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再びアルバラスト編
れっつごー(小声)
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「それじゃあ全員集まったみたいだし、獣人の国目指して、れっつごー(小声)」
「何だポーラ、その掛け声は(小声)」
「さぁ?どっかの国の言葉で"行くぞ"って意味らしいわ(小声)」
「「「「「「へぇ~(小声)」」」」」」
現在空が白んですらいない午前3時頃。
王都の南門手前にはクロラ含め4人のパーティと、ノア達3人以外にクロラの兄2人がやって来ていた。
「気を付けて行って来いよ。」
「たまには手紙出すんだぞ。」
「もう、お父さんお母さんみたいな事言って…」
「クックさん、クリスさん、王都滞在中は非常に良くしてくれてありがとうございました。」
ジェイルが頭を下げると他の3人も兄2人に頭を下げる。
どうやら王都滞在中、パーティで集まる際に2人の所属するギルドの一画を貸してくれていた様だ。
「「ははは、なんのなんの。」用事が済んだらまた王都に寄るんだろ?そしたらまた自由に使ってくれ。」
「「「「はい。」」」」
ジェイル達と、そんな会話をしていたクックとクリスは、次にノアの元にやって来る。
と
ガシッ!ガシッ!「え?」
2人が両側から肩を組んで、ズズイッと顔を寄せてきた。
「ノア君、妹の事を宜しくたのむ(小声)」
「へ?」
「久し振りに見たよ、妹のあの満面の笑顔。
君なら妹を幸せに出来るだろう(小声)」
「あ、どうも。」
他の者に聞こえない様に組んだお兄ちゃんスクラムなのだが、周囲に居る者達は大体何を話しているのか察していた。
「私、<聞き耳>の練度はまだまだだけど、あそこで少年が何言われてるか大体分かるわ。」
「奇遇だなポーラ、俺もだ。」
「私もー。」
「んもぅ、お兄ちゃん恥ずかしいから止めてって。」
とか何とかやり取りがあったものの、一行は2人に手を振りつつ南門の門兵の元へ。
「はい、通って良いですよ。」
「「「「ありがとうございます。」」」」
ガコン…
南門の門扉を抜けた一行は、一面真っ暗な草原に出る。
この日の夜空は雲が掛かっており、月明かりが一切無かった。
「うわっ、暗。」
「ランタン、ランタン…」
「いや、ここは僕が先導しよう。
ヴァモス、ベレーザ、列の中と後ろに配置して離れ離れにならない様に注意してくれ。」
「はい。」
「分かりましたにゃ。」
<夜目>を持ってるノアが先導し、生まれながらに<夜目>が備わってる獣人の2人に向け、列に入る様指示を出す。
「済まないな、ノア君。
この時間の出発に決めたのは、この先にある『惑わしの森』に居る『惑鷲(マドワシ)』を避けて通りたかったからなんだ。」
「『惑鷲』?」
『惑鷲(マドワシ)』…『惑わしの森』に生息する翼長4メルを越える大型の鷲のモンスター。
羽と嘴、鳴き声を駆使して強力な催眠、混乱等の効果がある音波を放つ。
朝の7時~10時の間は巣穴に戻って眠っているが、それ以外の時間は狩りをしている為、その僅かな時間を狙って通り抜ける他無い。
が、寝てる間もいびき代わりの音波を放っている為、注意が必要。
「へー、そんなモンスターが居るんだね。
討伐すれば良いのに…」
「討伐したいのはやまやまらしいけどー、生態を知らない野盗等の王都方面への侵入を一定量防ぐ役割も担ってたからー、どちらかと言えば益鳥の部類に入るから狩り辛いんだってー。」
「なる程、益鳥ね。
確かにそれなら狩り辛いね。」
「それで以前、アルバラストから王都を目指していた時の時間を逆算した結果こんな時間になってしまったんだ。」
「そういう事なら仕方無いね。」
「それにしても少年。
<夜目>のスキルってどうやって取得したの?」
「簡単だ。この様な真っ暗い場所で頑張って物を見ようとすれば、何れ取得出来る様になるよ。」
「あら、本当に簡単なのね。それなら今練習してみようかしら。」
「俺もやろう。」
「私もー。」
という訳で、しれっと<夜目>の取得訓練が開始された。
「あれ?クロラさんは<夜目>はもう持ってるんですか?」
「うん、まだ薄ぼんやりとだけどね。
【適正】柄、索敵とかよくやってたから自然と持ってたみたい。」
「お~それは良かった。
獣人の国までは大分ありそうなので、もし他に取得したいスキル何かがあれば教えますよ。」
と、ノアが提案してみる。
クロラは顎に指を当てて少し考えた後に
「うーん…スキルもそうだけど…ノア君に料理…教えて欲しい、かな…」
「あ、あー…一昨日の話ですか?」
「う、うん…勿論そういう理由もあるんだけど、私自身そこまで料理得意じゃないから…」
「えぇ、良いですよ。では折を見て2人で一緒に作りましょうか。」
「う、うん。」
という事で、料理の特訓を取り付けるノアであった。
ちなみにこの時、真っ暗闇な事もあってかロゼ、ポーラによる茶化しは無く、久し振りに安寧の時を得るノアでもあった。
(大抵こういう時は2人して茶化してくるからな。
<夜目>が発現するまでは割と安心して…って、怖っ!?)
