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獣人国編~事後処理・決意・旅立ち~
閑話:【魔王】に関する出来事 その2
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~『廃都』飛翔から5日後の深夜・大陸の南にあるドワーフの国『フェレイロ』から5キロメル離れた海上にある『南獄大陸』~
『『『ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!』』』
[ギョ…ゴ…ゥウ…ッ…]
スタッ!
海上に浮かぶ不毛な大地『南獄大陸』に巨大な飛行物体が墜落。
それは先日獣人国近郊にある『廃都』より【魔王】と共に飛翔していったエボル・バトフライと言うモンスターであった。
そのエボル・バトフライは、身体や頭部の至る所がクリストフが仕込んだ寄生モンスター『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』によって侵食され、どす黒く変色していた。
完全に脳まで侵食されれば、次なる寄生先を求めて移動を開始するか、周囲に居る脅威を排除する為に行動を開始する為、クリストフなりの凶悪な置き土産と言える。
そんなエボル・バトフライが『南獄大陸』に墜落する寸前、【魔王】が飛翔して不毛な大地に降り立ったのであった。
【…謎の生物に寄生されながらも目的地迄運んでくれて感謝するぞ、エボル・バトフライ。
さて、先ずは…<分体生成>!】
ゴボボボ…ドシャッ!
突如【魔王】アクロスは地面と平行に手を掲げ、その先から透明な薄い皮膜に包まれた配下のアリス(アリスラニア)が溢れ落ちてきた。
【魔王】アクロスは、体内の骨や臓器に<スキル>を刻み込まれており、数多の<スキル>を使用する事が出来る。
『廃都』にて10年に及ぶ封印を施され、いつ終わるとも知れない孤独に苛まれた事で、数多の<スキル>を駆使して造り上げたのが<分体生成>と言う<スキル>である。
「…こほっ…あぁ…アクロス様…『南獄大陸』に無事到着したのですね…(アリス)」
【その代わり足が無くなってしまったがな。】
ちなみにこのアリス(アリスラニア)は″本人″ではない。
本当のアリス(アリスラニア)は【魔王】アクロスがこの世界に召喚される直前、人類軍の放った攻撃によって死んでしまったからである。
そして、形見として所持していた彼女の左手の薬指を<分体生成>に使用したのであった。
ただ組織の劣化が激しい為、過去の記憶の一切を持つ事が出来ず、″配下″として情報収集の命を課していたのであった。
「…確かこれは…この世界の寄生モンスターの一種、『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』…
恐らくあのキノコ(クリストフ)のモノでしょうね…
如何致しましょう、″準備″が整い次第報復措置を…(アリス)」
【いや、いい。
私が″報復措置″を取るとあの少年に言う前に行われた攻撃だ。
″これから″行われれば話は別故、この件については不問とする。】
「畏まりました。
…ですがこのエボル・バトフライは如何しましょう…焼却処分位しか方法はありませんが…(アリス)」
アリスは、新たな脅威となるエボル・バトフライの処分について【魔王】アクロスに問い掛ける。
すると
【いや、コイツには利用価値がある。
何なら手間を″2段階″すっ飛ばす事が可能だろう。】
「はぁ…」
利用価値があるという事でエボル・バトフライの焼却処分は一旦取り止めとなる。
では一体何をするのか、アリスが【魔王】の動向を窺っていると
【お、居た居た。
この様な不毛な土地でも″蟻″は生息しているのだな。
まぁ居なければ他の種でも良かったがな。
″インベントリ″、″造魔核″。】
【魔王】アクロスは、足下に居た小さな″蟻″を見付けて声を上げる。
続いて何も無い虚空から懐中時計程の大きさの物体が転がり出てくる。
元の世界で使用していた″インベントリ″から『廃都』で増産していた″造魔核″を取り出したのである。
インベントリ…この世界で言うアイテムボックスだが、容量が桁違いである。
チミ…ポトッ…『『『ズギュルッ!』』』
「…″兵隊蟻″を造るおつもりで?(アリス)」
【餌があれば爆発的に増えるからな、今の俺達にとって″蟻″は打って付けなのさ。】
徐に地面に居た″蟻″を拾い上げ、″インベントリ″から取り出した″造魔核″の上に落とすと、途端に″蟻″が呑み込まれてボコボコと気色悪い音を立ててドンドンと姿を変えていく。
グヂュル…ボコボコ…
【この世界の″造魔核″は″不死竜ヒュドラ″の血液を使用しているが故、恐るべき再生力・生命力を有する代物となっている。
″蟻″の様な″虫″は唯でさえしぶとく、腕や足を潰された位では死にはしない。
何なら頭を潰されても数秒は生きて死ぬまで戦う。そんな両方の特性を有した″兵隊″を造り出す事が急務なのだが…】
ズンッ!ズシンッ!
