ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
562 / 1,124
獣人国編~中級冒険者試験~

120番、【ソロ】のノアです。

しおりを挟む
ギィッ!

「し、失礼します!受付はここで宜しいですか?」

「あらあら、大勢で来ましたね。
えぇ、こちらが受付に御座います。」


そそくさと住居が建ち並ぶ通りを進み、ギルドの様な建物に入ったノアとその一行。

今回中級冒険者試験を受けるのはノアだけだと伝えると、ノアだけカウンターの下まで来る様に伝えられた。


スッ…

「では冒険者カードを拝見いたしますので少しお待ち下さい。」

「はい。」キョロキョロ…


と、職員が冒険者カードを確認している間周りをキョロキョロと見回してみる。

建物の中にはノア以外に試験を受けるであろう冒険者が2組のパーティが居た。

1組目は法衣を着た金髪の男性冒険者。
それと、見た目は人族だが頭に角が生えている事から、恐らく鬼人族の兄妹であろう2人組の計3人パーティである。

金髪の男性は法衣を着ている為【神官】なのだろう。
鬼人族の兄妹の方は無手である事から【拳士】と言った感じだろう。

何故か鬼人族の兄妹はノアの方をジーッと見詰めていた。


続いて2組目のパーティだが、【剣士】の男性2人と【弓】の男性が1人、【魔法使い】であろうフードを被った女性1人の4人組パーティである。
が、既に嫌な予感がプンプンする。

ノアを見るなりニタニタと笑っていた。
口の動かし方と手振りを見ると、明らかにノアを小馬鹿にした様な感じだった為、気になったノアは<聞き耳>を立ててみる事にした。


<おい見てみろよアイツ、どう見ても今年から冒険者始めました。
ってツラじゃねぇか。>

<居るんだよなぁ、大して成果も挙げてないのに強くなった気でいて試験受けに来るヤツ。>

<剣4本に、弓…?
後ろの奴らは受けないみたいだし、アイツ1人って事はパーティすら組めて無ぇんじゃん。ボッチじゃん。>

<笑わないであげましょうよ。
あの位の頃は色々と背伸びしたい年頃なのよ。(笑)>



確かにノアは現在15才、試験を受けに来た冒険者は大体17~18才位が殆どである為、その中にノアが居れば確かに浮くだろう。


(くそぅ…好き放題言いやがって…
僕はボッチじゃなくて【ソロ】なんだぃ。)

「やぁ少年。君も試験を受けに来た冒険者かい?」


と、心の中で4人組パーティに毒づいていると、3人組パーティの方から【神官】の男性がやって来た。
4人組パーティの下卑た笑いとは違い、柔和な笑みを浮かべつつ手を差し出して来たので、ノアは握り返す。


「あの手の輩は気にしない方が良い。(小声)」

「あ、分かりましたか?(小声)」

「顔に出てたからね。
彼らは自分達より年下が来ると妙に先輩面したがる。
挙げ句適当な事を言って失格させようとするが、ここの職員は彼らと違ってマトモだ。
しっかり取り組めばちゃんと評価してくれるよ。(小声)」

「助言ありがとうございます。(小声)」


「ノ、ノア様!?ちょ、ちょっとカウンターまで来て頂けますか?」


「あ、呼ばれたのでまた後で。」

「あぁ、頑張ってね。」


【神官】の男性と別れたノアは、職員が待つカウンターへと向かった。





トテテ…

「あ、来て頂いて申し訳ありません。
1つ確認したい事が御座いますが良いでしょうか?」

「はい、良いですよ。」

「今日受けに来たのは中級冒険者の試験で御座いますよね?
″上級″では無く!」


″上級″と言う単語が出た瞬間、3人組パーティと4人組パーティから「え!?」という驚きの声が上がる。

クロラ達は妙に納得して静かに事の成り行きを見守っている。


「はい、そのつもりです。
というかそもそも中級も受けるつもりは無かったのですが、ギルドの方から受けた方が良いと言われて来たので…」

「確かにこのレベルであれば早々に昇級した方が良いでしょう。
もし言って頂ければ″上級″の試験も行えますが如何でしょう…?」

「いや、取り敢えずは段階踏みたいので中級でお願いします。」

「か、畏まりました。」


ノアから中級冒険者試験の意向を聞いた職員は、準備の為かカウンターの奥へと消えていった。








少しして用紙とペンを持ってきた職員の指示に従い、必要事項を記入していく。

その際中、先程のパーティらの方を確認してみると、各々番号札を手渡されていた。


「ノ…アっと…」φ(..)

「はい、ありがとう御座います。
今回ノア様に中級冒険者試験を受験して頂くのですが、ノア様の場合少し″特殊″なので個別に説明させて頂きます。」

「″特殊″…ですか…」

「はい…長年ここで数々の試験を行ってきましたが、【ソロ】という適正を見た事が無いので、試験の内容が他とは違うものとなります。」

(そういえばハクアさんとユカリさんもそんな様な事言ってたっけ…)

「『筆記試験、実戦試験、実地試験』の3つを行うのはそのままですが、ノア様の場合、各適正で行われる事を全て1人でやられている為、【万能】や【勇者】同様、総合力を見させて頂きたいのです。」

「総合力…ですか。」


その後の職員の説明を要約すると、以下の通りになる。


・ノアは【万能】や【勇者】同様、1人で数多ある適正の中から幾つかの適正を掛け持ちしている様なモノである。

・冒険者カードの行動履歴を確認し、頻繁に取っている行動を選出。
該当する【適正】に基づいて判断し、合否を決める。

・ノアは適正上、1人で1パーティと捉える事も出来るので、パーティ行動時の動きも確認するらしい。


「という訳で、これからここ3ヶ月の行動履歴を見させて貰いますのでお手数ですが、もう一度冒険者カードを提示して頂いて宜しいでしょうか?」

「ええどうぞ。」


再び冒険者カードを職員に渡したのだが、冒険者生活開始直後から激動続きであった為、選出にそれなりの時間を要してしまう事に。

なのでノアは待機していた仲間達と共に街に繰り出し、昼食を摂る事にした。






~んでもって2時間後~

ズゴゴゴゴゴゴ…

『【剣士】【弓】【双剣士】【狂戦士】【料理人】【拳士】【忍】【隠密】【諜報】【暗殺】【侍】【植物】【薬師】【盗賊】【義賊】【教師】【頭領】【保育士】【仲介人】【探検家】【召喚士】【盾】【縛師】等々。』


「こ、これが僕の3ヶ月の行動履歴を確認して選出した【適正】ですか…
え?つまり僕はこれらの適正全てに基づいた試験を受けなければならないのですか?」

「い、いや、流石に多過ぎるので、ここから更に使用頻度の多い適正5つを選出します…
それでも普通の試験項目に比べて多いですが…」


その後更に10分程掛け、統合したり取捨選択したりして、最終的に『【剣士】【弓】【狂戦士】【暗殺】【料理人】』の5つに決定した。

正直な所、全く身に覚えの無い適正も含まれていた為、全ての試験を行います。
と言われていたら投げていた事だろう。

だが漸くノアが受ける試験項目が決定した。

ちなみにノアの受験番号は120番である。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...