ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
391 / 1,124
獣人国編~ダンジョン『宝物庫』~

私の力を見せてあげるわ!

しおりを挟む
〝"完全に破壊する"と言ったな!?
さっきまでの私とは思わない事ね、完全に機兵を支配した私の力を見せてあげるわ!〟

ビキンッ!ベキベキッ…
シュルルル…ガチッ!ガキンッ!


そうノアに言い放った直後、機兵の各パーツが換装、若しくは脱着を繰り返す。
金属製の触手が周囲を這い回り、次々と部品や未完成の機兵が取り込まれ、マディアの一部と化していく。

あくまで作業用の機兵としての機構しか備わっていなかった体が、破壊と再構築を繰り返し、徐々に洗練された姿へと変貌していく。


重量物を運搬する目的で太く、頑丈に作られた腕は、力はそのままに機能性を重視してか人間同様の細腕に。

足も人間同様のしなやかさを持たせてはいるが、形状が多少違く、膝から下が弧を描いており、俊敏性と跳躍力を備えていそうである。

そして先程、攻撃の主体であった金属製の触手は、指の太さまで細くなり、たなびく黒髪の様に頭から生やしている。

全体的に人間の女性的なフォルムをしているが、身長は2メル程で、表面は金属骨格である為、芸術作品の様な美しさがある。

まぁ中身がマディアなので、そんな感情は直ぐ様お帰り頂いたが…

そして最後に


『『ガションッ!』』『『ガゴンッ!』』


機兵の肩甲骨辺りに追加パーツとして巨腕が4本装着された。
これは勿論…


〝ふふ、先程の貴方の姿を真似させて貰ったわ。
これで貴方をじっくりゆっくりと破壊していってあげるわ♪〟


ノアのフォルムを真似した様で、具合を確かめる為か数回腕を振ったり拳を握ったりしている。


〝あら?さっきから静かだけど、絶望で声も出ないのかしら?〟


戦闘準備が整ったマディアは、先程叶わなかった挑発を交えてノアに問い掛ける。

対してノアはと言うと







ムグムグムグ…

「ぺっ!」ビチャッ!

カロッ…バリッボリッ…

「…よし、じわじわ傷が治ってきてるな。
毒も2回目で漸く抜けきったか…なかなか面倒臭いな…」


最近使っていなかった毒消しと回復玉を口に含み、毒抜きと手の治療を行っていた。


カロッ…バリッ…

「ん?ふぁんふぁいひまひふぁ?(ん?何か言いました?)」

(『ほらあれだ。
"俺らの姿を真似てみたけどどうだ?"って聞いてきてるみたいだけどどう思う?』)

(あぁ、なる程ね。)

ゴクン…

「良いんじゃない?
だけど洗練され過ぎてて彫像を見てる感じだな。
ラインハードさんが作るゴツッ、とした感じの機兵の方が僕的には好きですけどね。」

「わ、分かってくれますか!?(ラインハード)」

「うん。」


妙な所で気が合うラインハードとノアがデザインについて会話をし始めると、挑発したポーズのまま黙っていたマディアがキレる。


〝ふざけるなぁっ!私の美的センスにダメ出しした挙げ句、何和気藹々とくっちゃべってるんだぁっ!〟

「まぁ、美的センス?は人それぞれだから別に気にしなくて良いんじゃない?
ただ僕はその姿に何の感情も湧か〝それだ!その事を言ってんだよ!?〟


怒髪天を衝く様に怒り狂っている様子である。


「ふふ、でもその姿になって思わず笑っちゃいましたよ。」

〝あぁ?〟

「だって、さっき"人間に戻る事を止めた"何て言ってたから殺意剥き出しな姿にでもなるのかと思ったら、より人間の女性らしい姿になったんですもん。
何だかんだ言って結局は人間だった事を捨てきれてない中途半端な思考の持ちぬ〝うるせぇぞ糞ガキ、ぶっ殺してやるぁっ!〟ズドンッ!


