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獣人国編~全ての始まり~
10年前、全ての始まり。~不穏~
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「丁度【諜報】の教材を探しておったのでな。
貴様らの様に″手頃″な者が居て良かったわい。(ツェド)」
『『『へた…』』』
3人は言い逃れ出来ない証拠を出され、力無く膝を付いた。
「処分については後日伝えられるであろう。
それまで身辺整理しておくのだな。(ツェド)」
「…んの…」ギリリ…
3人に背を向けて歩きつつ、そう伝えたツェドに対し憎々しげに
ダッ!「老い耄れがぁっ!」
と、言い放ちながら拳を握り締めて飛び掛かるも
ダガンッ!「うがっ!?」
黒装束を纏った人物が降ってきてあっという間に組伏せられてしまった。
「蓮(レン)、少し足音が聞こえておったぞ。
もう少し気を配らんと。(ツェド)」
「あ、あはは、突然だったから慌てちゃいました…」
黒装束の人物は【忍】の蓮(レン)と言う奴隷獣人であった。
実はこうなると予想してツェドが授業の一環として【忍】の蓮に実戦形式で張らせていたのである。
「だが無力化の手際は良くなっておった。
渡(蓮の教官)には儂から報告しておくから戻って今日の反省点等をレポートに纏めておくんだぞ。(ツェド)」
「はい。」シュパッ!
ガシャガシャ…「ツェド様!」
「お、来たか。
こっちじゃこっち。(ツェド)」
【忍】の蓮が姿を消したと同時に騎士鎧姿の獣人がやって来た。
こちらも事前に招集を掛けていた【騎士】の教え子達であった。
「待て待て、先ずは武器の携帯不携帯を確認してからじゃ。(ツェド)」
「あ、申し訳ありません!」
やって来た【騎士】の教え子の手際を観察するツェド。
実戦さながらが一番吸収しやすいとの事で、こういった状況ですら奴隷獣人達の教材として取扱うのがツェドの教育方針である。
「それと拘束が甘い。
こことここに腕を通して『グリッ。』「痛だだだっ!?」…な?(ツェド)」
「あ、凄い、ガッチリ極ってる…」
「上手くいかん時は着込んでる鎧を押し付けて強圧するとええ。
ゴツゴツして中々に痛いからの。(ツェド)」
「はい。」
「ではこのまま留置所に連れていき調書を取り、【執行人】のマルグに引き渡すんじゃ。(ツェド)」
「御意。」
取り押さえて拘束された3人は、最初から最後まで″授業の一環″として処理され、この国から追放されたのであった。
~スパルティア王城・城下~
テクテクテクテク…
(さて今回の外遊では耕作知識と技術の取得を。
可能であれば、ドワーフの国で錬金薬を用いた効率的な製錬方法を学びに行きたい所だがはてさて…(ツェド))
ツェドは手持ちの資料とにらめっこしつつ、外遊での行程を考えていた。
「相変わらず難しい顔してますね、ツェドさん。(バンデイラ)」
「当たり前じゃ。
如何に良い教育を行えるか、皆の可能性を引き出せるかが儂の努めじゃからな。
おヌシが纏めておる傭兵部隊、中々に名を上げている様じゃないか。(ツェド)」
「ツェドさん自ら手解きを受けたんだ、この程度では満足してないぜ。(バンデイラ)」
「その意気じゃ。
だが、家族サービスも怠るなよ?
