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取り敢えず南へ編
平行線
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~シルヴィオの私室~
ドカッ!
「何処行ってたんです?」
「正門だ。
丁度【鬼神】が来てたから厳重に言い付けておいた。(シルヴィオ)」
「おおぅ…遂に来ましたか…通りで…」
「ん?″通りで″とは?(シルヴィオ)」
「さっきから冒険者ギルドに苦情が押し寄せてるんですと。
やはりあの″立て看板″が問題視されてる様ですぜ。」
「ふぅん。(シルヴィオ)」
バンッ!
「コラーッ!シルヴィオ領主代理ぃっ!
アンタ何ギルド通さずに勝手な事やってんだぁっ!(ギルマス)」
ノアに厳重注意をし、自室に戻ってきた領主代理のシルヴィオ。
口を真一文字に結んだムスッと顔で、残していた職務に向き直ろうとしていたが、今しがた入ってきた扉が破れんばかりの勢いで開け放たれた。
そこにはメガネを掛け、ちんまりとした制服姿の女性が立っていた。
既に判明している事だが、彼女はこの街カステロの冒険者ギルドのマスターで、冒険者ギルドに届いた苦情を書き留めた書類の束が握られていた。
「うるさいぞメガネ。部屋に入る時位静かにしろ。(シルヴィオ)」
「メガネ言うな!私は″ガネメ″だ!
そんな事今はどうでも良い!アンタ何つー看板ぶっ立てとんじゃい!
″『【鬼神】立入禁止』″!?
フリアダビアの英雄に何してくれとんじゃい!(ガネメ)」
「英雄だか何だか知らんが街では街の決まりを守って貰わにゃならん。(シルヴィオ)」
「【鬼神】立入禁止措置を街の総意みたいに言うなぁ!
アンタが勝手に決めてこっちが知ったのは10分前だぞ!(ガネメ)」
「多大な戦果に隠れているが、それ相応に街や国に被害を出しとるんだ。
そんな奴が街に来てみろ、集客を見込んで金掛けて建てた保養施設をぶち壊されては堪らんだろ?(シルヴィオ)」
「その保養施設もアンタの独断で決めたモノじゃないかぁ!
街の排水処理が上手く機能していないのにあれこれボコボコ建てて!
地下排水路に『キッタネズミ』や『ガサガサ』が湧きまくってんだぞ!(ガネメ)」
「だから″新人冒険者用に『害虫駆除依頼』″を出したり『クリーナースライム』を導入して地下水路に撒いただろう?(シルヴィオ)」
『キッタネズミ』…汚ぇ所に棲むネズミ。成長すると1メル位の大きさになる。
『ガサガサ』…台所の″アレ″。成長すると1メル位になる。
『クリーナースライム』…何でも食って吸収するスライム。主に清掃業で重宝される。
「それでも追い付かなくなってきてるってーの!
おいマーカス!この間アンタにも言ったっしょ!?どーなってんだ!(ガネメ)」
「ちゃんと伝えたさ。
仕方無いからアンテイカーから教会関係者を何人か派遣して貰って浄化しようと提案したんだが…(マーカス)」
「教会はダメだ。
たかだか浄化効果のある鈴をチリンチリン鳴らすだけで″10万ガル″だぞ?
それこそ金をドブに捨てる様なモノだ。
2ヶ月もすれば儲けが出るだろうから業者呼ぶとしよう。
それまでは今のままで凌げ、『駆除依頼』の額を500ガル位は上げて良い。(シルヴィオ)」
「たかだか500ガル上げてどうにかなると思ってんのかぁっ!
これだから″現場を知らない奴″はぁっ!(ガネメ)」
カステロの領主代理と冒険者ギルドマスターによるバチバチの言い合いはそこそこ続く。
必死に訴えるギルマスだが、領主代理のシルヴィオはあれこれ言って流す為、話はひたすら平行線のままであった。
「何とでも言え。文句を言うならそんな″現場を知らない奴″を領主代理として起用した″ゴーマン男爵″に言うんだな。
まぁ今は牢獄の中だから会う事すら出来んがな。(シルヴィオ)」
「ぐぬぬぬぬ…(ガネメ)」
カステロの領主代理であるシルヴィオを起用したのは、バルディック・ロスト伯爵に(一方的に)仕え、つい最近【鬼神】のノアに大量の傭兵を投入して殺害依頼を企て失敗に終わった″ゴーマン男爵″であった。
実は領主代理に任命された時に周りからはそこそこ反対が出ており、″何か問題を起こしたら速攻で辞めさせる″つもりであった。
だがそんな目論見とは裏腹に、問題らしい問題を起こさず(中からは非難轟々ではあったが…)2年経った現在に至るのであった。
「話を戻すが、当初の予定通り『【鬼神】立入禁止』は撤回せんぞ?
冒険者となってたった4ヶ月で大小10を超える厄介事を起こしてきた輩を入れるな、という私の言葉、何がおかしいのかね?(シルヴィオ)」
「ええぃっ!話にならん!
取り敢えず押し掛けてきている人達に説明に戻りますから考え直したら即刻報せに来てくださいね!
