ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

大規模氾濫

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もが…もがが…

「人の趣味趣向をあまり大っぴらに言わない様にしましょうね「ふむ…ん」ミダレさん?「う…ふ…」
クロラさんもポーラさんもミダレさんから聞き出そうとしない!」

「「えー。(クロラとポーラ)」」

「″えー″じゃない。」


大急ぎで接近したノアは、ミダレの背後から強襲を仕掛けて羽交い締めにしつつ手で口を塞ぎ、ミダレを含めたクロラとポーラに注意を促した。


「2人の事ですから僕の趣味趣向に合わせた事をしてくれると思いますけど、僕は普段通りの2人が好きなので、変に取り繕ろうとしなくて大丈夫です。
良いですね?」

「普段通りか良い…か…そこまで言われちゃったらねぇ…(ポーラ)」

「う、うん。分かったよノア君…
…それとミダレちゃんを早く解放した方が良いかも…(クロラ)」

「え?」

「ふむ…ん…ぅんっ!…ふぅぅんっ…!(ミダレ)」

「それが″急性精気中毒″ってヤツでしょ?
ミダレちゃん涙目になって小刻みに震えてるわよ?(ポーラ)」

「ああっ!?しまったぁっ!?」


説得する事に夢中になっていたノアは、腕の中で羽交い締めにされ、ガンガン精気を取り込んだミダレが快楽に堕ち掛かっている事に全く気付けなかった。

ノアはポーラに促され、直ぐにミダレを解放。

急性精気中毒は中々にしんどいとヴァンディットが言っていた気がするが、解放されたミダレの表情は恍惚としていた。


「…このまま放置する訳にもいかないから、僕が泊まってる宿に連れていって少し休ませましょう…
あ、そうだ、2人も一緒に来て貰って良いですか?渡したい物があるんです。」

「あ、じゃあ私背負っていくよ。
ノア君が背負ったらまた急性精気中毒になっちゃうから…(クロラ)」

「?渡したい物って何だい少年よ?(ポーラ)」

「それはお楽しみと言うヤツで。
先ずはミダレさんを運ぶのを優先しましょう。」


そう言うと、クロラがミダレを担ぎ上げノア先導の下、ポーラと共に近くにある宿へと歩いていった。





~ノア達から少し離れた路地~

「ま、全く話し掛ける事が出来ませんでしたね…(クレハ)」

「流石にあの様なキャッキャウフフ空間に介入するのは憚れますわね…(アカバ)」

「ノア殿は暫くお友達と御一緒の様だ。
この国に居る以上、また会う機会はあるでしょう。
挨拶はまたその時にするとしよう。(ロスト)」


今まで一連の流れを路地から眺めていたバルディック・ロストとその従者であるクレハとアカバは、タイミングが合えばゴーマンの一件を謝罪したいと思っていたのだが、とてもそんな空気ではなかった。

諦めて場所を移そうか、と考えていた一行の背後には、これまた3人を窺う3つの影があった。


『『『ジーッ…』』』

「「「はっ!?(クレハとアカバとロスト)」」」


視線に気付いた一行が背後を振り返ると、そこには大商人のジョーと、何処かの貴族であろう父娘が立っていた。


「あ、申し訳ありません。
覗くつもりは無かったのですが、こちらの方々がどうしてもノア君に謝りたいと申し出て来ましたので、ご案内したら先客(ロスト達)がいらっしゃいましたので暫し静観しておりました。(ジョー)」

「あ、あぁすみません。
中々声を掛け辛い状況でしたので…
それで、そちらの方々は…?(ロスト)」


ジョーはロストの背後に立っていた事を詫びつつ、隣に立つ父娘の紹介を行う。


「こちらは″ヴァリエンテ・ルルイエ伯爵″とその子女である″ヴァリエンテ・ミミカお嬢様″です。
お二方、こちらはバルディック・ロスト伯爵に御座いますよ。(ジョー)」

