ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
634 / 1,124
獣人国編~御前試合の代表決め~

再会

しおりを挟む
~南門・門扉の中~

「え!?じゃあさっきの子がユウの探し人だったって事!?
でも君の実家に居るハズじゃなかったの?(エスメラルダ)」

「そのハズだったのですが、″かくかくしかじか″で偶然獣人国を訪れたみたいです。」 

「そんな偶然ある?(エスメラルダ)」

キュキュウ…
ワゥ?


唐突な再会を果たした2人は、その後お互い無言で抱き合い、美幸の方からは啜り泣く声が聞こえた為、空気を読んだドワーフ達やエスメラルダ、削岩土竜のリドルと子犬形態のダックス憤怒と共に門扉の直ぐ裏に移動した。


「ふーん、さっきの子がミユミユの彼氏くんね。良い面構えしてるじゃないの。(アミスティア)」

「ミユミユ?何なのその名前…あ、偽名か…」 

「あぁ、そのままだと色々と面倒事になるだろうから、【山菜採り】のミユミユって事で入国した。
だからそのつもりで頼むぞノア。(レドリック)」 


そのままの本名と適正では現状では問題がある為、口裏を合わせる事になった。
悠に関しては公に公表されていない事がせめてもの幸いである。


「…ん?何してるんだろう…
2人共、そこで何してるんですか…?」スタスタ…


ふと門扉の方を見てみると、クロラとポーラの2人がこっそりと外を見ていた。


「「は、はわわわ…(クロラとポーラ)」」

「んー?…あ!?」


気になったノアが2人の下へ行き、同様に外を覗き込んでみると、悠と美幸は抱き合いながら口付けをしている所であった。


グイッ!グイッ!

「ほ、ほら2人共、覗いちゃ悪いですって…」


頬を染めていた2人と同様、ノアも照れながら2人の腕を引っ張って門扉の中へと引き摺っていった。


「違う世界で漸く会えたんじゃき、色々と思いの丈っちゅうもんがあるじゃろう。
ユウとミユキの事はこっちで面倒見ちゃるからそっちはそっちで好きにすると良いぞ。(バド)」

「え?良いのですか?」

「この分じゃともう暫く掛かるじゃろうし、そっちも親子水入らずだったり嬢ちゃんの相手とかもあるじゃろ?(ルド)」

「なーんか感化されちゃったみたいだから、そっちの事は任せたよ。(エスメラルダ)」

「感化?…あ…」


エスメラルダに言われてクロラとポーラの2人を見ると、お互いに頬を染めてノアをチラチラと見詰めていた。


「じゃあレド、私達は宿探す?(アミスティア)」
「そだな。(レドリック)」

「待って!この流れでどっか行かないで!」

(『ヘタレ。』)

