ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
737 / 1,124
獣人国編~全ての始まり~

10年前、全ての始まり。~決着?~

しおりを挟む
『地獄門』…別次元には27世紀中期頃、ノアの居る世界では太古の昔に存在していたと言う魔導具。
1メルサイズの物が初期型であり、設置すれば停止措置を取らない限り魔物が湧き続け、掌サイズの物は、魔物の出現に限りがあるものの持ち運び可能となっている。

現世とその世界に存在する『魔界』とを繋げるポータルで、懐中時計の様な見た目をしている。

どの次元に於いても制御出来るのは″【魔王】のみ″である為、それ以外の存在が使用すれば多大なる被害が出るのは必至である。



「…懐中時計…か…?」

チキチキチキチキチキ…

『『『『『ビキッ!』』』』』


『『『『『ギュォオオオッ!』』』』』×4
『『『『『ガァアアアッ!』』』』』×4
『『『『『グルルァアッ!』』』』』×4
『『『『『キシャァアアアアッ!』』』』』×4
『『『『『ガルルォオアッ!』』』』』×4

「ぬぅ『ガブッ!』っ!?『ガジッ!』」


謎の存在=アクロスが吐き出した懐中時計(『地獄門』)の針が一周したかと思うと、周囲の空間に亀裂が発生。

夥しい数の真っ黒い表皮を持った4本腕の魔物が飛び出してきて、その内の数体はツェドの腕に噛み付いてきたのだった。


ブシュゥッ!

「【血の盃(コーポ・ジ・サンギエ)】!」

ギュゥウウッ!?
ゲェァアッ!


ツェドの腕に噛み付き、微量ながらもツェドの血を体内に取り込んだ個体が動きを止めて痙攣を起こす。


「『時間を稼げぃっ!』」

ゲェァアッ!!ダガッ!
ゴァアアアッ!ズドンッ!


ツェドが【支配】を乗せた言葉を放つと、血を取り込んだ魔物達は湧き出した魔物達へと矛先を向ける。



【血の盃(コーポ・ジ・サンギエ)】…【支配】専用固有スキル。
対象者の血を僅かでも取り込んだ場合、傀儡の如く支配可能。

その際主のステータスを一部上乗せ出来る。



「『頭が高い!』『ブゥンッ!』」

『『『ズズゥンッ!』』』

『『ギィイイイイッ!!』』×49

 
傀儡と化した魔物を投入した後、ツェドは直ぐ様【支配】を乗せた言葉を言い放ちつつ再び頭上に手を掲げて『久遠の牢獄』を唱え始める。

謎の存在=アクロスにでは無く、出現した魔物へ向けての物である。




「『久お『ゾリッ!』…ッチィッ!」


『久遠の牢獄』を発動し掛けたツェドの頭上を高速で何かが通過。
それによってツェドの右腕、肘から上が斬り飛ばされたのだった。

勿論『久遠の牢獄』は不発に終わった。


「『血封』を脱しよったか!」ダンッ!

「skkhykmyttkrtn!kkkrghnbnd!」バババッ!

『『『ギキィィイイイイッ!』』』


アクロスが何やら叫びつつ眼下の魔物達に何やら指示を飛ばす。
すると何やら爪で硬い物を引っ掻いた時の嫌な音が通路に響く。


「ん?何じゃこの音『『『ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!』』』」…っ!…っぶはっ!
床に魔法陣を描いておったか!!」


長さ1000メル所では利かない通路全体を埋め尽くさんばかりの爆炎が発生。
ツェドは咄嗟に体表面上に支配領域を展開し、幾らかの炎から身を守った。

が、背中が大きく焼き爛れていた。


ガブジュッ!ブチッ!ガブガブッ!

「おーおー、食え食えもっと食え!
【血の盃】ぃっ!」

『『『ギュゲェアアアアッ!』』』


斬り飛ばされ、焼け爛れたツェドの右腕に多くの魔物が食らい付く。
おぞましい光景だが、ツェドに動揺の色は無く、寧ろ手駒が増えたとばかりに【血の盃】を発動した。


ガァアアアアアッ!!ドガガッ!
ギャァアアアッ!ズガガガッ!

