ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

あれ?ノア君?

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ザッ。

「あ、ノア様何処に行ってらっしゃったのですか、探しましたよ。(ヴァンディット)」

「ごめんごめん、ちょっとした用事でね。」

「んもぅ…
それよりも目の調子は如何ですか?
少しの間見え辛いと思いますが、明日にはもう良くなってると思いますよ。
それとアレイさんがお礼に所望していたスイカを切ってくれるそうです。
宿場に向かいましょ。(ヴァンディット)」

「うん、分かった。」


エミとの話を終えたノアがその辺を歩いていると、ノアを探していたヴァンディットと出会す。

ヴァンディットは自身が処方した目薬の効き目とノアの症状の報告、それと元々この村に来る目的であったスイカの用意が出来たと伝えてきた。

するとヴァンディットと入れ違いでザラットがやって来て


「やぁノア殿、エミからは何と?(ザラット)」

「感謝の言葉と御礼を頂きました。
あと『リィン…』このベルを教会に届けて欲しいとお願いされました。」

「そのベルは…
…ノア殿、申し訳無いがその『鎮魂の振鈴』を鳴らして貰っても良いかな?(ザラット)」

「壊れ掛けてますが…?」

「頼む。(ザラット)」

リィン…


ノアが手にしていた『鎮魂の振鈴』を見てハッとした顔をするザラット。
その後壊れ掛けの鈴の音を聞いたザラットは少し思い出話をし出した。


「…ここら辺の領主がパルディック・ロスト伯爵に変わる前、ここら周辺は飢餓に苦しんで死した者が数多かったらしく、度々アンデット化してしまう亡者が居て大変だったらしい。
その度に近くの教会から【修道女(シスター)】だったエミが派遣されてその鈴を持って鎮めていた。
フリアダビアでも同じ様に務めを果たそうとしていたが…(ザラット)」

「…そうだったのですね…」


当時の事を思い出しながらポツリポツリと話していたが


スドッ!(喉にチョップ。)

「ふぐっ!(ザラット)」

「んもぅ、思い出話をするのは良いけど恩人さんをしんみりさせたらダメでしょ、貴方。(エミ)」

「だぁめ。(ユー)」


思い出話でしんみりしてしまった雰囲気を壊すかの様にユーを抱き抱えたエミが割って入ってきた。


「旦那には私とユーがしっかり注意しておくから、【鬼神】さんはスイカ食べてらっしゃい。
この村の特産だから絶品よ。(エミ)」

「たーんとおたべ。(ユー)」

「ははは、頂いてきます。」


仲睦まじい3人の姿を見送った後、ノアは宿場へと向かうのだった。





~宿場~


『『『『『『シャクシャク…』』』』』』

「とても美味しいのですが良かったのですか?
昨日の被害で出荷の方が大変だとお聞きしましたが…(ヴァンディット)」

「良ーの良ーの、買い付けに来た商人に事情説明したら快い返事が貰えたから。(アレイ)」

「ぐぬぬ…この時ばかりは機械ボディである事が煩わしく思いますね…(お預けラインハード)」

「凄い…瑞々しいけど全く水っぽくない…
やはりウォルタメのスイカは一味違う…(ミリア)」

「ホント、塩を振らなくてもしっかり甘いっちゃね。(ミダレ)」

ピッ。

「ほらミダレ、頬っぺに種付いてるよ。」

「はぅ…(ミダレ)」

「うーん、美味。(クリストフ)」

「身ぃも美味いが、塩を振った種の素焼き、皮の漬物…
余す所無く美味いのぅ。(バド)」
「酒が進むわい。(ルド)」
「漬物と素焼きを幾つか買いたい。これで数日戦える。(ロイ)」

《美味、美味。》ボリボリ…


宿場のおばちゃんアレイから頂いたスイカに舌鼓を打つ一同。
ドワーフ3人組にはそれに加えて種を炒って塩を振った素焼き、塩・酢漬けしたスイカの皮の漬物も出されていた。

グリードは大層気に入った様で、身を綺麗に食べた後皮も残さず食べていた。





「それよりも、もうここを発つのかい?
まだ目が本調子じゃないのだろう?(アレイ)」

「そうですが、最初に比べれば大分マシなので大丈夫です。
大体昼頃にここを発って南にあるという教会に行こうかと思ってます。」 

「教会?あぁ、『アンテイカー』って村の事だね。
ウチの娘がお世話になった所だ。
確かに昼頃ここを出りゃ夜には着くだろう。
ここより大きな村で活気もある。
ただこの時季になると″出やすい″から街道から通って行くんだよ。(アレイ)」

「え?″出やすい″って何が出るっちゃが?
モンスターかや?(ミダレ)」

「アンデット、幽鬼(亡霊)にスケルトン。
あの辺りは悪い魔力が溜まってるみたいだから恐ろしいモンスターがわんさか湧くらしいのさ。(アレイ)」

「「「「えええーっ!」」」」


これから向かうであろう目的地がそういった場所である事を知った女性陣は、驚いて身を強張らせていた。

だがドワーフ3人組は全く表情を変える事無く話を耳に入れていた。


「驚く事では無かぞ。
そういった場所は案外アチコチにある。(バド)」

「ここ最近は埋葬がしっかりしとるからあまり見んが、少し前までは土葬が一般的じゃった。
何なら昔からの慣わしで今でも土葬を続けとる所もある。(ルド)」

「確か南の方は昔飢えで大分悩まされたと村の者が言っとったしのぅ。(ロイ)」

「「「「へー。」」」」


この世界では、少し前まで死した者はなるべく綺麗な形で埋葬しようと言う考えであったが、それによって魔力溜まりが発生して死者がアンデット化したり、病の元となってしまう事があった。

今では魔力溜まりを発生させない為に火葬して死者の体に残った魔力を外に放出し、【神官】等が祈りを捧げて弔っている為、アンデットの数は比較的減った。

だが国が違えば弔い方も変わる為、今でも土葬での弔いを行う所は少なくない。


「まぁそこまで気にせんでええじゃろ。
何てったってお主らには【鬼神】が居るんじゃぞ?(ルド)」
「アンデットやスケルトンは兎も角、幽鬼(亡霊)なんかは逃げ出してしまうかも知れんぞ?(バド)」

「そ、そうですよね、ノアさんが居れば何も怖くないですよね。(ミリア)」

「あっちは南に暮らしてたからそこまで怖くは無いっちゃけど、襲われたらその時はお願いするっちゃね…(ミダレ)」

「うーん…状態の酷いアンデットだったら苦手かなぁ…(ラインハード)」

「私もです…
ノ、ノア様お願いしますね…?(ヴァンディット)」


アンデット系モンスターに耐性がありそうな者も居るが、女性の殆どは苦手な様子。
それ故、毎度の事ながらノアを頼る事になる。

のだが


「あ、うん…任せてよ…」シャクシャク…





((((((((あれ…?))))))))
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