ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~事後処理・決意・旅立ち~

娘、息子達をありがとうございます。

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~ラーマの館~


″『えー本日は急遽通常の営業は行わず、″式典で頑張ってくれた踊り子達へのお疲れ様会″兼″防衛戦終結のお祝い″兼″ノア様の復活祭″兼″これから旅立たれる関係各者様の壮行会″を執り行いたいと思います。
尚、国王ローグ・ラグナー様からは″やるなら盛大にやれ!″という事で色々と資金が出ております。
なので本日は盛大に楽しんでいって下さい!
はい、じゃあいきましょうカンパーイ!(ビルゴリラーマ)』″

「「「「「「「「「「「「「カンパーイ!!!」」」」」」」」」」」」」


獣人国のとある一画にある社交場。
普段は踊り子達が歌い踊り客を持て成しているが、本日は街の住人達の多くがこの場に集い酒や豪勢な料理と共に歓談に興じていた。

直後にラーマの館主人であるビルゴリラーマが舞台上に上がり、乾杯の合図を行った。

集まった者達は、各々飲み物片手に「乾杯」の大合唱となり、暫しの静寂の後に呼気を吐き出す声が響くのであった。


「「「だはーっ!やーっぱ酒よ酒!五臓六腑に染み渡るわぃ!(ドワーフ3人組)」」」

「アンタらいつも染み染みじゃない。(エスメラルダ)」

「うーん…私お酒弱いのですが祝いの席ですしね。(ヴァンディット)」グビビ…

「先ずはジョッキからコップに変えようよヴァンちゃん…
ドゥさん、でろんでろんになりそうだったら酔い止めを口に放り込んであげて。(ラインハード)」ジャラジャラ…

「こういう物は事前に飲ませるものなんじゃないか…?(ドゥ)」

「プハーッ!いやぁ獣人国の果実酒は美味いなぁ!
っと、ノア君は果汁だったね。(ジョー)」

「えぇ、お酒は苦手なもので…」チビリ…


ノアの周りにはいつものメンツが集まり、各々注がれた酒を煽り舌鼓を打っていた。

ノアは酒を飲んではいないが、この世界では一応15才から飲酒は許されているので、単純にノアは酒が飲めないからであった。


「やぁ少年。
君はどちらかと言えば飲みよりも食い気だろう?(ポーラ)」
「3人で適当に見繕ってきたよ。(クロラ)」

「お、ありがとうございます。」


そんなノアの下に大皿一杯に料理を乗せたポーラとクロラ、ミダレがやって来た。
単純に食べる方が好きなのもあるが、3人がやって来た事が普通に嬉しかった。


モグモグ…

「ノア君も挨拶回りに行ってたんだよね?(クロラ)」

「うん、スロア領と龍宮城に行ってきてさっき戻ってきた所だよ。」

「少年の場合は規模が大きいから大変ね。
私達の方は昼過ぎには終わって、準備も済んだから後は明日発つだけよ。(ポーラ)」

「2人と離れ離れなんはやっぱ寂しいっちゃ…(ミダレ)」

「そうだね…うん、明日はちゃんと見送るよ。
僕はあと一組挨拶回りを終えてないから、その一組を終えるまでは発てないんだ。」ムググ…


そう言ってノアは料理を頬張りつつ視線をこちらへと向かってくる一団へ向ける。


ドヤドヤ…

「あ、ノアさん!
ノアさんのお陰で式典の演目が上手く行きました!」
「ノアさんから勇気を頂いたお陰です!」
「「ありがとう御座いました!」」
「別れるのは寂しいですがこれからも頑張って下さい!」

「いやいや、皆の頑張りがあったからだよ。」

「ちょ、皆一気に来すぎ!(ヴァモス)」
「うにゃあ~…(ベレーザ)」


国交式典の日、海洋種に披露する演目を前に緊張する踊り子達に緊張を解くおまじないと【鬼哭崇崇】を施した事が演目成功に繋がったと思っている踊り子達100人がノアに押し掛け、各々御礼を言いに来ていた。

