ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
708 / 1,124
獣人国編~御前試合の代表決め~

ヒュマノ聖王国の現状

しおりを挟む
~ヒュマノ聖王国~


・約1ヶ月程前に発生した子供獣人奴隷4000人に及ぶ大量失踪、同時刻に発生した嵐によってヒュマノ聖王国の後ろ暗い秘密が色々と明るみになる。

・子供獣人奴隷が失踪した事で大人の獣人奴隷が反乱を開始。

・生活、戦闘の8割方を奴隷に頼りきっていたヒュマノの貴族、市民達は為す術も無く奴隷達に制圧された。

・元奴隷達は暴力で貴族、市民達を虐げる事はせず、あくまでヒュマノ聖王国内で分断し、各々で自活を開始した。

・嵐によって漏洩した情報の中には、世界的に禁止されている『隷属の首輪』の使用、学校の授業で『洗脳法』を取り入れていた(勿論違法)、等々、その他後ろ暗い情報が色々と明るみになったのだが、最も規模が大きかったのが『貨幣改鋳』であった。

・約10年程前、『スパルディア』から『ヒュマノ聖王国』と国名を改めてからヒュマノは独自通貨を発行。
世間一般に流通している『金貨=1万ガル』と同程度の金を使用していると 公言していた。

・だが以前から「金の比率をちょろまかしているのでは?」と方々から噂が立っていた。
何せ『独自通貨に傷を付けた者は拘束、場合によっては収監』、『破損、汚損していた独自通貨を見付けたら直ちにヒュマノへ。』、『改鋳を行った者は死刑』等、独自通貨に対する法律がやたら発令されていたからだ。

・重い刑を恐れて誰も踏み込まなかったが、″たまたま″嵐によって破損した独自通貨が見付かり、中から金の重さを調整する為の重い素材が見付かり、公言していた1/3以下の価値しかない事が判明。

・現在も随時調査中ではあるが、この10年でちょろまかしていた額は最低でも150億ガルにものぼと言う 。

・ヒュマノ聖王国の主事業とも言えた奴隷売買は奴隷の反乱により返済は困難。
年々劣悪になっていく奴隷の状態に、悪評しか立たず、買い手も10年前の1/10以下まで落ち込んで見限られていたからか、支援を申し出る国は皆無であった。

・ちなみにヒュマノのもう1つの事業であった『塩』の売買だが、隣領のスロア領で″たまたま″岩塩層が出現。
ヒュマノ産の『塩』よりも高品質な塩が出回った為、今現在何処からも買い手が付かない状態である。
これにより、150億ガルと言う巨額の返済は不可能となった。

・ヒュマノの貴族達はこの150億ガルと言う額に「返済は不可能。何せ我々には手が無い。」と開き直り、市民達は「私達は知らなかった。寧ろ我々達こそ被害者だ。」と被害者面をし出す始末。
既に国ぐるみである証拠は出揃っている為、言い逃れの出来無い状況であったにも関わらずだ。

・ヒュマノ側は一切動こうとしなかった為、本日より公に一切公表される事の無い″表″、″裏″含めた″解体″、″選別″作業が開始される事となった。





バガンッ!

「よし、金目になりそうな物を手当たり次第回収、ナイフ、鍋、匙。金属類は見逃すなよ?」

「「「っす!」」」

「ちょ、ちょっと!何勝手に私の家に入ってんのよ!不法侵入でしょ!」


ハンマー片手に家々に押し入る男達。
彼等はドアを蹴破ると土足のままドカドカと屋内に侵入して金属類、布製品等を外へと運び出す。

それに腹を立てた家主が男達に詰め寄るが


「邪魔するのは構わんが、今日現在、ヒュマノの負債は1人頭150万ガル。明日には160万ガルになってるかも知れん。
大人しく″選別″作業に協力した方が身の為だぞ?」

「な、何よ!ふ…負債?
そんなの貴族が勝手にやった事なのに何で私達が…」

「この国は返済能力が皆無。
払えないのなら別の物で払うしかない。
家内の物で足りなければ″アンタ″も返済の一部となるが…それでも邪魔するのだな…?」

ゾッ…

「ひっ…
や、屋根裏に金庫があるわ…そこに…」

「屋根裏だとよ。
剥がして金庫ごと持っていけ。」

「っす。」ベリベリッ!





