ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
749 / 1,124
獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

ある意味メインイベント

しおりを挟む
~『廃都』地下500メル地点~


「なる程、暗き海の底に光が差し、友好を模した大輪の花を贈ったか。
宙を舞う人魚達の姿も相まって何とも美しい水中花だ。(【魔王】アクロス)」

「その友好の架け橋となったのが人間だってんだから感慨深いもんだぁな。(イスケルダ)」

「ヒュマノや元の世界の人間とはエライ違いだな。(セルト)」

「それでも【魔王】様は″為される″のですか?(アリス)」


地上を監視するモニターには獣人国と海洋種との国交式典が映し出されている。
その光景を席に着いて何処か羨ましそうに眺めていた【魔王】アクロスに、配下のアリスは確認を取るかの様に聞いてきた。


「あぁ勿論だ。
世界線の違う異世界に喚び出されてしまったとは言え、我等魔族の悲願であった。
ここで辞めてしまっては死んでいった仲間達に顔向けが出来んさ。(【魔王】)」

「であれば(イスケルダ)」
「俺達は従うまでよ。(セルト)」
「元より私達はアクロス様より産み出された存在。悲願達成までお供致しますわ。(アリス)」

「そうか『ザザッ!』…ん?『ブツッ!』」


配下の者達が忠誠を誓う中、突如モニターからノイズが聞こえてきた。
モニターを見ると、地上監視用の映像が次々に切れていく。


「第1~第6使い魔が次々に撃破されていってます!(アリス)」

「おいおい、殆ど気配を発っさない使い魔だろ?常時地上200メートルを飛行させているから見付からないハズだろ?(イスケルダ)」

「誰がこんな事しやがった。
おい、第7と第8、モニターに映し出『ゾリッ!』『ドパァンッ!』…(セルト)」

「全て壊されたか…
アリス、最後の瞬間をモニターに出せ。
姿が一瞬映っていたハズだ。(【魔王】)」

「ハッ!今すぐに!(アリス)」

『『ブゥンッ!』』


【魔王】アクロスから指示を受けたアリスは、第7・第8使い魔が最後に映し出した映像をモニターへ出力。

すると第7使い魔の映像はど真ん中に何かが突き立っている物で、第8使い魔の映像は十字に斬り裂かれている物であった。





~獣人国王城~

サラサラサラサラッ!

「…と、これで宜しいのでしょうか?(リヴァイア)」

「うむ、お互いの名を書き連ね、後にこの調印の書状に魔力を流せば契約成立となる。
本日の御来訪、誠に感謝する。(ローグ)」

「いえいえ、こちらこそ。(リヴァイア)」

『『ギュッ。』』 

「「「「「「「「「「ワァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」」」」」」」」」」


リヴァイアは銀世界竜宮王之遣から降り、調印の場へとやって来てローグ・ラグナーと共に名を書き連ねた。

その後2人が固い握手を交わすと、再び観衆と、空を泳いでいる人魚達から割れんばかりの歓声が上がったのであった。

歓声を浴びたリヴァイアは何処と無く気恥ずかしそうにしている姿が印象的であった。




~とある建物の屋上~


″『ズビビッ!』…いや、済まない…
今の技術レベルを考慮すれば200年は先だと思っていたのでな…(海神)″

″偶然とは言え、誰かさんが決壊を突破してくれたお陰よね。(地母神ドーラ)″チラッ、チラッ。

″ホントホント。(暦)″チラッ、チラッ。

(『これはどう反応したら良いんだろうか…』)
(『取り敢えず静観で良いんじゃねぇか?』)


目映い光を放ちながらノアの後ろで話を続ける3人。話し方と薄ら見える輪郭からして、海神は男性の老人、地母神ドーラは胸の大きな30代位の女性の様だ。

ちなみに暦は、何処とは言わないが、慎ましやかなスラッとした女性である。


″のぅ、そこな少年よ此た″『本日はこの様な式を開いて頂き誠に感謝します。
そして私達海洋種と獣人国の国交樹立式典にお集まりになられた方々、温かい拍手、ご声援等誠にありがとうございます。(リヴァイア)』″


背後の老人がノアに話し掛けて来ようと、た同じタイミングで、国中に響き渡る程の声量でリヴァイアが御礼を伝え始めた。

獣人国・龍宮城共同の演目も終わり、調印も済ませたと言う事は、残っている催し物と言えば…


″『そういえばローグ・ラグナー殿、2週間前にお話した″トーナメント戦″の方…獣人国代表は決定致しましたかな?(リヴァイア)』″

″『あぁ勿論。あの日の直ぐ後に執り行われて間も無く決定致しましたぞ。(ローグ)』″

″『我が国には″最強種″と呼ばれる存在が居りましてね、獣人国との御前試合を話しましたら二つ返事で了承してくれました。
如何でしょう、早速始めませんか?(リヴァイア)』″

「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおっ!!」」」」」」」」」

(『あ、もうそろそろか。』)


何やら前もって決めておいたセリフの様な会話が繰り広げられたが、観衆は気付かずに歓声が上がる。

前もって伝えておくが、これから行われる御前試合は、元々海洋種の長であるリヴァイアからの提案である。

海洋種は長い事外界と隔絶された深い海の底で繁栄してきた。
それ故「外界と接触を持たずとも困る事等無い。」と考える者は少なからず居る。

海洋種の頂点たるリヴァイアが統治し、それらの地を最強種たる存在が守護しているからだ。

外界に存在する者達を″矮小″と呼び、何が起ころうとも結果的に″力″で支配すれば良いだけの事。

深海に住まう古い考えではあるのだが、リヴァイアは長として平等でなくてはならないので、否定も肯定も出来ないでいる。

だからと言って古い考えを広めて暴走してしまった場合は、リヴァイア直々に「めっ!(滅っ!)」と叱る考えではある。

ではその考えの大骨とも言える″力″の部分に手が届いてしまえばどうなるか。
考えを改める切欠となれば、との思いで提案したのである。





″『…してリヴァイア殿、御前試合をするのは良いが、何処で行おうか。
舞台の事は気にするな、と申しておったが…(ローグ)』″キョロキョロ…


観衆のボルテージも上がり、ある意味メインイベントである御前試合が行われようとしたが、獣人国は見物客や観光客、冒険者や貴族等でごった返しており、試合を行えるスペース等何処にも無い。

リヴァイアからは事前に″場所は気にしないで″と言われていたローグは、何処で執り行うのかと周囲をキョロキョロと見回していた。


″『今日この日、式典もそうですが、試合も楽しみにしておられた方々も居るでしょう。
ですので全員が観れる様に試合場を整えましょう。(リヴァイア)』″

トンッ!


そう言ってリヴァイアは宙へと舞うのであった。
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...