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再びアルバラスト編
『惑わしの森』
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「よし、予定通り『惑わしの森』に着いたぞ。
他の冒険者も通行してる様だから俺達も通るとしよう。」
日も高く上がり始めた午前9時頃、一行は『惑わしの森』近くに到着。
道の先を見てみると、鬱蒼と生い茂る背の高い木々が横に長く広がっていた。
当初は迂回すれば良い、と考えていたノアだが、それではかなりの遠回りになるだろうと言う程の茂り具合であった。
視界の奥では1組の冒険者パーティが恐る恐るといった感じで森の中を通っている為、『惑鷲』は巣穴で眠っているのだろう。
実際<気配感知>の範囲内に大型の鳥の反応があるが、遥か樹上に止まってジッとしていた。
「うん、確かに動きはない様だ。
このまま道なりに進んで良いのかな?」
「ああ、道なりに大体10分程歩けば森を出る。
そしたら直ぐ近くに村があるからそこで一旦休憩しようか。」
「「「さーんせーい。」」」
という訳で一行は森の中を進む。
背が高く鬱蒼と生い茂っている為、午前中なのに大分薄暗い。
『惑鷲』は眠っていると分かっていても慎重に行動せねば、と思わされる。
森の中は『惑鷲』以外のモンスターやの反応は無いが、リスや野うさぎ等の小動物はちらほらと散見される。
恐らく、それら小動物達も『惑鷲』が眠っている時を狙って行動しているのだろう。
ぞろぞろ…
「ん?この反応…子供か?」
5分程道なりに進んでいた時だった、森の中に1人、子供の反応を感知した。
反応はあるが、その場から動く気配が無かったので何かあったのでは、と思い、向かう事にした。
「ジェイル、森の中に子供が1人で居る様だ。
一旦僕は列を離れ、念の為確認してくるけど良いか?」
「あぁ、分かった。」
「ベレーザ、一緒に来てくれるか?」
「はいですにゃ。」
タッ!シュドッ!
ジェイルに許諾を貰ったノアは、ベレーザと共に駆け出して行った。
「相変わらずノア君のこーどー力って凄いよねー。」
「「「うん。」」」
「い、いたた…」
とある森の一角で、苔むした岩場を歩いていた少女が足を滑らせて転倒。
足を捻って動けなくなっていた。
少女の直ぐ近くには小さな籠と数種の山菜が落ちている。
この子は近隣の村に住む子で、『惑鷲』が眠ってる隙に山菜採りに来ていた様だ。
幸いな事に捻った足の程度は軽く、少し休んでいれば回復する物だった。
ただ、場所が宜しく無かった。
少女が蹲っている場所の樹上には、眠りの浅かった『惑鷲』が止まっており、眠りを妨げた少女を睨み付けていた。
「あ、あ…」
少女の母親からは"『惑鷲』には近付いてはいけない"と口酸っぱく言われていた。
基本的に『惑鷲』が眠る際、木の高い場所に行く為、時間さえ守っていれば出会す事は無かった。
ただ、今回に限り運が悪かった、としか言えない。
クァ…
『惑鷲』が徐々に口を開け、閉じていた羽を広げ始める。
『惑鷲』の催眠波は強力で、噂では人が怪物に、怪物が人に見えたりだとか、自身の体がグズグズに腐っていく様な幻覚さえ見ると言う。
実際は上下左右が反転した様に錯覚し、歩行が困難になるだけなのだが、年端もいかない少女が恐怖で動けなくなるには十分であった。
カロロロ…
「た、助け…お父さ…」
少女の悲痛な声も虚しく、『惑鷲』が大口を開けた。
ヒュンッ!
カロッ!?…ムグムグ…ゴクッ。
突如『惑鷲』の口の中に丸薬状の物が何処からか放り込まれる。
『惑鷲』はそのまま嚥下したが、直後ゆったりとした動きの後、木に寄り掛かる様にして倒れ込み動かなくなった。
「助けに来たに『ツルン。』ゃおん?」
バゴッ!