ガチガチガチガチガチ…
【″蟻″の中には、キノコを栽培して糧とする種がいる。
それと同じ事をして暫くは増産に勤しんで貰うつもりであったが、″餌(エボル・バトフライ)″は既に用意され、″母体″は現在我々の目の前に立っている。
それ故、手間を″2段階″省いてくれたのだからあのキノコ(クリストフ)には感謝しなければならんな。】
″蟻″を取り込んだ″造魔核″の変形が徐々に終息していき、【魔王】アクロスとアリス(アリスラニア)の目の前には、体高2メルを超え4本の脚で立ち、腰から上は人間の様に背筋を伸ばした巨大な蟻が2人を見下ろしていた。
[ギシャァアッ!]ゴォッ!
「っ!【魔王】様危
『ドスッ!』
[ギィ【私、私、私…】ィィイイ…]
突如【魔王】アクロスに食い掛かろうとした巨大な蟻だが、アクロスはそれよりも素早い動作で貫手を放ち、人間で言う脳がある部分に突き刺した。
アクロスは直接脳に触れて何やら蟻の脳を″操作″している。
すると途端に巨大な蟻は大人しくなっていった。
…ヌボッ!ジジジ…
【安心しろアリス、これでコイツは我等の″支配下″だ。
…あの国の王ツェド・ガーランドは″この力″を一切使わずに国を統治していたと言うが…改めて彼には感服するな…】
蟻の脳から指を引っこ抜くアクロス。
その指先からは煙が上がり、よく見れば小さな魔法陣が形成されていた。
[ガガガガ…]
【さて、名無しでは今後呼び辛いので貴様には″名″をくれてやろう。
今後も宜しく頼むぞ『蟻竜兵スプラドルダート』、先ずは兎に角″兵″を増やせ。良いな?】
[ガ、ガガガ…!ギガガガガガッ!]
【魔王】アクロスから名を授けられた『蟻竜兵スプラドルダート』は、受けた命令に応えるかの様に鳴き声を上げた。
【さて、アリス。
確かこの地にはその昔、ドワーフによって掘り尽くされた″縦坑″があると言ったな?
それは何処にあるのだ?】
「は、はい、この先に1キロメル行った先に御座います。(アリス)」
【では『蟻竜兵スプラドルダート』、そこに転がっている″餌″を持って″縦坑″に降り、″殖えろ″。】
[ガガッ!]
ガブジュッ!
『『ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!』』
アクロスの命を受けた『蟻竜兵スプラドルダート』は、地面に転がっていた何十倍も大きいエボル・バトフライの巨体に食らい付き、″縦坑″まで引き摺っていった。
『『『ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!』』』
[ギョ…ゴ…ゥウ…ッ…]
スタッ!
海上に浮かぶ不毛な大地『南獄大陸』に巨大な飛行物体が墜落。
それは先日獣人国近郊にある『廃都』より【魔王】と共に飛翔していったエボル・バトフライと言うモンスターであった。
そのエボル・バトフライは、身体や頭部の至る所がクリストフが仕込んだ寄生モンスター『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』によって侵食され、どす黒く変色していた。
完全に脳まで侵食されれば、次なる寄生先を求めて移動を開始するか、周囲に居る脅威を排除する為に行動を開始する為、クリストフなりの凶悪な置き土産と言える。
そんなエボル・バトフライが『南獄大陸』に墜落する寸前、【魔王】が飛翔して不毛な大地に降り立ったのであった。
【…謎の生物に寄生されながらも目的地迄運んでくれて感謝するぞ、エボル・バトフライ。
さて、先ずは…<分体生成>!】
ゴボボボ…ドシャッ!