ノアの煽りに怒りが頂点に達したマディアは居ても立っても居られず、放たれた矢の如く駆け出し、ノアに接近を図ってきた。


(煽り耐性0はそのままか…
さて、こちらも始めますか…)

ズズズッ…

バギッ!ガキッ!ガッ!ガシッ!メキッ!ミシッ!

赤黒いオーラを立ち昇らせ、腕を生成したノアは床に手を付き床に指をめり込ませ、マディアを見据える。


〝土下座のつもりかぁっ!?だが許すと思っているのかっ!?〟

(まぁこのポーズは土下座に見えなくも無いか…)

〝うぉおぉおおおらあっ!!〟

『『『『ブォンッ!』』』』


マディアは土下座の様な体勢を取ったノアへ向け、巨腕を放つ。
性能面が強化された様で、拳を振るう速度が上がっている様に思う。



ズドォンッ!

〝っ!?〟


ノアは<縮地>と<渾身>を発動して爆発的な超高速度で発射、足元の床は大きく捲り上がり、下の"石畳"が露出する程である。


目の前に居たハズのノアが爆発音と共に消えたが、駆け出してしまったマディアは止まれずに前進を続ける。




『食らえ、鉄山靠!』


ズドォオオオンッ!!

〝ぅご…っ、ぉおっ…!?〟ゴォッ!


腹部に強烈な衝撃が走り、駆け出した時を上回る速度で後方へと吹き飛ばされた。

マディアは何をされたのか分かっていない様子であったが、考える暇を与えない様、ノアの攻勢は続く。


ドガァッ!

ドゴォッ!〝あぐっ!?

『どうやら変わったのはガワだけみたいだな、悪いがお前の相手をするのはもう飽きた。
とっとと破壊させて貰う、ぞっ!』ボッ!


鉄山靠で吹き飛ばされたマディアは、壁に叩き付けられた。

そこに急速接近を果たしたノアが首根っこを掴みつつ壁に押し付け、身動きを取れない様にし、<渾身>を乗せた拳を人間で言う鳩尾辺りに打ち込む。




ゴィンッ!『かった!』


赤黒いオーラで強化されたノアの拳を受けたマディアのボディは、多少凹みが出来た程度で他にダメージが入っている様子は無かった。

更に初撃で食らわせた、ここ最近のノアのお気に入りである鉄山靠も、衝撃こそはあった様だがこれもボディを見る限りダメージは入っていない様だ。


〝ふ、ふはは!
見たか!これが機兵を完全に支配した私の新しい力だ!
装甲を3重構造にし、耐久力を格段に上げた!
生半可な攻撃では私のボディを傷付ける事は難しいわ!〟

『え?装甲を固めただけ?』

〝は?〟

『いや、だから装甲を固めただけか?って聞いてるんだけど。』

〝そ、そうよ…〟







ポリポリ…

『…もういいや、壊〝言いたい事があるなら言えよ糞ガキが!〟


機兵を支配し、新しいボディに改良したにも関わらずマディアが行った事は『防御を上げただけ』だった事に拍子抜けしてしまったノア。

もうちょっとあるだろう、強化魔法を付与した、とかノアの防具同様、衝撃吸収機構を備えたとか。

だからと言ってマディアにその点をダメ出しすると、そこを強化してきそうだったのでこの場は口をつぐむ事にした。


〝ふ、だがどうするつもりだ?お前の攻撃は私に通用しない!
これからお前は私に蹂躙され『あ?俺の攻撃が通用しない?笑わせるな。』

〝は?〟

『簡単な話じゃないか、"生半可"な攻撃が通用しないなら"生半可じゃない"攻撃を与えりゃ良いだけじゃないか。』

〝ちょっ…何を言って…〟

『論より証拠、実際に今からお前を"バラシ"に掛かるから覚悟しておけ。』


そう言ってノアは【鎧袖一贖】を発動した。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...