「あっ!?『ガシッ!』ぶないなぁ!ベレーザはぁっ!」ズザザザッ!
少女の元へ駆け込んできたベレーザは、苔むした岩場に足を滑らせた。
寸での所で、岩を踏み砕く程の脚力で突進してきたノアによって抱き抱えられる。
「ご、ごめんなさいにゃ…」
「ベレーザ、何か足元が心許ないね。
皆とは別メニューで"足腰強化"の効果がある『二の腕ナメクジ』でご飯作ってあげようか?」
「い、嫌にゃあっ!字面だけで食欲が湧かにゃいにゃ!今度から気を付けるにゃあ!」
頭をブンブンと振り回し、頑なな拒否反応を示すベレーザを尻目に、未だ足首を痛めて蹲る少女の元へと向かう。
「襲われそうだったけどどこか怪我は無いかい?」
「足首を捻っただけで…後は大丈夫です。」
「そうか、分かった。
それよりも君はどうしてここに?」
「ま、『惑鷲』が眠ってる内に、宿で使う野草や山菜を採りに…あと、抜け羽を拾ってたの。」
「抜け羽を?」
少女が落とした籠を見てみると、野草や山菜の他に『惑鷲』と思しき羽が数枚見えた。
「必要な枚数は揃ったのかな?」
ふるふると首を振る少女。
(ふむ…)スッ…
立ち上がったノアは、徐に周囲をザッと見回す。
「取り敢えず僕がそこらに落ちてる羽を拾うから、ベレーザはその子をおんぶしてあげて。」
「はいですにゃ。という訳で失礼するにゃよ~。」
「あ、はい。…うわぁ、ふわふわ。」
「準備は良いかな?それじゃあ行こうか。」
少女の体がモフモフのベレーザの体毛に埋もれたのを確認したノアは合図を送る。
「はいですに『ツルン。』ゃあ、あ…」
~数分後~
「おぉ、ノア様遅かったので心配を…って、それはどういう状況ですか?」
『惑わしの森』の出口で待っていた一行の元にノア達がやって来た。
出迎えたヴァモスの目の前には、少女を背負ったノアと、涙目でノアの腰にしがみ付くベレーザの姿があった。
何故かベレーザの事を半ば無視しているノアだが怒ってる様子は無く、寧ろ満面の笑みである。
「まぁ、その話は置いといて、この子が足を挫いてたから連れてきたよ。
何でも野草や山菜、後は『惑鷲』の抜けた羽を拾ってたんだってさ。」
「抜けた羽を?何でまた。」
「どうやらこの子の父親が村で装飾品を作ってるらしいんだが、足が悪くて採りに行けないから、代わりにこの子が採りに行ってあげようと思ったみたいだ。
ね?ララミアちゃん。」
「うん、お兄ちゃんのお陰でたーくさん採れたの!」
ノアの背に居る少女の籠には、『惑鷲』の抜け羽が山盛りとなっていた。
「流石少年だな、この短時間で少女をたらし込「その少女の前で人聞きの悪い事を言うなよポーラ…」
「あら、ごめんなさい。
それで、あなたのお家はどちらにあるのかしら?」
「あそこ。」
少女が指差した方向を見ると、道の先、約4~500メル先に家屋が数軒建ち並んでるのが見えた。
「君はあの村の子だったのか。」
「うん、ウチ宿やってるの。」
「そう言えばこの子、あそこの宿に泊まった時に配膳に来てくれた女の子じゃーん。」
「あら、ホントだわ。ごめんなさい、気付けなくて。」
「まぁ一先ずこの子をあの村の所まで送るとしようか。」
「「「「「了解。」」」」」
という訳で助けた少女を『惑わしの森』近くにある村まで送る事にした。
「あ、皆に言っとくけど、今日"から"ベレーザだけ食事メニュー変えるからそのつもりで。」
「今日"から"!?嫌にゃぁ!許してにゃぁあっ!」
