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獣人国編~中級冒険者試験~
実は筆記が最難関
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「はい、では筆記試験始め!」
ババッ!φ(..)φ(..)φ(..)φ(..)φ(..)
兎にも角にも先ずは筆記試験からの実施であり、それが終われば実戦試験である。
筆記試験の内容としては、常識問題やモンスターの対処法等、ごく一般的な内容だ。
この試験は冒険者なら適正関係無く全員が受けるモノである為、ノアの他に居た2組のパーティと合同で実施している。
問題の内容は【商人】や生産職に比べれば難しくは無いので、特に気にする事の無い試験なのだが…
「はい、終了です。
用紙を回収しますのでそのまま席に座ったままで。それと人数も少ないのでこの場で採点しちゃいましょう。」
職員が手早く全員の答案用紙を回収していき、1枚1枚チェックしていく。
ペラペラ…
「ふんふん…ふ、ん?
あのー、ノア様、ちょっと宜しいですか?」
「え?はい、何でしょう。」
何故かノアだけ呼び出されて職員の下へと向かう。
「ここの問についてなんですが…」
「え?間違えてましたか?」
″問1.あなたの手元に武器は無く、魔法も使えない状況です。
そんな中、山で熊と出会しました、その時の対処法を答えなさい。″
″解答例
・石や倒木の上に立ち、自身を大きく見せる。
・大声や音を出して威嚇する。(諸説あり)
・死んだフリをせず、ゆっくり後退る。″
″ノアの解答
わざと襲い掛からせ、カウンター気味に眼を潰し、怯んでる内に眼窩と顎を掴んで首をへし折る。″
「対処法ですよね?」
「…確かに″どうやって回避しますか?″とは書いて無いから対処法と言えば対処法ですが…うーむ…
そ、それではこちらは?」
″問2.あなたの手元に武器は無く、魔法も使えない状況です。
そんな中、山で野盗の集団を見付けました、その時の対処法を答えなさい。″
″解答例
・見付からない様身を屈めてその場を離れる。
・自分達とは反対方向に石を投げ、気を取られている内に逃げる。
・迂回する。″
″ノアの解答
数が50以上であれば少しずつ誘き寄せて地道に捕縛。
1/3も減れば流石に気付くので、強襲を仕掛けて近接戦闘で各個撃破。
10人以下まで減らしたら仲間、根城、人質等は居ないかを聞き出し、再び強襲を仕掛ける。″
「…あの、″逃げる″って選択肢は無いのですか…?」
「ニゲ…ル…?」
「あらどうしましょ、急に言語能力が下がっちゃったわ!?」
野盗200人に対しても1歩も退かなかったノアにとって、″逃げる″と言う選択肢はハナっから無いのである。
「えー、それではノア様は一時保留とし、それ以外の方々は筆記試験合格となります。」
「「「「「「「よっしゃー!」」」」」」」
「…どういう事だ…全部父さん母さんから教わった事なのに…」
(『家の常識は外での非常識、って事だな。
まぁ気を落とすな、実地試験の時に確認出来れば合格にする、って言ってたんだからその通りにやりゃ良いだろ。』)
(…うん、そうだね…)
と、膝から崩れ落ちたノアに鬼神が励ましていると
「よぅガキんちょ!