良いかぁ!マーカスゥ!(ガネメ)」
「あ、あぁ…(マーカス)」
バタンッ!!
何にも話が進まないと感じたギルマスのガネメは、怒りを露にしつつ冒険者ギルドへと戻るしかなかったのだった。
~冒険者ギルド~
「おいおい!ありゃあ一体どういう事だ!?
場合によっては付き合い方を考えるが…(商人1)」
「何故【鬼神】1人を名指しして立入を禁ずる措置を講じておるのだ?(商人2)」
「街としてのやり方に口を出すつもりは無いが、あれはやり過ぎでは?(冒険者)」
「彼の事を知らんのか?我々商人からすれば英雄なのだぞ?(商人3)」
「この街のクランに在籍しているが、悪いが抜けさせて貰う。退会の手続きを…(冒険者2)」
「あ、ああああの、今ギルドマスターの方で事実確認を行っておりますのでもう少しお待ちを…」
現在冒険者ギルドには数多くの商人や冒険者が集まり、件の『【鬼神】立入禁止』措置に関する苦情が殺到していた。
割合で言えば商人7、冒険者3位で、街の総意と捉えられているからか、ギルドで働く職員達に対し、皆一様に懐疑的な目を向けていた。
ギルド職員はギルド職員で、今さっき知った事なので情報がほぼ無く、現状確認に向かっている為、否定も肯定も出来ない何とまあやふやな返答であった。
「いやー、苦情を言いに来よったらもう既に別の者が言っとったか。(バド)」
「誰かがキレちょると案外こっちは冷静になれるもんじゃなぁ。(ロイ)」
「しっかしあの様子じゃと、本にギルド側は何も知らんかった様じゃな…
まぁギルド側はメリットが無いからのぅ…
となると後は領
『『バァンッ!』』(ギルドの扉大開放。)
おわっと。(ルド)」
ノアに先んじて街に乗り込んだドワーフ3人組も苦情を言いに来たが、既にギルドのカウンターは苦情客で埋まっていた。
妙に冷静になったドワーフ達だったが、ギルドの扉が突如大きく開け放たれた。
「うぉおおおおおおおおおおっ!
あんの野郎めぇええっ!ぜぇえっ対に領主代理の座から降ろしてやらぁああああっ!(※ガネメ)」
「「「「「「「……。」」」」」」」
「おぉおお集まりの皆様ぁああああああ!
取り敢えず現状の説明をさせて貰いまぁああっす!ご静粛にお願いしまぁすっっ!(ガネメ)」
「「「「「「「…あっ、はい…」」」」」」」←(自分達以上にキレ散らかしてる人を見て逆に冷静になった人達。)
ドカッ!
「何処行ってたんです?」
「正門だ。
丁度【鬼神】が来てたから厳重に言い付けておいた。(シルヴィオ)」
「おおぅ…遂に来ましたか…通りで…」
「ん?″通りで″とは?(シルヴィオ)」
「さっきから冒険者ギルドに苦情が押し寄せてるんですと。
やはりあの″立て看板″が問題視されてる様ですぜ。」
「ふぅん。(シルヴィオ)」
バンッ!
「コラーッ!シルヴィオ領主代理ぃっ!
アンタ何ギルド通さずに勝手な事やってんだぁっ!(ギルマス)」
ノアに厳重注意をし、自室に戻ってきた領主代理のシルヴィオ。
口を真一文字に結んだムスッと顔で、残していた職務に向き直ろうとしていたが、今しがた入ってきた扉が破れんばかりの勢いで開け放たれた。
そこにはメガネを掛け、ちんまりとした制服姿の女性が立っていた。
既に判明している事だが、彼女はこの街カステロの冒険者ギルドのマスターで、冒険者ギルドに届いた苦情を書き留めた書類の束が握られていた。
「うるさいぞメガネ。部屋に入る時位静かにしろ。(シルヴィオ)」
「メガネ言うな!私は″ガネメ″だ!
そんな事今はどうでも良い!アンタ何つー看板ぶっ立てとんじゃい!
″『【鬼神】立入禁止』″!?
フリアダビアの英雄に何してくれとんじゃい!(ガネメ)」
「英雄だか何だか知らんが街では街の決まりを守って貰わにゃならん。(シルヴィオ)」
「【鬼神】立入禁止措置を街の総意みたいに言うなぁ!
アンタが勝手に決めてこっちが知ったのは10分前だぞ!(ガネメ)」
「多大な戦果に隠れているが、それ相応に街や国に被害を出しとるんだ。
そんな奴が街に来てみろ、集客を見込んで金掛けて建てた保養施設をぶち壊されては堪らんだろ?(シルヴィオ)」
「その保養施設もアンタの独断で決めたモノじゃないかぁ!
街の排水処理が上手く機能していないのにあれこれボコボコ建てて!
