ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
680 / 1,124
獣人国編~御前試合の代表決め~

これ普通だったら絶対何かのフラグになるヤツ。

しおりを挟む
~ノアの影の中・ヴァンディットとラインハードの工房(ラボ)~


シュンシュンシュンッ!
ボゴボゴボゴッ!
トポポポポポッ…

「えーっと、ギルドからの注文品である″濃硫酸50本″と″無水アルコール60本″作製完了、っと。
指定のポイントまで運搬お願いしますね?(ヴァンディット)」ドサッ。

ギギギ…


各種薬品を詰めた箱を台車式の2頭身カラクリ人形に乗せ、指定の場所まで運搬する様に促すヴァンディット。


「ブラッツ、先導お願いしますね?(ヴァンディット)」

ウォンッ!


ヴァンディットの眷属であるブラッツが前を歩くと、カラクリ人形が追随して指定のポイントに向かっていった。


「ふーっ、大体依頼が片付きましたね。(ヴァンディット)」

「ヴァンちゃんお疲れ様。
私の作った″運搬用カラクリ人形″の調子はどう?
簡単な経路間であれば役に立つとは思うけど…(ラインハード)」

「もう大助かりですよ。
何せ、稼いだお金で買い漁った錬金器具や精錬炉を所狭しに置いた結果、いつの間にか工房(ラボ)と言うより広大な大規模工場と化してしまいましたので…(ヴァンディット)」

「この空間もいつの間にか広大になったよねー。(ラインハード)」

ゴゥンゴゥンゴゥン…


2人が居る個人空間内のアチコチには各種薬草を育てている畑や農園、蒸留設備や精錬炉、火柱の上がる塔や定期的に蒸気を噴出させている何かしらの装置、設備で犇めいていた。


「正直″○○を作る為の○○″みたいな設備が増えすぎちゃってブラッツと私だけでは手が回らなくなってきましたからね…(ヴァンディット)」


苦笑いを浮かべるヴァンディットだが、その表情は生き生きとしており、忙しいながらも充実した日々を過ごしているのが見て取れる。


「うーん、私にもっと技術や知識があれば″基板″を作って効率化を図りたい所なんだけど…(ラインハード)」

「その″基板″があると何か良い事があるのですか?(ヴァンディット)」

「他にも色々と必要な物があるけど、それらを省略して結果的な事を言うと、″私を量産出来る″わ。(ラインハード)」

「え!?そうなんですか!?(ヴァンディット)」

「うん!そして、ノア君喜ぶ!(ラインハード)」

「流石に省略し過ぎでは…?(ヴァンディット)」


その後ラインハードが大昔に読んだという書物の内容をヴァンディットに話したが、分野が違う為、内容の2割も理解出来なかった。
取り敢えず作れたら″凄い事″になるのは分かった。


「まぁ作れるとしたら最低でもウン百年位技術が進歩しないと『いや、な。この『鱗銀』っちゅう代物を見たんじゃが、これは恐ろしく精巧な″基板″じゃったもんで、興味が沸いてここを訪れたんじゃ。(バド)』何ですとぅ!?聞き捨てならない単語が聞こえましたよぅ!ヴァンちゃんちょっと外行ってくるね!とぅっ!(ラインハード)」ダンッ!

「あぁっ!ハーちゃん待って待って、私も行く!(ヴァンディット)」


そして、前話の最後に繋がる。
ちなみにカラクリ人形と共に戻ってきたブラッツは、主人が忽然と姿を消していた為慌てふためく事になった。





~『アルマ(武器屋)』店内~


スタッ!

