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獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~
廃城
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パチパチ…チリチリ…
一行が外へと出ると、立ち込める煙と燻っている家々、火の粉が飛び交う光景が広がっていた。
「ごほっ…すげぇ煙の匂い…
戦火に焼かれた何処かの村か…?」
「完全に焼け落ちた家々が殆どね…
火が消えたとしても再興は厳しいわね…」
「…『時の迷宮』内で廃村フィールドなんて聞いた事ありませんよ…?
もしかしてレアなフィールドやも…」
「…廃村と言うよりか"廃城"の様ですね…
上を見て下さい。」
「「「え?…あっ…」」」
ノアに言われ、背後の建物を見て漸く気付く。
今まで自分達が居た建物は、何処ぞの国の城で、頭上を見上げると、半壊した天守閣が聳え立っていた。
と
ガラガラッ!ドサッ…
「「「っ!?」」」
近くの瓦礫が崩れ、中から着物を着た老齢の男性が転がり出てきた。
男性の全身には刀傷が付けられており、既に虫の息であった。
「ちょ…お爺さん大丈夫ですか!?
ハウンド、回復ポーションを!」
「はっ!」
「…待たれい、お若いの…
儂に薬など無意味…それよりも今すぐここからお逃げなさい…」
ハナの指示で回復ポーションを出そうとしたハウンドに手で制す老齢の男性。
するとアークが老齢の男性に質問を投げ掛ける。
「なぁ爺さん!一体誰にやられたんだ!?
もしかして周りがこんななのも関係が?」
「…その出で立ち…あぁ…あなた方は"外なる者達"ですか…
さぞやこの惨状に戸惑っておられるでしょう…
ここは二刻程前に隣国の"時羽軍"に攻め入られたので御座います…
奴等は暴虐非道…前触れ無しに攻め入り、人々を殺め、家財や金品の類を一切合切持って行きよった…」
「ト、時羽軍…?
そ、それでそいつらは何処に…?」
「奴らは先程ここを襲い、別の場所に向かいました…
姿の見えない今が好機、防壁の外に出れば安全でしょう…」
と、老齢の男性が言い終えた所で
ヒュボッ!
「「っ!?この音は!?」」
「廃城の方からだ!
何か飛んで来る…槍だ!各々抜剣しろ!」
スラッ!ジャキッ!シュリンッ!
ノアの指示を受けた一行は剣を抜き、迎撃体勢を取る。
(ん?あの槍、柄に符の様な物が…)
「皆は念の為そこの男性を連れて物陰へ!
対処は自分で行う!」
「「了解!」」
「爺さん、少し我慢してくれ。」
「あぁ…あぁ…」
オォ…ドシュッ!
ハナとハウンド、アークが老齢の男性を連れて物陰へ退避した直後、飛来した槍がノアの目の前に突き立った。
と
バシュッ!ブォンブォンッ!
「ぬりゃあ"っ!」ボッ!
シュリンッ!ヒュパパッ!カッ!コッ!キンッ!
突き立った槍に突如赤い甲冑の人物が転移。
素早く槍を抜くと共にぶん回した後、遠心力の乗った高速の突きを繰り出してきた。
ノアは即座にカランビットナイフを抜くと、素早く、最小の動きで放たれた槍を三度斬り即座に使用不可とした。
「おおっ!不意打ち気味の奇襲を事も無げに対
処するとは見事!御見事なり!」
普通奇襲が失敗した場合、相手方は悔しがるモノだが、目の前に立つ赤い甲冑の人物は、声音からしても悔しがる所か喜んでいる様だ。
「悪いね。戦術が似てたもので対処は容易だった。
それよりもアンタが"時羽軍"とか言う連中か?」
「ぬん?貴様の装衣は中々に奇天烈…
なる程、お主は"外なる者"だな。
であれば我らの事を知らぬのは仕方の無い事。」
(また"外なる者"か…
大方"『時の迷宮』の外から来た者"と言う意味だろう。)
「御名答。
我ら"時羽金成(トキハカネナリ)様"率いる時羽軍一槍兵。
お主らの素材は高く売れる、我の手柄となって糧となれ!」ヴォンッ!ジャキッ!
「説明どうも。
それを聞いて心置き無くアンタを屠ってやる。
手柄?糧?その程度の腕前で俺を殺れると思うなよ。」チャキッ!
槍兵の手元に再び槍が現れると、穂先を足元に向け、突進の構えを取る。
対するノアは両手にカランビットナイフを装備して迎撃の構えを取る。
ダンッ!
「っっぜぇえあぁああっ!!<刺凸三連突き>っ!!」
ドドドォッ!
槍兵が突進を仕掛けたと同時に高速で下段・中段・上段の三連突きが放たれた。
全て急所へと迫る中、当のノアは微動だにしなかったが
ザキッ!ギギンッ!
ドドッ!ズッ!ズドッ!ズッ…グバッ!ドヂュッ…ブヂィッ!
「…っぉ…!?…うぶっ…み、見ご…」ドチャッ!