「「ヘタレ。(アミスティアとレドリック)」」

「ふぐっ…」


その後数分掛け、艶かしい表情の2人を落ち着かせるノアであった。





~裏路地近くの通り~

「あ、あの、2人と″そう言う事″をしたくない訳じゃないんだ…」

「「…うん。(クロラとポーラ)」」

「僕よりも感知系スキルが広大な父さんと、ポーラ以上に地獄耳な母さんの居る所で事に及んだら、後でどんな事が待っているか…」

「ごめんねノア君、そこまで考えずに…(クロラ)」
「そこまで頭が回らなかったわ、ごめんなさい…(ポーラ)」


初めて家に彼女を連れてきて、良い雰囲気になったというのに、扉の奥で両親が聞き耳を立てている様なモノである。
それでは何も出来なくても仕方の無い事だ。


「それじゃあノア君また明日…ね?(クロラ)」
「またね、少年。(ポーラ)」

「うん、また。」


アミスティアとレドリックの2人は気を遣わなくて良いと言ったのだが、クロラとポーラはここで別れ、2人は宿に戻ると言う。

ちなみに2人は、また今回もエルフの森の件をノアに話す事を忘れてしまった。
それに気付いたのは、宿に着いてからであった。





「俺が言うのも何だが、盗み聞きは良くないな。(レドリック)」

「そこの建物の屋上に居ますよね?もう出て来ても良いですよ。」

「南門の辺りから着いてきてるわね?
もし降りて来ないなら、ぶった斬るわよ?(アミスティア)」


敢えて路地へと続く道が多い通りを選んで来た一家は、斜め後ろに建つ建物の方へと呼び掛ける。

すると


スッ…

「…やれやれ…やはりあなた方一家は恐ろしい…
精鋭と言われた王都諜報部隊が、こうも簡単に位置バレしてしまっては堪ったモノでは無い…
…バレてしまっては仕方無い、大人し『チャキッ…』「忠告はしたわよ?それじゃあ、さような「ま、待って待って!今のは口上みたいなモノで…は、刃が当たってますよ!?(ナサケ)」


眼下に居たハズのアミスティアは、王都の諜報員のナサケの背後に移動し、鎖骨と脇の下に長剣を押し当てていた。


「あーあ、母さんの忠告を聞かないから…」

「アミは昔っから少し脳筋な所が…ん?(レドリック)」





~ノア達から300メル程離れた建物の屋上~


「ちょっと良いの?局長捕まっちゃたわよ?(″探″)」ジーッ…

「ナサケさんのからの指示だ、俺らはここで大人しく待機してろ、って局長から言われただろ?(″動″)」


<千里眼>を使って動向を観察していたナサケの部下の″探″と″動″。
2人はナサケの指示で待機を命じられていた。

理由としては、ナサケ以上に気配を消す事に長けておらず、数人で追えば逆に襲撃され兼ねないと思ったからである。


「まぁ流石に街の中で騒ぎは起こさないだろうし、俺達もひっそりとここで待機していれば何も『ドキュッ!』っぉっ!?(″動″)」


同じく<千里眼>を使って動向を観察しつつ″探″に待機を言い聞かせていた″動″の所に矢が突き立った。


「…矢!?…ま、まさか…(″動″)」


クイックイッ。(byレドリック)


「…バレてんじゃん…どうすんの…?(″探″)」

「…行くしかないだろ…でなきゃ今度は本当に射たれるかも知れんしな…(″動″)」


<千里眼>で見た視界の中ではレドリックが明らかに2人を見て手招きしていた。

血の気が引いた2人は、素直にレドリックの指示に応じる事にした。





~再び建物の屋上~

「で?何で俺達を追ってたんだ?
村にも何度か来てたけどその延長か?(レドリック)」

「いや、用があるのはノア君の方だ。
前日色々あったんだが、ある程度情報が出揃ったからその報告に来たんだ…(ナサケ)」

「え?僕?」

「なーんだ、それならそうと言ってくれれば良かったのに~。(アミスティア)」

「言おうとしたら剣を突き付けられたんだ、出来れば察してくれ…(ナサケ)」


前日に侵入者を捕まえまくったノアに対して報告があった様子のナサケ。

関係が無かったと知ったアミスティアはごめんねとばかりに、てへっと笑みを浮かべていたが、並ばされたナサケ含め″探″と″動″は全く笑える状況ではなかった。


「何だノア、何かやったのか?(レドリック)」

「…まぁ色々と…」

「ここでは何なので、少し場所を移しましょう。(ナサケ)」


外では話せない内容である為か、ナサケは場所の変更を提案した。
アミスティアとレドリックの2人は、その提案を受ける事にした。


「あ、そうだノア君。(ナサケ)」

「はい?」

「彼女さんとは漸く結ばれた様で…「ご、誤解です!」


場所を移動する間、ノアはナサケに事のあらましを説明するのであった。


何か中途半端な所ですが今年もありがとうございました。
来年も宜しくお願いします。良いお年を。  
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...