ノアが列の後方を見ると、ロゼとポーラの2人は全く見えてはいない様だが、ノアとクロラが居るであろう方向に目をやり、目をガッと見開いて凝視している姿が目に入る。
それを見たノアは思わず体を強張らせてしまった。
(…ああ、この分だと早々に<夜目>を発現出来る様になるな、この2人…)
そのノアの予想通り、薄らと空が白み始めた頃、ジェイル含む3人が<夜目>を習得。
よって、短かったノアの安寧の時は終焉を迎えるのだった。
チュン、チュンチュン。
王都を出て2時間程経過した頃、ふとノアから質問が投げ掛けられた。
「そういえば聞きたい事があるんだけど、皆アルバラスト経由で王都に来たんだよね?
冒険者ギルドのジャロルさんから聞いたんだけど、アルバラストの街に何か建造物を建設中って聞いたけど、何か知らないかな?」
このノアの質問に、4人共直ぐ様『あ~』と言った表情を作る。
何か知ってる様で、気になっていたノアは直ぐに聞いてはみたのだが
「あれは…直接見た方が良いよ。」
「でも安心して、変な物じゃないから。」
「ノア君、感動して膝から崩れ落ちるかもねー。」
「えぇ、膝から崩れ落ちるでしょうね。
ふふ、少年の反応が楽しみだわ。」
と、誰も何も教えてくれなかった。
だが、ポーラの言い方からすれば嫌な予感しかしない。
ノアはこのままアルバラストに行かず、山を真っ直ぐ突っ切って行きたい気持ちを堪え、先を進むのであった。
「何だポーラ、その掛け声は(小声)」
「さぁ?どっかの国の言葉で"行くぞ"って意味らしいわ(小声)」
「「「「「「へぇ~(小声)」」」」」」
現在空が白んですらいない午前3時頃。
王都の南門手前にはクロラ含め4人のパーティと、ノア達3人以外にクロラの兄2人がやって来ていた。
「気を付けて行って来いよ。」
「たまには手紙出すんだぞ。」
「もう、お父さんお母さんみたいな事言って…」
「クックさん、クリスさん、王都滞在中は非常に良くしてくれてありがとうございました。」
ジェイルが頭を下げると他の3人も兄2人に頭を下げる。
どうやら王都滞在中、パーティで集まる際に2人の所属するギルドの一画を貸してくれていた様だ。
「「ははは、なんのなんの。」用事が済んだらまた王都に寄るんだろ?そしたらまた自由に使ってくれ。」
「「「「はい。」」」」
ジェイル達と、そんな会話をしていたクックとクリスは、次にノアの元にやって来る。
と
ガシッ!ガシッ!「え?」
2人が両側から肩を組んで、ズズイッと顔を寄せてきた。
「ノア君、妹の事を宜しくたのむ(小声)」
「へ?」
「久し振りに見たよ、妹のあの満面の笑顔。
君なら妹を幸せに出来るだろう(小声)」
「あ、どうも。」
他の者に聞こえない様に組んだお兄ちゃんスクラムなのだが、周囲に居る者達は大体何を話しているのか察していた。
「私、<聞き耳>の練度はまだまだだけど、あそこで少年が何言われてるか大体分かるわ。」
「奇遇だなポーラ、俺もだ。」
「私もー。」
「んもぅ、お兄ちゃん恥ずかしいから止めてって。」
とか何とかやり取りがあったものの、一行は2人に手を振りつつ南門の門兵の元へ。
「はい、通って良いですよ。」
「「「「ありがとうございます。」」」」
ガコン…
南門の門扉を抜けた一行は、一面真っ暗な草原に出る。
この日の夜空は雲が掛かっており、月明かりが一切無かった。
「うわっ、暗。」
「ランタン、ランタン…」
「いや、ここは僕が先導しよう。
ヴァモス、ベレーザ、列の中と後ろに配置して離れ離れにならない様に注意してくれ。」
「はい。」
「分かりましたにゃ。」
<夜目>を持ってるノアが先導し、生まれながらに<夜目>が備わってる獣人の2人に向け、列に入る様指示を出す。
「済まないな、ノア君。
