ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

鎮魂

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【荒鬼神ノ化身専用戦技:起点技】『大喰(オオグライ)』…この武器を使用する事で、対象(生物、魔法問わず)の魔力を分解、吸収し、武器に刻まれた刻印に溜める事が可能。

↓(追記)

(新)【荒鬼神ノ化身専用戦技:派生技】『浄化』…一定回数<浄化>が掛けられ内外から浄化作用が働き、この武器自体が<浄化>効果を獲得。

この武器を手にした状態で<浄化>を発動。(魔力消費は本来の2割程度。)

これが起点となり、以下の2つの【固有スキル】を発動する事が可能。



【鬼哭死重奏・穢払ノ鐔鳴(キコクシジュウソウ・ケガレバライノツバナリ)】…浄化作用を獲得した四刀を用い、音波を発する事が出来ればその音色に浄化作用が乗る。

穢れ(悪霊やアンデット等)に効果絶大で、穢れにとってはとても不快な音に感じる事だろう。
『鐔鳴』と付いているので、鞘を作る事を推奨する。



【鬼哭死重奏・穢払ノ癒火(キコクシジュウソウ・ケガレバライノイヤシビ)】…浄化作用を獲得した得物を用い、癒しの効果がある炎を生成する。

穢れ(悪霊やアンデット等)に効果絶大で、一度燃焼すれば穢れが払われるまで燃え続ける地獄の炎となる。

幽霊にも効果があるが、こちらには癒しとなり、魂を浄化する炎となる。

※荒鬼神ノ化身が赤熱状態にある事を前提とする。



ザッ!ザスッ!(地面に荒鬼神ノ化身を突き刺し、支えとする。)

『はーっ…はーっ…
ある程度魔力が回復したとは言え、そこから更に新しい【固有スキル】の連発で完全に魔力枯渇状態だ…
うぅ、頭痛ぇ…』


魔力枯渇状態に陥ったノアは立っているのがやっとの様で、荒鬼神ノ化身を突き刺してどうにか倒れずにいた。


グイッ。(後ろから引っ張り上げられる。)

『お?』

「お疲れ様ですノア殿。
どうやら無事退治した様ですな。(クリストフ)」

『…いやまだだ…『ダンジョンコア』を破壊するまでは安心出来ない…
…という訳で″鬼神″後よろしく…【一神同体】…」

『『ズズズ…』』(ノアの中から鬼神がズズズ。)  

『あいよ、任された。』

「え?赤黒いノア殿が…え?…角?…え?(ヒュージャ)」


ぐったりした様子のノアの中から角を生やした赤黒いノアが出て来た為困惑するヒュージャ。
そんな事など気にせず、鬼神はズンズンと『ダンジョンコア』へと進む。

そうして『ダンジョンコア』が浮かぶ盛り土の前まで到達した時だった。


『『『キィイイイン…』』』(『ダンジョンコア』の音。)

『ん?″コレ″は…』

タンッ!(盛り土を登らず跳躍。)

ガッ!『ビキッ!』『『『キュゥウウン…』』』(『ダンジョンコア』を掴み一部を破壊。
『ダンジョンコア』の機能が停止。)

『何だ、割と簡単に壊れたな。おぅ、終わったぜ主。』

「…あぁ、お疲れさん。」





「そう言えば何でわざわざ飛んだんだ?」

『『ダンジョンコア』の下にあったあの″盛り土″な、あの下に″大量の人骨″が埋まってるんだ。』

「「「っ!」」」

『恐らくここに隔離されていた者達のだろう。
埋葬とは名ばかりで、1ヶ所に集めて土を被せただけのモノの様だ。
そりゃ悪霊化するだけに止まらず、莫大な魔力を糧に周辺一帯をダンジョン化して呑み込もうなんて思うのも無理無いわな。』


