ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

合流

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「…っと、あらやだ結構話し込んじゃったわ。
ごめんなさいね、ミダレちゃん。
こんな息子だけどこれからも仲良くしてあげてね。(アミスティア)」

「ノア、さっきの貴族の件もあるから獣人国に居る間だけでも一緒に居てあげた方が良いと思うぞ。(レドリック)」

「…ふぁい…」

「い、一緒に…!?(ミダレ)」ゴクリ…


両親に性癖を知られると言う非常にショッキングな出来事があったノアのライフは既に0であった。

レドリックからの提案も何処と無く生返事になってしまう辺り、余程のダメージを受けた事が窺えた。


「実は私達、ノアちゃんがダンジョンに行っていた間、兵士さん達の手伝いをしていたの。
取り敢えず今日も予定が空いてるから、これからそのお手伝いに行くのよ。(アミスティア)」

「聞いたぞ?
色んな事に手を出してるから全然休めて無いんだってな。
代わりに俺達の方で済ませておくからゆっくりしてろ。(レドリック)」

「…父さん…」

「手を出すのは彼女さん達だけにしてなさいね。(アミスティア)」

「うん…ん?…ちょ、うぇえっ!?」

「じゃ、また。(アミスティア)」
「ノア、ウチの村は一夫多妻でも全然大丈夫だからな?(レドリック)」

「何故それを今言う!?」


2人は意味深な言葉を残しつつ、晴れやかなニヤニヤ顔でノアに手を振って去っていった。


「良い両親っちゃね。(ミダレ)」

「あれを素でやって来るから中々気が抜けないんだよなぁ…」

「…気が抜けない…?
ノア君の精気だったらあっち、幾らでも受け入れるっちゃよ…?(ミダレ)」

(…この子もどちらかと言えば″あっち寄り″だな…)

(『主、ドンマイ。』)


両親からの誘導尋問の後だからか、聞き様によっては意味深な言葉も割とすんなり口にしてしまうミダレであった。


「お楽しみの様で何よりね。(ポーラ)」

「今まてのどこにお楽しみ要素が…って、ポ、ポーラ!?
あ、クロラさんも!?」

「あ、あはは…
あ、ミダレちゃん、数日振り~。(クロラ)」

「クロラさんにポーラちゃん。
テスタ以来っちゃね。(ミダレ)」フリフリ。


相変わらず突然姿を現したポーラに驚き飛び上がるノア。
しれっとクロラも同様に現れた事から、ポーラから何かしら技術を教わったのかもしれない。


「あ、あのですね、これはかくかく…」

「安心するんだ少年。
割りと始めの所から一部始終を眺めていたから状況は把握出来てる。(ポーラ)」

「寧ろ不安になったよ!
ち、ちなみにどこから見てたの…?」

「″僕の場合甘えられると勘違いしちゃうから、猫撫で声なんかされると堪「わー!全部言わないで!てか思いっきり最初っからじゃん!」


両親所か彼女2人にまで自身の性癖を知られてしまった為か、ノアは思わずテーブルに突っ伏してしまった。

するとポーラがノアの隣の席に座り、耳元で囁き出す。


ボソ…

「何を恥ずかしがってるんだい少年。
普段私達に″そういった要望″を求めて来ないから少年の好みが分からなくて困ってたんだぞ?
だから私達としてはそう言うのが知れて嬉しいんだ。
ねぇ、クロラ?(ポーラ)」

「うん…(クロラ)」

ガバッ!

