ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

言えません。

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「何でもなにも、この坊もフリアダビア奪還戦に参加しとったし、その後のミユキの消息を知っとんのも坊だけじゃ。(バド)」

「何せ儂らはフリアダビアに残ったんじゃしの。(ルド)」

「こ、この子がフリアダビアに…?
そ、それで美幸は「待った。」


ノアが美幸の消息を知っている事に驚きつつも、捲し立てる様に居所を聞き出そうとする悠を手で制すノア。


「今ドワーフさん達が仰った様に、確かに僕はミユキさんの居所を知っています。
お2人が恋人同士であるなら協力はします。
ですがユウさんの反応を見る限り、会ったその場で逃避行でも始めそうな勢いの様に思います。
一時的にヒュマノから逃れられたとして、今後は如何するおつもりですか?」


本日悠と初めて会ったノアだが、ここまでの悠の対応を見ていると、直ぐにでもミユキと会って遠くの地に逃れようとしている様に受け取れる。

美幸はフリアダビア奪還戦以降消息不明扱い。
現況のヒュマノにとっては捜索したくともそんな事言っていられない状況であるし、ノアの生まれ故郷に居る為人目にもあまり付かず、ミユキ本人にとっても都合が良い。

が、人間追い詰められれば何を仕出かすか分からない。
今の所脅威となり得ないヒュマノであるが、事と次第によれば死に物狂いで【勇者】であるミユキを探す事も考えられる。

美幸と同郷であるという悠を引き合わせる事については叶えてあげたい気持ちはあるが、その後の2人に不幸が振り掛かるのは後味悪い。

会うのは良いとしてその後の事を考えているのか?と言うのを問い質しているのである。

奇しくも悠の身寄り代わりであった親方から同じ事を言われた悠だが、ドワーフの国以外に彼が頼れる場所は無い。


「え!?い、いや、その…(悠)」

「なぁんがユウ!考えとらんかったんか!?(ロイ)」

「な、半ば急ぎ足で飛び出してきたのでその辺りを考えていませんでした…(悠)」

「…仕様の無い…
坊よ、こういった場合お前さんならどうする?(バド)」


仕方無いと思いつつも何か妙案が無いかノアに訪ねるバドだが


「申し訳ありませんがその様に無計画であるのなら、ミユキさんの居所を教える訳にはいきません。」

「な!?(悠)」

「「「げっ!?(ドワーフ3人組)」」」

「まぁね…(エスメラルダ)」


悠の探し人が一般人であるなら知っている事を直ぐに教えるつもりであった。
だが無理矢理この世界に喚び出されたとは言えヒュマノの、しかも【勇者】である。

国が絡んでいるのだから何の策も無い者に居場所を教えでもしたら今後周囲に迷惑を掛けるかも知れない。

ミユキが【勇者】と分かって自身の村へ連れていったのも、最悪有事となっても″対処は容易″と判断したからである。
ノアの両親もその事を考えた上で家に上がらせたのだ。
駄目なら追い返している所である。


「頼む!現状君だけが頼りなんだ!(悠)」

「教えた後にこちらに火の粉が掛からない保証、策があるならお知らせします、と言いました。あなたは今後どうするつもりですか?」

「……っ!
き、君には大切に想う人は居ないのか…?(悠)」

「居ますよ。」

「だったら同じ状況に置かれた場合俺の気持ちが分かるハズだ!(悠)」

「えぇ、分かりますよ。
だったら尚更後の事を考えないと駄目でしょう。」

「くっ…(悠)」ギリリ…バチチチッ!

「お、おい、ユウ…何を考えとるんじゃ…?(ルド)」


言い返せない悠は苦し紛れに装着しているガントレットを握り締める。
すると拳から僅かに紫電が走る。

その光景に何か嫌な予感を感じたルドが悠を宥めようとする。


「お願いだ…手荒な事はしたくない、教えてくれ…(悠)」ギリ…


僅かに声を震わせた悠が、最後とばかりに懇願してくる。




「言わん。」

「くっ!(悠)」グォッ!

「馬鹿!止せ!(バド)」


結局断られた悠は顔を歪めつつノアへと殴り掛かるのであった。







ガシッ!バチチチチチッ!

「なっ!?(悠)」

「まぁ何処とも知れない地に連れて来られて策も糞も無いか…」ヂヂヂヂヂ…

「ちょ、手…(悠)」


悠の繰り出した拳を掴み取るノア。
全身に紫電が走っているハズだがノアは眉1つ動かさない。


「僕にも大切に想う人が居る。
確かに似た状況に陥ったら冷静でいられるかどうかは、二分八分って所ですかね。
ユウさんの覚悟、見させて貰いました。
が、まだミユキさんの居所を教える訳にはいきません。」

パッ…  ヂヂ…

「…っ…(悠)」


拳を放すノア。
解放された悠は、落ち着き払ったノアの対応に頭が冷えたのか、少し冷静さを取り戻した様子。


「…1つ…1つだけ教えてくれ…美幸は無事…なのか…?(悠)」

(ん?…あぁ、そう言う事か…)

「えぇ、特に怪我も無く元気ですよ。」

「そ、そうか…(悠)」ガクッ。


ノアから美幸の無事が伝えられ、思わずその場に崩れ落ちた悠。

何せ悠がマトモに聞いた美幸の現況(噂レベルであるが)が″敵から受けた傷で生死不明又は行方不明″である為、悠はここ1ヵ月の間気が気でなかった。

元の世界での恋人であった美幸が、この世界に居る。だが生死と行方が不明。

精神的な支柱でもあり、朽ちる寸前の支柱でもあった。

今この瞬間、この世界に来て初めてと言って良い程悠の心は休まった事だろう。


(父さんと母さんにしごかれてなければ無事なハズ…)





「頭は冷えたか?ユウ。(ルド)」

「…やれやれ、一時はどうなる事かと思ったぞ…(バド)」

「殴り掛かったユウが返り討ちに遭うと思ってヒヤヒヤしたぜ。(ロイ )」

「ノア君案外容赦ないからね。(ラインハード)」

「酷。」

「それより大丈夫なの?むっちゃ電撃走ってたけど。(エスメラルダ)」

「あっ!そ、そうだ、非殺傷とは言えとんでもない電撃が走ったハズだが大丈夫かい君っ!(悠)」


膝をついていた悠は思い出したかの様にノアの身を案じ始めた。




「ん?あぁ、あの程度であれば自前の耐性スキルでどうとでもなるので気にしないで下さい。
それよりも、この手の話に詳しそうな人達を知っていますので、一先ず冒険者ギルドに向かいましょうか。」


悠自作の非殺傷アーマーの電撃を受けたノアだが、全く影響が無い様子。
その後ノアは悠に冒険者ギルドへ向かう事を提案した。


「あの程度って…
一応大型のモンスターを一撃で気絶させれる位は強力なんだけど…(悠)」

「まぁ坊の事じゃから、と言う事にしておけ。(バド)」

「それとこれからの事も坊に任せてみるとええ。坊の人脈は計り知れんからな。(ロイ)」

「はぁ…(悠)」  
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