こんな超簡単な筆記試験で保留になったんだってな?」
先程ノアを小馬鹿にしていた4人組パーティの男性がニタニタと笑いながら近寄ってきた。
その表情からして、ここぞとばかりに罵詈雑言を言い放つだろう事は目に見えていた。
が
「94番のクォーツスターレ様、偉そうな口振りですが、あなたの場合温情で合格となってるのをお忘れ無く。」
「へ?」
「あなたは18才にもなって自分の名前の綴りを書き間違えてらっしゃいますよ?″クソーッターレ″様。」ペラッ…
「「「ぶほっ!?(パーティ仲間)」」」
「な、なぁっ!?しまっ…!」
4人組パーティのリーダーらしいクォーツスターレとか言う【剣士】の男性は、調子に乗って慣れてない筆記体で名前を書いたらしく、しかも汚い字だった為″クソーッターレ″に見えた様だ。
ノアを小馬鹿にしに来たハズが、自身の醜態を晒す事になってしまったクソ…クォーツスターレは、顔を真っ赤にし、仲間に笑われながら次に行われる実戦試験が行われる場所に向かっていった。
その場にポツンと残されたノアも、やれやれと言った感じで表へ歩いて行くのだった。
「あ、ノア君。筆記試験の方はどうだった?」
「えーっと、実は僕だけ保留になっちゃって…」
「「「「「「保留?」」」」」」
流石に筆記試験の内容を喋る訳にはいかなかったので『世間とのズレ』とだけ伝える事にした。
「ははぁーん。
その口振りだと、いつも通りの強攻戦略をつらつらと書いた事で、職員に判断が付けられなくなった、って所かしら?(ポーラ)」
「…ねぇポーラ、もしかして中で聞いてた…?」
恐ろしい位の的中率に、ポーラは本当は【魔法使い】等では無く【諜報】か【隠密】の類なのではないかと感じていた。
「まぁでもノア君の場合、実戦で証明出来るだろうから安心だな。(ジェイル)」
「そういえば次は実戦試験だったよねー?(ロゼ)」
「うん。取り敢えず筆記試験よりかは気楽に挑めるよ。」
((((((普通はそっち(筆記試験)の方が気楽だと思うけど…))))))
ここでも『世間とのズレ』を遺憾無く発揮するノアであった。
~実戦試験会場・休憩室~
「ゴワスさーん、ゴザルさーん、これから3組の冒険者が試験を受けに来ますが、お願いしても良いですかー?」
「良いでごわすよ。」
「良いでござるよ。
して、今回の新人冒険者の中に見込みのある者は居るでござるか?」
ペラッ…
「取り敢えずこれが3組の資料です。
1組…と言うか1人とんでもない子が来ましたよ。」
「ほう、1人でごわすか。」
「どれどれ、一体どんな…『ガタッ!』ぬぅっ!?」
資料の1つ、ノアの情報が書かれた資料を食い入る様に見詰めるゴワスとゴザル。
ゴワスは筋骨隆々な見た目、快活そうな黒髪短髪の30代男性である。
だが、身長2メルを優に越えている為、「本当に人か?」と思える巨躯である。
その隣に立つゴザルはゴワスとは対称的に細身で痩せ方、長い髪を後ろで結んでいる30代男性である。
「ほ、本当に彼は新人冒険者だったのか!」
「噂通り新人だったら何れここに来るかもとは思ったでゴザルが…
本当に来たのだな!?」
「こうしちゃ居られないでごわす!
ミゼラ(職員の名前)、3人組パーティ、4人組パーティ、少年の並びでお願いするでごわす!」
「良いですが、ちゃんと試験官としての職務を全うして下さいね?」
「「勿論でごわす!」ござる!」
ババッ!φ(..)φ(..)φ(..)φ(..)φ(..)
兎にも角にも先ずは筆記試験からの実施であり、それが終われば実戦試験である。
筆記試験の内容としては、常識問題やモンスターの対処法等、ごく一般的な内容だ。
この試験は冒険者なら適正関係無く全員が受けるモノである為、ノアの他に居た2組のパーティと合同で実施している。
問題の内容は【商人】や生産職に比べれば難しくは無いので、特に気にする事の無い試験なのだが…
「はい、終了です。
用紙を回収しますのでそのまま席に座ったままで。それと人数も少ないのでこの場で採点しちゃいましょう。」
職員が手早く全員の答案用紙を回収していき、1枚1枚チェックしていく。
ペラペラ…
「ふんふん…ふ、ん?
あのー、ノア様、ちょっと宜しいですか?」
「え?はい、何でしょう。」
何故かノアだけ呼び出されて職員の下へと向かう。
「ここの問についてなんですが…」
「え?間違えてましたか?」
″問1.あなたの手元に武器は無く、魔法も使えない状況です。
そんな中、山で熊と出会しました、その時の対処法を答えなさい。″
″解答例
・石や倒木の上に立ち、自身を大きく見せる。
・大声や音を出して威嚇する。(諸説あり)
・死んだフリをせず、ゆっくり後退る。″
″ノアの解答
わざと襲い掛からせ、カウンター気味に眼を潰し、怯んでる内に眼窩と顎を掴んで首をへし折る。″
「対処法ですよね?」
「…確かに″どうやって回避しますか?″とは書いて無いから対処法と言えば対処法ですが…うーむ…
そ、それではこちらは?」
″問2.あなたの手元に武器は無く、魔法も使えない状況です。
そんな中、山で野盗の集団を見付けました、その時の対処法を答えなさい。″
″解答例
・見付からない様身を屈めてその場を離れる。
・自分達とは反対方向に石を投げ、気を取られている内に逃げる。
・迂回する。″
″ノアの解答
数が50以上であれば少しずつ誘き寄せて地道に捕縛。
1/3も減れば流石に気付くので、強襲を仕掛けて近接戦闘で各個撃破。
10人以下まで減らしたら仲間、根城、人質等は居ないかを聞き出し、再び強襲を仕掛ける。″
「…あの、″逃げる″って選択肢は無いのですか…?」
「ニゲ…ル…?」
「あらどうしましょ、急に言語能力が下がっちゃったわ!?」
野盗200人に対しても1歩も退かなかったノアにとって、″逃げる″と言う選択肢はハナっから無いのである。
「えー、それではノア様は一時保留とし、それ以外の方々は筆記試験合格となります。」
「「「「「「「よっしゃー!」」」」」」」
「…どういう事だ…全部父さん母さんから教わった事なのに…」
(『家の常識は外での非常識、って事だな。
まぁ気を落とすな、実地試験の時に確認出来れば合格にする、って言ってたんだからその通りにやりゃ良いだろ。』)
(…うん、そうだね…)
と、膝から崩れ落ちたノアに鬼神が励ましていると
「よぅガキんちょ!