あくまでノアと共に途切れ途切れの記憶を見た鬼神の考察ではあるが、答えを知っている者は誰も居ない。

もしかしたら記憶の中で見た【医師】が最後の力を振り絞って行った埋葬かも知れないし、何処とも知れない場所に居た悪霊が迷い込み、溜まりに溜まった負のオーラを糧に『ダンジョンコア』を形成するまでに至ったのかもしれない。

ただ1つ言える事は、ノアが大立回りを演じた事が″彼等″にとって救済となった事だろう。


『主。』

「…え?」

クイックイッ。(顎を動かし、″その方向を見ろ″と言うサインを出す。)

「ん…?あぁ…」

「どうしたので…(クリストフ)」
「何かある…(ヒュージャ)」


ノアにつられてクリストフとヒュージャもその方向を見ると


『『『『『ぺこっ。』』』』』(人骨の山の奥に、老若男女年代様々な霊達が一行に向けて頭を下げる。)


そしてその時に気付いたのだが


「…あれ?もしかして私、いつの間にか″視える″様になっておりませんか…?(クリストフ)」

「…だとすれば俺も″視えてる″って事だよな…
ずっとここには俺達しか居なかった訳だし…(ヒュージャ)」


殆どの教会関係者同様霊が″視えなかった″クリストフとヒュージャが、2人揃って″視える″様になっていた。

現実味が沸かないのか、2人は何度も目を瞑っては開いてを繰り返して確認していた。





「…しっかり火葬してあげようと思うんだけど…」

「このまま風雨に晒され朽ち果てるよりかは。良いと思いますぞ。
それにこちらには歴とした教会の者が居りますしな。(クリストフ)」

「しっかり祈らせてもらうぞ。(ヒュージャ)」

『それじゃ俺は中に戻るとすっかな。』

『『ズズズ…』』(【一神同体】解除。)


魔力が殆ど枯渇し、頭痛が酷いし未だにフラフラだが、″彼等″をしっかり浄化してあげないと何かモヤモヤする。

気分と言うか感覚と言うか、そうしてあげたいと思っての行動である。

それについて誰も否定する事無く、各々予め決めていたかの様に動いていた。





「『…よって、汝には次なる輪廻も安寧に過ごせるよう祈りを捧ごう…』…(ヒュージャ)」

スッ、スィッ…(ヒュージャが自身の剣で虚空を十字に斬る。)

「…ノア殿、良いぞ。(ヒュージャ)」


『『『『ザスッ!』』』』(赤熱状態の4本の荒鬼神ノ化身を火種に突き刺す。)

『『『ゴォオオオオッ!』』』(火種を伝い、炎は人骨の山を包む。)

※火種はクリストフが用意。


ヒュージャは祈りを捧げつつ、自身の剣(本来は聖霊銀(ミスリル)製のナイフ)で現世との繋がりを断つ動作を行う。

これによって魂が天に向かう準備が完了するので、炎の勢いを使い魂を天へと押し上げるのだという。

だが聖霊銀(ミスリル)製のナイフが無いので、浄化作用のある荒鬼神ノ化身の出番である。


『【鬼哭死重奏・穢払ノ癒火(キコクシジュウソウ・ケガレバライノイヤシビ)】。』

ヒュンッ!

『『『ポォオオオ…』』』(霊達に炎が纏わり付く。)


「おぉ…悪霊の時と違い火勢は穏やかですな。(クリストフ)」

「霊達が苦しむ様子も無く、表情も穏やかだ。
彼等にとってこの炎は文字通り″癒し″なのだな…(ヒュージャ)」


無造作に盛られた人骨の山は荒鬼神ノ化身によって焚かれた炎に包まれ、ゆっくりゆっくりと灰になっていく。

3人は黙ってその光景を見続けていたのだが、霊達の中から髪の長い女性とその娘と思しき女児がノア達の前にやって来た。

よく見ればその女性と女児は、先程ノアを苦しめた悪霊であったが、黒い液体を纏っていない生前の姿だった。

女性は非常に申し訳無さそうな表情でノアの方へとやって来て、娘や他の霊達と共に浄化する前にノアへ言葉を残すのだった。
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