「おらぁっ!俺ん家に何しやが『パパンッ!ドガッ!』ぅおおっ!?」


家宅侵入に怒り心頭の市民が殴り掛かってくるが、あっという間に制圧。


「おい、コイツん家はどうだ?」

「ダメっすね。
酒瓶が転がってる位で金目の物は皆無。
″洗脳″レベルはどうでしたっけ?」

「″洗脳レベル″は『4』。
普通の奴隷として扱うのは厳しいから″ピオネイラ(開拓都市)″か″モンストロ(モンスター生産国)″行きが妥当だろうな。」

「はぁっ!?俺が奴隷だと!?
そんな事をして世間が黙ってると思っているのか!?」

「思わないさ。
だからこの国で今日から行われる非合法な行いは全て″世間で公表される事は無い″。
だから安心して隷奴となると良い。
さ、連れてけ。」

「っす。」

「待て!待って!嫌だっ!
″ピオネイラ(開拓都市)″にも″モンストロ(モンスター生産国)″にも行きたく無「スリプル。」…う…ぐっ…」


暴れ喚く男に睡眠魔法を掛けられ、″選別″作業に来た男達に連行されていった。

そんな光景を離れた所で見ていた貴族の1人は、従順となって男達を迎え入れた。


「わ、我の家には方々の地域から買い揃えた絵画や調度品が数多く存在する!
150万ガル等直ぐに返済出来る!我は自由だ!」


と宣っていた。




「悪いが貴族は1人頭500万ガルは返済して貰わにゃならん。」

「な、何故だ!?そんな横暴な事があるか!?」

「いや、″貴族″なんだからそれ位は支払えるのは分かりきってんだ。
その上で割り増しさせて貰ってんだ。」

「くっ、こんな時に貴族と言う名が足枷となるとは…
まぁ良い、それでもここにあるのは最低2000万ガルはあるだろう。これで我は無罪放「おい、これら全部贋作だぜ?」…は?」


貴族の家に入った男達が絵画や調度品を鑑定し出すが、皆直ぐに嘆息していた。


「塗りが雜だし、絵具も粗雑だな。
光の加減も考えてないから直ぐに見分け付くハズだが…
調度品も継ぎ目が粗いし装飾も似て非なる物、こりゃボられたな。」

「な…は?」


男達の見立てでは、家中の絵画や調度品をどう見積もっても200万ガル程しか無く、相場の1/3の独自通貨で購入した物が、相場の1/10程の価値しかないと知り、貴族は騙された、と喚き散らしていた。

んでもって家中の金目の物を漁っても総額400万ガルにしかならなかった貴族に男達は


「実はある豪商のお偉いさん方がアンタら貴族を欲しいと言う声が多数上がっているんだが…
どうかな…?」

「我をだと?
…ふむ、豪商ともなると我の様な優秀な人材を求めると言う事か…」

「贋作売り付けられといて何言ってんだ、コイツ…?(小声)」
「シッ、言いたい事はあるだろうが今は黙ってろ。(小声)」


″豪商が自身を欲している″と聞き、気を良くした貴族は、内容を良く聞かないまま素直に男達に着いていった。


「で?アイツは何処に″買われ″てくんです?」

「世の中にはな、傲慢な態度を取る奴を″壊す″事に悦びを得る奴がゴマンと居るんだ。
特にヒュマノの貴族は″天然物″だから、そういった連中にからの買い手が多い。」

「″壊れたら″どうするんです?」

「さあ?
従順になったらまだ使い道はあるが、″壊れ″の方向性によっては″ピオネイラ(開拓都市)″か、豚の餌か″モンストロ(モンスター生産国)″だろう。
まぁそこは俺らの知る所では無い。
さっさと元王城に入って漁るぞ。」

「「「うーっす。」」」


そう言って男達はヒュマノの元王城に踏み入る事となる。
だが10数分後、彼等は驚きの人物と遭遇する事となる。

それは、10年以上前に死去されたと報じられていた『旧スパルディア』元国王ツェド・ガーランドが『隷属の首輪』等の拘束具を付けられて監禁されていたのだった。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...