ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~救出作戦~

ムグムグ

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「と言う事があったんだ。」ムグムグ

「いやノア君よ…朝ごはんの序でに話す様な内容じゃ無いだろう…」バリッ

「それに良いのかい少年よ。
一応極秘裏の作戦だったんでしょ?
私達は愚かこんな往来でそんな話しちゃって…」モシャモシャ

「大丈夫ですよ。
誰かが聞き耳立ててる様子もありませんし、何より…」ハモッ


ノアは朝ごはん代わりに食べていたサンドイッチを咥えつつ、ある一点に向け視線を向ける。

そこでは




「第138陣~第152陣!3層中最終地点手前まで到達しましたが、木人が放つ部屋全体に及ぶ爆裂魔法で扉まで到達出来ません!」

「人海戦術の肉壁戦法で何とか漕ぎ着けたんだ!次は被弾少なめで行けば何とかなるぞ!」

「ギルマスぅ、もう諦めて素直に突破した少年にお願いして連れてって貰いましょうよ…」

「阿保か!大の大人が雁首揃えて"クリア出来ないから連れてって下さい"何て言えるかい!」

「それはそうですけど、"これ以上進展なければ自費で攻略して下さいね"って会計担当に釘刺されてたじゃないですか。」

「ぐ、ぬぬぬ…
そ、それじゃあ…第200陣まで挑戦してそれでも駄目なら攻略を中止しよう…」 

「「「「うぃっす!(喜)」」」」

「おい、明らかに声調が上がったな?
その代わり200陣までは全力で取り組めよ!」



人員を動員しての『宝物庫』の攻略作業が未だに続けられていた。
3日目に突入したが、3層を突破出来ていない為か、明らかに全体の士気が下がってる様に思われる。


「ああも騒がしかったら僕らの会話は聞こえないよ…」

「「「「「「確かに」」」」」にゃ。」



スロア領での作戦を終え、仮設テントの設営も終えた段階で空が薄らと白んで来たので参加者はその場で解散となった。

今後はスロア領の住人と、獣人国のハナ含めた騎士達が交代で子供達の面倒を見るとの事だ。

獣人国へと戻ってきたノアは、クロラ達に預けていたヴァモス、ベレーザと合流。
その流れで『宝物庫』近くの屋台で朝ごはんを食べていた。


「ノア君、昨日は大変だったみたいだから今日はお休みかなー?」

「いや、色々合ったからこそ、変に悟られない様に普段通りの生活を送るよ。
作戦に参加した人達全員が休んじゃったら流石に何か合ったのか、って勘繰られるでしょ?」マグマグ

「なる程ねー。」

「そう言う皆の今日の予定は?」


と、クロラ達の予定を聞いてみると、どうやら『宝物庫』に潜るらしい。

なんでも前日に通常ルートの攻略を進めていたらそれなりに宝石やら魔石等が取れて中々に稼げたのと、各種スキルの練度を上げるのに打って付けだという。

あと、ノアが突破したルートも調査の合間を狙って挑戦してみたらしいが、無茶苦茶な難易度に、何故かポーラに無言で小突かれてしまった。



「そっか…『宝物庫』か…
昨日の作戦で大分散財したから僕も通常ルート行って少し稼いでこようかな…」モリモリ


と、ノアが呟いた時だった。
人流の多い通りの奥から、建物伝いにノアの元にやって来る人物が1人。

シュタタタタタッ!

タンッ!「見付けたぁっ!」ズザザッ!

「うん?」

「「「うわわっ!?」」」


突然現れた人物に騒然とするクロラ達であったが、その人物は気にする事無くノアに詰め寄ってきた。


「あれ、何かありましたか朧さん?」ムグムグ

「"何かありましたか朧さん?"じゃないぞノア君!
今冒険者ギルドに行ったが、身に覚えの無い"50万ガル"を渡されたんだが、まさかとは思うがアレって…」

「えぇ、今回の作戦報酬兼口止め料ですよ。」


詰め寄ってきた【忍】の朧に問われたノアは、さも当然の様に答えた。
依頼と言う形で人員の募集を掛けたのだから報酬があるのは当たり前のハズだが、朧の反応からして少し聞いていた内容と違う様だ。


「ちょ…募集要項には"極秘裏の作戦の為、報酬は出ない"と…」

「今回の作戦は割と短期間で決まった事だったので、人員の精査も短期間で済ませたかったんです。
なので報酬目当ての参加者を切る目的と、純粋に子供獣人の救出を第一に考えている人のみを集める目的で募集要項には載せてなかったんですよ。」

「…なる程、そう言う事なら素直に受け取る事にしよう。」


意外とあっさり受け入れてくれた朧は、突然現れた事に対してその場に居たクロラ達に謝罪した後


「き、君には、仲間の事含めて色々と恩義がある…
また何処かで会ったその時にでも恩義に報いらせて貰うよ。」

「えぇ、また何処かで。」


と、短めに言葉を交わした後朧は来た通りを戻って行った。






「さて、朝ごはんも食べたし、そろそろ行動開始しますか。」

「じゃあこれからノア君も『宝物庫』に行く?」

「いや、僕は溜まった用事を済ませるとするよ。」

「「「「用事?」」」」

「うん、ほらあそこ…」


ノアは『宝物庫』の脇にある通りに目をやると、そこには目をギラ付かせた集団が佇んでいた。

明らかにチラチラとノア達の方を見る集団が何やら機会を窺っている様であった。

2日前と違うのは、集団の中に女性獣人が何人か含まれて居る事だろう。
その内の何人かは手に何やら包みを持っていた。


「「「「あぁ…」」」」


直ぐにヴァモス、ベレーザ絡みだと言う事を察したクロラ達は早々に『宝物庫』へと向かっていった。







「えーっと、そちらの方々?
何か僕らに用事があるんじゃないですか?」

「何か急かしたみたいで申し訳無いな。
俺らはそこのベレーザちゃんとお話する権利を得る為に保護者の君に勝負を挑みに来た。」


男女合わせて30人程の集団の男性陣に、先ずは声を掛ける。
ノアは僅かに嘆息して返答を返す事に。


「…いや、別に普通に話する位なら僕に勝負を挑まなくても良いですよ?
初対面で求婚されたからこの子もびっくりしちゃっただけで…ねぇ?」

「うにゃ。」


ノアに勝負を仕掛ける流れが出来たのは、獣人国に来た初日にベレーザが初対面の獣人から求婚を受けた事が切っ掛けである。

別に害を与えるつもりでないなら話をする分にはして貰って構わないのだがなぁ、と思うノアである。


「い、良いんですか…?」


と、男性陣の中から1人の虎の男性獣人が歩み寄って来た。


(お、ベレーザと同じ虎の獣人か。
これが切っ掛けで仲良くなってくれると良いが…)


「は、初めまして、俺…いや私はルガーと言います。」

「ベ、ベレーザと言いますにゃ、初めましてにゃ。」

(うんうん、初対面同士の初々しい挨拶って感じで良いじゃない。)


2人のやり取りを見て、漸くマトモな対応をしてくれる人が来てくれたか、と内心安堵するノア。


「あ、ダメだっ!可愛い過ぎる!お願いです!俺と結婚を前提にお付き合い「うにゃ、にゃっ!?」

ゲシッ!「ふむんっ!?」

「それを止めろっつってんだろうがあっ!
おら並べ男共!やってやろうじゃないか、勝負をよぉっ!」


まさかの会話が一巡しないまま男が暴走してしまった為、ノアの許可制は続行+勝負と言う流れになってしまうのであった。
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