ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
876 / 1,124
取り敢えず南へ編

報告はしっかりと。

しおりを挟む
~下り坂の頂上付近~


バカラッ!バカラッ!バカラッ!

「でぇええええいっ!やっぱりマズイ事になってるぅううっ!(ゾネス)」

グイッ!ヒヒンッ!ズザザッ!(手綱を引いて馬を急制動。)

「とぅっ!」ンバッ!(急制動を利用して馬上から飛び立つ。)



~下り坂の中腹~


「え?今度は何?」

「む…あれはバルディック・ロスト伯の私設傭兵部隊のゾネス…?」

「何をあんなに急いで…?」



「待った待った待った!
解除っ!厳戒態勢は解除だ!それとその子は全く問題無い!(滑空中のゾネス)」

ズザザザザザッ!(ノア達の前に滑り込み。)


走らせていた馬から飛び出し、滑空しながら厳戒態勢解除の報を知らせつつ、両者の間に滑り込むバルディック・ロスト伯の私設傭兵部隊『ガルジオ』のリーダーゾネス。


「双方待たれよ!(ゾネス)」

「分かったから落ち着けゾネス。
あとその着地、膝悪くするぞ?(シンプソン)」


3人組とノア達の前に手を掲げ、膝立ちの姿勢で呼び掛けるゾネス。
ノアは元々仕掛けるつもりも無かったし、3人組は乱入者(ゾネス)の登場に落ち着きを取り戻し、周囲に浮遊していた剣も収めるのであった。





「それで、ゾネス。
厳戒態勢解除というのは間違いないのだな?(シンプソン)」

「あぁ、本当さ。昨日の深夜に【勇者】軍全員の制圧が完了したのさ。(ゾネス)」

「間違いないのか?情報では500人近く居たハズだぞ?」
「広域殲滅魔法でも放ったのか?
でないとこれ程の早さで終結する事等不可能だぞ?」

「あ、あの、終結したのは間違いないかと…
彼(ノア)の話では制圧が完了した後、各国の『賞金稼ぎ』が連行していったとか…(マグワイト)」


『アンテイカー』へ向かう道中、ノアから【勇者】軍の顛末を聞いたマグワイトは、ゾネスを擁護する様に補足する。


「ん?あなた見ない顔だね、道中で出会った人かい?
それとその子の事もよく知らないみたいだ。
話に上がってた【勇者】軍を蹴散らして制圧したってのが、その子(ノア)と後ろのキノコだよ。(ゾネス)」

「「「えっ!?」」」

「へ?(マグワイト)」←聞かされていなかった。


ゾネスがそう言うと、目の前の3人とマグワイトは声を上げて驚いていた。
あまりこういった戦果を吹聴しないノアは、何処か居心地悪そうにし、代わりにクリストフが「えっへん!」とでも言いたげに胸を張っていた。


「え?ええ?
君が…?【勇者】軍を…?え?そんな事道中じゃ一言も…(マグワイト)」

「だって、言ってませんでしたし。」
(『だって、言ってねぇもんなぁ。』)

「えぇ…(マグワイト)」


思わぬ事を突然知らされたマグワイトは、状況が飲み込めずに口をパクパクとさせていた。
ここへやって来た3人組も詳しい事を聞きたい様子ではある。


「…もうそろそろで夜になりますね。
まだ半信半疑ではありますが、【勇者】軍が制圧されたとの報を街に伝えなければなりません。
詳しい事は街へ行ってからにしましょう。
ゾネス、貴女を乗せてきた馬も一緒に街へと向かいましょう。
酷く疲れているみたいですからね。(シンプソン)」

