現れノア達を襲うも、難なくこれを撃破。
レイルとドリー、【洋裁】の男性も手伝って解体を行っている。
ノアは警戒しつつも脚の部位を焼き、味を見ようとしていた。
ちなみに他の面々は、先程たらふく食べたので断られた。
ヴァモスとベレーザも食べたそうにしていたが胃にもう入らない様だ。
後で食べさせてあげる事にしよう。
「頂きます。」ガブッ!
イタダキマス。 ガブッ、ゴギンッ!
掌サイズに切り分けたカラメル牛の塊肉を、口から溢れんばかりにかぶり付く。
1噛み目は肉のあまりの柔らかさに驚き、2噛み目は口の端から溢れ的そうな程の肉汁に驚き、3噛み目で鼻に抜ける濃厚な肉の香りに驚く。
ヤワラカイノニタベゴタエアルネ。
グリードも同じ感想な様だ。
ちなみにグリードは図太い骨ごと食べているが、相変わらず問題ない様である。
「ノア君ごめーん、解体ちょっと時間掛かるかも。」
「カラメル牛の血、貰い受けるわ。」
「牛の内臓で欲しい部位があるので是非とも【薬剤】に。」
「済まない、あまり毛皮を傷付けたく無いから慎重にやらせて欲しい。」
「いえいえ、構いませんよ。」
カラメル牛の毛もそうだが皮も需要がある。
冒険者が着ける防具というよりは鞄や財布、靴等の日常品が主である。
【魔術】ギルドの面々は瓶の様な保存容器を取り出して血を採取したいそうだ。
絵面は怪しいが、カラメル牛程のモンスターの血は魔力のノリが良いとか何とか。
【薬剤】の面々は内臓の一部を欲している様だ。
何でも生薬に使うとか何とか。
ノアがほぼ一撃で仕留めるので、素材に全くと言って良い程傷が無い為、捨てる部分が無いので解体は取り分け慎重に行う必要がある様だ。
時間にして最低でも30分は掛かるそうだ。
特に急ぐ必要も無いので急かしたりはしないが。
「ヴァモス、ベレーザ、時間が出来たから少し遊ばないか?」
「「遊び…ですか?」」
「そう、鬼ごっこやろうか。
2人が鬼になって30分以内に僕を捕まえるんだ。」
そう提案された2人は、鬼ごっこをやるのには賛成したが
「鬼ごっこをやるのは構いません。
ですが30分は流石にノア様でも無謀では…」
「ノア様の実力を疑う訳ではありませんが、私達かなり速いですよ?」
「うん、知ってる。
遊びとは言ったけど、一応今後の事を考えて獲物を獲る練習も兼ねてるからそのつもりでね。」
「…分かりました。
ベレーザ、最初はボクに行かせて欲しい。
30分と言わず30秒で捕えてみせますよ。」
「うん、分かったわ。」
「それじゃあルールを決めてしまおう。
範囲は皆が解体やってる所からあの小川まで。
大体100メル位かな?
ヴァモス、ベレーザは僕に触れれば勝ち、僕は触られでもしたら負け。
僕は基本的に避けるけど、僕から触りにいくのは有りでも良いかな?」
「ええ、良いですよ。
生まれ変わったボクの力をお見せしましょう。」
2人は30メル程離れて向かい合う。
ベレーザはヴァモスの少し後ろで待機している。
「はい、じゃあ行くよー。始め。」パチン
ドッ!
ノアが手を叩くと同時にヴァモスは1歩で20メル程の距離を詰め、ノアの右肩に触れる様、左手を伸ばす。
ヒョイ。「あ!?」
ノアは体を捻って肩を後方へやると、ヴァモスの手が空を切る。
そのままノアは静かに体を滑らせてヴァモスの背後へと回る。
「くっ!…あれ?…あれ?」
ヴァモスは慌てて後ろを振り向くが、ノアの姿が無いので再度振り返るも、姿が見えないので混乱している。
すると
「ヴァモス!後ろ!ノア様はずっと後ろに居るよ!」
「えっ!?」バッ!
ベレーザから告げられ再び振り向くがノアの姿が無い。
が、ふとヴァモスが自身の足元を見るとノアの足が見えた為、前方に向かって大きく跳躍する。
ダッ!
「ふふふ~どうだい、気付かなかっただろう?」
「ええ…ベレーザが言ってくれなければ気付きませんでしたよ…」
「今後は意識して周囲の気配を探る事。良いね?」
「はい!」ズドッ!
先程よりも更に速度を上げてヴァモスが駆け出す。今度は両手を体の前で構え、完全に掴み掛かる姿勢を取る。
ブォンッ!ブォン、ブォンッブォンッ!ブォンッ!
スッスッヒョイッスッヒョイヒョイ
ヴァモスが繰り出す猛攻を、ノアは後ろに下がりつつ全て紙一重で避ける。
2分程コレを続けたヴァモスは、流石に痺れを切らし
「ご、ごめんベレーザ!やっぱり手伝って!」
「うっしゃあ、待ってたよ!」
先程からヴァモスとノアのやり取りをウズウズと、尻尾をフリフリと揺らしながら待機していたベレーザが勢いよく飛び出す。
ダダダダダダダダッ!
「ニャニャニャニャニャッ!」
ベレーザって猫獣人だったっけ?と錯覚させる様な声を上げてノアの元へ。
さ「」
ブォン『ボッ』ブォン、ブォ『ボッ!』ンッブォンッ『ボッ』ブォンッ!『ボッ』
スッ『バッ』スッ『ババッ』ヒョイッ『バッ!』スッ『バッ!』ヒョイ『ババッ!』ヒョイ
(ほぉ…ヴァモスの大振りの合間を埋める様にベレーザが掴み掛かって来るな…
案外良いコンビかも知れないな…)
「ぬぬぬ!速度はこっちの方が速いハズなのに全部避けられる…」
「し、しかもノアさみゃ、涼しい顔してるニャア…
絶対他の事考えてるニャア…」
自分から持ち掛けた訓練なのでそう易々と捕まる訳にはいかない為、ノアは心を鬼にして事にあたっていた。
解体中の他の者達も時折手を止め、ノア達の鬼ごっこを観戦していた為、結局50分程続いた。
「お、皆さん終わった様ですね。」
「あ、あぁ…」
「うん…」
「…お疲れ様…」
「それじゃあ鬼ごっこはこの辺にして、依頼の続きといきましょうか。」
「は、はい…」
「うにゃあ…」
50分間翻弄されまくった2獣人は、両足をガク付かせながら皆の元へと戻る。
少し疲れた表情をさせているが、2人共口角を上げて晴れ晴れとした顔をしていた。
「ヴァモスは速度は申し分無いが、もう少し小回りを利かせた方が良いな。
踏み込みと着地を意識すると良いよ。」
「はい…!」
「ベレーザはヴァモスの大振りのスキを狙うのは良かったよ。
ただ自分からも、もう少し仕掛けような。」
「はい、次の機会があればそうします。」
等々、感想戦を行っていると
「あ、見えてきた。」
「うん?
お、薄らと煙突が見える…あれが西の村ですか。」
遠くの山と山の麓辺りに薄らと集落の様な物が見えてきた。
皆の反応からして西の村で間違い無い様だ。
(このままのペースで行けば到着は2時間半位後かな?)
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