ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~救出作戦~

高難易度設定

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「城下町は未完成ですが、出てくる敵等の配置はもう完了してるのですよ。
旧ステージ同様、高難易度設定にしていますので『新・宝物庫』の1組目のお客様としてどうでしょう。」


と言う提案に、調査に来た者達はどのみちギルドと王に報告しなければならない為、了承する事に。

ノアも何だかんだ"新ステージ"と聞いてワクワクしていたりするのであった。



~『新・宝物庫』概要:1ページ目~

東の大陸にある強国"機兵中立国"に、カラクリ製作に長けた姫が居た。
彼女が作り出す機兵は精緻、精密、高性能で、どの国に出しても引く手数多であった。

そこに目を付けた当時最強勢力であった【魔王】軍幹部が圧倒的力でもって国を掌握。
【魔王】の悪しき力で汚染された機兵を討ち倒し、囚われの姫を救い出すのだ。



「と言うストーリーになりますわ。」

「この囚われの姫ってラインハードさんの事ですよね、名前出てませんでしたけど。」

「えぇ、そうですよ~。
本来でしたら私は天守閣の最上階に囚われていて、挑戦者が救出に来るのを待っておりますから。」


天守閣へと続く道の脇に立て看板が立っており、『新・宝物庫』の概要を調査隊と共に読んでいた。


「因みに、道中で倒した"敵"からは魔石や宝石等が取れますので金策にも良いですよ。
それと旧ステージの仕様であった"被弾した瞬間に即退場"と言うのは流石に鬼畜過ぎたので撤廃しました。」

「「「「「「「「おおっ!」」」」」」」」


1回目で攻略したノアと、今回初参加の『犬姫』の3人は反応は鈍かったが、3層攻略に苦戦しまくった調査隊から喜びの声が上がる。



~『新・宝物庫』概要:2ページ目~

・挑戦者は体力100からスタート。

・道中出てくる敵(機兵、【魔王】軍幹部、罠)に1撃貰う度に体力が5減ります。

・体力が0になると自動的に外に弾き出されます。

・敵を10体倒す毎に体力を5回復します。

・敵(主に雑魚敵)の数は挑戦者の人数×20体出現します。

・難易度設定は某冒険者を参考にしています。



「「「「「「ちょっと待てーっ!」」」」」」

「あれ?どうされましたか?」


先程まで喜んでいた調査隊と『犬姫』の3人は、概要を読み込んで行く毎にドンドンと顔色を悪くしていった。


「し、下2つ…下2つの文言がおかしいぞ!?」
「敵の数は固定じゃないのか!?何だ"×20"って!」
「さ、参考にした某冒険者ってまさか…」

「はい、ノア君です。」


満面の笑みでそう答えたラインハードに絶望する一同。


「あ、でも強さ自体はそこまで弄ってないのでご心配無く。
あくまで弄ってるのは難易度だけです。」

(((((((((それが1番心配事なんだが!)))))))))


と、少々気になる所だが取り敢えず『新・宝物庫』の新ステージを開始する事に。


だがここで問題が発生した。
誰も武器を持ってきてないのである。


理由としては、まさか新ステージが出来てると思っていなかった為、皆旧3層攻略用に調達した被弾回避用の盾位しか持ち合わせていなかったのである。


「どうする?武器を準備してからもう1回入り直すか?」
「その方が良いだろうな。」


と、調査隊の誰かが話していた。




「申し訳ございません。
実を言うと、ノア君と一緒に居られたのであなた方もこのステージにお呼びしましたが、入り直すという事であれば通常の『宝物庫』にお通しする事になります。
ノア君は"攻略者"ですので、ある程度の融通を利かせる事は出来ますが、あなた方はちょっと…」

「「「「「「「「うっ…」」」」」」」」

「それに今日以外でこの新ステージを体験するとなると、御披露目の日、要は一般の参加者と同じになります。
今日はたまたま作業を一旦休止していますので、空間魔法が安定しております。
今日以降は作業を再開しますのでこのステージを訪れるのは難しくなります。」

「「「「「「「「むむむ…」」」」」」」」


日を改めて、という事が難しいと分かると調査隊の表情が芳しく無くなってしまった。

するとノアからこんな提案が出て来た。


「じゃあ僕が相手しますよ。
どのみち誰かに戦われると僕としても困りますし、僕は今回"先導"を依頼されてますしね。」

「え、ちょっ…」


新ステージでは戦闘が行われる為、【ソロ】の適正を持つノアとしては調査隊の誰かに戦われると弱体化を起こしてしまう恐れがあるのだ。


「良いのかいノア君…?
そんな役を担わせてしまっても…」

「えぇ。別に死ぬ訳じゃありませんし、新ステージをいの一番に体験出来るので寧ろワクワクしている位ですよ。」ソワソワ


調査隊が先程からうんうん頭を悩ませている中、ノアは天守閣を眺めたり、武器の具合を見ていたりと、逸る気持ちを抑えられないと言った様子である。

するとラインハードが懸念事項をノアへ伝え出した。


「…申し訳無いのですが、戦うのはノア君1人だとしてもこの層に居るのは合計50人になるので、雑魚敵の数は1000体になりますが構わないでしょうか?」

「ははは…流石に多いですけど、敵を10体倒せば体力回復するんですよね?
それなら構いませんよ。」ソワソワ


 あっけらかんとしたノアの返答に、調査隊の面々や『犬姫』の3人は「えぇ…」とでも言いたげな表情であった。







「それでは戦闘を行うノア君以外の方々はこの結界より先に入らない様にお願いします。
万が一入ってしまった場合、敵は容赦無く襲い掛かって来ますのでご用心下さい。」


ラインハードがそう言うと、ノアと一団との間に薄らと結界が張られていく。

まだ未完成なので、相変わらず周囲にはだだっ広い平原が広がっているだけだが、何処から敵が出て来るのだろう、とノアは辺りをキョロキョロと見回していた。


「それではノア君、私は本来の立ち位置に戻りますのでこの場を離れますね。」

「あ、はい分かりました。」

サラサラ…

場を離れると伝えた直後、ラインハードを形作っていた人型が砂の様にサラサラと崩れていき、その場から姿を消した。



ゴロゴロ…ゴロゴロ…

ポッ…ポッポッ…ザァアアアア…

「お、おい、雷に加えて雨降ってきたぞ!?」
「ここって本当にダンジョンの中なんだよな…?」
「でも戦闘区域外だからかな…こっちには雨降って来て無いよ…?」


突如雷鳴が轟き、瞬く間に土砂降りとなった。
但し結界の外に居る調査隊や『犬姫』達の場所には雨粒1つ落ちていなかった。

ビシャァアアッ!バチンッ!バチィンッ!

「うわっ!?…あ!見て!あそこ!」


平原の中央に建つ天守閣頂上に雷が3発落ちたかと思うと、ハナが大声を上げる。

そこには、鳥籠の様な入れ物に閉じ込められたラインハードと、その周りを取り囲む様に立つ鬼と鎧武者2人が眼下に居るノアを睨み付けていた。
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