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獣人国編~【勇者】アーク・ダンジョン『時の迷宮』~
村の最奥
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野盗の集団とノアが仕留めた『超沈鮟皇』を回収した騎士団は獣人国へと帰還していった。
「さて、『超沈鮟皇』の件もあったので巡回の編成を変えようと思うのですが、如何でしょう?」
「この場でのリーダーは坊じゃけぇ、決定権はお主にあっど。(バド)」
「そうね。さっきは全く気付けなかったから私達がとやかく言う事じゃないわね。(ポーラ)」
「従魔達の鼻も利かなかったし、編成は任せるわ。(ハクア)」
という訳で今後村の奥を巡回する際の編成は以下の通りになった。
・クロラのパーティには実戦経験豊富なドワーフ3人組を。
・ハクアとユカリの高機動パーティには素早い身のこなしのエスメラルダを。
・臨機応変で万能型のノアとキノコである。
「クロラさん達のパーティは巡回、索敵メインで。
モンスターの危険度に応じたドワーフさん達の介入、不介入はその場の判断で。
ハクアさん達とエスメラルダさんのパーティは村の最奥の状況確認とモンスターの把握をお願いします。
討伐が難しい場合は僕が向かいますので、その時は報告お願いします。」
「「「おぅ。」」」
「「「「「はい。」」」」」
「ごめんよノア君…。
半ば強引に着いてきたのに全然役に立てなくて…(ハクア)」
「ははは、誰もここまでの事態になるなんて想像出来ませんよ。
それに当初は全部僕1人で行うつもりだったので寧ろ大助かりですよ。」
と、全く気にしていない素振りでハクア達に答えるノア。
「ううう、ノア君は優しいねぇ。
普通こういった状況だと文句の1つ2つ出てもおかしくないのに…(ハクア)」
「80ポイント。(ユカリ)」
「いやいやそんな…え?ポイント?」
「あ、ノ、ノア君何でも無いの!気にしないで!(クロラ)」
近くで安静にしていたハズのクロラが顔を真っ赤にして跳ね起きてきた。
何でも無いと言う割に妙に慌てていたが、クロラがそう言うならと、気にしない事にした。
「それじゃあ私達が先に巡回してくるわね。(エスメラルダ)」
「お願いしまーす。」
ノアが先程決めたパーティ編成(ハクア、ユカリ、エスメラルダ)で早速行動を開始して貰う事にした。
取り敢えず村の最奥まで向かって貰い、可能であればモンスターの種類を確認したい所である。
が、暫くして帰って来た3人から宜しくない報告が上がってきたのであった。
「モンスターが″生ってた″?」
「えぇ。ここから真っ直ぐ行った先に柵があったのだけど、そこを越えると開けた場所に出るのね?
その場所にぎっしりと″生ってた″わ。(エスメラルダ)」
「薄い膜みたいなモノに包まれたモンスターが木の根元や地面に″生ってた″の…
気持ち悪…。(ハクア)」
「何ともおぞましい光景だったから慌てて帰って来たの…(ユカリ)」
余程不気味な光景だったのだろう、ハクアとユカリの額にはジットリと脂汗が浮かんでいた。
「坊、村の住人に何があるか聞いてみたが、継ぎ手が居らんくて近々取り壊し予定だった牧場があるのみだそうじゃ。(バド)」
「畑や農園で使う堆肥の貯蔵所しか無く、数日前には木なぞ生えとらん言うとったど。(ロイ)」
ハクア達の話を聞いていたドワーフ達が村の住人に聞いて回ったらしい。
「今の話からすると、それが関与してそうな気がするなぁ…
よしクリストフ、ちょっと調べに行こうか。」
「了解しましたぞノア殿。」
という訳でノアはつかえるキノコのクリストフを伴ってモンスターが″生っていた″という木を目指す事にした。
~3分後~
ダッ!トッ!タタッ!