他の冒険者も通行してる様だから俺達も通るとしよう。」
日も高く上がり始めた午前9時頃、一行は『惑わしの森』近くに到着。
道の先を見てみると、鬱蒼と生い茂る背の高い木々が横に長く広がっていた。
当初は迂回すれば良い、と考えていたノアだが、それではかなりの遠回りになるだろうと言う程の茂り具合であった。
視界の奥では1組の冒険者パーティが恐る恐るといった感じで森の中を通っている為、『惑鷲』は巣穴で眠っているのだろう。
実際<気配感知>の範囲内に大型の鳥の反応があるが、遥か樹上に止まってジッとしていた。
「うん、確かに動きはない様だ。
このまま道なりに進んで良いのかな?」
「ああ、道なりに大体10分程歩けば森を出る。
そしたら直ぐ近くに村があるからそこで一旦休憩しようか。」
「「「さーんせーい。」」」
という訳で一行は森の中を進む。
背が高く鬱蒼と生い茂っている為、午前中なのに大分薄暗い。
『惑鷲』は眠っていると分かっていても慎重に行動せねば、と思わされる。
森の中は『惑鷲』以外のモンスターやの反応は無いが、リスや野うさぎ等の小動物はちらほらと散見される。
恐らく、それら小動物達も『惑鷲』が眠っている時を狙って行動しているのだろう。
ぞろぞろ…
「ん?この反応…子供か?」
5分程道なりに進んでいた時だった、森の中に1人、子供の反応を感知した。
反応はあるが、その場から動く気配が無かったので何かあったのでは、と思い、向かう事にした。
「ジェイル、森の中に子供が1人で居る様だ。
一旦僕は列を離れ、念の為確認してくるけど良いか?」
「あぁ、分かった。」
「ベレーザ、一緒に来てくれるか?」
「はいですにゃ。」
タッ!シュドッ!
ジェイルに許諾を貰ったノアは、ベレーザと共に駆け出して行った。
「相変わらずノア君のこーどー力って凄いよねー。」
「「「うん。」」」
「い、いたた…」
とある森の一角で、苔むした岩場を歩いていた少女が足を滑らせて転倒。
足を捻って動けなくなっていた。
少女の直ぐ近くには小さな籠と数種の山菜が落ちている。
この子は近隣の村に住む子で、『惑鷲』が眠ってる隙に山菜採りに来ていた様だ。
幸いな事に捻った足の程度は軽く、少し休んでいれば回復する物だった。
ただ、場所が宜しく無かった。
少女が蹲っている場所の樹上には、眠りの浅かった『惑鷲』が止まっており、眠りを妨げた少女を睨み付けていた。
「あ、あ…」
少女の母親からは"『惑鷲』には近付いてはいけない"と口酸っぱく言われていた。
基本的に『惑鷲』が眠る際、木の高い場所に行く為、時間さえ守っていれば出会す事は無かった。
ただ、今回に限り運が悪かった、としか言えない。
クァ…
『惑鷲』が徐々に口を開け、閉じていた羽を広げ始める。
『惑鷲』の催眠波は強力で、噂では人が怪物に、怪物が人に見えたりだとか、自身の体がグズグズに腐っていく様な幻覚さえ見ると言う。
実際は上下左右が反転した様に錯覚し、歩行が困難になるだけなのだが、年端もいかない少女が恐怖で動けなくなるには十分であった。
カロロロ…
「た、助け…お父さ…」
少女の悲痛な声も虚しく、『惑鷲』が大口を開けた。
ヒュンッ!
カロッ!?…ムグムグ…ゴクッ。
突如『惑鷲』の口の中に丸薬状の物が何処からか放り込まれる。
『惑鷲』はそのまま嚥下したが、直後ゆったりとした動きの後、木に寄り掛かる様にして倒れ込み動かなくなった。
「助けに来たに『ツルン。』ゃおん?」
バゴッ!
