ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
927 / 1,124
取り敢えず南へ編

ミコトとシトラの事情

しおりを挟む
~巨大なスライム掃討後~


「<気配感知>を使える人は範囲最大にして瓦礫の中を探って!
抜け無く丁寧によ!
召喚獣出せる人やバディが居たら動員して!(ガネメ)」

「「「「「おぅ!」」」」」


スライム掃討が完了したので、瓦礫の山と化した元保養施設をガネメ指示の下捜索が行われていた。
その直ぐ近くでは


「何じゃこの水路は…まるでダンジョンじゃなかか?(バド)」
「ただ単に排水だけを目的とした造りにしたせいで″溜まり場″がボコボコ出来ちょるやんけ。(ルド)」
「こりゃ害虫害獣がわんさか発生するぞ?
この街の領主代理は地下水路に繁殖場を設けとったんか?(ロイ)」

「シルヴィオの息が掛かった業者によって造られた物ですね。
記録として残されていた図面と幾つもの相違点が見られますね…恐らく浮かせた金を懐に回したのでしょう…(マーカス)」


巨大な黒いスライムが出現した、地下排水路へと繋がる大穴を見たドワーフ3人組は、口々に問題点を口にしていた。

シルヴィオの下で秘書(本当はバルディック・ロスト伯爵が潜入させた)として働いていたマーカスは浮き彫りとなった問題点を記録していた。





~崩壊地点から少し離れた路地~


「皆さんお待たせしました。」

「いやー、婦人服の商店が壊されてなくて助かったねぇ。
猫獣人の団体さんは、尻尾の辺りを思い思いの形に切り取って調節して下さいね。(ゾネス)」

「「「「「いやー、助かったにゃ~。(猫獣人族の団体客)」」」」」

「服、感謝。(ミコト)」
「あ、ありがとうございます。(シトラ)」


巨大強酸性スライムを【鬼哭死重奏・穢払ノ癒火】で″浄化″した後、ノアは立入禁止措置解除を報せに来た私設傭兵部隊リーダーのゾネスと共に婦人服を扱う商店へと向かっていた。

理由は崩壊した保養施設から脱出した者達への着替えである。
皆保養施設の休憩所に居た為、ユカタ姿である。

ノア組の女性陣は、ヴァンディットによる空間魔法内に着替え等の所持品を保管していた為無事であったが、猫獣人族の団体客やミコト、シトラはそういう訳にもいかなかった。


「今回の事はこちらの落ち度である為、無事獣人国に帰還出来る迄の費用等は私バルディック・ロストの方にお申し付け下され。(ロスト)」

「あらやだ~そこまで畏まらなくて良いのよ~領主様。【鬼神】さんとお仲間さん達に助けられて既に大助かりなんだからぁ。(団体客1)」

「「「うにゃうにゃ。」」」


と、猫獣人族の団体客は受けた被害の割には柔らかな態度であった。


「それとそちらの御二方…おや?
そちらのお嬢様は何処かで…(ロスト)」

「あ、いえ、あの…(シトラ)」

スッ…

「援助、感謝、だが、 不要。
早々に、街を発つ故。(ミコト)」

「む…左様ですか…(ロスト)」


ミコト、シトラの2人は何故かロスト伯爵からの援助を受けようとせず、間を置かずに街を出ると言い出した。




「命(ミコト)さん、何で直ぐに街を発つんです?」

「ふ、知る必要の無い…(ミコト)」

「おや、お知り合いだったのですな。(ロスト)」
「あら?お知り合いだったのですねミコト?(シトラ)」





「…ちょっと君誰「無理があるぞ。」


街に入る前はシトラに対して誤魔化していたハズの命(ミコト)だが、色々あって素が出てしまい隠し切れなくなってしまったのだった。


「まぁ…ミコト、いつの間に【鬼神】さんとお知り合いに…(シトラ)」

「色々あったんですよ、色々と。ね?命(ミコト)さん?」
↑(治療費欲しさに、ゴーマン元男爵が出した殺害依頼によって殺されそうになった人。)

「え、あ、あぁ…(ミコト)」
↑(治療費欲しさに、ゴーマン元男爵が出した殺害依頼を受けた人。)

「ミコトが私以外の人に心を開く(?)なんて…
一体どんな切っ掛けだったのですか?(シトラ)」
↑(恐らく治療費が必要だった人。)


シトラ曰く、これでも命(ミコト)は心を開いている判定らしい。

命(ミコト)としては切っ掛けをシトラに聞かれると困るらしく、いつも以上に歯切れが悪かったが、ノアとしては都合が良かった。


ヒソヒソ…

「良いんですかぁ?
切っ掛け話しちゃいますよ、ミコっさぁん?
知られたく無いんですよねぇ?
さっきも彼女に誤魔化してましたしぃ。(小声のノア)」

「い、言う、言う、言う…
だから、お嬢には、黙って…(小声のミコト)」

「へへへ、分かってますよぅ。(小声のノア)」


(((((((…わぁ、何か悪い顔してる…(シトラ以外の面々。))))))))


今更赤の他人を装うとした命(ミコト)には流石に無理があり、半ば脅しの様な交渉術で街を発つ理由を聞くノアなのであった。





「″綿花栽培を生業としている一家の娘″さん?
…と言うと、彼女は貴族の娘さんですか?(小声のノア)」

「違う。でも豪商。
金持ち、広大な土地、所有。(小声のミコト)」

「ほぅ…それで、その豪商の娘さんと命さんが何でこの街に…?
…というか、あの娘ですよね?治療費が必要だったのって。(小声のノア)」

コク。


命(ミコト)と一緒に居た娘シトラは、カステロの街から南西に位置する広大な土地で綿花栽培を生業としている豪商の娘なのだと言う。

綿花とは一般的に綿糸や綿織物等の服飾等の素材として知られているが、種は食用油や石鹸。
搾油後のカスは飼料や肥料等、幅広く扱われている物である。


「シトラの親、バルディック・ロスト、伯爵の隣領を、使わせて貰ってる。
ただ、1年位前から良くない奴等、彷徨いて耕地拡大の邪魔と、事業の明け渡しを求めて来てた。(ミコト)」

「え?綿花栽培をまるっと明け渡し?
大分無茶苦茶じゃない?」

「うん、無茶苦茶。
断り入れたら、『災いが振り掛かるぞ』って脅された。
無視してたら、シトラに毒盛られた。(ミコト)」

「ほぅ…」

「どうやら、金貰って内通してた者が居た。
他に内通者居ないか、炙り出しと、これ以上の被害受けない為、獣人国近くの街に逃げて療養してた。
この間炙り出し完了の文、来た。
シトラの治療完了したから、帰る途中、だった。(ミコト)」

「…まさかと思うけど、ロストさんと良くない奴等が繋がってるかも知れないから早々に街を発とうとしてるとか?」

「可能性はある…
…けど、やり方が回りくど過ぎるから、そちらの線は無いと思う。
逆にバルディック・ロスト伯爵に、迷惑掛けたく無い。だから発つ。(ミコト)」

「あ、そっちの理由ね。」


街を足早に発とうとしていたのは、バルディック・ロスト伯爵がシトラに毒を盛ったと思われる良くない連中と繋がっている疑いがある訳で無く、単に迷惑を掛けたくないから、らしい。


「なる程ね。
…そういえば、シトラさん。湯疲れだったらしいけど、治ったの?」

「う…ま、まだ…(ミコト)」

「路銀は?」

「…瓦礫の下…(ミコト)」

「じゃあさ、少しの間行動共にしない?」

「…え?(ミコト)」
しおりを挟む
感想 1,255

あなたにおすすめの小説

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...