傭兵として遠征してばかりで家族団欒出来てない、って嫁から愚痴を毎日の様に聞いておるぞ?(ツェド)」
「あぁ、隊の奴等にも言われて1週間の休みを取った所だ。
そろそろ祭の時期だし子供も喜ぶ。
つーかその日ツェドさんは外遊に行ってるらしいじゃないか。
たまにはアンタもゆっくりしようぜ。(バンデイラ)」
「ウチはウチ、他所は他所だ。
しかめっ面の爺が居ちゃ祭も楽しめんだろ。
家族水入らずで楽しんでこい。(ツェド)」
近々スパルティアで催される祭に誘う傭兵部隊のリーダーバンデイラだが、ツェドは外遊がある為、手をヒラヒラと振ってその場を後にした。
と
『『『『ゾロゾロ…』』』』
「ん?(バンデイラ)」
「お、また″調査″に入るのか。(ツェド)」
「何ですツェドさん、あの【魔法使い】と【学者】達は。(バンデイラ)」
「あぁ、あれはな…」
ツェド、バンデイラとすれ違う形で大勢の奴隷達が王城へと向かっていた。
ここ最近傭兵業で出ずっぱりであったバンデイラは、何があったのか分からずに困惑気味であった。
「地下空間?王城の下に?(バンデイラ)」
「あぁ、地下に蔵書を建設しようと思って調査入れたら偶然見付かってな。
しかもどうやら旧時代の遺跡と思われる造りをしていたので風魔法を扱える【魔法使い】で換気して【学者】を入れよう、って事になったんじゃ。(ツェド)」
最近、スパルティア王城の地下室を増設しようと工事をしていたのだが、ある時巨大な地下空間に繋がったのである。
地下水の影響と当初は考えられたが、少し調査をしてみると、どうやら人の手が入った遺跡である事が判明した。
直ちに奴隷達と協力して調査を行ったが、中々に巨大である事と、空気が非常に薄く、長時間の活動が出来ない為、調査が遅々として進まないのであった。
だが何かモンスターが居ると言った危険性も反応も無かったので、時間を掛けて行う事にした次第である。
ザッ。
「ツェド殿、これから3回目の調査に入る所です。予定では長く延びる通路の所まで行けたらなと思っております。」
「それは良いが、前回からまだ3日と経っておらんじゃないか。
もしや何か見付けでもしたのか?(ツェド)」
「いえ、急ぎ調査して城の耐久に影響が無いか等の調査にも踏み切りたいので、ここは早急に行わなければなりません。」
「そうか。
何か分かったら報告を頼むぞ。(ツェド)」
「は。」ザッザッザッ…
言葉少なに報告を終えた者達は、足早に奴隷達を引き連れて王城へと向かっていく。
その後ツェドはバンデイラと別れ、各々の目的の場所へと向かうのであった。
今思えば、調査に対して妙に急いた姿勢であった事に、もう少し違和感を覚えておけば良かったと後悔しておるよ。
~スパルティア王城・地下~
「…で、床には何と書かれておるのだ?」
「″莫大なる贄…異界の…来たり…″…掠れててこれ以上は…」
「こちらには″王を冠する…覇者…世界を手に…″と書かれています。」
「あの…これもしかして″召喚陣″という物では…?
以前ツェド様の蔵書で見た文献の物と類似している点が多く…」
「憶測だけで物事を判断してはいけないとツェド殿から言われているであろう?
調査を続け、物証を見付けるまでその考えは胸の内に留めておきなさい。」
「は、はい。」
そう指摘された【学者】の奴隷は、再び調査を行うのであった。
(あぁ…あぁそうだ、これはどう見ても″召喚陣″だ。
【召喚】に関してズブの素人である私が見てもそうとしか思えない…
断片的な単語ばかりで定かでは無いが、″王を冠する存在を異界から喚び出す陣″に違いない!)
男の自己解釈にまみれたこの言葉は、″一部界隈に伝播″しその者達の脳裏に深くこびり付くモノとなった。
貴様らの様に″手頃″な者が居て良かったわい。(ツェド)」
『『『へた…』』』
3人は言い逃れ出来ない証拠を出され、力無く膝を付いた。
「処分については後日伝えられるであろう。
それまで身辺整理しておくのだな。(ツェド)」
「…んの…」ギリリ…
3人に背を向けて歩きつつ、そう伝えたツェドに対し憎々しげに
ダッ!「老い耄れがぁっ!」
と、言い放ちながら拳を握り締めて飛び掛かるも
ダガンッ!「うがっ!?」
黒装束を纏った人物が降ってきてあっという間に組伏せられてしまった。
「蓮(レン)、少し足音が聞こえておったぞ。
もう少し気を配らんと。(ツェド)」
「あ、あはは、突然だったから慌てちゃいました…」
黒装束の人物は【忍】の蓮(レン)と言う奴隷獣人であった。
実はこうなると予想してツェドが授業の一環として【忍】の蓮に実戦形式で張らせていたのである。
「だが無力化の手際は良くなっておった。
渡(蓮の教官)には儂から報告しておくから戻って今日の反省点等をレポートに纏めておくんだぞ。(ツェド)」
「はい。」シュパッ!
