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獣人国編~御前試合の代表決め~
欲しいのは食材ではなく人材です
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~獣人国・南門~
ズシン…
「さて、ノア殿は滅びの森南端に居るのだったな…」
『あのー、もしかしてクラーケンさんですか?』
「ん?俺の名を知っているとは一体誰…
…ぬ?少年だったか…あれ?本当に少年か?(クラーケン)」
南門を潜り外に出た<人化>形態のクラーケン。
ふと背後から声が掛かったので振り返るとそこにはノアが立っていた。
だが先日会った時と雰囲気が変わっていた為、思わず本人かと聞き返してしまった。
『え?…あぁ、力を制御してるんですよ。
お陰でオーラとか気配を抑えていたので『フシュ…』少し違和感があったでしょ。」
「あ、おぉ…確かに本人だな。(クラーケン)」
ノアが力の制御を解除した事でノア特有のオーラや気配、声音が通常に戻る。
それによって漸くクラーケンがノア本人であると認識した様だ。
「…え?ノアちゃん、今その人の事″クラーケン″って言ったの?(アミスティア)」
「うん、この人は海洋種のクラーケンさん。
お伽噺とかで聞くあの″クラーケン″だよ。」
「えぇ…(アミスティア)」
アミスティア自身″クラーケン″のお伽噺は知っていたものの、当たり前だが実物を見るのはコレが初めてであった。
それについて流石のアミスティアも言葉を失っていた。
「ヴァンディットさん、ラインハードさん。
グリードも出て来て貰えますか?」
「「はーい。」」ズズズ…
《はい。》ズボ。スタッ。
<人化>形態のクラーケンに自己紹介するべく、影の中に居た2人と1匹、グリードも<人化>形態で姿を現した。
「まずこちらが…」
と、ノアはアミスティア、ヴァンディット、ラインハード、グリード、最近飼い始めたニャーゴをクラーケンに紹介していくのだった。
「これはご丁寧にどうも。
私は先程ノア殿から軽く紹介されたが、海洋系最強種のクラーケン。
まだ日は浅いが、ノア殿とは古い付き合いだ。(1番最初に遭遇した海洋種と言う意味で。)
本来の姿は巨大過ぎる故、<人化>形態で申し訳無い。
式典後の御前試合では本来の姿で馳せ参じる事になる故、楽しみにしていてくれ。(クラーケン)」ガツッ!
一頻り自己紹介した後クラーケンは鉄塊の様な拳を打ち合わせていた。
これは海洋種流の挨拶みたいなモノで、光の殆ど届かない深海で暮らす故、″視認出来る表現では無く、音で分かるモノで礼を表現″するのだと言う。
「そう言えばクラーケンさんはもうお帰りで?」
「いや、君に用事があったんだが、滅びの森南端に行ってると聞いてこれから向かおうとしたのだ。(クラーケン)」
「用事ですか?」
「あぁ。
御前試合で君と戦うウチの親父が偉く気合いを入れてるので全力で挑んできて欲しい、という事。
あとは君達、滅びの森の奥の方に居た様だが、先程″変な反応″などは感じなかったか?(クラーケン)」
「″変な反応″?
皆何か感じましたか?」
クラーケンが獣人国に滞在していた時に滅びの森奥地から″謎の魔力の反応″を感知したと言う。
それについてノアが皆に聞いてみる事に。
「いや、特に何も。(アミスティア)」
「私もです。(ヴァンディット)」
「私もー。(ラインハード)」
にゃーご。
「グリードは何か感じた?」
《え?》
と、皆が知らないようだったので、ノアは最後にグリードにも聞いてみたのだが
(《感じたには感じましたが、ここでそれを言うと主様は絶対に正体を探ろうと行動するでしょう、絶対に。
式典まで3日前だと言うのにゆっくりするでも彼女さん達とのんびり過ごしたりせず、親御さん達とドンパチする様な主様の事ですし…
ったく、このデカブツ余計な話を持ってきやがって、気になるなら自分で探ってこいよ。
まぁ取り敢えずこの場は私の名演技でシラを切る事にしましょう。》)(※この間僅か0.2秒)
心当たりはあるものの、ノアの性格を鑑みればこの後取るであろう行動は手に取る様に分かってしまうグリードは、クラーケンに対して文句を言いつつも
《なにもかんじなかったよぉ。》
「何で急に幼児退行したのかなグリード?