「あっ!?『ガシッ!』ぶないなぁ!ベレーザはぁっ!」ズザザザッ!
少女の元へ駆け込んできたベレーザは、苔むした岩場に足を滑らせた。
寸での所で、岩を踏み砕く程の脚力で突進してきたノアによって抱き抱えられる。
「ご、ごめんなさいにゃ…」
「ベレーザ、何か足元が心許ないね。
皆とは別メニューで"足腰強化"の効果がある『二の腕ナメクジ』でご飯作ってあげようか?」
「い、嫌にゃあっ!字面だけで食欲が湧かにゃいにゃ!今度から気を付けるにゃあ!」
頭をブンブンと振り回し、頑なな拒否反応を示すベレーザを尻目に、未だ足首を痛めて蹲る少女の元へと向かう。
「襲われそうだったけどどこか怪我は無いかい?」
「足首を捻っただけで…後は大丈夫です。」
「そうか、分かった。
それよりも君はどうしてここに?」
「ま、『惑鷲』が眠ってる内に、宿で使う野草や山菜を採りに…あと、抜け羽を拾ってたの。」
「抜け羽を?」
少女が落とした籠を見てみると、野草や山菜の他に『惑鷲』と思しき羽が数枚見えた。
「必要な枚数は揃ったのかな?」
ふるふると首を振る少女。
(ふむ…)スッ…
立ち上がったノアは、徐に周囲をザッと見回す。
「取り敢えず僕がそこらに落ちてる羽を拾うから、ベレーザはその子をおんぶしてあげて。」
「はいですにゃ。という訳で失礼するにゃよ~。」
「あ、はい。…うわぁ、ふわふわ。」
「準備は良いかな?それじゃあ行こうか。」
少女の体がモフモフのベレーザの体毛に埋もれたのを確認したノアは合図を送る。
「はいですに『ツルン。』ゃあ、あ…」
~数分後~
「おぉ、ノア様遅かったので心配を…って、それはどういう状況ですか?」
『惑わしの森』の出口で待っていた一行の元にノア達がやって来た。
出迎えたヴァモスの目の前には、少女を背負ったノアと、涙目でノアの腰にしがみ付くベレーザの姿があった。
何故かベレーザの事を半ば無視しているノアだが怒ってる様子は無く、寧ろ満面の笑みである。
「まぁ、その話は置いといて、この子が足を挫いてたから連れてきたよ。
何でも野草や山菜、後は『惑鷲』の抜けた羽を拾ってたんだってさ。」
「抜けた羽を?何でまた。」
「どうやらこの子の父親が村で装飾品を作ってるらしいんだが、足が悪くて採りに行けないから、代わりにこの子が採りに行ってあげようと思ったみたいだ。
ね?ララミアちゃん。」
「うん、お兄ちゃんのお陰でたーくさん採れたの!」
ノアの背に居る少女の籠には、『惑鷲』の抜け羽が山盛りとなっていた。
「流石少年だな、この短時間で少女をたらし込「その少女の前で人聞きの悪い事を言うなよポーラ…」
「あら、ごめんなさい。
それで、あなたのお家はどちらにあるのかしら?」
「あそこ。」
少女が指差した方向を見ると、道の先、約4~500メル先に家屋が数軒建ち並んでるのが見えた。
「君はあの村の子だったのか。」
「うん、ウチ宿やってるの。」
「そう言えばこの子、あそこの宿に泊まった時に配膳に来てくれた女の子じゃーん。」
「あら、ホントだわ。ごめんなさい、気付けなくて。」
「まぁ一先ずこの子をあの村の所まで送るとしようか。」
「「「「「了解。」」」」」
という訳で助けた少女を『惑わしの森』近くにある村まで送る事にした。
「あ、皆に言っとくけど、今日"から"ベレーザだけ食事メニュー変えるからそのつもりで。」
「今日"から"!?嫌にゃぁ!許してにゃぁあっ!」
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