「あぁそうするよ。(ゾネス)」


ふと空を見てみると、先程まで赤々としていた空が薄暗い空色となってきていた為、シンプソンと呼ばれていた男性が街へと誘ってきた。

それと下り坂の上を見てみると、ゾネスが乗ってきた馬が息を荒くしながらも、カポカポと蹄を鳴らしながら降りてきていた。

こうして一悶着あったものの、一先ず目的の『アンテイカー』へ向かう事が可能になったのであった。





カッポカッポ…

「先程は済まなかったな少年よ。
厳戒態勢が解除されていた事を知らなかったとは言え、いきなり武器を突き付けてしまって…(シンプソン)」

「あ、いえ。」

「新人冒険者も幾人か【勇者】軍に参列していたとの報告が会った故、君の姿を見た時斥候か何かではないかと勘違いしたのだ。」


今更であるが、シンプソン含めた3人組は、″カソック″と言う祭服(マト○ックスみたいな服)を纏い、腰に十字架を模したレイピアを装備している。

服装からして教会関係者である事が窺えるが、まさか敵陣に攻め入る一番槍的なポジションを担っているとは思わなかった。


「…それに、後ろの…キノコ…にしか見えないが、彼(?)の脅威度が分からなかったので我々がで張って来たのだよ。」

「ふむ…ここ最近私の見た目で何かしら誤解を受ける事がよくありますなぁ。
やはり人間社会に溶け込むとなれば、親しみ易い姿になった方が良いのでしょうな…(クリストフ)」

「うーん…やっぱ初見でクリストフを見るとなると、そういう風に思われるのは仕方の無い…」


と、ノアがクリストフの考えに同意しようとした瞬間、脳裏に前日のクリストフの姿(ムキムキ白ペ○シ)がフラッシュバックした。


そっ…(クリストフに寄り添う。)

「そんな事無いよ~。
そのまま、クリストフはそのままの姿が1番。
変に姿形を変えるのは、クリストフの個性が損なわれちゃうよぉ?」スリスリ…

「ノア殿にそこまで言われては、このままの姿で未来永劫過ごすしかないではありませぬか。あっはっはっはっは。(クリストフ)」


「あれは…何をしているのだ…?(シンプソン)」

「あ、あはは…昨日色々あったのでお気になさらず…(ヴァンディット)」


これからの旅路を、あんなムキムキ白ペ○シ姿で同行されたら堪ったモノでは無いので、クリストフに頬擦りしてまで止めに掛かるノアであった。





カッポカッポ…『ドッ!』ガッゴッゴッ!

「ここからは『軽石橋』を渡り下さい。
ここは窪地故、街までは半沼地化しておりますから。」

「「「「「はーい。」」」」」


下り坂を下り、女性陣が怖がっていた暗い森の中を進むと、石造りの真っ白い橋が網目状に張り巡らされていた。

何故ここに橋が?と思い眼下を見ると、木々と夜の暗さが相まって一層黒さが増した沼が広がっていた。

よくよく考えてみれば窪地なのだし、水捌けは相当に悪いだろう。

橋の巾は大体3メル位あるのでミダレの手を引き、2人並んで渡る位は余裕であった。


バシャッ…

「わっ!?何かあっちの方で何かが跳ねましたよ!(ミリア)」

「あぁ、この森には『沼馬(ヌマウマ)』が生息しているので恐らくそれでしょう。」

「『沼馬(ヌマウマ)』?(ミリア)」

「ほら、ゾネスが乗ってきた馬も『沼馬(ヌマウマ)』ですよ。
非常に脚力があるので、車輪を取られる程の泥濘に荷馬車が嵌まっても悠々と引いてくれるので、近年商人からの飼い付けが増加してるのですよ。(シンプソン)」

「へぇ~。(ミリア)」マジマジ。


見習いとは言え、彼女も商人の卵だ。
将来共に旅するパートナーの1つとして考えているのか、ミリアはゾネスの『沼馬(ヌマウマ)』をマジマジと観察していた。


「それにしても、『沼馬(ヌマウマ)』が疲弊する程の勢いで駆けて来たのは、何かまた別の危急の報せか何かがあって来たのですか…?(シンプソン)」

「い、いや、【勇者】軍が捕縛・連行されたから厳戒態勢解除して良いよ~、って村々に報告するのを忘れちゃって…(ゾネス)」





「うぉいっ!(シンプソン)」
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...