こんな超簡単な筆記試験で保留になったんだってな?」
先程ノアを小馬鹿にしていた4人組パーティの男性がニタニタと笑いながら近寄ってきた。
その表情からして、ここぞとばかりに罵詈雑言を言い放つだろう事は目に見えていた。
が
「94番のクォーツスターレ様、偉そうな口振りですが、あなたの場合温情で合格となってるのをお忘れ無く。」
「へ?」
「あなたは18才にもなって自分の名前の綴りを書き間違えてらっしゃいますよ?″クソーッターレ″様。」ペラッ…
「「「ぶほっ!?(パーティ仲間)」」」
「な、なぁっ!?しまっ…!」
4人組パーティのリーダーらしいクォーツスターレとか言う【剣士】の男性は、調子に乗って慣れてない筆記体で名前を書いたらしく、しかも汚い字だった為″クソーッターレ″に見えた様だ。
ノアを小馬鹿にしに来たハズが、自身の醜態を晒す事になってしまったクソ…クォーツスターレは、顔を真っ赤にし、仲間に笑われながら次に行われる実戦試験が行われる場所に向かっていった。
その場にポツンと残されたノアも、やれやれと言った感じで表へ歩いて行くのだった。
「あ、ノア君。筆記試験の方はどうだった?」
「えーっと、実は僕だけ保留になっちゃって…」
「「「「「「保留?」」」」」」
流石に筆記試験の内容を喋る訳にはいかなかったので『世間とのズレ』とだけ伝える事にした。
「ははぁーん。
その口振りだと、いつも通りの強攻戦略をつらつらと書いた事で、職員に判断が付けられなくなった、って所かしら?(ポーラ)」
「…ねぇポーラ、もしかして中で聞いてた…?」
恐ろしい位の的中率に、ポーラは本当は【魔法使い】等では無く【諜報】か【隠密】の類なのではないかと感じていた。
「まぁでもノア君の場合、実戦で証明出来るだろうから安心だな。(ジェイル)」
「そういえば次は実戦試験だったよねー?(ロゼ)」
「うん。取り敢えず筆記試験よりかは気楽に挑めるよ。」
((((((普通はそっち(筆記試験)の方が気楽だと思うけど…))))))
ここでも『世間とのズレ』を遺憾無く発揮するノアであった。
~実戦試験会場・休憩室~
「ゴワスさーん、ゴザルさーん、これから3組の冒険者が試験を受けに来ますが、お願いしても良いですかー?」
「良いでごわすよ。」
「良いでござるよ。
して、今回の新人冒険者の中に見込みのある者は居るでござるか?」
ペラッ…
「取り敢えずこれが3組の資料です。
1組…と言うか1人とんでもない子が来ましたよ。」
「ほう、1人でごわすか。」
「どれどれ、一体どんな…『ガタッ!』ぬぅっ!?」
資料の1つ、ノアの情報が書かれた資料を食い入る様に見詰めるゴワスとゴザル。
ゴワスは筋骨隆々な見た目、快活そうな黒髪短髪の30代男性である。
だが、身長2メルを優に越えている為、「本当に人か?」と思える巨躯である。
その隣に立つゴザルはゴワスとは対称的に細身で痩せ方、長い髪を後ろで結んでいる30代男性である。
「ほ、本当に彼は新人冒険者だったのか!」
「噂通り新人だったら何れここに来るかもとは思ったでゴザルが…
本当に来たのだな!?」
「こうしちゃ居られないでごわす!
ミゼラ(職員の名前)、3人組パーティ、4人組パーティ、少年の並びでお願いするでごわす!」
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「「勿論でごわす!」ござる!」
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