ノッシノッシノッシノッシ…
「ノア殿。
先程の報告にあった柵では無いかと。」
「うん、そうだね。
んでもって、そこから先に多数の反応がある。
ここから先は慎重に行こう。」
村中央の広場から真っ直ぐ移動を開始したノアは、樹木や岩場を高速で駆け、クリストフは途中で枝につっかえたりしつつ、そんなノアに遅れる事無く着いていった。
そしてエスメラルダが言っていた柵を視界に捉えた途端<気配感知>内に夥しい数の反応を捉えた。
ノアは即座に<忍び足>と<気配遮断>を発動して先に進もうとするが、クリストフは動こうとしなかった。
「申し訳ありませぬノア殿、私は隠密行動が苦手故ここまでとします。」
(まぁ…その体じゃね…)
「ですが私も敵の存在は把握しておきたいのでこちらをお持ち下さい。」ゴソゴソ…
ふとクリストフが腰の辺りでゴソゴソと何かを探し始め
「私の分体″一寸胞子(イッスンボウシ)″で御座います。」
「や。」
(もう何でもありだなクリストフよ…)
クリストフが腰から取り出したのは、市販に売られているエリンギ位の大きさのクリストフであった。
『一寸胞子(イッスンボウシ)』…クリストフの分体。見た目、感触共に普通のエリンギの為、肩に乗せて歩いている所を誰かに見られた場合、精神科を勧められる事でしょう。
ノアの肩に乗った一寸胞子は、仁王立ちにも関わらず全く体幹がブレる事が無かったので、そのままの勢いで樹上に上がり、接近を図る事にした。
「気を付けて下されよノア殿。」
「うん、行ってくるよ。」タンッ!トッ!
ストッ!
「…これ以上は接近しない方が良いな。」
「む。」
樹上へ上がり、枝伝いに移動してきたノアは、比較的高く、且つモンスターの″生る″木の直ぐ近く迄接近していた。
「…こりゃ確かにモンスターの″生る″木だな…」
「むむ。」
ノアの眼前には、エスメラルダ達の報告にあった通り、薄い膜の中に丸まったモンスターらしき影のある実の様な物が生った大木が幾つも屹立していた。
その実の大きさは1メル~3メルとまちまちで、1本の大木に10~20個程生っていた。
(…あまり食べ物で例えたくは無いけど、皮を剥いて可食部だけになったブドウの房みたいだな…)
(『ヤメロよ…ブドウを見る度に思い出すじゃねぇか…』)
報告にあった通り、何とも不気味な光景ではあるが、一先ず村へ戻り皆に報告しよう。
そう判断したノアが踵を返そうとした時だった
<グヂュル…>
「…ん?何だろ…今の…」
<ッチュ…ジュル…>
(『2つ奥の木からだな…
しかも音の感じからして蠢いている様な…
まさか中から出てくんじゃねぇか?』)
(…念の為確認しとこう…)タタッ!
謎の湿っぽい音の正体を確認する為、ノアは更に樹上を目指す。
そして木の天辺から顔を出してみると、異様な光景が広がっていた。
ジュル…ッジュル…グボッ…
ズルン…ゥジュル…
「…あれは…」
(『どう見ても″蝶″…だよな…しかもかなりデカい…
翅を広げりゃ30メル位はあるんじゃねぇか…?』)
ノアの視界には、頭から胴体までが10メル程もある巨大で毒々しい色合いの翅を持つ蝶であった。
しかもその蝶の胴体を見てみると、尻の部分から半透明の長い管が伸び、中に球状の物体が詰まっていた。
要は卵菅であり、木に″生っている″様に見えたモノは、この蝶の卵である。
ア″…『グジュル…』ア″ア″ア″…ア″…『グボッ…』
更に不気味な事に、呻き声の様なものを上げながら大木に産み付けていく。
(うえぇ…気持ち悪…)
(『だな…
一先ず村に戻って皆に報告しようぜ。
それともしかしたらさっきハウンドに頼んだ奴が来てっかもしれねぇからな。』)
(…分かった、そうしよう。)タンッ!