「初めまして海洋種の店長さん!いきなり出て来て不躾だとは思いますがその手に持っている板を見せてくれませんかぁっ!?(ラインハード)」

「お、おぅ…『ピラリ。』
…というかお嬢ちゃん何処から入ってきたんだい…?(ゴア)」


見事な着地で降り立ったラインハードは店長のゴアに音も無く急速接近し、矢継ぎ早に『鱗銀』を見せて貰える様に懇願。
勢いに押されたゴアはラインハードに『鱗銀』を手渡した。


「あぁっ!素材は違いますが、この形状は正に昔書物で見た″基板″!まさかここでお目に掛かれるとはっ!(ラインハード)」


まるで長年探し求めていた財宝を手にし、喜びを露にするかの様に天に掲げていた。


「何か良く分からんが、嬉しそうなのは分かった。(ゴア)」

「痛て…あ、あの子は色々あって僕と旅を共にしている方です。」


ノアは顎を擦りながらもゴアにラインハードの紹介を行った。





「実はかくかくしかじか、この『鱗銀』あるあると、私とヴァンちゃんウキウキワクワク。(ラインハード)」

「なる程。″基板″と言う単語が出て来たので思わず飛び出してきたと。
しかもその『鱗銀』=基板を活用出来れば、薬品製作や設備の充実、効率化が取図れる。
と言う訳ですね?」

「そう言う事です!(ラインハード)」

(何で今ので通じるんだ…?(ゴア))


ラインハードは、ノアの影から飛び出してきた理由を説明。
キッチリカッチリ説明するとウン百文字になってしまうが、″かくかくしかじか″を用いればすんなり話が通るのだ。


「そもそもこの『鱗銀』には″サハギンの鱗″が使われている。(ゴア)」

「ほぉ、サハギンとな!?(バド)」
「お伽噺で聞いた名じゃな!(ルド)」
「故に希少な存在であろう?果実1個で交換では採算取れんじゃろ?(ロイ)」

「心配してくれるのはありがたいが、サハギンは特定エリアに腐る程生息していてな、海洋種にとっては地上で言う″ゴブリン枠″に該当する。(ゴア)」

「確かに腐る程居たよ…(遠い目のノア)」

「「「「えぇ…(一同)」」」」

「定期的に駆除しないと爆発的に増えるし、生え変わりの時期になると砂地を埋め尽くす程の鱗で覆われっから邪魔で邪魔で…
だが、その″サハギンの鱗″を乾燥させると表面に独特な筋が入り光沢が増す。
巨体の多い海洋モンスターの中で、比較的小型故設備等に素材を組み込み易いので基板として組み込む事にしたのさ。(ゴア)」

ガチャ。

「私達の暮らす深海は魔法技術だけでは成り立たないから、機械工学等の技術も併用しているの。
それには″サハギンの鱗″を用いた基板の使用が必要不可欠。そちらのお嬢ちゃんの力添えになるのなら1つ試しにあげてみても良いんじゃないかしら?(マーミー)」


隣の『アルマドゥーラス(防具屋)』から魚族の女性店主マーミーがやって来て『鱗銀』兼基板の譲渡を促してきた。

【技士】のドワーフ達や高位の技術を持つラインハードですら製造出来なかった基板を、おいそれと簡単に渡して良いのか?

等と考えていると


「それもそうだな。ほらよ、お嬢ちゃん。
1枚お試しで使ってみ、て…く…」

(…ん?何か時間の流れが遅く…
もしかしてまたリヴァイアさんが現れるのかな…?)


『鱗銀』を手にしたゴアの動きが徐々に緩慢になっていき、声も間延びし出した。
再びリヴァイア登場の流れになるのかな、と思っていると、予想してなかった人物が姿を現した。


〝やっほー、ノア君数日振り。(暦)〟

ガシャッ!スタッ!ガシャッ!ガシャガシャッ!


神様に付随する存在の″暦″が現れたのはまだ良い。
だが、″暦″に従者として追随する羽を生やした鎧兵が完全武装した状態で6体登場した事に、背筋に妙な寒気が走った。


「…一体何の用で現れたのですか…?
まぁ状況的に見て理由は何となく察せられますが…」


ノアは″暦″の動向に注視し、いつでも介入出来る様に体勢を整えるのであった。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...