「sntihtkmdmtmtttissy!
arwnkmtomun、yusnkkrs!」


ツェドの傀儡となった魔物は周囲に居る魔物を凄まじい速さで仕留めていく。
そこでアクロスが魔物達に何やら指示を飛ばして対処していた。


『ブブンッ!』『ブゥンッ!』「n!」『ブゥンッ!』

ドズッ!

「gyaaaaaaaaaaaaa!!?」


支配領域を自身に及ばせ、身体能力を大幅に強化し、まるで瞬間移動の様にアクロスの側面まで移動してきたツェドがアクロスのこめかみに中指を突き刺した。


「『儂に降れぃ雑魚がぁっ!』」

「u  o″O″o″o″o″o″O″O″o″o″o″!!!」


脳に達する程中指を突き刺し、強烈な【支配】を乗せた言葉を流し込むツェド。
堪らずアクロスは苦悶の叫び声を上げるのだった。


『『『『ガァアアアアアッ!!』』』』×4

「mt!ymr!」


そこにツェドの傀儡から何とか抜け出し、主とも言えるアクロスを助けに来た魔物だが、アクロスは手で制した。

ここでツェドに襲い掛かれば、再び【血の盃】によって傀儡を増やすだけだというのが容易に察せられたからである。


ガッ!ガガギッ!

「gxee…『ドヂュッ!』gh…「【血の盃】ぃっ!」xgi、aaaah…kaaaa!!」


ツェドもそれを察してか手を止める事は無く、アクロスの首に自身の足を絡めて締め、酸素を求めて開かれた口に斬り飛ばされた右腕の断面を叩き込んだ。

すかさず【血の盃】を発動してアクロスを完全に支配しようと目論む。
ここでツェドは自身の固有スキルの1つを使う事となった。


「【活殺自罪(カッサツジザイ)】!
くそっ、歳は取りたくないモンじゃ…
悪いが貴様を殺せるだけの余力が無い。
自身の罪の重さと相談して処遇を決めるが良い。」

ズルッ…スタッ。


ツェドはアクロスのこめかみから中指を引き抜き、首の拘束を解くと地面に降り立った。

対してアクロスは脱力した様に動きを止めている。どうやらツェドの放った【活殺自罪】の影響下にあると思われる。


ジュゥウウウッ!

「っ…奴等め、一体何を喚んだか分からんが、コイツは【魔王】かそれに準ずる存在と見て間違いないじゃろう…
…くそっ…体力を消耗し過ぎた…暫くは思う様に体が動かせんじゃろうな…」


自身の腕部に支配領域を展開させたツェドは斬り落とされた右腕を再生させる。
一見無茶苦茶に思えるツェドの能力だが、傷や火傷、大怪我等は自身の生命力を大幅に加速させて無理矢理治している為、体力の消耗が激しい。

ほぼ無敵に近い状態であったが、割と限界に近かった様子である。

ちなみに【魔王】であるアクロスから制されていた為、この間も周囲には魔物が彷徨き、静観を決め込んでいた。


ズリッ…

「…お?
漸く″自身の中で裁きが下った″様じゃな?
して、如何なる方ほ『ドズッ!』…っ…かはっ!?」


ツェドの背後でアクロスがゆっくりと動き出した。これからアクロスは、自身の″罪″に見合った方法で自死を選択する。

ハズだったが、動き出したアクロスはツェドの背後から背鰭を突き刺して肺を突破して串刺しにした。

あまりの事にツェドは困惑していた。


「う、嘘じゃろ…?
貴さ…″罪を犯した事が無い″のか…?」

バヂバヂバチッ!『『『ドゥンッ!』』』


ツェドの問いを掻き消すかの様に、【魔王】アクロスは再び魔力消失(マジコ・キャンセル)を発動するのであった。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...