…まぁ心当たりが無いみたいだね。」
「うーん、グリード様でも御存知無いのであれば私の思い違いなのでしょうな。(クラーケン)」
と、 グリードの名演技(?)もあってノアは行動を起こす事無く獣人国に戻り、クラーケンは龍宮城へと帰る事となった。
~ヒュマノ聖王国・正門~
ガコン…
入念な入国審査が終わり、外界とヒュマノとを隔絶している重い門が開かれ、一行はヒュマノ内に入る事になった。
「おや?これはどういった状況なのですか?(クリストフ)」
「おーおー、こりゃまた徹底的に″解体″をしている真っ最中みたいだなぁ。(レドリック)」
「瓦礫の山じゃん。
何何?モンスターでも暴れ回ったの?(バラス)」
「いや違うな。
取り敢えず手当たり次第に使えそうな資材をかき集めているといった状態だな。(アルキラー)」
「そうですね。
ヒュマノの抱える負債は途徹も無い額に及びますので″解体″所か″更地″にするレベルで回収作業を行っている所です。(ナサケ)」
王都諜報員のナサケを先頭にヒュマノに入国した一行が見た光景は、市民の住む家屋が取り壊されて木材や石材、鉄材と資材ごとに分けられ、更に石畳等もひっ剥がされて各所に積まれている光景であった。
ちなみに市民はというと、幾人かのグループに分けられて各所に待機。
取り壊された家屋やその周辺を呆然とした表情で見詰めていた。
「さ、一先ず私の用事を済ませに行きましょう。コチラです。(ナサケ)」
そう言ってナサケは一行を連れ立ってヒュマノの東側の城壁方面へと向かう。
~ヒュマノ聖王国・東側城壁付近~
東側に立つ城壁付近へと向かうと、日陰となっている場所に獣人の元奴隷達が集まり、涼んでいた。
暦の上では現在7月。
茹だる様な暑さ、とまでは行かないが、日向にずうっと立っていれば気怠く感じる位の気温である。
健常者が普通に暮らしていれば<暑さ耐性>を獲得しているので滅多な事では熱中症や脱水症状等なにはらないが、過酷な環境下に居た元奴隷達はそうはいかない。
筋肉が痩せ細る程に体力を消耗した元奴隷が大半で、勿論の事<暑さ耐性>など持ち合わせていない。
今日だけでも100人以上の元奴隷達が熱中症の症状で倒れた位である。
ハッハッハッ…
「お?ナサケ…とか言ったか?
頼み事の件は…まぁそうだよな、こんな無茶な頼みにそう当て嵌まるヤツなんざ…(バンデイラ)」
同じく日陰で涼んでいた、元奴隷達のリーダーであるバンデイラがナサケを見付けた。
少し期待していたのだろうか、見付けた時は明るい表情を見せていたが、ナサケの背後に居た3人が″人間″だと分かると、苦笑いして再び項垂れつつ呟いた。
獣人国式典直前に、彼らの要望である、腕の立つ″人族以外″の冒険者が集まるのが難しい事は彼ら自身が良く分かっていた事だろう。
だが
「あ、一応期待に沿いそうな人材をお連れしたので戻ってきたのですが…(ナサケ)」
「え?そんな簡単に都合の良い人材が集まる訳な「あ、こちらに居られましたか。
むむ!?皆様方かなり痩せ細っておられますな、暑さで体力を消耗されてる者も相当数。(クリストフ)」
「「「「「「は?(元奴隷達)」」」」」」
レドリックやナサケ達の更に奥から真っ白い素肌の巨大なエリンギがニュッと出てきた。
無駄に明るいし、名前は無駄に格好良いし、良く喋る得体の知れないキノコであった。
「…いや、俺達が欲してるのは人材であって食材では…(バンデイラ)」
「この方です。(ナサケ)」
「え?(バンデイラ)」
「…この方です。(ナサケ)」
「…え?(バンデイラ)」
ズシン…
「さて、ノア殿は滅びの森南端に居るのだったな…」
『あのー、もしかしてクラーケンさんですか?』
「ん?俺の名を知っているとは一体誰…
…ぬ?少年だったか…あれ?本当に少年か?(クラーケン)」