という事で、今度こそノアは報告をする為、村に戻る事にした。
「さて、『超沈鮟皇』の件もあったので巡回の編成を変えようと思うのですが、如何でしょう?」
「この場でのリーダーは坊じゃけぇ、決定権はお主にあっど。(バド)」
「そうね。さっきは全く気付けなかったから私達がとやかく言う事じゃないわね。(ポーラ)」
「従魔達の鼻も利かなかったし、編成は任せるわ。(ハクア)」
という訳で今後村の奥を巡回する際の編成は以下の通りになった。
・クロラのパーティには実戦経験豊富なドワーフ3人組を。
・ハクアとユカリの高機動パーティには素早い身のこなしのエスメラルダを。
・臨機応変で万能型のノアとキノコである。
「クロラさん達のパーティは巡回、索敵メインで。
モンスターの危険度に応じたドワーフさん達の介入、不介入はその場の判断で。
ハクアさん達とエスメラルダさんのパーティは村の最奥の状況確認とモンスターの把握をお願いします。
討伐が難しい場合は僕が向かいますので、その時は報告お願いします。」
「「「おぅ。」」」
「「「「「はい。」」」」」
「ごめんよノア君…。
半ば強引に着いてきたのに全然役に立てなくて…(ハクア)」
「ははは、誰もここまでの事態になるなんて想像出来ませんよ。
それに当初は全部僕1人で行うつもりだったので寧ろ大助かりですよ。」
と、全く気にしていない素振りでハクア達に答えるノア。
「ううう、ノア君は優しいねぇ。
普通こういった状況だと文句の1つ2つ出てもおかしくないのに…(ハクア)」
「80ポイント。(ユカリ)」
「いやいやそんな…え?ポイント?」
「あ、ノ、ノア君何でも無いの!気にしないで!(クロラ)」
近くで安静にしていたハズのクロラが顔を真っ赤にして跳ね起きてきた。
何でも無いと言う割に妙に慌てていたが、クロラがそう言うならと、気にしない事にした。
「それじゃあ私達が先に巡回してくるわね。(エスメラルダ)」
「お願いしまーす。」
ノアが先程決めたパーティ編成(ハクア、ユカリ、エスメラルダ)で早速行動を開始して貰う事にした。
取り敢えず村の最奥まで向かって貰い、可能であればモンスターの種類を確認したい所である。
が、暫くして帰って来た3人から宜しくない報告が上がってきたのであった。
「モンスターが″生ってた″?」
「えぇ。ここから真っ直ぐ行った先に柵があったのだけど、そこを越えると開けた場所に出るのね?
その場所にぎっしりと″生ってた″わ。(エスメラルダ)」
「薄い膜みたいなモノに包まれたモンスターが木の根元や地面に″生ってた″の…
気持ち悪…。(ハクア)」
「何ともおぞましい光景だったから慌てて帰って来たの…(ユカリ)」
余程不気味な光景だったのだろう、ハクアとユカリの額にはジットリと脂汗が浮かんでいた。
「坊、村の住人に何があるか聞いてみたが、継ぎ手が居らんくて近々取り壊し予定だった牧場があるのみだそうじゃ。(バド)」
「畑や農園で使う堆肥の貯蔵所しか無く、数日前には木なぞ生えとらん言うとったど。(ロイ)」
ハクア達の話を聞いていたドワーフ達が村の住人に聞いて回ったらしい。
「今の話からすると、それが関与してそうな気がするなぁ…
よしクリストフ、ちょっと調べに行こうか。」
「了解しましたぞノア殿。」
という訳でノアはつかえるキノコのクリストフを伴ってモンスターが″生っていた″という木を目指す事にした。
~3分後~
ダッ!トッ!タタッ!