突如【魔王】アクロスは地面と平行に手を掲げ、その先から透明な薄い皮膜に包まれた配下のアリス(アリスラニア)が溢れ落ちてきた。
【魔王】アクロスは、体内の骨や臓器に<スキル>を刻み込まれており、数多の<スキル>を使用する事が出来る。
『廃都』にて10年に及ぶ封印を施され、いつ終わるとも知れない孤独に苛まれた事で、数多の<スキル>を駆使して造り上げたのが<分体生成>と言う<スキル>である。
「…こほっ…あぁ…アクロス様…『南獄大陸』に無事到着したのですね…(アリス)」
【その代わり足が無くなってしまったがな。】
ちなみにこのアリス(アリスラニア)は″本人″ではない。
本当のアリス(アリスラニア)は【魔王】アクロスがこの世界に召喚される直前、人類軍の放った攻撃によって死んでしまったからである。
そして、形見として所持していた彼女の左手の薬指を<分体生成>に使用したのであった。
ただ組織の劣化が激しい為、過去の記憶の一切を持つ事が出来ず、″配下″として情報収集の命を課していたのであった。
「…確かこれは…この世界の寄生モンスターの一種、『倒虫火葬(トウチュウカソウ)』…
恐らくあのキノコ(クリストフ)のモノでしょうね…
如何致しましょう、″準備″が整い次第報復措置を…(アリス)」
【いや、いい。
私が″報復措置″を取るとあの少年に言う前に行われた攻撃だ。
″これから″行われれば話は別故、この件については不問とする。】
「畏まりました。
…ですがこのエボル・バトフライは如何しましょう…焼却処分位しか方法はありませんが…(アリス)」
アリスは、新たな脅威となるエボル・バトフライの処分について【魔王】アクロスに問い掛ける。
すると
【いや、コイツには利用価値がある。
何なら手間を″2段階″すっ飛ばす事が可能だろう。】
「はぁ…」
利用価値があるという事でエボル・バトフライの焼却処分は一旦取り止めとなる。
では一体何をするのか、アリスが【魔王】の動向を窺っていると
【お、居た居た。
この様な不毛な土地でも″蟻″は生息しているのだな。
まぁ居なければ他の種でも良かったがな。
″インベントリ″、″造魔核″。】
【魔王】アクロスは、足下に居た小さな″蟻″を見付けて声を上げる。
続いて何も無い虚空から懐中時計程の大きさの物体が転がり出てくる。
元の世界で使用していた″インベントリ″から『廃都』で増産していた″造魔核″を取り出したのである。
インベントリ…この世界で言うアイテムボックスだが、容量が桁違いである。
チミ…ポトッ…『『『ズギュルッ!』』』
「…″兵隊蟻″を造るおつもりで?(アリス)」
【餌があれば爆発的に増えるからな、今の俺達にとって″蟻″は打って付けなのさ。】
徐に地面に居た″蟻″を拾い上げ、″インベントリ″から取り出した″造魔核″の上に落とすと、途端に″蟻″が呑み込まれてボコボコと気色悪い音を立ててドンドンと姿を変えていく。
グヂュル…ボコボコ…
【この世界の″造魔核″は″不死竜ヒュドラ″の血液を使用しているが故、恐るべき再生力・生命力を有する代物となっている。
″蟻″の様な″虫″は唯でさえしぶとく、腕や足を潰された位では死にはしない。
何なら頭を潰されても数秒は生きて死ぬまで戦う。そんな両方の特性を有した″兵隊″を造り出す事が急務なのだが…】
ズンッ!ズシンッ!
ガチガチガチガチガチ…
【″蟻″の中には、キノコを栽培して糧とする種がいる。
それと同じ事をして暫くは増産に勤しんで貰うつもりであったが、″餌(エボル・バトフライ)″は既に用意され、″母体″は現在我々の目の前に立っている。
それ故、手間を″2段階″省いてくれたのだからあのキノコ(クリストフ)には感謝しなければならんな。】
″蟻″を取り込んだ″造魔核″の変形が徐々に終息していき、【魔王】アクロスとアリス(アリスラニア)の目の前には、体高2メルを超え4本の脚で立ち、腰から上は人間の様に背筋を伸ばした巨大な蟻が2人を見下ろしていた。
[ギシャァアッ!]ゴォッ!
「っ!【魔王】様危
『ドスッ!』
[ギィ【私、私、私…】ィィイイ…]
突如【魔王】アクロスに食い掛かろうとした巨大な蟻だが、アクロスはそれよりも素早い動作で貫手を放ち、人間で言う脳がある部分に突き刺した。
アクロスは直接脳に触れて何やら蟻の脳を″操作″している。
すると途端に巨大な蟻は大人しくなっていった。
…ヌボッ!ジジジ…
【安心しろアリス、これでコイツは我等の″支配下″だ。
…あの国の王ツェド・ガーランドは″この力″を一切使わずに国を統治していたと言うが…改めて彼には感服するな…】
蟻の脳から指を引っこ抜くアクロス。
その指先からは煙が上がり、よく見れば小さな魔法陣が形成されていた。
[ガガガガ…]
【さて、名無しでは今後呼び辛いので貴様には″名″をくれてやろう。
今後も宜しく頼むぞ『蟻竜兵スプラドルダート』、先ずは兎に角″兵″を増やせ。良いな?】
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【魔王】アクロスから名を授けられた『蟻竜兵スプラドルダート』は、受けた命令に応えるかの様に鳴き声を上げた。
【さて、アリス。
確かこの地にはその昔、ドワーフによって掘り尽くされた″縦坑″があると言ったな?
それは何処にあるのだ?】
「は、はい、この先に1キロメル行った先に御座います。(アリス)」
【では『蟻竜兵スプラドルダート』、そこに転がっている″餌″を持って″縦坑″に降り、″殖えろ″。】
[ガガッ!]
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