南門を潜り外に出た<人化>形態のクラーケン。
ふと背後から声が掛かったので振り返るとそこにはノアが立っていた。
だが先日会った時と雰囲気が変わっていた為、思わず本人かと聞き返してしまった。
『え?…あぁ、力を制御してるんですよ。
お陰でオーラとか気配を抑えていたので『フシュ…』少し違和感があったでしょ。」
「あ、おぉ…確かに本人だな。(クラーケン)」
ノアが力の制御を解除した事でノア特有のオーラや気配、声音が通常に戻る。
それによって漸くクラーケンがノア本人であると認識した様だ。
「…え?ノアちゃん、今その人の事″クラーケン″って言ったの?(アミスティア)」
「うん、この人は海洋種のクラーケンさん。
お伽噺とかで聞くあの″クラーケン″だよ。」
「えぇ…(アミスティア)」
アミスティア自身″クラーケン″のお伽噺は知っていたものの、当たり前だが実物を見るのはコレが初めてであった。
それについて流石のアミスティアも言葉を失っていた。
「ヴァンディットさん、ラインハードさん。
グリードも出て来て貰えますか?」
「「はーい。」」ズズズ…
《はい。》ズボ。スタッ。
<人化>形態のクラーケンに自己紹介するべく、影の中に居た2人と1匹、グリードも<人化>形態で姿を現した。
「まずこちらが…」
と、ノアはアミスティア、ヴァンディット、ラインハード、グリード、最近飼い始めたニャーゴをクラーケンに紹介していくのだった。
「これはご丁寧にどうも。
私は先程ノア殿から軽く紹介されたが、海洋系最強種のクラーケン。
まだ日は浅いが、ノア殿とは古い付き合いだ。(1番最初に遭遇した海洋種と言う意味で。)
本来の姿は巨大過ぎる故、<人化>形態で申し訳無い。
式典後の御前試合では本来の姿で馳せ参じる事になる故、楽しみにしていてくれ。(クラーケン)」ガツッ!
一頻り自己紹介した後クラーケンは鉄塊の様な拳を打ち合わせていた。
これは海洋種流の挨拶みたいなモノで、光の殆ど届かない深海で暮らす故、″視認出来る表現では無く、音で分かるモノで礼を表現″するのだと言う。
「そう言えばクラーケンさんはもうお帰りで?」
「いや、君に用事があったんだが、滅びの森南端に行ってると聞いてこれから向かおうとしたのだ。(クラーケン)」
「用事ですか?」
「あぁ。
御前試合で君と戦うウチの親父が偉く気合いを入れてるので全力で挑んできて欲しい、という事。
あとは君達、滅びの森の奥の方に居た様だが、先程″変な反応″などは感じなかったか?(クラーケン)」
「″変な反応″?
皆何か感じましたか?」
クラーケンが獣人国に滞在していた時に滅びの森奥地から″謎の魔力の反応″を感知したと言う。
それについてノアが皆に聞いてみる事に。
「いや、特に何も。(アミスティア)」
「私もです。(ヴァンディット)」
「私もー。(ラインハード)」
にゃーご。
「グリードは何か感じた?」
《え?》
と、皆が知らないようだったので、ノアは最後にグリードにも聞いてみたのだが
(《感じたには感じましたが、ここでそれを言うと主様は絶対に正体を探ろうと行動するでしょう、絶対に。
式典まで3日前だと言うのにゆっくりするでも彼女さん達とのんびり過ごしたりせず、親御さん達とドンパチする様な主様の事ですし…
ったく、このデカブツ余計な話を持ってきやがって、気になるなら自分で探ってこいよ。
まぁ取り敢えずこの場は私の名演技でシラを切る事にしましょう。》)(※この間僅か0.2秒)
心当たりはあるものの、ノアの性格を鑑みればこの後取るであろう行動は手に取る様に分かってしまうグリードは、クラーケンに対して文句を言いつつも
《なにもかんじなかったよぉ。》
「何で急に幼児退行したのかなグリード?
