ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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王都編

クピクピ

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クピクピ…「ぷはぁ…あー、しんど…」

「大丈夫ですかノア様?」

「うん、ヴァンディットさんが作ってくれた精神力回復薬のお陰で大分軽くなったよ。」

「君があの2人に何をやってああなったかは分からないが、恐ろしい能力だねぇ。」


2人を王都から追いやった直後、通常状態に戻ったノアは、大幅に精神力を持っていかれ膝を付いて踞った。

王城の一角にある壁際まで移動し、ヴァンディットが予め作製していた精神力回復薬を少しずつ飲んで回復を図っていた所である。


「えぇ…人間を人形同然に操る事が可能ですし、あの2人の実力なら追々どうなるか分かった上で操ってますからね、中々堪えますよ…
ですが、2人を物の様に見てたのが頭に来てついカッとなりました…
やり過ぎ、でしたよね…?」


フードの人物に確認を取るかの様に聞いてみると意外な答えが帰って来た。


「いや、そうでもないよ。
奴ら、中々エグい事を本国でもやってたみたいで、聞いてもいないのに自分の趣味趣向や性癖を高らかに語ってたのが何とも虫酸が走る…
君が何かしら手を下さないのであれば、私がどうにかして処分しようとしてたさ。」

「あなたにしては珍しいですね。
いつも冷静な方だと思ってましたが…」

「おや、いけないいけない。
感情を殺していたつもりでしたが、また少し出て来てしまいましたね。」


そう言ってフードの上から顔の辺りをぐにぐにと押すフードの人物。


「兎に角、奴らを追っ払ってくれて助かるよ。
これで皆やっと職務に集中出来ると言うものだ。
依頼の件、進展あったらまた君の所へ向かおう。それではまた。」


やや急ぎ足ではあったが、フードの人物は姿を消し、その場を去っていった。


「…さて、2人の方は落ち着いたかな?」


ノアが視線を移すと、ヴァモスとベレーザの2人が耳を垂らしてしょんぼりとしていた。


「ノア様に名前を頂いて、ボクは生まれ変った、前までのボクとは違うんだ。
そう思っていましたが、2人を前にすると震えが止まらなくて…」

「ノア様と一緒なら大丈夫。
そう言い聞かせ、ノア様の忠告を断った上でご同行しましたのにこの有り様…
誠に申し訳ありませんでした…」


2人としては、多少なりとも文句や罵声を言い放ちたかった様だが、いざ2人を前にすると何も出来ずに押し黙る事しか出来なかったのがとても不甲斐無く思っているらしい。

その上、ノアは2人を気遣って何度か忠告したが、それを押して着いて来た事に申し訳なさを覚えている様だった。


しょんぼりとしている2人に近付いたノアは、しゃがみながらヴァモスとベレーザを引き寄せ、首周りに腕を回してわしゃわしゃと撫で始めた。


わしゃわしゃ「ノ、ノアさ!?な、何…!?」

わしゃわしゃ「にゃっ!?にゃん!?」


突然の事に驚いてその場から飛び退こうとする2人だが、ガッチリと腕を回され、全く動けないでいる。


「アイツらは2人にとってトラウマの塊みたいな連中だ。
それを分かった上で立ち向かおうとしてたんだ。それだけで十分頑張った。
普通は考えただけでも動けなくなるものだ。
恥ずかしい事でも何でも無い、良く頑張ったね。」

「わ、わふ…」

「う、うにゃあ…」


その間もヴァモスは顎下を、ベレーザは頭の天辺から背中辺りをわしゃわしゃされ続ける。


「だーかーらーとー言ってー、何度も念押しして忠告したにも関わらず、体が震える位我慢してまで着いてきたのは戴けないなぁ…
罰としてこのまま5分位モフられ続けなさい。」

「ちょっ、コレを5分は流石にもた、もたないですってぇ!」

「にゃ、んにゃぁ、にゃぁんにゃ…(言語能力低下)」

「問答無用。」


結局その後5分の間、2人はノアの言葉通りただひたすらにモフられ続けた。
2分程で2人共全く抵抗しなくなったので、追加で顔周りグニグニも追加してやった。

ちなみに、撫でられ願望のあるヴァンディットは、この時の光景を羨望の眼差しで眺めていたとか。






「はい、お仕舞い。
これに懲りて今度からは自分の気持ちに素直に従って行動しましょう。
さて、こちらの用事は終わったから次の用事を済ませに試合場に行こう。
そしたらご飯にしよう。」

「は、はい…」

「にゃ…うにゃあ…」


徹底的にモフられ続け、腰砕けになった2人を引き連れ、素材採取依頼の途中で屠ったランペイジ・クロコダイルの解体をして貰う為、旧試合場に向け歩きだした。




その道中

「あ、ノア君だ。やっほー。」

「やっほー。」


クロラ達と出会した。


「あれ?少年、今依頼の途中じゃなかったっけ?」


ポーラの疑問は尤もなので、依頼を中断して王都に戻ってきた経緯を皆に説明する事にした。





「あ~、そういえばノア君あの時、2人に何かやってたって言ってたもんね…
でも良かったね、依頼が失敗扱いにならなくて。」

「本当に良かったよ。
一応僕が蒔いた種だけど、依頼まで失敗になってたら目も当てられなかったよ…」


現場に居たクロラはノアの行動を思い出してそう呟き、ノアは自身の行動を思い出して苦笑いを溢す。


「クロラから話は聞いてたけど、あなた達が件の子達ね。
初めまして私はポーラ、ノア君とは友達よ。」

(お、ポーラが率先して自己紹介してる、こういう所はしっかりしてるんだな。)

「少年からはいつも面白いネタを…ゴホンゴホン、とても面白いネタを提供して貰ってるわ。」

(あ、いつも通りのポーラだ。そして何故言い直したし…)


僅かな時間とは言え、ポーラに感心していたノアの目が途端にスンッとなった。
今後はネタの提供を断たねば、と心に誓うノアであった(フラグ)。




その後、ジェイルとロゼも自己紹介を行った所で


「所でノア君、僕らはこれからご飯食べに行くんだが、一緒にどうだい?」

「お、良いんですか?
でもその前に旧試合場に向かうんだけど良いかな?」

「それは構わないが…旧試合場に?何でまた。」

「それは着いてからのお楽しみという事で。」

「「「「????」」」」


一先ず4人から了承を貰ったノアは旧試合場に向けて歩き出す事に。

少しして不安そうな顔をしたクロラが話し掛けてくる。


「ね、ねぇ、ノア君。
ノア君って、今後の予定とかって決まってたりする?」

「え?予定ですか?
そうですね、一応1週間以内には王都を発って獣人の国に向かいます。」

「え!?ノア君も行くの?」パアァッ


行き先を聞いたクロラの顔が明るくなった。


「ええ、僕はちょっとした依頼で第三王女に会いに行くんです。」

「少年よ、絶対それ"ちょっとした"依頼じゃないでしょ?」

「第三王女て…今度は何が起こるんだい?」

「恐らくだけどー、ヒュマノ絡み?」

「そ、そんな事無いよー(棒)
ちょっとした依頼だってー(棒)」


明らかに棒読みの台詞に全員が"何か起こるな"と察知した。
だがノアの事だから追々説明はするだろう、とそれ以上追及する事は無かった。
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