ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~

アーク

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「さてと…
周りに居らっしゃる皆さん!ここで気が触れた冒険者パーティが暴れています!
申し訳ありませんが避難して下さい!」


「あ!?何だと?」


物理的に火を消し止めたノアは、一先ず周囲に退避する様指示を出す。


「わ、分かった!」
「アイツら何で冒険者に攻撃してんだ?」
「知らないわよ!良いから行きましょ!」
「そうだ『ブレイカー』!俺達の方で兵士や冒険ギルドの方に報告しとくぜ!」

「あ、お願いします。」


ノアの指示を受けた冒険者達は、ノアや4人組から距離を取り始める。
内1組のパーティが街に応援を呼びに行ってくれる様だ。


「アーク様、これ以上はこちラの分が悪くなります。ここは一旦引きましょう。」

「ええぃ!思い通りに行かねぇな畜生めっ!」

「あ、2人共…」


喚くアークと虚ろな目をしたヴォルフスティが踵を返してその場から逃げ去ろうとする。

対して【聖女】はどうして良いか困っている様子。

すると


ズズズズッ!『待て。』


「うおっ!?」ビタッ!
「ヒ…ひぃんっ!」ガバッ!
「きゃあっ!?」ガバッ!


逃げようとした一行の足を止める為、ノアは<殺気放出>を発動。
相手の素性が分からなかったので、様子見でバーサークベア並みの殺気を当ててみた。


(アークとか言う青年は多少余裕がある様だが、ヴォルフスティと言う獣人と【聖女】の女性には効果があった様で踞っている、か…
しかし…)


取り敢えず3人の足止め効果を認めるノアであったが


「うぇっ!?」
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
「うおっ!?」


避難を促した冒険者達までも足止めしてしまったのである。


(うーん…<殺気放出>は足止めに使えるけど、全方位の人にも影響が出るのがちょっとなぁ…)

(『もうちょっと使ってりゃあ、拡散タイプの<殺気放出>に加えて限定タイプの<殺気集中>が使える様になるぜ?』)

(あ、そうなの?
じゃあこのまま使用を続けてみるよ。)

(『あぁ、そうすると良い。』)


鬼神からのアドバイスを受けたノアは、一先ず<殺気放出>を使用したまま3人の下へと向かう。

だが足元から


「…う、うぅ…
えっ!?ちょっ、何この殺気!?
それに何で私ボロボロになってあ痛たたっ!」

『おや?目覚めました?』

「えっ!?な、何あんた!?
この殺気はあんたが痛たたたっ!」


ノアが放った殺気に当てられ、先程地面に叩き付けられて意識を失ったアックスレイが覚醒。

だが先程までの記憶が無い様で、状況が理解出来ていない上、ダメージが溜まっていたからか、碌に動く事が出来ないでいる。

良く見てみると、虚ろだった目に光が戻っていた。


『先程まで操られている様な感じでしたが、自分が何やったか分かります?』

「え!?操…あ…っ…」


何やら思い当たる事があったのか、アックスレイは唇を噛み締めて塞ぎ込んでしまった。


『まぁ話は後で聞きますので、抵抗しなければこちらから危害は加えませんので大人しくしてて下さい。』

「は、はい…」


どうやら正気に戻った様で、ノアの指示をすんなり受け取ってくれた。

なので残る3人の下へ歩を進めるノアであった。







「…ぐっ…おいヴォルフスティ!奴が来る!時間を稼げ!」

「や、やだやだやだやだ!
こんな殺気発する人と敵対したくない!
ねぇアーク!素直に謝ろうよ!」

(チッ!あの『ブレイカー』とか言う奴が殺気飛ばしたからか、俺の<洗脳>が完全に解けてやがる…
こうなりゃもう一段上の<隷属>を掛けてやる!)

「おいヴォルフスティ!こっち向けヴォルフスティ!」

「え?ぅえ?」


呼び掛けに反応したヴォルフスティがアークの方を見る。
するとアークの目が輝き始め


「<隷ぞ」

ドゴォッ!