ノッシノッシノッシノッシ…
「ノア殿。
先程の報告にあった柵では無いかと。」
「うん、そうだね。
んでもって、そこから先に多数の反応がある。
ここから先は慎重に行こう。」
村中央の広場から真っ直ぐ移動を開始したノアは、樹木や岩場を高速で駆け、クリストフは途中で枝につっかえたりしつつ、そんなノアに遅れる事無く着いていった。
そしてエスメラルダが言っていた柵を視界に捉えた途端<気配感知>内に夥しい数の反応を捉えた。
ノアは即座に<忍び足>と<気配遮断>を発動して先に進もうとするが、クリストフは動こうとしなかった。
「申し訳ありませぬノア殿、私は隠密行動が苦手故ここまでとします。」
(まぁ…その体じゃね…)
「ですが私も敵の存在は把握しておきたいのでこちらをお持ち下さい。」ゴソゴソ…
ふとクリストフが腰の辺りでゴソゴソと何かを探し始め
「私の分体″一寸胞子(イッスンボウシ)″で御座います。」
「や。」
(もう何でもありだなクリストフよ…)
クリストフが腰から取り出したのは、市販に売られているエリンギ位の大きさのクリストフであった。
『一寸胞子(イッスンボウシ)』…クリストフの分体。見た目、感触共に普通のエリンギの為、肩に乗せて歩いている所を誰かに見られた場合、精神科を勧められる事でしょう。
ノアの肩に乗った一寸胞子は、仁王立ちにも関わらず全く体幹がブレる事が無かったので、そのままの勢いで樹上に上がり、接近を図る事にした。
「気を付けて下されよノア殿。」
「うん、行ってくるよ。」タンッ!トッ!
ストッ!
「…これ以上は接近しない方が良いな。」
「む。」
樹上へ上がり、枝伝いに移動してきたノアは、比較的高く、且つモンスターの″生る″木の直ぐ近く迄接近していた。
「…こりゃ確かにモンスターの″生る″木だな…」
「むむ。」
ノアの眼前には、エスメラルダ達の報告にあった通り、薄い膜の中に丸まったモンスターらしき影のある実の様な物が生った大木が幾つも屹立していた。
その実の大きさは1メル~3メルとまちまちで、1本の大木に10~20個程生っていた。
(…あまり食べ物で例えたくは無いけど、皮を剥いて可食部だけになったブドウの房みたいだな…)
(『ヤメロよ…ブドウを見る度に思い出すじゃねぇか…』)
報告にあった通り、何とも不気味な光景ではあるが、一先ず村へ戻り皆に報告しよう。
そう判断したノアが踵を返そうとした時だった
<グヂュル…>
「…ん?何だろ…今の…」
<ッチュ…ジュル…>
(『2つ奥の木からだな…
しかも音の感じからして蠢いている様な…
まさか中から出てくんじゃねぇか?』)
(…念の為確認しとこう…)タタッ!
謎の湿っぽい音の正体を確認する為、ノアは更に樹上を目指す。
そして木の天辺から顔を出してみると、異様な光景が広がっていた。
ジュル…ッジュル…グボッ…
ズルン…ゥジュル…
「…あれは…」
(『どう見ても″蝶″…だよな…しかもかなりデカい…
翅を広げりゃ30メル位はあるんじゃねぇか…?』)
ノアの視界には、頭から胴体までが10メル程もある巨大で毒々しい色合いの翅を持つ蝶であった。
しかもその蝶の胴体を見てみると、尻の部分から半透明の長い管が伸び、中に球状の物体が詰まっていた。
要は卵菅であり、木に″生っている″様に見えたモノは、この蝶の卵である。
ア″…『グジュル…』ア″ア″ア″…ア″…『グボッ…』
更に不気味な事に、呻き声の様なものを上げながら大木に産み付けていく。
(うえぇ…気持ち悪…)
(『だな…
一先ず村に戻って皆に報告しようぜ。
それともしかしたらさっきハウンドに頼んだ奴が来てっかもしれねぇからな。』)
(…分かった、そうしよう。)タンッ!
という事で、今度こそノアは報告をする為、村に戻る事にした。
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