地下排水路に『キッタネズミ』や『ガサガサ』が湧きまくってんだぞ!(ガネメ)」
「だから″新人冒険者用に『害虫駆除依頼』″を出したり『クリーナースライム』を導入して地下水路に撒いただろう?(シルヴィオ)」
『キッタネズミ』…汚ぇ所に棲むネズミ。成長すると1メル位の大きさになる。
『ガサガサ』…台所の″アレ″。成長すると1メル位になる。
『クリーナースライム』…何でも食って吸収するスライム。主に清掃業で重宝される。
「それでも追い付かなくなってきてるってーの!
おいマーカス!この間アンタにも言ったっしょ!?どーなってんだ!(ガネメ)」
「ちゃんと伝えたさ。
仕方無いからアンテイカーから教会関係者を何人か派遣して貰って浄化しようと提案したんだが…(マーカス)」
「教会はダメだ。
たかだか浄化効果のある鈴をチリンチリン鳴らすだけで″10万ガル″だぞ?
それこそ金をドブに捨てる様なモノだ。
2ヶ月もすれば儲けが出るだろうから業者呼ぶとしよう。
それまでは今のままで凌げ、『駆除依頼』の額を500ガル位は上げて良い。(シルヴィオ)」
「たかだか500ガル上げてどうにかなると思ってんのかぁっ!
これだから″現場を知らない奴″はぁっ!(ガネメ)」
カステロの領主代理と冒険者ギルドマスターによるバチバチの言い合いはそこそこ続く。
必死に訴えるギルマスだが、領主代理のシルヴィオはあれこれ言って流す為、話はひたすら平行線のままであった。
「何とでも言え。文句を言うならそんな″現場を知らない奴″を領主代理として起用した″ゴーマン男爵″に言うんだな。
まぁ今は牢獄の中だから会う事すら出来んがな。(シルヴィオ)」
「ぐぬぬぬぬ…(ガネメ)」
カステロの領主代理であるシルヴィオを起用したのは、バルディック・ロスト伯爵に(一方的に)仕え、つい最近【鬼神】のノアに大量の傭兵を投入して殺害依頼を企て失敗に終わった″ゴーマン男爵″であった。
実は領主代理に任命された時に周りからはそこそこ反対が出ており、″何か問題を起こしたら速攻で辞めさせる″つもりであった。
だがそんな目論見とは裏腹に、問題らしい問題を起こさず(中からは非難轟々ではあったが…)2年経った現在に至るのであった。
「話を戻すが、当初の予定通り『【鬼神】立入禁止』は撤回せんぞ?
冒険者となってたった4ヶ月で大小10を超える厄介事を起こしてきた輩を入れるな、という私の言葉、何がおかしいのかね?(シルヴィオ)」
「ええぃっ!話にならん!
取り敢えず押し掛けてきている人達に説明に戻りますから考え直したら即刻報せに来てくださいね!
良いかぁ!マーカスゥ!(ガネメ)」
「あ、あぁ…(マーカス)」
バタンッ!!
何にも話が進まないと感じたギルマスのガネメは、怒りを露にしつつ冒険者ギルドへと戻るしかなかったのだった。
~冒険者ギルド~
「おいおい!ありゃあ一体どういう事だ!?
場合によっては付き合い方を考えるが…(商人1)」
「何故【鬼神】1人を名指しして立入を禁ずる措置を講じておるのだ?(商人2)」
「街としてのやり方に口を出すつもりは無いが、あれはやり過ぎでは?(冒険者)」
「彼の事を知らんのか?我々商人からすれば英雄なのだぞ?(商人3)」
「この街のクランに在籍しているが、悪いが抜けさせて貰う。退会の手続きを…(冒険者2)」
「あ、ああああの、今ギルドマスターの方で事実確認を行っておりますのでもう少しお待ちを…」
現在冒険者ギルドには数多くの商人や冒険者が集まり、件の『【鬼神】立入禁止』措置に関する苦情が殺到していた。
割合で言えば商人7、冒険者3位で、街の総意と捉えられているからか、ギルドで働く職員達に対し、皆一様に懐疑的な目を向けていた。
ギルド職員はギルド職員で、今さっき知った事なので情報がほぼ無く、現状確認に向かっている為、否定も肯定も出来ない何とまあやふやな返答であった。
「いやー、苦情を言いに来よったらもう既に別の者が言っとったか。(バド)」
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「しっかしあの様子じゃと、本にギルド側は何も知らんかった様じゃな…
まぁギルド側はメリットが無いからのぅ…
となると後は領
『『バァンッ!』』(ギルドの扉大開放。)
おわっと。(ルド)」
ノアに先んじて街に乗り込んだドワーフ3人組も苦情を言いに来たが、既にギルドのカウンターは苦情客で埋まっていた。
妙に冷静になったドワーフ達だったが、ギルドの扉が突如大きく開け放たれた。
「うぉおおおおおおおおおおっ!
あんの野郎めぇええっ!ぜぇえっ対に領主代理の座から降ろしてやらぁああああっ!(※ガネメ)」
「「「「「「「……。」」」」」」」
「おぉおお集まりの皆様ぁああああああ!
取り敢えず現状の説明をさせて貰いまぁああっす!ご静粛にお願いしまぁすっっ!(ガネメ)」
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