「″ヴァリエンテ・ルルイエ伯爵″…(ロスト)」

「「″バルディック・ロスト伯爵″…(ルルイエとミミカ)」」

「「「あー…(ロストとルルイエとミミカ)」」」


お互いがお互いの家名を言い合った事で、この場に何故一同が集ったのか漸く理解した様だ。


″ヴァリエンテ・ルルイエ伯爵″とは、『再びアルバラスト』編のタイトル『二組目』に登場したミミカの父親である。

数回しか出ていないので忘れているだろう。(実際忘れてた。)

ヴァリエンテ・ミミカがノアに婚求をし、ノアがそれを断った事で、兄のヴァリエンテ・カルルが勝負を仕掛けてきた。

それだけならまだ良かったのだが、返り討ちに遭い、腹の虫が収まらなかったカルルがアルバラストに駆け込み、輩や中級~最上級冒険者を集め、【鬼神】討伐依頼を出したのだ。

言ってしまえばバルディック・ロストの金魚の糞であったゴーマンと似た手口を仕掛けたのであった。

当時ノアは″野盗200人殺し″や【鬼神】、″黒い二刀″等の通り名が広く伝わっていた為、参加者は増大してしまい、収拾がつかなくなってしまったが、契約獣のグリードの参加もあり、挑戦者を次々と破っていった。

当のカルルも事態の深刻さを痛感し、″死″を覚悟したモノだったが、グーパン1発で許された。

その後カルルは自領に戻され、性根を叩き直すべく貴族の扱いを止め、一般兵と混じって訓練の毎日だとか。


そんな折、獣人国で新種族との国交式典が開催されると知り、参加の意向を示していた。

しかも獣人国と新種族、それに王都との仲を取り持ったのがノアであると言う情報が流れるとルルイエは大慌て。

何せ3ヶ国で交流を図っていた時期と息子が仕出かした一件の時期がモロ被りしていたのである。

知らなかった事とはいえ、重要な時期に息子が馬鹿な騒ぎを起こした事を再び謝罪するべく、娘と共に馬を走らせて大急ぎでやって来たのである。

ちなみに、あまりにも下らない理由で喧嘩を吹っ掛けたカルルに、ヴァリエンテ・ルルイエ伯爵の下に″次代の領主はミミカ様に!″と言う嘆願書が届いたとか何とか。

半年後に西の大地に訪れるであろう″大規模氾濫″を前にした、領民からの切なる願いだと思われる。


「そちら様は…その…大変だった様ですな…(ロスト)」

「そちらも色々あった様で、お気持ち察し致します…(ルルイエ)」


どちらもノアと関わりのある者同士と言う事もあってか、その場には妙な仲間意識が芽生えたのであった。


「…あの…もし宜しければ私の方からノア君に伝えておきますよ?(ジョー)」

「そ、それは駄目だ!
今回ここに来たのは″もう1つ話″があって参ったのだ!(ルルイエ)」

コクコク。(ミミカ)

「ルルイエさん、話とは?(ジョー)」

「迷惑ばかり掛けて、彼には申し訳無いとは思うのだが、″過去に類を見ない程の大規模な氾濫″が予想される…
フリアダビア並びにアルバラストで振るった戦力を、是非とも私が治め、″食い止めて″いる土地で発揮して欲しい、と彼に願いに参ったのだ…(ルルイエ)」

「…ルルイエ伯爵が治め、食い止めている土地と言うと、確か資源豊かな広大な大地でしたな?(ロスト)」

「えぇ、ですが魔素の濃度が濃く、一部はダンジョン化してしまっている。
我が領の兵士が何とか間引いているが、予想では3ヶ月後には臨界点に達し、『溢れる』。
方々に依頼と言う形で有志を募っているが、場所が僻地故集まりが悪い…
王都にも要請を掛けたが、今の所厳しいのだ…(ルルイエ)」


ヴァリエンテ・ルルイエは沈痛な面持ちで言い終えると、そのまま押し黙ってしまった。




「…うーん、それ含めて私が彼に話をしてきましょうか?
序でに2人程伝手がありますので。(ジョー)」 

「え?(ルルイエ)」
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