ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

さてと

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ブワッ!

「やぁエルダー・クラーケン。
シマツブシ(シーベッド・マウンテンゴリラの事)の駆除ありがとう。
そして<人化>の具合はどうかな?(リヴァイア)」


辺りがシーベッド・マウンテンゴリラ(別名シマツブシ)の血で埋め尽くされているその只中に突如海流が発生、龍宮城の長であるリヴァイアが現れた。


「おぉ、リヴァイア殿。
いやはや、人族の″足″は慣れませぬな、地上ではやはり″触手″での移動が主になるでしょう。
出力が出ないのは歯痒いですが、式典での御前試合では丁度良いかと。」

「ふむふむ。(リヴァイア)」


と、リヴァイアに返答していたエルダー・クラーケンの下に


ズズズ…

[海洋最強種が<人化>とは…
何故人に歩み寄ろうとしているのです。
″少し前″に外界の危うさを見たでしょう?
本来の姿で現れれば畏怖の対象となって色々と抑止力となるのでは?]

「またかマロカリス、これで何度目だ…
それにお前の言う″少し前″は何百年前の事を言ってるのだ…
それに″あの時の外界は明らかに別種の存在″が跋扈していたであろう、あの時とは違うのだ。」


2人が居る亀裂の中を覗き込む様に、甲殻類とも節足動物とも取れるマロカリスと呼ばれる巨大な生物が割って入ってきた。

外界と交流を持つ事に良しと思えるものが居る反面、反対派も多少だが勿論居る。
それは太古の昔から存在している者達である。

ウン百年、ウン千年前から海底で生き、その都度地上の者に気付かれない様に外の状況を確認してきたりしていた。(稀に地上の者に目撃されたりする事でお伽噺等で世間に噂が流れたりしている。)

どうやらマロカリスと言う古き海洋種にとって、ウン百年前の外界の印象は悪かったのだろう。


「それに外界の者達は我らの様に殆ど悠久の時を生きる者達では無い。
生が変われば時流も変わろう。
過ぎた所業を犯す際には手加減せんが、今世の様に割かし平穏な時には交流を持ってみるのも良いと思うがな。」

[う、まぁこの間に比べれば静かではありますが…]

「それにねぇマロカリス。
下手な手を打って敵に回したくない存在が外にはたーくさん居るんだよ?(リヴァイア)」

[リ、リヴァイア様にもそんな存在が…
あ、あの人族と付き合いのある禁忌龍に御座いましたか…]

「そ。
若い龍だけど、以前までは絶対に相容れない存在と思われていた者同士肩を並べて共に歩んでいるのさ。
最古にして頂点なる存在が見本として先陣を切ってる様なモノさ。
古い考えを悪く言うつもりも無いけど、もう少し柔軟に考えてみても良いんじゃないかな?(リヴァイア)」





~ヒュマノ聖王国~


「レドリック殿が用意して下さった巨木、表面を湿らせる程度の水、そして要肝心なのは…」

ギュッ…

「私の抱擁なり。(クリストフ)」

(私((((((俺達は一体何を見せられているのだろうか…(この場に居る一同))))))))


元奴隷達がヒヨケノカサで休む中、つかえるキノコのクリストフは次の手に打って出た。

レドリックにお願いして巨木を剥き出しとなった地面に突き立てて貰い、桶1杯分の水をパシャリと掛けた後、クリストフはその巨木に抱き付いた。

ただそれだけであった。


「そしてこのまま安静にして1時間といった所ですな。(クリストフ)」

「何かよく分からないけど手間掛かるんだね、クロワッサン作りみたい。(バラス)」

「どんな例えだ。(アルキラー)」

「…さっきの事もあるからとやかく言わないが、何をするかだけ教えて欲しい物だな…(バンデイラ)」


人間サイズのキノコが巨木に抱き付いているシュールな光景に首を傾げる元奴隷達のリーダーバンデイラ。


「まぁまぁ、悪い様には致しません。
1時間後には有能nぐー…(クリストフ)」

「おい嘘だろ、この状況で寝出したぞこのキノコ。(バンデイラ)」

「言う事言ってからにして欲しかったな。(レドリック)」

「次週が気になるアニメの次回予告みたいな終わり方ね。(バラス)」

「どんな例えだ。(アルキラー)」


どうやら本当に寝入ってしまった様子のクリストフに、この国に来た本来の目的の為に動き出そうとする3人の姿があった。


「さ(レドリック)」
「て(バラス)」
「と(アルキラー)」

「ほぼほぼヒュマノ聖王国のマップ埋めは完了している。城の地下に二重の隠し扉と深い通路を確認した。
どうやら何かしらのギミックがある様だ。(レドリック)」

「流石レドさんね。
こっちは自前の″蜘蛛達″が″魔獣″の反応を感知したわ。距離的に地下300メルって所かしら。(バラス)」

「そうだな。
どうやらその深い場所にある通路に犇めいている様だ、魔素が″濃い″。
レドリックさん、″魔獣″との戦闘経験は?(アルキラー)」

「舐めんな、俺を誰だと思ってんだ?(レドリック)」

「「だよね。(バラスとアルキラー)」」


どうやら3人は既に王城の地下に隠し通路を見付け出し、明らかにそこが怪しいと踏んでいる様子。
″魔獣″と言う言葉も飛び出したので少し慌てた様子のナサケが割って入ってきた。


「ちょ、ちょっと皆さん?
まさかこれからドンパチやるんじゃないでしょうね?
流石にそれは見過ごせませんよ?(ナサケ)」

「わぁってるわぁってる。
勿論今回は確認だけのつもりで、戦闘はあくまで最終手段に過ぎん。(レドリック)」

「″魔獣″相手に無策で突っ込む様な事は無いって。(バラス)」

「それに隠し通路を見付けたとて、この場に大勢の獣人や人間がいる状況でそこから先に行くつもりは毛頭無い。(アルキラー)」

「そ、そうして貰えると助かります…(ナサケ)」


ナサケは安堵した様子でそう呟く。
その後3人が王城の方へと向かい、調査を開始しようとした時だった。

王城の方から強い反応と、この国の市民とみられる騒ぎ声が聞こえてきた。
一瞬現場に緊張が走ったが、慌てる様な事態にはならなかった。

いや、この国の市民と貴族にとっては″世にも恐ろしい事態″である事は間違いないだろう。





ザワザワ…

「…え?何故あの方がここに…(市民)」
「あの方は確か10年前に…(市民)」
「う、嘘だ…あれは亡霊に…違いない…(市民)」



ガク…ガクガクガク

(ま、まずい…(貴族))
(まずいまずいまずいまずいまずい…!(貴族))
(な、何故″奴″がここに…(貴族))


市民達はまるで幽霊でも見たかの様な反応を示し、貴族達は怯えを交えた反応をしていた。

何故なら


コキ…ゴキゴキ…

「城下に下りるのは10年振りじゃな。
おーおー、大分解体されよったが、戦時下に比べりゃマシか。(ツェド)」


10年に及ぶ監禁生活を解かれ、首や肩を回しながらとても高齢とは思えない体つきの元国王、ツェド・ガーランドが王城から出て来たのであった。
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