ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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取り敢えず南へ編

次同じ事やったら″め!(滅!)″だからね?

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「…え?何やってるんです…?」

〝え、えええ、いや、あああの…〟

「…″食糧の出現数:激減″、″食事による回復量:激減″、″空腹速度:5割増″、″クリーチャー感度:極狭″…あ。(察)」

〝あ、あれれ~?こ、これは、なんなんでしょ

『『ジャキィンッ!』』 (荒鬼神ノ化身抜刀。)

「クリーチャー″3″はっけーん♪」

〝いやぁあああっ!ちょっと待って『バッサリ!』んぁあああーーっ!〟


みっちりと配置されたボタンの数々を見て真っ黒い笑みを浮かべたノアは、″3体目のクリーチャー″討伐に向けて攻撃を開始するのであった。





アハハ、コロシテアゲルー!
イヤーン!

「あ、あの、『モコモコ(仮称)』さん…だっけ…?
ごめんなさい…訳も分からずノア君と″主従契約″を結んじゃって君を勝手に夢魔…?なんかにして…(ミダレ)」

《そんな事無いよー。
元々精霊だったボクは自我も希薄で目的も無くその辺を漂ってるだけだったから、今こうなったのも何かの巡り合わせだと思っているんだ。
だからボクはこれからが楽しみでしょうがないよ。》


遠くでキリングマシーンと化したノアの声と識童子の悲鳴が聞こえる一方、訳も分からず″主従契約″をしてしまい、ミダレの夢魔となった闇の精霊に謝罪するミダレ。

だが夢魔となった『モコモコ(仮称)』は、気にした様子も見せず、くりっとした目を輝かせてこの状況すらも楽しんでいる様であった。


《それに精霊と出会すには一定以上の条件が必要になるから、2人が悪しき人達で無い事をちゃーんと見定めた上で君を主人としているから心配しないで。》

「『モコモコ(仮称)』さん…(ミダレ)」


巻き込まれた側である闇の精霊ではあるが、一方的にミダレを主人にさせられた訳では無く、一応精霊側にも相手を見極める余地はあるらしい。




ドズンッ!

〝へぶぅっ!?〟

「《ひぃっ…!?》」『『ニョキッ!』』


ミダレと『モコモコ(仮称)』の頭上を荒鬼神ノ化身が通過。
何かが刺さったまま壁に突き刺さる。

突然の事に驚く2人だが、特に『モコモコ(仮称)』に至っては、ビックリして思わず毛玉の中からニョキっと″ツノ″と″翼″が飛び出していた。

良く見ればそれは『幽閉霊』のダンジョンマスター識童子で、しっかりと心臓部分に突き刺さっていた。


「ふ、ふふふ…つーかまーえたー♪」

《は、はわわわ…わ、悪い人では無いと思うんだけどスゴく怖いです…》

「ふ、普段は優しくて、とても頼もしい人っちゃよ…今は殺意が上回ってるけど…(ミダレ)」


薄暗い廊下の奥から刀を持った満面の笑みを浮かべるノアがゆっくりと歩を進めてくる。
ある意味今までのクリーチャー騒ぎよりも恐ろしいまであり、ミダレと『モコモコ(仮称)』の2人は抱き合って怯えていた。


「まさか昨日と今日の2日連続でダンジョンを潰す事になろうとは…」

〝そ、それは…それだけはダメです…『シュンッ!』ほ、本当にすいませんでしたぁあっ!〟


壁に突き刺さっていた識童子だが、一瞬の内に抜け出し、ノアの足下に移動して見事な土下座をかましていた。


〝ダ、ダンジョンマスターの私を殺す事は容易では無いですよ…!
ね、ね?この事は誰にも、誰にも言いませんから許してつかぁさいっ…!〟

「チッ…それなら記憶が飛ぶまで殴り続けてやるか…どうだ?5000発位殴れば飛ぶかな…?」

〝ああああ…この少年なら本当に5000発殴ってきそう…〟


ダンジョンマスターとは言え、幼女による全力の土下座を全く意に介さずぶちギレている様子のノア。


《え、えっと″契約者様″…?
もうその辺でゆ、許してあげては…》

「あ?」

「う、うん…この子(『モコモコ(仮称)』)もそこまで気にしてないし、あっちも大丈夫っちゃから…(ミダレ)」


ノアがぶちギレてる分、周りの2人が妙に冷静となり識童子のフォローに回っている。

そんな識童子は、ノアの見えない所で手を組んでフォローに回った2人へ涙を流しながら祈りのポーズを決めていた。





「…なんでそう楽観視してられるんだ…?
コイツの思惑とか偶然が重なって″主従契約″なんてモノを結んだんだぞ…?
俺はあくまでミダレとはちゃんとした付き合いをしたかったのに…これじゃあまるで奴隷と同じに聞こえるじゃないか…」

「ノア君…(ミダレ)」
《″契約者様″…》 


怒りが収まらない様子のノアは荒鬼神ノ化身を握る手を震わせ、今にも斬り掛かりそうな形相でそう溢していた。




『『ズルリ…』』

『おぅ主よ、それはちょっと違うんでねぇの?』 

「っひぃ…(ミダレ)」
《ちょ、主人様!?》

「鬼神…?突然出て来てどうしたの…?」


ノアが【一神同体】を発動した訳でも無く鬼神がノアの体から出て来た。
鬼神の気配に当てられたミダレは思わず腰砕けとなった。


『おぅ″毛玉″、その娘にとって俺は刺激が強すぎる。少しの間娘を連れて離れといてくれ。』

《は、はい…『『ニョキ…』』うんしょっ、こらしょ…》


突然出て来た鬼神に驚きつつも、『モコモコ(仮称)』は毛玉の中からモフモフの腕と3本の爪を出し、指示通りミダレを連れて距離を取ってくれた。


『で、だ。
主は″主従契約″を奴隷みたい、と言ったが、そうなると俺と主の関係も主人と奴隷の関係と同様って事になるな?』

「あ…」

『まぁ主の性格上そんな事には万が一にもならねぇだろう。
さっきも嬢ちゃんと″毛玉″当人達が言った様に気にして無ぇ、っつーならこちらがそれ以上とやかく言う事も無ぇ。
あくまで名目上は″主従契約″ってだけで、今まで通り俺やそこの嬢ちゃんにしていた関係性を続けりゃ良いんじゃねぇか?』

「…あぁ、確かにその通りだ…
俺が深刻に考え過ぎてただけみたいだな…」

『そうだな。主は変な所で頭固ぇからな。
もっと″自分に正直に″なって良いと思うんだがなぁ…くっくっく。』

「うっ、うるさいなっ!
説教が済んだなら早く戻ってくれよ!」

『中でも見てたんだから外に居ようと中に居ようと変わんねぇだろうに…
へいへい、戻りますよ~。』ズズズ…


手短に話をした鬼神だが、何故かノアが顔を赤らめてさっさと中に戻るよう促すノア。
鬼神はやれやれと言った様子で戻っていった。





「はぁ~~~~~~~~~…
取り敢えず、2人と鬼神に免じて許しますから、もうここまで悪い事しないで下さいよ?」

〝は、はい…これを教訓にして以後気を付けたいと思います…
(よ、良かった…マジで殺されると思った…)〟


これを機に、『幽閉霊』の経営が改善され、より良いデートスポットと化すのだが、それはまた別の話で。
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