「み、皆さん喉乾いたでしょ!?
ちょ、ちょっとそこの屋台行って飲み物買ってきますね!」


羞恥と独特な雰囲気に耐えられなくなったノアはテーブルから飛び上がり、屋台の方へと駆けていく。


「…″押しに弱い″ってのも本当なのね…
まぁそう言う所も含めて好きなんだけどね。(ポーラ)」

「年相応な反応で可愛いけど、流石に可哀想だからここまでにしようよ、ポーラちゃん。
…それとミダレちゃん?(クロラ)」

「へぇ?(ミダレ)」

「もしミダレちゃんが良ければなんだけど…」





~その頃のノア~

「バ、バナ、バナナナナナナナナナナのジュースを3人分お願いします…」ボボボ…

「″ナ″が多すぎるぜ【鬼神】さんよ、どうした?顔真っ赤だぜ?
あと、バナナナナナナは冒険者達が買い占めてったんで今日は品切だ。
『ナッツミカン』ならいけるぜ?」

「い、いえ、何も…
じ、じゃあそれでお願いします…」ボボボ…


年頃の男の子には色々と刺激が強かったのか、顔面から火を噴いていたノアは、たどたどしくも注文を終えた。

と、そこに


「店主、彼と同じ物を。(ジョー)」

「はいよ。」

「あ、ジョーさん。
どうしたんです?凄く疲れた様な表情してますけど…?」


ここ最近(といっても数日)姿を見せなかった大商人のジョーが姿を現した。
いつもピシッとしている印象のジョーだが、今日は髪も乱れ、召し物も所々よれていた。


「いや、ね。
ここ数日ヒュマノに行ってたんだが、あの国にはもう巨額負債の支払能力・支払いの実現性が無い、と判断が下ったので″終わらせて″きた所だ。
恐らく今頃″選別作業″に入ってる所だよ。(ジョー)」

「んんん?ちょっと話が見えてこないのですが…
と言うか、ここで話して良い事なんですか…?」

「今日の夕刊辺りでその辺に関する記事も出るだろうから別に構わないさ。(ジョー)」


そこからジョーはここ最近のヒュマノ聖王国での動きを、順を追って説明し出すのだった(後日閑話)。





~数分後~

タッタッタ…

「いけないいけない、飲み物買ってくるって言って待たせてるのについつい少し話し込んじゃった…
待っててくれてるかな…?」    

(『つーか、彼女達に先んじて両親と共に猥談紛いの話に華を咲かせてた嬢ちゃんを残して良かったのか?
下手したら修羅場になってるかも知れんぞ?』)

「修羅場!?」


不安を煽る鬼神に駆り立てられたノアは、足早にテラスへと戻る。
すると、遠目から3人の姿が見え、和気藹々と会話を繰り広げている様子が見て取れた。

鬼神が言う様な修羅場になっていなくて良かった、と安堵したのも束の間。

ノアの<聞き耳>には3人の会話が聞こえてきた。


<でも良いっちゃが?一緒の宿に泊めて貰って…?(ミダレ)>

<良いのよ。女性の1人旅は危険が一杯だもの。(ポーラ)>

<それにさっきノア君のお父さんも言ってたじゃない″「さっきの貴族の件もあるから獣人国に居る間だけでも一緒に居てあげた方が良い」″って。
おはようからおやすみまで一緒なのは羨ま…大変だろうから暫くは私達と行動を共にしましょ。(クロラ)>





「良かった…修羅場になってなくて…」

(『主よ、ありゃ冗談だ。
間に受ける方が<<でもその代わり…>>…ん?』)


<さっき話してた″少年の趣味趣″をもっと詳しく教えて欲しい…かな…(ポーラ)>ソワソワ…

<うん…ノア君…私達を大切に想ってくれてるからかあまりそういった″要望″を言って来ないからどう″よろこばせたら良いか″分からなくて…(クロラ)>ソワソワ…

<ん?良いっちゃよ。
前に迫った時に反応が良かったモノを挙げてくね?
先ずは…(ミダレ)>





ぷる…ぷるぷるぷる…


ノアが手に持っていたドリンクの容器が小刻みに震える。
ノアの表情は窺い兼ねるが、羞恥にまみれ、再び真っ赤になって顔から火を噴き、脂汗をかいている事だろう。

ノアはドリンクの水面を揺らす事無く、だが最速で3人の下へ駆けていく。

一刻も早く自身の″癖伝達″を止めるべく。


(『クロラ嬢ちゃんの言う″よろこばせる″は、″喜″と″悦″のどっちの意味合いなんだろうな?』)
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