この時間の出発に決めたのは、この先にある『惑わしの森』に居る『惑鷲(マドワシ)』を避けて通りたかったからなんだ。」
「『惑鷲』?」
『惑鷲(マドワシ)』…『惑わしの森』に生息する翼長4メルを越える大型の鷲のモンスター。
羽と嘴、鳴き声を駆使して強力な催眠、混乱等の効果がある音波を放つ。
朝の7時~10時の間は巣穴に戻って眠っているが、それ以外の時間は狩りをしている為、その僅かな時間を狙って通り抜ける他無い。
が、寝てる間もいびき代わりの音波を放っている為、注意が必要。
「へー、そんなモンスターが居るんだね。
討伐すれば良いのに…」
「討伐したいのはやまやまらしいけどー、生態を知らない野盗等の王都方面への侵入を一定量防ぐ役割も担ってたからー、どちらかと言えば益鳥の部類に入るから狩り辛いんだってー。」
「なる程、益鳥ね。
確かにそれなら狩り辛いね。」
「それで以前、アルバラストから王都を目指していた時の時間を逆算した結果こんな時間になってしまったんだ。」
「そういう事なら仕方無いね。」
「それにしても少年。
<夜目>のスキルってどうやって取得したの?」
「簡単だ。この様な真っ暗い場所で頑張って物を見ようとすれば、何れ取得出来る様になるよ。」
「あら、本当に簡単なのね。それなら今練習してみようかしら。」
「俺もやろう。」
「私もー。」
という訳で、しれっと<夜目>の取得訓練が開始された。
「あれ?クロラさんは<夜目>はもう持ってるんですか?」
「うん、まだ薄ぼんやりとだけどね。
【適正】柄、索敵とかよくやってたから自然と持ってたみたい。」
「お~それは良かった。
獣人の国までは大分ありそうなので、もし他に取得したいスキル何かがあれば教えますよ。」
と、ノアが提案してみる。
クロラは顎に指を当てて少し考えた後に
「うーん…スキルもそうだけど…ノア君に料理…教えて欲しい、かな…」
「あ、あー…一昨日の話ですか?」
「う、うん…勿論そういう理由もあるんだけど、私自身そこまで料理得意じゃないから…」
「えぇ、良いですよ。では折を見て2人で一緒に作りましょうか。」
「う、うん。」
という事で、料理の特訓を取り付けるノアであった。
ちなみにこの時、真っ暗闇な事もあってかロゼ、ポーラによる茶化しは無く、久し振りに安寧の時を得るノアでもあった。
(大抵こういう時は2人して茶化してくるからな。
<夜目>が発現するまでは割と安心して…って、怖っ!?)
ノアが列の後方を見ると、ロゼとポーラの2人は全く見えてはいない様だが、ノアとクロラが居るであろう方向に目をやり、目をガッと見開いて凝視している姿が目に入る。
それを見たノアは思わず体を強張らせてしまった。
(…ああ、この分だと早々に<夜目>を発現出来る様になるな、この2人…)
そのノアの予想通り、薄らと空が白み始めた頃、ジェイル含む3人が<夜目>を習得。
よって、短かったノアの安寧の時は終焉を迎えるのだった。
チュン、チュンチュン。
王都を出て2時間程経過した頃、ふとノアから質問が投げ掛けられた。
「そういえば聞きたい事があるんだけど、皆アルバラスト経由で王都に来たんだよね?
冒険者ギルドのジャロルさんから聞いたんだけど、アルバラストの街に何か建造物を建設中って聞いたけど、何か知らないかな?」
このノアの質問に、4人共直ぐ様『あ~』と言った表情を作る。
何か知ってる様で、気になっていたノアは直ぐに聞いてはみたのだが
「あれは…直接見た方が良いよ。」
「でも安心して、変な物じゃないから。」
「ノア君、感動して膝から崩れ落ちるかもねー。」
「えぇ、膝から崩れ落ちるでしょうね。
ふふ、少年の反応が楽しみだわ。」
と、誰も何も教えてくれなかった。
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