下段の突きを踏み付けて止め、中段・上段の突きをカランビットナイフで最小限の動作で弾くと、<洗練された手業>を発動。
槍兵の甲冑の繋ぎ目を狙うかの様に両脇腹、両脇にナイフを突き入れた後、<渾身>を乗せた刺突を腹部に突き立てて掻っ捌き、逆手持ちのナイフを首に引っ掛けた後、投げの要領で斬り捌くと同時に血管をズタズタにした。
一瞬の内に6連撃を叩き込まれた槍兵は、至る所から血を噴き出して地面に倒れ伏すのであった。
するとその直後
ガシャ…カッカッ…コロコロ…
「ん?これは…槍と…ガラス玉?」
突如槍兵の死体が崩れたかと思うと、中から槍と謎のガラス玉が転がり出て来た。
〝おめでとうございます!
槍兵1体を討伐、報酬として槍1本と"12分"を獲得しました。〟
「…槍はまだ分かるけど…何だこのガラス玉…"12分"…?」
ノア含め、物陰に退避しているハナやハウンド、アーク達にも聞こえているらしく、皆一様に周囲を見回していた。
以前ラインハードが居た『宝物庫』でも似た声が聞こえてきたが、所謂"アナウンス"と言う物らしい。
「ノ、ノア君!大変です!急いでこちらに来て下さい!」
「あ、はい。」
報酬として出て来たガラス玉を手に取り少し思案していると、ハナが声を上げてノアを呼ぶ。
声音からして緊急性がある様だ。
「どうしました?」
「こちらの方に回復ポーションを使用したのですが、全く受け付けないのです!」
「普通は掛けるか飲むかすれば直ぐに回復が行われるのですが…」
皆の下に着くと、先程の老齢の男性は更に出血し、青白くなった顔を見るに、いつ死んでもおかしくない状況であった。
そんな中アークは意識を失い掛けている男性に声を掛け、気を持たせようとしていた。
「おい爺さん!寝るな!寝たら死ぬぞ!」
「言ったでしょう…儂に薬などは"無意味"だと…
お若いの…先程の槍兵を倒してくれてありがとうございます…
これで心置き無く逝けますぞ…」
「何て事言うんだ爺さん!おい!爺さん!」
アークが再び声を掛け、老齢の男性を励ます中、ノアは男性の言葉に引っ掛かりを覚えていた。
(回復ポーションを"不要"では無く"無意味"…?
それにさっき報酬として出て来た"12分"てまさか…)
とある考えが過ったノアは、先程手に入れた"12分"とあったガラス玉を手に取り老齢の男性に近付く。
「…おい!一体何「僕の考えている事が合っていれば、"これで良い"。」
コロ…
ガションッ!チキチキチキチキ…
「「「!?」」」
ノアが横たわる老齢の男性の胸元にガラス玉を置くと、男性の上に文字盤が出現し、針が僅かに動く。
それに合わせ出血が止まり、顔に僅かながら生気が満ちていく。
呼吸も落ち着き、
「…ノア君これって…」
「敵から奪った時間を与える事で対象の時間をその分増やせ、その際に回復行動も行われるみたいですね。」
一行が外へと出ると、立ち込める煙と燻っている家々、火の粉が飛び交う光景が広がっていた。
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「…待たれい、お若いの…
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するとアークが老齢の男性に質問を投げ掛ける。
「なぁ爺さん!一体誰にやられたんだ!?
もしかして周りがこんななのも関係が?」
「…その出で立ち…あぁ…あなた方は"外なる者達"ですか…
さぞやこの惨状に戸惑っておられるでしょう…
ここは二刻程前に隣国の"時羽軍"に攻め入られたので御座います…
奴等は暴虐非道…前触れ無しに攻め入り、人々を殺め、家財や金品の類を一切合切持って行きよった…」
「ト、時羽軍…?
そ、それでそいつらは何処に…?」
「奴らは先程ここを襲い、別の場所に向かいました…
姿の見えない今が好機、防壁の外に出れば安全でしょう…」
と、老齢の男性が言い終えた所で
ヒュボッ!
「「っ!?この音は!?」」
「廃城の方からだ!
何か飛んで来る…槍だ!各々抜剣しろ!」
スラッ!ジャキッ!シュリンッ!
ノアの指示を受けた一行は剣を抜き、迎撃体勢を取る。
(ん?あの槍、柄に符の様な物が…)
「皆は念の為そこの男性を連れて物陰へ!
対処は自分で行う!」
「「了解!」」
「爺さん、少し我慢してくれ。」
「あぁ…あぁ…」
オォ…ドシュッ!
ハナとハウンド、アークが老齢の男性を連れて物陰へ退避した直後、飛来した槍がノアの目の前に突き立った。
と
バシュッ!ブォンブォンッ!
「ぬりゃあ"っ!」ボッ!
シュリンッ!ヒュパパッ!カッ!コッ!キンッ!