「ひ、ひぃいいっ!?」


アークとヴォルフスティとの間に荒鬼神が突き立つ。
何やら行動を開始したアークの策を妨害する目的でノアがぶん投げた物である。


『指1本動かすな、声を出すな、何か少しでも妙な動きを見せたらタダじゃおかないぞ?』

「「「「「「はい、分かりました…」」」」」」

『あ、皆さんは良いですからね。』


未だ動けずにいた冒険者達も含まれていると勘違いした様なので訂正しておく。




ザッザッザッ…

『さて、お話を聞かせて貰っても良いでしょうか?
こちらがあなた達の要求を断った事に怒る位ならまだしも、精神干渉スキルや攻撃仕掛けてくるのはこちらとしても納得いかないモノでしてね。』


ノアはそう言いながら3人の下へ近付いていく。
すると、あと20歩程で辿り着くとなった所で


(畜生、このまま一方的にやられるのは腹の虫が収まらねぇ!
くそっ、こうなったら…)

ブゥウウウンッ!『!?』


突如、アークを中心として幾重もの幾何学模様が入った金色の魔法陣が展開。
3人所か半径50メル以内に残っていた冒険者約30名をも飲み込む広範囲の物であった。


『チッ、今度は何を仕出かすつもりだ!』ダンッ!


ノアは勢い良く駆け出し、アークの下に迫る。

だが


「"参集しろぉっ"!」

『『『『『『『『ザザザッ!』』』』』』』』

『!?』


アークが叫ぶと、金色の魔法陣の範囲内に居た約30名の冒険者と、ノアの殺気に怯えていたヴォルフスティ、ノアの後方に居たアックスレイが一瞬の内にアークを守るかの様に立ち塞がっていた。

その者らの体の各所を見てみると、金色に輝く紋様の様な物が浮かび上がっていた。


「ア、アーク!止めなさい!今すぐ!」


全員がこの魔法陣の影響を受けているのかと思ったが、【聖女】はふらつきながらも耐え、必死にアークに制止の声を上げていた。


「畜生!これでもテメェは"術中"に嵌まらねぇのかよ!
おいお前ら!奴から俺を守れ!このふざけた殺気を止めるんだ!」

『『『『『『『『ザザザッ!』』』』』』』』


アークの言葉を受け、ノア目掛けて冒険者達やアークの仲間2人が殺到し始めた。

ギュッ、ギリリ…

『<殺気放出>を使用しているのに効果が無い事から精神干渉スキルとかでは無く、強制的な力で操られているみたいだな…
悪いが無力化させて貰うぞ。』


ノアは腕に巻いていたロープを解き、眼前で構え出す。


「アァアアアッ!」ボッ!

ギュルッ!ガッ!バシッ!

ドサッ!「アウッ…!」


奇声を発しながらショートソードを手に突っ込んできた冒険者の手にロープを引っ掛けて締め付ける事で、瞬間的に腱が圧迫されて握りが緩んだ所に肘打ちを当てて武装を解除。

即座に足払いを繰り出して転かす。

この間僅か1秒である。


「オァアアアアッ!」
「シャァアッ!」
「ガァッ!」


カッ!ゴッ!

ゴツッ!「オゴッ!?」


先程武装解除した時に取り落としたショートソードを足で拾い上げて蹴飛ばし、柄の部分を1人の顎に当てて一瞬動きを止め


ドフッ!「オブッ!?」

ズザザッ!


向かって来るもう1人の冒険者の腹部を蹴って転がしている間に


「ガァアッ!」ビュオンッ!

ガガッ!ゴゴッ!ガッ!「…オ…」

ドサッ!


斧を手に斬り掛かって来た冒険者の手首、上腕に肘打ち2連撃を打ち込み、武装を解除。

顎に拳3連撃を打ち込んで意識を刈り取り、地面に崩れ落とす。


『どんなカラクリかは知らないが、この程度じゃ足止めにすらなんないぞ?』
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