ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~中級冒険者試験~

嫉妬

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「はいミダレさん、こちらが誘惑香の匂いを一時的に打ち消す香水です。
湯浴みしたり、クリーン掛けたりすると効果が切れますのでお気を付け下さい。
獣脂の方は上手くいったら後日また貴女の所に伺いますのでその時に。(ヴァンディット)」

「は、はい。(ミダレ)」

チャラ…

「私からはコレ。
誘惑香を魔力変換して花弁の魔石を生成させる胸飾りよ。
最大まで魔石が生成されると大輪の花の様に見えるから実用性も重視しました。
採取する場合は花弁を取る様にすれば外せるので初心者も簡単です。(ラインハード)」

「ふ、ふわぁああ…綺麗…
…あ、あの…本当にお代は良いんですか…?
ここまでして貰ったのに…(ミダレ)」

「ノア様からは″何度も急性精気中毒にしてしまったお詫び″という事でお代などは結構だそうです。(ヴァンディット)」


″みにくいアヒルの子″を試験会場の職員に預けた後、ミダレはヴァンディットとラインハードから誘惑香を打ち消す香水と魔石変換する胸飾りを譲渡された。

渡された直後は喜んだミダレだが、性能面を考慮すればかなりの額になるのではと察し冷や汗を流すが、そうなる事を既に察していたノアは、2人にそう言う様に伝えていた。


「で、でもそれじゃ、あっちの気が収まりません!これはあっちが1日掛けて無償でノア君にサービスを「「待った待った待った待った!(ヴァンディットとラインハード)」」


金が払えないなら体で、を地で行きそうな考えに至り掛けたミダレを落ち着かせる。


「ミダレさん良いのですか?
そんな事になれば丸1日急性精気中毒状態でノア様に弄ばれるのですよ?(ヴァンディット)」

「そ、それはそれで受けてみたいかも…(ミダレ)」

「ノア君って性豪そうで「ラインハードさん、少女の姿でそんな事を言わないの。
あとヴァンディットさん、弄ぶ前提で話さない。」ズビシッ!

「「ご、ごめんなさい…(ヴァンディットとラインハード)」」


試験全てが合格となり、中級冒険者カードを貰ってきたので戻ってくると、女性3人が有る事無い事話し合っていた。

特にラインハードは見た目的には少女の姿である為、その姿で″性豪″等と言うと変な誤解を生んでしまうので、思わず頭に手刀を入れてしまった。


「で、言われたとは思いますけど、お代は貰うつもりはありませんし、体を求めたりもしません。
…と言ってもミダレさんは納得してくれないみたいですからこうしましょう。
ヴァンディットさんは【調香師】を。
ラインハードさんは【魔石精製】の資格を取ってからミダレさんがお客様第1号です。
我が方では1人目のお客様に限り、無償での販売を実施しております。
ですので只今譲渡致しました商品はそのままお持ちになって頂いて構いません。
…という事にしましょうか。」

「…んもぅ、そう言われたらこれ以上追求出来ないっちゃん…(ミダレ)」


ノアがそう提案すると、後ろの2人もニッコリと微笑んでミダレにお辞儀をした。
そのやり取りを見てミダレは漸く納得してくれた。





「それではそろそろ僕らはここで。」

「うん、パーティ組んでくれた事もそうだけど、色々とありがとうなぁ。
また何処かで会うたら声掛けてね…(ミダレ)」

「えぇ、また何れ。」


短く言葉を交わした後、ノアはミダレと別れる事に。
少し名残惜しそうなミダレだが、変に長引かせるのも宜しく無いと考え、ノアは早々にその場を去るのであった。





タッタッタ!

「皆さーん、合格貰えましたよー!」

「お、漸く戻ってきたわね?(ハクア)」
「そろそろ来るんじゃないかとは思ってたわよ。(ユカリ)」
「おめでとうノア君。(ジェイル)」
「ほーら、クロラっちとポーラも祝ってあげなよー。(ロゼ)」


中級冒険者試験合格を伝えに一同の下へ戻ってきたノア。
受かる事は分かりきってはいたが素直に祝福する一同。

ロゼが残りの2人(クロラとポーラ)に促すが


「ふ、ふーん、良かったじゃん…(クロラ)」
「おめっと。(ポーラ)」

「あれぇっ!?」


祝ってはくれている様だが、物っそい反応は薄かった。
2人からの微妙な返答にノアが固まっていると、ハクアとユカリがノアに耳打ちする。


「ノアくーん、1度自分の発してる匂い確認した方が良いよ?(ハクア)」ごにょごにょ。

「え?匂い?『くんくん』何が…あっ!?」

「ノア君ならそんな間違い起こす事無いと思うけど、″他の女性の匂い″発してたらそりゃ2人も妬いちゃうわよ。(ユカリ)」ごにょごにょ。


ノアは自身の腕に鼻を近付けて匂いを嗅ぐ。
するとミダレが発していた甘ったるい誘惑香の香りが少し染み付いていた。
ほぼ丸1日一緒に居たから仕方無い上、ノアには一切効果無かったから全く気にしていなかった事も要因の1つであろう。


「ク、クリーン!」シャラララン!


ノアは急いで染み付いた匂いを消す為、直ぐ様自身にクリーンを掛ける。


「べ、別に妬いた訳じゃ無いんだからね?
ただ匂いが染みちゃう位ずっと一緒に居たんだー、って思うとモヤモヤしちゃうって言うか…(クロラ)」

(((それを妬くと言うのだよクロラ))っち…(ハクア、ユカリ、ロゼ))


急ぎクリーンを掛けるノアに歩み寄り、モジモジしながら伏し目がちにそう訴え掛けるクロラ。 


(うわぁあ…妬いてくれてるぅ、可愛い…)

(『キュン死すんなよ主。』)


効果は抜群であった。

すると今度はクロラに続いてポーラも歩み寄って、と言うか詰め寄ってきて


「私は別にその位じゃ動揺しないわよ?
寧ろ他人の匂いが付いてた方が燃えるじゃない?
意地でも取り返してやるんだから、って思えてくるから。(ポーラ)」

「そ、そう…なの…?」


ずいっと距離を詰め顔を近付けて話すポーラに圧倒されるノア。


「『スンスン…』ふふ、いつもの少年の匂いだ。
やっぱり私はこっちの方が好きだわ。
中級冒険者試験合格おめでと、愛してるわ少年。(小声のポーラ)」

「あ、愛…あ、ありがとう…」

(『ほーん、奥手な嬢ちゃんに対して中々グイグイ来る嬢ちゃんなこって。
奥手な主には逆に良いんじゃねぇか?』)

(うっ…正直ドキドキしたよ…)


ジッと目を見られてそう言われたノアは、ポーラのあまりのグイグイっぷりに動揺を隠せなかった。


「ポ、ポーラちゃん…!(小声のクロラ)」
「クロラ、あなたもこれ位グイグイ行った方が良いわよ?
でないと、私少年の事取っちゃうわよ?(小声のポーラ)」
「ちょ、ポーラちゃぁん…!(小声のクロラ)」

((あー良いなぁ、私もあんな甘酸っぱい恋愛してぇ…(ハクアとユカリ)))


同郷であり同年齢の仲良し同士、でも冒険者としては先輩であるハクアとユカリではあるが、恋愛ではずっと先を行かれている事に心の中で嘆いていた。
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