一応先頭に居たヴァモスとベレーザだが、そんな踊り子達に押し退けられてしまった。

ノアとしては、勿論自分のお陰などとは全く思っておらず、日頃の頑張りあってのモノだと踊り子達には諭していた。




~5分後~


「遅くなっちゃったけど式典の時はお疲れ様。
近くで見てたけど、特に危なげ無く安心して観れたよ。
毎日練習頑張ってたからなぁ。
ヴァモスも裏方として大いに皆を助けてたもんな。」

「うにゃにゃ…えへへ。(ベレーザ)」
「は、はい、ありがとうございます。(ヴァモス)」


待ちぼうけを食らっていた2人に労いの言葉を掛けると、気恥ずかしそうに笑みを浮かべる。

ヴァモスはいつも大人びた立ち振舞いをしているが、年齢的にはノアと殆ど変わり無い。
ノアから純粋に褒められた事で素直に笑みを浮かべた表情は何とも年相応であった。


「…2人は良いコンビだ。
これからも2人仲良く協力して過ごしていって欲しいものだ。」

「…はい。(ヴァモス)」

「…うにゃあ…。(ベレーザ)」

「…やっぱり少し寂しい?」

「…はい。
僅か2ヶ月の短い間でしたけど、ノア様はボク達の親代わりみたいな人でしたし…(ヴァモス)」

「…けど、冒険者であるノア様が2ヶ月も私達に構ってくれていたのに、これ以上望めにゃいにゃ…
でもやっぱり寂しいのにゃ…奴隷じゃにゃくにゃって少しは大人になれたと思ったのに…(ベレーザ)」


猫撫で声の中に涙声が混じり出すベレーザ。
何処と無く目尻に涙が溜まり出し、耳や尻尾が元気無く垂れてくる。


「何言ってんのベレーザ。
2ヶ月前の君なら一時たりとも僕から離れようとしなかったし、こんな大勢の中に居る事すら出来なかっただろう。
それだけで十分成長した証だよ。」

「うみゃう…(ベレーザ)」

「それに僕だって大人じゃないんだ、ベレーザも2ヶ月足らずで大人になろうとしなくって良い。
これから色々と経験してゆっくりと大人になっていったら良いさ。
この国にはその条件が揃ってるし、支えてくれる仲間も居るだろう?」

「…はい…はい。(ベレーザ)」

「ヴァモスはもうちょい周りを頼れ。
前と違って頼れる人が居るんだ、ゴファンさん、ゴフゥさん、勿論ラーマさんとかな。
僕みたく1人で何でも解決しようとするな、長生き出来ないぞ~?」ワシャワシャ。

「ぅ…はい。(照れヴァモス)」


頭をガシガシと撫でられたヴァモスは、気恥ずかしそうに、だが親に勇気付けられた子供の様に照れながら身を委ねていた。


「んにゃぁ…ノア様私も撫でて撫でて!(ベレーザ)」

「ふふふ、ベレーザが大人になるのはまだもーちょっと時間が掛かるかな。」


撫でられたヴァモスを羨ましげに見ていたベレーザも撫でて貰う様に催促してきた。

ノアは笑顔で2人の頭を撫でていた時、ふと少し離れた位置にある開けた場所で、″薄らと姿が曖昧な男女の成人獣人2組″がこちらを向いて会釈している姿を目にする。


(…え?)
(『…む?』)


目にしたのは一瞬で、直ぐに行き交う獣人達で姿が見えなくなってしまったが、目にしたのは確かであった。

一体何だったのだろう、と思考を働かせようと思ったが、今は目の前の2人が満足するまで頭を撫でるのが最優先だ。と考え、暫しの間2人の相手をして過ごした。

その後巡回の合間を縫って訪れた犬姫騎士団一行がやって来たり、王族一家が襲来してきたり、とノアに関係のある様々な人がやって来て挨拶回りに勤しんだのだった。   
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