…まぁ心当たりが無いみたいだね。」
「うーん、グリード様でも御存知無いのであれば私の思い違いなのでしょうな。(クラーケン)」
と、 グリードの名演技(?)もあってノアは行動を起こす事無く獣人国に戻り、クラーケンは龍宮城へと帰る事となった。
~ヒュマノ聖王国・正門~
ガコン…
入念な入国審査が終わり、外界とヒュマノとを隔絶している重い門が開かれ、一行はヒュマノ内に入る事になった。
「おや?これはどういった状況なのですか?(クリストフ)」
「おーおー、こりゃまた徹底的に″解体″をしている真っ最中みたいだなぁ。(レドリック)」
「瓦礫の山じゃん。
何何?モンスターでも暴れ回ったの?(バラス)」
「いや違うな。
取り敢えず手当たり次第に使えそうな資材をかき集めているといった状態だな。(アルキラー)」
「そうですね。
ヒュマノの抱える負債は途徹も無い額に及びますので″解体″所か″更地″にするレベルで回収作業を行っている所です。(ナサケ)」
王都諜報員のナサケを先頭にヒュマノに入国した一行が見た光景は、市民の住む家屋が取り壊されて木材や石材、鉄材と資材ごとに分けられ、更に石畳等もひっ剥がされて各所に積まれている光景であった。
ちなみに市民はというと、幾人かのグループに分けられて各所に待機。
取り壊された家屋やその周辺を呆然とした表情で見詰めていた。
「さ、一先ず私の用事を済ませに行きましょう。コチラです。(ナサケ)」
そう言ってナサケは一行を連れ立ってヒュマノの東側の城壁方面へと向かう。
~ヒュマノ聖王国・東側城壁付近~
東側に立つ城壁付近へと向かうと、日陰となっている場所に獣人の元奴隷達が集まり、涼んでいた。
暦の上では現在7月。
茹だる様な暑さ、とまでは行かないが、日向にずうっと立っていれば気怠く感じる位の気温である。
健常者が普通に暮らしていれば<暑さ耐性>を獲得しているので滅多な事では熱中症や脱水症状等なにはらないが、過酷な環境下に居た元奴隷達はそうはいかない。
筋肉が痩せ細る程に体力を消耗した元奴隷が大半で、勿論の事<暑さ耐性>など持ち合わせていない。
今日だけでも100人以上の元奴隷達が熱中症の症状で倒れた位である。
ハッハッハッ…
「お?ナサケ…とか言ったか?
頼み事の件は…まぁそうだよな、こんな無茶な頼みにそう当て嵌まるヤツなんざ…(バンデイラ)」
同じく日陰で涼んでいた、元奴隷達のリーダーであるバンデイラがナサケを見付けた。
少し期待していたのだろうか、見付けた時は明るい表情を見せていたが、ナサケの背後に居た3人が″人間″だと分かると、苦笑いして再び項垂れつつ呟いた。
獣人国式典直前に、彼らの要望である、腕の立つ″人族以外″の冒険者が集まるのが難しい事は彼ら自身が良く分かっていた事だろう。
だが
「あ、一応期待に沿いそうな人材をお連れしたので戻ってきたのですが…(ナサケ)」
「え?そんな簡単に都合の良い人材が集まる訳な「あ、こちらに居られましたか。
むむ!?皆様方かなり痩せ細っておられますな、暑さで体力を消耗されてる者も相当数。(クリストフ)」
「「「「「「は?(元奴隷達)」」」」」」
レドリックやナサケ達の更に奥から真っ白い素肌の巨大なエリンギがニュッと出てきた。
無駄に明るいし、名前は無駄に格好良いし、良く喋る得体の知れないキノコであった。
「…いや、俺達が欲してるのは人材であって食材では…(バンデイラ)」
「この方です。(ナサケ)」
「え?(バンデイラ)」
「…この方です。(ナサケ)」
「…え?(バンデイラ)」
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