ガシャガシャ…「ツェド様!」
「お、来たか。
こっちじゃこっち。(ツェド)」
【忍】の蓮が姿を消したと同時に騎士鎧姿の獣人がやって来た。
こちらも事前に招集を掛けていた【騎士】の教え子達であった。
「待て待て、先ずは武器の携帯不携帯を確認してからじゃ。(ツェド)」
「あ、申し訳ありません!」
やって来た【騎士】の教え子の手際を観察するツェド。
実戦さながらが一番吸収しやすいとの事で、こういった状況ですら奴隷獣人達の教材として取扱うのがツェドの教育方針である。
「それと拘束が甘い。
こことここに腕を通して『グリッ。』「痛だだだっ!?」…な?(ツェド)」
「あ、凄い、ガッチリ極ってる…」
「上手くいかん時は着込んでる鎧を押し付けて強圧するとええ。
ゴツゴツして中々に痛いからの。(ツェド)」
「はい。」
「ではこのまま留置所に連れていき調書を取り、【執行人】のマルグに引き渡すんじゃ。(ツェド)」
「御意。」
取り押さえて拘束された3人は、最初から最後まで″授業の一環″として処理され、この国から追放されたのであった。
~スパルティア王城・城下~
テクテクテクテク…
(さて今回の外遊では耕作知識と技術の取得を。
可能であれば、ドワーフの国で錬金薬を用いた効率的な製錬方法を学びに行きたい所だがはてさて…(ツェド))
ツェドは手持ちの資料とにらめっこしつつ、外遊での行程を考えていた。
「相変わらず難しい顔してますね、ツェドさん。(バンデイラ)」
「当たり前じゃ。
如何に良い教育を行えるか、皆の可能性を引き出せるかが儂の努めじゃからな。
おヌシが纏めておる傭兵部隊、中々に名を上げている様じゃないか。(ツェド)」
「ツェドさん自ら手解きを受けたんだ、この程度では満足してないぜ。(バンデイラ)」
「その意気じゃ。
だが、家族サービスも怠るなよ?
傭兵として遠征してばかりで家族団欒出来てない、って嫁から愚痴を毎日の様に聞いておるぞ?(ツェド)」
「あぁ、隊の奴等にも言われて1週間の休みを取った所だ。
そろそろ祭の時期だし子供も喜ぶ。
つーかその日ツェドさんは外遊に行ってるらしいじゃないか。
たまにはアンタもゆっくりしようぜ。(バンデイラ)」
「ウチはウチ、他所は他所だ。
しかめっ面の爺が居ちゃ祭も楽しめんだろ。
家族水入らずで楽しんでこい。(ツェド)」
近々スパルティアで催される祭に誘う傭兵部隊のリーダーバンデイラだが、ツェドは外遊がある為、手をヒラヒラと振ってその場を後にした。
と
『『『『ゾロゾロ…』』』』
「ん?(バンデイラ)」
「お、また″調査″に入るのか。(ツェド)」
「何ですツェドさん、あの【魔法使い】と【学者】達は。(バンデイラ)」
「あぁ、あれはな…」
ツェド、バンデイラとすれ違う形で大勢の奴隷達が王城へと向かっていた。
ここ最近傭兵業で出ずっぱりであったバンデイラは、何があったのか分からずに困惑気味であった。
「地下空間?王城の下に?(バンデイラ)」
「あぁ、地下に蔵書を建設しようと思って調査入れたら偶然見付かってな。
しかもどうやら旧時代の遺跡と思われる造りをしていたので風魔法を扱える【魔法使い】で換気して【学者】を入れよう、って事になったんじゃ。(ツェド)」
最近、スパルティア王城の地下室を増設しようと工事をしていたのだが、ある時巨大な地下空間に繋がったのである。
地下水の影響と当初は考えられたが、少し調査をしてみると、どうやら人の手が入った遺跡である事が判明した。
直ちに奴隷達と協力して調査を行ったが、中々に巨大である事と、空気が非常に薄く、長時間の活動が出来ない為、調査が遅々として進まないのであった。
だが何かモンスターが居ると言った危険性も反応も無かったので、時間を掛けて行う事にした次第である。
ザッ。
「ツェド殿、これから3回目の調査に入る所です。予定では長く延びる通路の所まで行けたらなと思っております。」
「それは良いが、前回からまだ3日と経っておらんじゃないか。
もしや何か見付けでもしたのか?(ツェド)」
「いえ、急ぎ調査して城の耐久に影響が無いか等の調査にも踏み切りたいので、ここは早急に行わなければなりません。」
「そうか。
何か分かったら報告を頼むぞ。(ツェド)」
「は。」ザッザッザッ…
言葉少なに報告を終えた者達は、足早に奴隷達を引き連れて王城へと向かっていく。
その後ツェドはバンデイラと別れ、各々の目的の場所へと向かうのであった。
今思えば、調査に対して妙に急いた姿勢であった事に、もう少し違和感を覚えておけば良かったと後悔しておるよ。
~スパルティア王城・地下~
「…で、床には何と書かれておるのだ?」
「″莫大なる贄…異界の…来たり…″…掠れててこれ以上は…」
「こちらには″王を冠する…覇者…世界を手に…″と書かれています。」
「あの…これもしかして″召喚陣″という物では…?
以前ツェド様の蔵書で見た文献の物と類似している点が多く…」
「憶測だけで物事を判断してはいけないとツェド殿から言われているであろう?
調査を続け、物証を見付けるまでその考えは胸の内に留めておきなさい。」
「は、はい。」
そう指摘された【学者】の奴隷は、再び調査を行うのであった。
(あぁ…あぁそうだ、これはどう見ても″召喚陣″だ。
【召喚】に関してズブの素人である私が見てもそうとしか思えない…
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