ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~

強酸

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ズキッ!

「あぐぅっ…!(ハナ)」

「済まんな。
儂は回復は不得手じゃしゴーレム共は物理攻撃しか出来ん。
一度後方に退いて回復を…お?(ルド)」

「ん?どうしましたルドさ…え?(サクラ)」


足首を折られたハナに肩を貸すルドとサクラ。
他にも負傷した団員が居る為、一度バックラッシュルーム・クランプへと戻っていたのだが、前方の光景を見て立ち尽くす2人。

そりゃそうだ


シュタタタタタッ!←クリストフ

『『『『『ポテポテポテポテポテ…』』』』』←キノコ小隊


でっかいキノコ(クリストフ)と中位のキノコ数十体(キノコ小隊)が前線に向けて走ってきているのだ、一瞬何事かと思って立ち止まってしまうのは仕方の無い事である。


シタタタタタタタッ!

「おや!負傷なされましたかハナ殿!
それでは2パーティ(12体)はここに残り負傷者の治療と警戒を!(クリストフ)」

(    ゜゜)/(    ゜゜)/(    ゜゜)/(    ゜゜)/

「「「「きゅー!(″キノコ小隊″)」」」」


先程暗闇人に嵌められて負傷した騎士団員達を回復させる様キノコ小隊を派遣するクリストフ。


「おお、助かったワイ。
したらば儂はゴーレムらと共に前線に向かう故、娘っ子らは任せるぞ。
何ぞあっちから″嫌な予感″を感じる。
地面の下で″何かが蠢いとる″様じゃ。(ルド)」

「ルド殿も感じておられますか…
なれば私達も同行致しましょう、″何故か先程からノア殿とグリード殿の姿が見当たりません。″
意味あっての事だと思いますが、何やら不測の事態が起こっているのやも知れませんな。(クリストフ)」

『『ダッ!』』


ノアが全員にバフである【鬼哭崇崇】を発動した直後辺りからグリードと共に姿を消している。
ノアの事だから″逃げる″と言う選択肢は無いだろうが、負傷者が出てキノコ小隊が十数体取られている状況でノアが居ないのは何とも心許ない。

が、そんな事は言っておれず、ルドはゴーレムを、クリストフは残りのキノコ小隊を引き連れて前線へと向かうのであった。





『アースイーター』…廃都方面の滅びの森に生息するムカデ型モンスター。
全長10~30メルで口にあたる部分には人間を一噛みで両断してしまう程の頑強な顎を持っている。

全身を硬質な甲殻が覆い、多脚由来の機動力を備え、口から強力な酸を吐く。

また非常に好戦的で、同族でも殺し合いをする程だが、同族を殺した場合、後に体を自身に繋げ一体化する事が可能。

名前が『アースイーター』と言うのも、殺し合い長大となった種は地球を呑み込む程の長さになると言われているからである。

ちなみに公式で記録されている最長の『アースイーター』は2100メルである。



「ゼェエエアッ!(エルグランド)」ガギョンッ!

ギシャァアアアアッ!『ビジャァアアアッ!』

ババッ!『ビチャッ!』

『『『『ヂュゥヴヴヴ…』』』』

「クッ、ナントイウカタサダッ!
ヒョウメンノワンキョクグアイモアイマッテコウカクヲハカイスルノガムズカシイ!(エルグランド)」


最前線では既にムカデ型モンスターの『アースイーター』と戦闘が開始されていた。
ムカデ特有の多脚で小回りが利き機動力があり、体の大半を覆う甲殻は非常に堅い。

だがノアの【鬼哭崇崇】と【狂戦士(バーサーカー)】状態であるエルグランドの膂力をもってすれば突破出来ない程ではない。

だが『アースイーター』の甲殻は湾曲しており、表面も非常に滑らかな為、力が伝わる前に受け流されてしまう。
エルグランドの主武器である巨斧でこれを破るには、甲殻に対して垂直に刃を当て、完全なる一撃を加えるしかないが、機動力のある『アースイーター』相手ではそれが難しい。

しかも


グルルォアッ!

「ヌゥッ!『ガギィンッ!』
チッ!ツギカラツギヘト…!(エルグランド)」

第2波は暗闇人と『アースイーター』が主だが、普通にギガンティック・ダックス憤怒も居るし、エグリゴリラも居る。

暗闇人が敵味方関係なく″盲目″状態にしてくる為、それを避けていたが、奮戦により数が減ってきた為、他のモンスターも台頭してきたのである。

そんな状況では、尚の事『アースイーター』のみに注力するのは難しい。


ザザザザザッ!

「くそっ!傷が付けば『吸求窮弓(オールキュウ)』が射てるのに!
コレで傷付かなきゃお手上げよ!『カチ割れ大根の花弁』と『貫木(ツラヌキ)の矢』の混合矢を食らえ!!(エスメラルダ)」

バシュッ!


うねる『アースイーター』の周囲を立ち回っていたエスメラルダが比較的守りの薄そうな側面に特製の矢を放つ。




ギギッ!プシャァアッ!

「くっ…またか…!(エスメラルダ)」

ジュジュゥウッ!


放たれた矢を視認した『アースイーター』が強酸性の体液を噴射。
矢はグズグズに溶かされてしまった。


『『『ガボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボボッ!』』』

「マタダ、キヲツケロ!
ハンゲキシテクルゾ!(エルグランド)」


エスメラルダから攻撃された『アースイーター』は、突如自身の頑強な顎を地面に突き刺し、恐ろしい速度で潜り始めた。


『『ボゴゴ…』』『『『ガゴゴッ!』』』

『ジャキィンッ!』

「何処から出てくる…さぁ掛かってらっしゃい!(エスメラルダ)」


地面の所々が盛り上がり、地中を縦横無尽に移動している事が窺える。
エスメラルダはナイフを取り出して迎撃体勢を取る。




『『『ゴリリリリッ!』』』

『『『『『ズズズズズズズンッ!』』』』』

「うわっ!?(エスメラルダ)」

「ダイジョウブカエスメラルダドノ!(エルグランド)」


地面から飛び出して来るものと思っていたが予想が外れ、地中を移動して直下を空洞化。
エスメラルダを中心とした直径50メルの範囲が陥没しのであった。


「だ、大丈夫…!落ちたと言ってもそんなに深く…ひっ!?(エスメラルダ)」


深さ約20メル程落ち込んだ所で陥没は止まり、地上に居るエルグランドに返事を返そうとしたエスメラルダは、思わず短く悲鳴を上げた。

何せ地面の下の空間には夥しい量の『アースイーター』が犇めいていたからである。

エスメラルダを視認した『アースイーター』達の感情が読み取れない、ガラス玉の様な眼球が一斉にこちらを向く。


『『『『『『『『ギシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!』』』』』』』』

「こ、この数は…無り『ガシッ!『エスメラルダさん伏せて!』っあぅっ!?(エスメラルダ)」

『『『『『『『『『バシュゥウウウウウウウウウウウウウッ!』』』』』』』』』

『『『『『『『『ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!』』』』』』』』


絶望的な状況に、諦めの表情を見せたエスメラルダだったが、背後からノアに肩を掴まれて無理矢理伏せられた。

直後数発のプラズマレーザーが頭上を通過して地下空間内に居る『アースイーター』へと着弾、大爆発が発生した。


「…凄…
あ、ありがとうノア君、助『ジュゥヴヴヴヴ…』…ちょ!?大丈夫!?(エスメラルダ)」


間一髪助かったエスメラルダが後ろに居るノアへお礼を言おうとして振り返ると、そこには首から下の左半身から白煙が上がり、酸によって大きく焼け爛れたノアが立っていた。
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