ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

食料問題

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「アンタはどうにかして俺達の助けになろうとしてくれてんのがこれまでの言動で分かった。
それなりに信用出来ると見込んで頼みたい事があるんだが…(バンデイラ)」

「何でしょう?
ある程度の事は融通利かせられると思いますよ。(ジョー)」


元奴隷達のリーダーであるバンデイラからの頼み事という事で、思わず身構えるジョーだが、大体の見当は付いていた。


「人手を募りたい。
勿論誰でも良い訳では無く、それなりに腕が立ち口が堅い″人族以外″の人手を出来るだけ、だ。(バンデイラ)」

(やはりな…(ジョー))


バンデイラの要求は端的に言うと食料問題の解消であった。
幾ら以前よりも食料事情が良くなったとはいえ、殆ど0に近かったモノが0.2になった程度の事。

元奴隷4万人の内、健常者は1/10以下で、それ以外は栄養失調であったり極度に痩せ細っていたりとで、マトモに動けるのが殆ど居らず、バンデイラの悩みの種でもあったのだった。

そしてジョーが思った通り、彼ら元奴隷達はまだ人族を信用しきっていない為か、″人族以外″の冒険者と言う条件を提示してきたのである。


「無茶な要望だと言うのは重々承知しているが、こちらもまだ割り切れていない者が大半なので察してくれると助かる。(バンデイラ)」

「えぇ、心情お察し致します…(ジョー)」

(…正直打って付けの冒険者は居るには居る(勿論ノアの事)が、流石に個人でどうこう出来る問題では無い…
それにタイミングが悪過ぎる…
獣人国と海洋種との国交式典3日前で人を募って集まるとは到底思えない…
それまでの繋ぎにスロア領から食料の提供を…いや、スロア領にはこれ以上負担を掛けられない…(ジョー))


と、ジョーが考えを巡らせていると


「何かお悩みの様ですが…如何しましたか?(ナサケ)」

「あぁ、王都諜報員のナサケ殿。
…うーむ、こういった事はあなたの方が詳しいでしょうから相談に乗って貰いましょう。(ジョー)」


ふらりと諜報員のナサケがやって来て、険しい表情のジョーに話し掛ける。
対してジョーは、一応バンデイラから了承を貰った上でナサケに相談してみるのだった。





「なる程…時期を考えれば難しい話ですなぁ。
一先ず彼(ノア)に声を掛けてみては如何でしょう?(ナサケ)」

「あ、やはり彼(ノア)が筆頭に上がりますよね…(ジョー)」

「む?誰か伝手が居るのか?(バンデイラ)」

「子供獣人達の救出作戦の発起人をされた人物です。
突拍子も無い奇策を考え付く彼(ノア)なら、何か妙案が浮かぶやも知れませんからな。
急ぎの案件故、彼には私から赴きましょう。(ナサケ)」

ザヒュッ!


それだけ言うとナサケはその場から消え去り、早速ノアの元へ駆けていった様だ。





~滅びの森~


チャキ…

「なる程、それでノアちゃんに相談しに来た訳ね。王都諜報員のナサケさん?(アミスティア)」

「え、えぇ、そうなんですよ。
それよりも何故私は縛られてるんでしょうか…?(ナサケ)」

「ごめんなさいねぇ、昔からの癖で諜報員と闇ギルド、野盗を見掛けたら縛り上げて情報を吐かせないと落ち着かなくて。
だからこの前も家に来た時も捕縛したでしょ?(アミスティア)」

「…そうでしたね…そして見事に捕まりましたね…(ナサケ)」


ヒュマノを発った諜報員のナサケは、轟音鳴り響く滅びの森に到着。
全長100メルを超える骨剥き出しの巨大ワニ″ランペイジ・スカル・クロコダイル″が暴れまわる光景が広がっていた。

が、それに気を取られていたからか、あっという間にアミスティアに捕まり、縛り上げられ、首にロングソードを突き付けられながら来訪の理由を聞き出されていたのであった。


グォオオオオオオッ…ズズンッ!

「あら、丁度終わったみたいね。
ノアちゃーん、お客さんよー。(アミスティア)


全長100メルもある巨大な骨剥き出しのワニ″ランペイジ・スカル・クロコダイル″の巨体が大きくぐらつき、そのまま地面に倒れ込んでいた。



″ランペイジ・スカル・クロコダイル″…全長100メルを超す超巨大ワニ。
″ランペイジ・クロコダイル″の成熟体。
主な生息域は大陸の南側だが、滅びの森の南部、『廃都』の近く等でも見掛ける。

骨と皮が殆どな為よく間違われるが、アンデットの類では無い。
食肉としての価値は無いが、一部の【召喚】や【死霊術】等に好まれている。



立ち込める土煙が晴れると、ランペイジ・スカル・クロコダイルの死骸の近くにノアとずんぐりむっくりとした謎の人型モンスター″はっけよいのこった″が立っていた。

″はっけよいのこった″は、ずんぐりとした肉の塊に短く図太い手足がくっ付いた様な見た目をしており、耳と鼻は無く、点の様な目にでっかい口が備わっている何とも不思議な見た目をしていた。

そんな″はっけよいのこった″は、隣に立つノアに襲い掛かる事も無く、ジッと黙って地面に倒れ伏したランペイジ・スカル・クロコダイルを見詰めていた。





(…もしかして″コレ″欲しいの…?)

コクッ。


″はっけよいのこった″がランペイジ・スカル・クロコダイルを欲している様に見えたのでノアが指差す動作をすると、コクリと頷いた。


『…じゃあ良いよ?』

…ゴッツァン…のっそのっそ…

(『ホント良く分からんな、このモンスター…』)


ノアから了承を得られると、″はっけよいのこった″はのそのそと歩いてランペイジ・スカル・クロコダイルの死骸に近付き、骨と皮関係無くムシャムシャと食べ始めたのであった。



″はっけよいのこった″…謎の多い『廃都』のみに生息している謎のモンスター。
身長、胴廻り約3メルの巨漢人型ではあるが、耳や鼻、生殖器等が無く、繁殖方法や生態等全てが謎に包まれている。

だが知能は高い様で、言葉や動作を理解し、敵意を抱かなければ襲って来る事も無い。

『廃都』、若しくはその周辺の滅びの森に生息しているモンスターしか食べる事は無く、以前に生態を解明すべく上級冒険者クラスの討伐隊約30人を投入したものの、返り討ちに遭ったが誰1人殺されず、寧ろ安全な場所まで連れてったと言う話まで残っている何から何まで謎の多いモンスターである。

ハッケヨイ、ドスコイ、ゴッツァン等の奇声を発している為、それがそのまま名前になった。
肌触りは″大福″。



『あ、ナサケさん。
どうしました、こんな所で?』

チャキ。

「吐け。(アミスティア)」

「と、取り敢えず解放して頂けませんか…?(ナサケ)」
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