突き立った槍に突如赤い甲冑の人物が転移。
素早く槍を抜くと共にぶん回した後、遠心力の乗った高速の突きを繰り出してきた。
ノアは即座にカランビットナイフを抜くと、素早く、最小の動きで放たれた槍を三度斬り即座に使用不可とした。
「おおっ!不意打ち気味の奇襲を事も無げに対
処するとは見事!御見事なり!」
普通奇襲が失敗した場合、相手方は悔しがるモノだが、目の前に立つ赤い甲冑の人物は、声音からしても悔しがる所か喜んでいる様だ。
「悪いね。戦術が似てたもので対処は容易だった。
それよりもアンタが"時羽軍"とか言う連中か?」
「ぬん?貴様の装衣は中々に奇天烈…
なる程、お主は"外なる者"だな。
であれば我らの事を知らぬのは仕方の無い事。」
(また"外なる者"か…
大方"『時の迷宮』の外から来た者"と言う意味だろう。)
「御名答。
我ら"時羽金成(トキハカネナリ)様"率いる時羽軍一槍兵。
お主らの素材は高く売れる、我の手柄となって糧となれ!」ヴォンッ!ジャキッ!
「説明どうも。
それを聞いて心置き無くアンタを屠ってやる。
手柄?糧?その程度の腕前で俺を殺れると思うなよ。」チャキッ!
槍兵の手元に再び槍が現れると、穂先を足元に向け、突進の構えを取る。
対するノアは両手にカランビットナイフを装備して迎撃の構えを取る。
ダンッ!
「っっぜぇえあぁああっ!!<刺凸三連突き>っ!!」
ドドドォッ!
槍兵が突進を仕掛けたと同時に高速で下段・中段・上段の三連突きが放たれた。
全て急所へと迫る中、当のノアは微動だにしなかったが
ザキッ!ギギンッ!
ドドッ!ズッ!ズドッ!ズッ…グバッ!ドヂュッ…ブヂィッ!
「…っぉ…!?…うぶっ…み、見ご…」ドチャッ!
下段の突きを踏み付けて止め、中段・上段の突きをカランビットナイフで最小限の動作で弾くと、<洗練された手業>を発動。
槍兵の甲冑の繋ぎ目を狙うかの様に両脇腹、両脇にナイフを突き入れた後、<渾身>を乗せた刺突を腹部に突き立てて掻っ捌き、逆手持ちのナイフを首に引っ掛けた後、投げの要領で斬り捌くと同時に血管をズタズタにした。
一瞬の内に6連撃を叩き込まれた槍兵は、至る所から血を噴き出して地面に倒れ伏すのであった。
するとその直後
ガシャ…カッカッ…コロコロ…
「ん?これは…槍と…ガラス玉?」
突如槍兵の死体が崩れたかと思うと、中から槍と謎のガラス玉が転がり出て来た。
〝おめでとうございます!
槍兵1体を討伐、報酬として槍1本と"12分"を獲得しました。〟
「…槍はまだ分かるけど…何だこのガラス玉…"12分"…?」
ノア含め、物陰に退避しているハナやハウンド、アーク達にも聞こえているらしく、皆一様に周囲を見回していた。
以前ラインハードが居た『宝物庫』でも似た声が聞こえてきたが、所謂"アナウンス"と言う物らしい。
「ノ、ノア君!大変です!急いでこちらに来て下さい!」
「あ、はい。」
報酬として出て来たガラス玉を手に取り少し思案していると、ハナが声を上げてノアを呼ぶ。
声音からして緊急性がある様だ。
「どうしました?」
「こちらの方に回復ポーションを使用したのですが、全く受け付けないのです!」
「普通は掛けるか飲むかすれば直ぐに回復が行われるのですが…」
皆の下に着くと、先程の老齢の男性は更に出血し、青白くなった顔を見るに、いつ死んでもおかしくない状況であった。
そんな中アークは意識を失い掛けている男性に声を掛け、気を持たせようとしていた。
「おい爺さん!寝るな!寝たら死ぬぞ!」
「言ったでしょう…儂に薬などは"無意味"だと…
お若いの…先程の槍兵を倒してくれてありがとうございます…
これで心置き無く逝けますぞ…」
「何て事言うんだ爺さん!おい!爺さん!」
アークが再び声を掛け、老齢の男性を励ます中、ノアは男性の言葉に引っ掛かりを覚えていた。
(回復ポーションを"不要"では無く"無意味"…?
それにさっき報酬として出て来た"12分"てまさか…)
とある考えが過ったノアは、先程手に入れた"12分"とあったガラス玉を手に取り老齢の男性に近付く。
「…おい!一体何「僕の考えている事が合っていれば、"これで良い"。」
コロ…
ガションッ!チキチキチキチキ…
「「「!?」」」
ノアが横たわる老齢の男性の胸元にガラス玉を置くと、男性の上に文字盤が出現し、針が僅かに動く。
それに合わせ出血が止まり、顔に僅かながら生気が満ちていく。
呼吸も落ち着き、
「…ノア君これって…」
「敵から奪った時間を与える事で対象の時間をその分増やせ、その際に回復行動も行われるみたいですね。」
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